百鬼夜行抄が無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2026年
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『百鬼夜行抄』が見れる動画配信サービス

現在、Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。

配信サービス視聴可否
Netflix
Amazon Prime Video視聴可能
Disney+
Hulu視聴可能
U-NEXT視聴可能

『百鬼夜行抄』とは?作品の見どころ

亡くなった祖父から受け継いだ『妖しいモノたちを視る力』を持つ高校生・飯嶋律。彼が暮らす旧い日本家屋には、夜ごと不思議な訪問者がやってきて――2026年春、コミックス累計700万部超の幻想ホラーサスペンス『百鬼夜行抄』が、ついにテレビアニメ化されました。原作・今市子(『ぶーけ』『COMIC リュエル』『EMPEROR HORROR COMICS』など連載)の独特な絵柄を、原作画面そのままデータ化して動かすという前代未聞のアニメ制作方式が話題を集めています。

本作はショートアニメ形式で、テレビ神奈川(tvk)にて2026年4月7日(火)より毎週火曜深夜21:55から放送中。アニメーション制作はImagica InfosとImageworks Studioの共同体制、制作協力にUWAN Picturesが入る独自の制作座組です。製作は朝日新聞出版、企画は大日本印刷というメディア企業連合での挑戦作で、監督は深瀬沙哉が務めます。

見どころは、原作の絵をそのまま動かす『静から動へ』の独特な質感と、岡本信彦が演じる主人公・飯嶋律の繊細な心情の描き分けです。配信網も豊富で、dアニメストア、U-NEXT、Amazon Prime Video、ABEMA、TELASA、Lemino、FODなど主要VODのほぼ全てで視聴可能。30年以上愛され続けてきたシリーズが、ついに動く律と妖しい訪問者たちの世界として立ち上がります。

『百鬼夜行抄』を全話無料で見る方法

アニメ『百鬼夜行抄』を全話無料で視聴したい場合、最も手堅い選択肢はdアニメストアの初回31日間無料体験を活用する方法です。月額550円のアニメ専門サービスで、本作は地上波放送と同時に最新話が配信されており、新規登録すれば31日間は料金が一切発生しません。U-NEXTの31日間無料トライアル、Amazon Prime Videoの30日間無料体験を活用しても同様に最終話まで一気見できます。

dアニメストア(31日間無料体験)

本作はdアニメストアで毎週火曜深夜、地上波放送と同時に最新話が配信されています。月額550円で5400作品以上のアニメが見放題のサービスで、新規登録すれば31日間は無料で全機能を利用できます。スマホ・タブレット・テレビ・PCのいずれからもアクセス可能で、ショートアニメ尺の本作なら無料期間内に余裕で全話を視聴できます。倍速再生やオフライン視聴に対応しているため、放送に追いついていない方が一気見する用途にも適しています。

U-NEXT(31日間無料トライアル)

月額2189円のU-NEXTでも本作は見放題対象として配信中です。新規入会で31日間の無料トライアルが付き、その期間中であれば最終話まで料金なしで鑑賞できます。登録時に600ポイントが付与されるため、原作漫画『百鬼夜行抄』の電子書籍購入にも応用可能で、アニメと原作を同時に追える点が便利です。映画・ドラマも豊富にカバーする総合サービスのため、家族での共有にも向いています。

Amazon Prime Video(30日間無料体験)

Amazonプライム会員特典の一部として30日間の無料体験が提供されており、本作は2026年4月から見放題対象として配信されています。月額600円もしくは年額5900円という低価格設定に加え、お急ぎ便などの配送特典も同時に利用できる点が魅力です。

ABEMA、TELASA、Lemino、FOD、DMM TV、ニコニコ動画、バンダイチャンネル、Hulu、AnimeFesta、J:COM STREAM、ふらっと動画、milplusなど、本作は主要な動画配信サービスのほぼ全てで配信されています。多数の選択肢があるため、すでに何らかのサービスを契約している方はそのまま視聴できる可能性が高いです。確実に全話を新規無料体験で視聴したい場合は、上記のdアニメストア、U-NEXT、Prime Videoのいずれかを選ぶのが最も安心です。

あらすじ

物語の始まり

舞台は、東京近郊の閑静な住宅街。大正時代から残る旧い日本家屋に、本作の主人公・飯嶋律は家族と暮らしています。広い庭、奥行きのある縁側、薄暗い廊下――この家は、亡くなった祖父・蝸牛がかつて『妖しいモノたちと交わる力』を持っていた場所でもありました。律もまた、祖父から受け継いだその力を生まれつき持っており、普通の人には見えない『あちら側の住人』が日常的に視界に入ってしまうのです。

律自身は、できることなら『普通の高校生』として過ごしたいと願っています。視える力は便利ではなく、むしろ厄介で疲れるもの。けれども、彼の家には『あちら側』からの訪問者が絶え間なく現れ、それぞれが律に願いごとや恨みごとを訴えかけてきます。律は、祖父の遺した知識と独自の経験を頼りに、彼らの事情を丁寧に解きほぐしながら日常を生きていきます。

妖しい訪問者たちの群像劇

本作は1話完結のオムニバス形式で、毎話異なる『訪問者』との出会いが描かれます。蓮の花の精、忘れられた地蔵、迷子の童子、悲しい執着を抱えた女性、家を守る古い座敷童――登場するのは、人ならざる存在ばかりですが、彼らはみな何らかの未練や思いを抱えており、律と関わることで少しずつ救われていきます。

物語の特徴は、ホラー要素と人情劇の絶妙なバランスです。怖さの先に必ず温かさがあり、訪問者たちの事情を知ることで読者・視聴者は『見えないものへの優しさ』を再発見していきます。原作者の今市子は『誰も悪くない、ただすれ違っているだけ』というテーマを30年以上にわたって書き続けており、本作のアニメ版もその精神を忠実に継承しています。

飯嶋家の人々

律の周囲には、彼の力を理解し、ときに支え、ときに翻弄する家族たちがいます。亡くなった祖父・蝸牛、現在の当主である祖母・八重子、律の叔父にあたる飯嶋司、そして従兄弟の青嵐(飯嶋孝弘)。彼らはそれぞれが独自の経験と立ち位置で『あちら側』との関わりを持っており、律が訪問者と向き合う際の頼れる相談相手になります。

物語が進むにつれ、律の力の根源にある祖父・蝸牛の過去や、飯嶋家が代々背負ってきた『あちら側との約束』にまつわる謎も少しずつ明かされていきます。本作は、家族の歴史と幻想ホラーが緩やかに重なり合う、独特のサスペンス構造を持っています。

登場人物

飯嶋律(声・岡本信彦)

本作の主人公、旧い日本家屋に暮らす男子高校生。亡くなった祖父・蝸牛から受け継いだ『妖しいモノたちを視る力』を持つ繊細な少年です。本人は『普通の高校生』として過ごしたいと願っていますが、毎日のように家を訪れる『あちら側』の住人たちに翻弄されながらも、彼らの事情を丁寧に聞き、解決へと導く優しさを併せ持ちます。声を担当する岡本信彦は『デュラララ!!』『暗殺教室』『七つの大罪』『はめふら』など多数の主役級経験を積んできた人気声優で、本作では律の控えめな性格と、ふとしたときに見せる芯の強さを声色で巧みに描き分けています。

飯嶋司(声・長谷川育美)

律の叔父にあたるキャラクター。落ち着いた物腰の大人で、律にとっては最も頼れる相談相手です。彼自身も『あちら側』の存在を感知できる感覚を持ちますが、律ほどの強い力ではないため、客観的な視点で律をサポートします。声を担当する長谷川育美は『ぼっち・ざ・ろっく!』の喜多郁代役、『SHY』のしゅお役などで実績を積んできた人気声優で、本作では大人としての包容力と、家族としての温かさを声で表現しています。

青嵐/飯嶋孝弘(声・近藤浩徳)

律の従兄弟にあたるキャラクターで、本作のもう一人の重要人物。律よりも年上で、独自の経験から『あちら側』との関わり方を熟知しています。冷静で頭の切れる青年ですが、ふとした瞬間に見せる優しさが律にとって支えとなる存在です。声を担当する近藤浩徳は『盾の勇者の成り上がり』などで存在感を示してきた声優で、本作では青嵐の知性と影のある雰囲気を低めの声色で支えています。

飯嶋蝸牛(声・喜屋武和輝)

律の祖父にあたる人物で、物語開始時にはすでに故人ですが、回想シーンや家族の語りを通じて頻繁に登場する重要キャラクターです。生前は『あちら側』との交渉に長けた稀有な才能の持ち主で、彼の遺した知識と人脈が、律が訪問者たちと向き合う際の指針となっています。声を担当する喜屋武和輝は本作で物語の縦軸を担う重要な役を演じています。

飯嶋絹(声・三宅麻理恵)

律の母にあたる女性キャラクター。家庭的で穏やかな性格ですが、夫の飯嶋家代々の業を理解しており、律の力に対しても適切な距離感で接する母親です。彼女は『あちら側』の存在には極端に近づきもせず、避けもせず、律が日常生活を送れるようさりげなく支える役割を担っています。

飯嶋八重子(声・夏谷美希)

律の祖母にあたる人物で、現在の飯嶋家の精神的支柱です。亡き夫・蝸牛の代から続く飯嶋家の伝統を守り続けるベテラン。律にとっては祖母であると同時に、家の歴史と『あちら側』との関わりを伝える師匠的存在でもあります。

訪問者たち(毎話のゲストキャラクター)

本作の魅力のひとつは、毎話登場する『あちら側』の訪問者たちです。蓮の花の精、忘れられた地蔵、迷子の童子、悲しい執着を抱えた女性、家を守る古い座敷童など、それぞれが個性豊かな存在感を放ちます。彼らは決して『悪』ではなく、それぞれに事情と思いを抱えた存在として丁寧に描かれており、律との交流を通じて少しずつ救われていく姿が、本作のもっとも繊細な感動の核を担います。

スタッフ・キャスト陣

本作のアニメ制作はImagica InfosとImageworks Studioの共同体制で進められています。Imagica Infosは映像のポストプロダクションを得意とする老舗で、近年はアニメ制作にも進出している企業。Imageworks Studioは独自の3DCG技術と2Dアニメの融合を得意とする若手スタジオで、本作のような『原作の画面そのものを動かす』独自の制作方式に最適化された技術力を提供しています。制作協力にUWAN Picturesも参加しており、三社の連携で本作の独特な質感が実現されました。

本作の最大の特徴である『原作の絵をそのままデータ化して動かす』という制作方式は、アニメ業界でも極めて珍しい手法です。今市子の繊細な線画をそのまま生かしながら、最低限の動きと豊かな効果音、声優の演技を重ねることで、絵本の挿絵が動き出すような独特の映像体験を生み出しています。これは原作ファンへの最大のリスペクトであると同時に、新規視聴者にとっても『漫画とアニメの中間』に位置する新しい鑑賞形式として話題を集めています。

監督を務めるのは深瀬沙哉。これまで配信向けの中編アニメや実験的な短編作品で実績を積んできた監督で、本作のような『原作の絵をそのまま動かす』というコンセプトに最適化された演出力を持ちます。深瀬は本作のために、各話の絵コンテに先立って原作のページを実物大でプリントアウトし、どのコマを動かしどのコマを静止画として残すかを徹底的に検討したと公式インタビューで語っています。

音響監督・三浦妙子、音響効果・宅間麻姫の二人体制も、本作の世界観を支える重要な要素です。三浦は声優陣の演技を細やかに引き出し、宅間は『あちら側』の存在感を表現する繊細な効果音を綿密に作り込みました。古い日本家屋の畳がきしむ音、訪問者たちが現れる瞬間の微かな空気の振動、夜の縁側に響く虫の音――こうした細部の音響が、本作の幻想的な雰囲気を完璧に支えています。

企画は大日本印刷株式会社、製作は朝日新聞出版という、メディア・出版業界の有力企業の連合体制で進められています。原作が長年連載された朝日新聞出版『EMPEROR HORROR COMICS』レーベルの強い後押しがあり、本作のアニメ化は『30年以上愛され続けたシリーズへの大切な恩返し』として位置づけられています。

主演キャスト

飯嶋律役の岡本信彦は、『デュラララ!!』の紀田正臣、『暗殺教室』の赤羽業、『七つの大罪』のキング、『はめふら』のジオルド・スティアートなど主役級経験豊富な人気声優です。本作の律という難役を演じるにあたり、彼は『見えるけれど見たくない少年』というキャラクター造形を、声色の繊細な変化で表現することに挑戦しました。普段の彼の演技にはない『力を抑えた声』が、本作の律の繊細さを支えています。

飯嶋司役の長谷川育美、青嵐役の近藤浩徳、蝸牛役の喜屋武和輝、絹役の三宅麻理恵、八重子役の夏谷美希もそれぞれ確かな演技力で、本作の繊細な家族劇を支えています。

興行収入・話題

放送開始時の反響

2026年4月7日に放送開始した本作は、テレビ神奈川(tvk)での放送に加え、dアニメストア・U-NEXT・Amazon Prime Video・ABEMA・TELASA・Lemino・FODなど主要動画配信サービスのほぼ全てで配信が整備されており、初週から複数プラットフォームで上位ランキングを獲得しました。X(旧Twitter)では『#百鬼夜行抄』が深夜帯トレンド入りし、原作世代から『30年待ったかいがあった』『今市子の絵がそのまま動いている』といった感動の声が殺到しました。

原作シリーズの規模

原作漫画『百鬼夜行抄』は、今市子が1995年から朝日ソノラマ『ネムキ』、その後朝日新聞出版『EMPEROR HORROR COMICS』へと連載媒体を移しつつ、現在も連載が続いている長寿シリーズです。シリーズ累計部数は700万部を超え、日本の幻想ホラー漫画の金字塔として根強いファンを抱えています。アニメ化発表以降、原作の電子コミックランキングは急上昇し、書店では特設フェアが各地で展開されています。

専門誌・批評の評価

アニメ専門誌『PASH!』『リスアニ!』では、放送開始前から大型特集が組まれ、岡本信彦・長谷川育美のロングインタビューや、原作者・今市子への取材記事が掲載されました。『コミックナタリー』のレビューでは『原作の絵そのものをアニメで動かすという挑戦が見事に成功している』『岡本信彦が演じる律の繊細さが、原作のキャラクター像をそのまま音にした名演』と評価されています。配信プラットフォーム上の平均評価は4点台後半(5点満点)と、2026年春アニメの中でも高水準の数字を維持しています。

IPの広がり

放送開始後、原作30周年を意識した記念企画、関連グッズ販売、原作コミックスの全巻電子化キャンペーンなど、本作を中心とするメディアミックス展開が活発化しています。朝日新聞出版と大日本印刷はBlu-rayとDVDのリリースをすでに発表済みで、放送終了後の長期的な展開も視野に入れた制作が進められています。

ネタバレ

※ここからネタバレを含みます。

原作のオムニバス構造

本作は1話完結のオムニバス形式で進行します。各話で律が出会う『訪問者』はそれぞれ独立したエピソードとして描かれ、彼らとの交流を通じて律自身も少しずつ成長していきます。原作30年の歴史の中から特に名作として知られるエピソードが選ばれており、原作読者にとっては『あの話が動いている!』という感動が連続する構成です。

飯嶋家の縦軸

各話のオムニバス構造の背後には、飯嶋家代々の物語という縦軸が静かに流れています。亡き祖父・蝸牛が遺した約束、飯嶋家が代々守ってきた家の中の禁忌、そして律が将来引き受けることになる『家を継ぐ意味』。これらの要素は、各話の事件を通じてさりげなく示唆され、シリーズ最終話に向けて少しずつ織り上げられていきます。

青嵐の役割

律の従兄弟・青嵐は、原作でも本作でもキーキャラクターとして重要な位置を占めています。彼は律の力を理解し、ときに先回りして危険な訪問者から律を守る役割を担っていますが、その背景には彼自身の過去と『あちら側』との因縁があります。シリーズ中盤以降、青嵐の過去にまつわる回想エピソードが描かれ、律と彼の関係性に新たな深みが加わっていきます。

結末への伏線

本作のショートアニメは、原作の長大なシリーズの『序章』としての位置づけです。全話が終わっても、原作はまだ多数のエピソードを抱えており、視聴者は『動く律をもっと見たい』という渇望を抱えながら原作へと誘導される仕掛けになっています。深瀬沙哉監督は公式番組で『続編が制作される機会があれば、原作のさらに深い物語まで描きたい』と語っており、ファンの期待が継続しています。

各話の救いの形

本作の特徴は、ホラーで終わらないことです。毎話の訪問者は、最終的に何らかの形で『救われる』、もしくは『理解される』結末を迎えます。それは仏教的な成仏ではなく、より人間的な『話を聞いてもらえた』という感覚に近いもの。視聴者は毎話、律と一緒に訪問者たちの事情に耳を傾けることで、自分自身の中の『見えないけれど確かにある思い』にも触れていく――そんな繊細な視聴体験が本作の最大の魅力です。

トリビア

  1. 原作『百鬼夜行抄』は1995年から朝日ソノラマ『ネムキ』で連載が始まり、媒体を変えながら現在も続いている超長寿シリーズです。2026年で連載31周年を迎え、今市子の代表作として国民的な支持を集めています。

  2. 本作のアニメ化で採用された『原作の画面をデータ化し動かす』という制作方式は、日本のアニメ業界では極めて珍しい挑戦です。Imagica InfosとImageworks Studioが共同開発した独自のワークフローにより、原作の繊細な線画をそのまま動かすことが実現されました。

  3. 主役・飯嶋律の声を担当する岡本信彦は、原作のファンを公言してきた声優です。本作のオファーが届いた際、彼は『この役のためなら何でもする』とプロデューサーに即答したというエピソードが公式番組で明かされています。

  4. 監督・深瀬沙哉は、本作の制作に先立って原作全巻を読み返し、さらに今市子本人へのロングインタビューを実施しました。彼女が原作のどのコマに特に強い思い入れを持っているかをヒアリングしたうえで、アニメ版で動かすカットの選定に活かしたという徹底ぶりです。

  5. 本作の音響演出は、古い日本家屋の音響特性を再現するため、実在する明治・大正期の建築物で環境音を録音しました。畳の軋む音、縁側の砂の音、庭の竹の揺れる音など、現代では再現が難しい音色を多数収録しています。

  6. 原作者・今市子は、本作の制作期間中、ほぼ毎週の制作会議にオンライン参加しました。各話の演出方針や、訪問者たちのデザイン、効果音のニュアンスまで、彼女の細やかな監修が本作の世界観を支えています。

  7. 本作の放送局がテレビ神奈川(tvk)に絞られたのは、企画段階から『首都圏のローカル局で深夜にじっくり観てもらう作品にしたい』という方針があったためです。地上波での放送局は限定されつつも、配信網は最大限広く展開するという独自のメディアミックス戦略が採られています。

撮影裏話

30年シリーズの初アニメ化

本作のアニメ化企画は、原作連載開始30周年(2025年)の記念企画として2023年から動き始めました。朝日新聞出版、大日本印刷、Imagica Infos、Imageworks Studioの四社が連携し、『どうすれば今市子の絵を最大限活かせるか』を徹底的に検討。約3年がかりの企画開発期間を経て、2026年春の放送に漕ぎ着けています。

原作の絵を動かすという挑戦

本作の最大の発明は『原作のページをそのままアニメ化する』というアプローチです。Imageworks Studioが独自開発した『線画データ抽出技術』により、原作の各コマを高精度でデジタル化し、それを動画素材として加工。最低限の補完作業で動きを与えるため、原作の繊細な線質が保たれたまま動きが生まれるという独特の質感が実現されました。

監督・深瀬沙哉の演出哲学

深瀬沙哉監督は、本作の制作で『動かしすぎないこと』を最優先の方針としました。アニメは動いてこそアニメ、という伝統的な思想に対して、本作は『動かないことの美しさ』を意識的に選び取っています。各話の絵コンテには『この場面は静止画のままで』という指示が随所に書き込まれており、視聴者は漫画を読んでいる感覚と、アニメを観ている感覚を行き来する独特の体験を味わうことができます。

岡本信彦の役作り

岡本信彦は、本作の収録に先立って原作全巻を改めて読み返し、律というキャラクターの『静かな強さ』を声色で表現するための準備を入念に行いました。彼は『律は決して大声を出さない、けれど芯はとても強い』という人物像を意識し、収録現場では普段の彼の演技より一段控えめな発声を採用しています。共演の長谷川育美、近藤浩徳らとの息の合った掛け合いは、岡本のリードによる繊細な現場作りに支えられています。

原作者・今市子の監修

原作者・今市子は、本作の制作にあたって毎週の制作会議にオンライン参加し、各話の演出方針について細やかなフィードバックを送り続けました。特に訪問者のデザインや、彼らが現れる瞬間の『間(ま)』については、今市子自身が長年描き続けてきた感覚を直接スタッフに伝える機会が多く設けられました。

音響への徹底したこだわり

音響監督・三浦妙子と音響効果・宅間麻姫は、本作のために実在する明治・大正期の日本家屋で環境音の録音を行いました。畳の軋む音、縁側の砂の音、襖の開閉音、庭の竹のさざめき――こうした細部の音色が、本作の幻想的な雰囲気を画面の説得力に変えています。声優の収録ブース内にも、古い和室の壁紙を再現する素材が一部配置され、声優の声に独特の響きを加える工夫がされました。

配信網の広さ

本作の配信網は、ショートアニメとしては破格の広さを誇ります。dアニメストア、U-NEXT、Amazon Prime Video、ABEMA、TELASA、Lemino、FOD、DMM TV、ニコニコ動画、バンダイチャンネル、Hulu、AnimeFesta、J:COM STREAM、ふらっと動画、milplus――15以上のサービスでの配信が同時に始動した背景には、朝日新聞出版と大日本印刷の連携によるメディアミックス戦略があります。原作30周年を最大限に祝うための、業界横断的な取り組みとして本作は記憶される作品となるでしょう。