カッコーの巣の上でが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

1975年
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『カッコーの巣の上で』が見れる動画配信サービス

現在、U-NEXT で視聴できます。

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『カッコーの巣の上で』とは?作品の見どころ

オレゴン州、丘陵地帯にある州立精神病院。鋭い目と人懐こい笑顔を併せ持つひとりの中年男マクマーフィーが、刑務所の労働を回避するため、精神疾患を装って病棟に送り込まれてきます。彼が出会うのは、規律正しく整然と運営される病棟と、長年その規律のなかで「動きを止められた」患者たちでした。穏やかな声で日々のスケジュールを告げるラチェッド看護婦長と、画面の隅で本能的に従う患者たち――マクマーフィーがその秩序を、ひとつずつ揺さぶり始めるところから、本作のすべての出来事は始まります。

1975年に公開されたアメリカ映画で、ジャンルは社会派の人間ドラマです。原作はケン・キージーの長編小説『カッコーの巣の上で』。監督はチェコスロバキア出身のミロス・フォアマン、脚本はローレンス・ホーベンとボー・ゴールドマン。マクマーフィー役にジャック・ニコルソン、ラチェッド看護婦長役にルイーズ・フレッチャー、語り手役チーフ・ブロムデンにウィル・サンプソンが配されています。撮影はハスケル・ウェクスラー、音楽はジャック・ニッチェ。

最大の見どころは、精神病棟という閉ざされた小さな世界を舞台に、自由と規律、個人と集団、笑いと暴力の境界を粘り強く描き切る筆致と、ジャック・ニコルソンとルイーズ・フレッチャーが体現する正面対決の演技にあります。本作は第48回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞の主要5部門を独占受賞した、20世紀映画史でも稀な記念碑的1作です。

『カッコーの巣の上で』を全話無料で見る方法

『カッコーの巣の上で』を全話無料で見る方法は、現時点での日本国内の主要動画配信サービスでは、U-NEXTのサブスクリプションに加入することです。サービスへの登録だけで、追加課金なしに最後まで視聴できます。

U-NEXT

U-NEXTでは、HBO Maxの一部作品ラインナップとして本作が見放題対象に含まれています。U-NEXTのアカウントを開設し月額プランに加入すれば、専用アプリやブラウザから再生できます。新規登録時に無料体験が用意されているケースもあり、その期間内に視聴することも可能です。U-NEXTは大画面のテレビ用アプリやスマートフォン、ブラウザに対応しており、自宅のリビングでじっくり鑑賞するスタイルにも向きます。

有料視聴ルート(補足)

見放題ではないルートとしては、Apple TVやGoogle Play Movies、Amazon Videoなどデジタル販売プラットフォームでのレンタルおよび購入が選択肢になります。これらは「無料の手段ではないが、視聴ルートとして補足」しておきます。地上波・BSの映画チャンネルでも繰り返し放送される定番作品で、テレビ番組表で本作のタイトルを見かけることもあります。

まとめると、現時点で日本国内において、登録だけで全編無料の見放題で視聴できるのはU-NEXTです。Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、Huluの主要4社の見放題プランには本作は含まれていません。状況は時期によって変わりうるため、視聴前には各サービス公式の最新情報を確認することをおすすめします。

あらすじ

物語の始まり

物語の舞台は、オレゴン州の丘陵地帯にある州立精神病院。表向きは患者の治療と保護を目的に運営される閉鎖病棟ですが、その内部には独自の秩序と緊張が漂っています。看護師長ミルドレッド・ラチェッドの落ち着いた声に従って、患者たちは規則正しく食事を取り、薬を飲み、グループ・セッションに参加します。長年そこに居続ける患者たちにとって、病棟はもはや「家」とほとんど変わらない場所になっていました。

主人公を待ち受けるもの

そんな病棟に、ある日新しい患者がやってきます。名前はランドル・パトリック・マクマーフィー、通称マック。労働農場での重労働を回避するため、社会的逸脱の理由から精神疾患を装って医療機関での評価を受けることに同意し、病院送りとなった人物です。鋭い目と意志の強さを持ちながら、人を惹きつける笑顔と冗談を絶やさず、彼は短い時間で病棟の内側に独自の磁場を作り出していきます。

マックはまず、規律の象徴であるラチェッド看護師長の運営する「グループ・セッション」に揺さぶりをかけます。患者たちが順番に自分のトラウマや家族の事情を話し合うこの場で、彼は「ワールド・シリーズの試合をテレビで見せてほしい」と提案。ラチェッドは民主的な投票という形を取りつつ、結果として彼の提案は通らないように仕向けていきます。けれどもマックは諦めず、画面に映らない試合の中継を実況する真似で、患者たちの想像力に火をつけ始めます。

物語が進むにつれて立ち上がってくるのは、病棟の内側に長く積もってきた「黙って従う」という習慣そのものです。マックは患者たちの内側に残っていた笑い、好奇心、欲望、怒りを次々と解放していきます。彼が無断で連れ出した患者たちで漁船を奪い、海釣りに出る一連の場面、女友達のキャンディーとローズを連れ込んでバーティーを開く中盤の場面――いずれも病棟の規律を直接的に揺さぶるエピソードとして、本作の中盤を支えます。けれどもラチェッドは決して声を荒げず、整然とした規則を盾に、自分の管理下に病棟を取り戻そうとし続けます。

登場人物

ランドル・パトリック・マクマーフィー(演:ジャック・ニコルソン)

本作の主人公。労働農場での重労働を回避するため、軽度の精神症状を装って病院送りになった、賭け事好きで人懐こい中年男です。彼は本作のあらゆる場面で「規則を笑い飛ばす男」として振る舞い、患者たちの内側に長く眠っていた感情を呼び起こします。ジャック・ニコルソンの細い目の鋭さ、口元の皮肉な笑い、首をわずかに傾けて相手の目を覗き込む癖――いずれも本作のマック像を不可分に支えています。

ミルドレッド・ラチェッド看護師長(演:ルイーズ・フレッチャー)

病棟の運営を一手に担う看護師長。声を荒げず、決して直接的な暴力を振るわず、しかし患者たちの行動の細部まで管理し続ける支配的なシステムの象徴です。彼女が見せる微細な眉の動き、わずかな唇の開き、長い沈黙の使い方――いずれも本作の冷たい暴力の描写の中心にあります。ルイーズ・フレッチャーは本作で第48回アカデミー主演女優賞を受賞しました。

チーフ・ブロムデン(演:ウィル・サンプソン)

病棟で長年「聾唖者」とされてきた巨漢のネイティブ・アメリカン。彼が本当に聾唖なのか、それとも社会との対話を自ら断ち切っているだけなのかという問いが、本作の中盤の重要な手がかりとなります。原作ではこの人物が一人称の語り手として物語を担っており、本作の感情の中心を担う存在として描かれます。ウィル・サンプソンはこの役で大きな注目を浴び、ネイティブ・アメリカン俳優としての地位を確立しました。

ビリー・ビビット(演:ブラッド・ドゥーリフ)

吃音と母親への強い恐れに苦しむ若い患者。マックの存在によって少しずつ自信を取り戻していくが、ある夜の出来事をきっかけに本作の中盤の感情の頂点を担う人物となります。ブラッド・ドゥーリフは本作のビリー役で、英国アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。

マルティーニ(演:ダニー・デヴィート)/テイバー(演:クリストファー・ロイド)/フレデリクソン(演:ヴィンセント・スキャヴェリ)/ハーディング(演:ウィリアム・レッドフィールド)

病棟に長年いる患者たち。それぞれが異なる症状とエピソードを抱えながら、マックの登場によって少しずつ自分自身の感情を取り戻していく人物として描かれます。本作の現場で起こる笑いと痛みは、いずれも彼ら一人ひとりの繊細な芝居で支えられています。

スタッフ・キャスト陣

監督はミロス・フォアマン。チェコスロバキア(当時)出身の映画作家で、本作以前に『火事だよ!カワイ子ちゃん』『ラブ・パテート』などで欧州の映画祭で評価を獲得し、本作で本格的にアメリカ映画界の中心に登場しました。本作以後も『アマデウス』『ラリー・フリント』『マン・オン・ザ・ムーン』『宮廷画家ゴヤは見た』など、社会と個人の倫理を真正面から扱う作品を撮り続けます。

脚本はローレンス・ホーベンとボー・ゴールドマン。原作はケン・キージーの長編小説で、当時の精神医療の閉鎖性とカウンターカルチャーへの抵抗をテーマにした名作として広く読まれていました。撮影監督はハスケル・ウェクスラー。撮影開始後にビル・バトラーが引き継ぎ、最終的に複数のカメラマンの仕事が組み合わされる形となりました。音楽はジャック・ニッチェで、ロックとフォークの感性を取り込んだ独特のスコアを作り上げています。

撮影は実際にオレゴン州にあるオレゴン州立精神病院で行われました。出演者の多くは撮影前から実際の患者と職員の生活に立ち会う取材を行い、本作の現場の手触りに直接的なリアリティをもたらしています。

主演キャスト

マクマーフィー役のジャック・ニコルソンは、本作以前にも『イージー★ライダー』『ファイブ・イージー・ピーセス』『チャイナタウン』などで実力を高く評価されていた俳優です。本作のために、彼は撮影前から実際の精神病院に長期間出入りし、医療の現場の空気を身体に染み込ませる準備を行いました。本作で第48回アカデミー主演男優賞を受賞しました。

ラチェッド看護師長役のルイーズ・フレッチャーは、本作出演前にはテレビと小規模な映画作品の出演にとどまっていた女優ですが、本作で世界的な注目を集めました。冷たい笑顔、抑制された声色、相手を制する沈黙――本作のラチェッド像は、その後の映画における「権威の象徴的女性キャラクター」のひな形のひとつとなりました。

ウィル・サンプソン、ブラッド・ドゥーリフ、ダニー・デヴィート、クリストファー・ロイド、ヴィンセント・スキャヴェリ、ウィリアム・レッドフィールドら、本作以降にハリウッドで主役級のキャリアを築いていく俳優たちが、本作で素晴らしいアンサンブルを形成しています。

興行収入・話題

興行収入・話題

製作費は約450万ドル。世界興行収入は1億800万ドルを超え、当時としては桁違いのヒットとなりました。本作はアメリカ国内で公開後ロングランヒットを記録し、各国でも世代を越えて長く視聴される作品としてのポジションを確立しました。家庭用ビデオの普及期と重なって、本作のソフトセールも長期にわたって安定し、製作会社の代表的な収益作品となっていきます。

評価・受賞歴

第48回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞(ジャック・ニコルソン)、主演女優賞(ルイーズ・フレッチャー)、脚色賞の主要5部門を独占受賞しました。これは1934年の『或る夜の出来事』以来41年ぶりの「主要5部門完全制覇」の事例として映画史に刻まれました。第33回ゴールデングローブ賞でも作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚本賞、新人男優賞(ブラッド・ドゥーリフ)の合計6部門を制覇し、英国アカデミー賞でも主要部門を多数受賞しています。批評家団体やファン投票によるオールタイムベスト選にも繰り返し登場し続け、IMDbのユーザー投票では公開以後の上位に長く位置し続けています。

ネタバレ

※ここからネタバレを含みます。

クライマックス

物語の中盤、マックは病棟の規律を揺さぶり続けながらも、ラチェッド看護師長との直接対決を避けてきました。彼が病棟を脱出するチャンスは何度かありましたが、患者たちと一緒に過ごすうちに、彼自身が脱出よりも病棟の中で「人生をやり直す」ことを優先する方向へと心情が変わっていきます。

クライマックスの夜、マックは仲間たちと共に病棟内で大規模なパーティーを開きます。アルコールを持ち込み、女友達のキャンディーを内側に招き入れ、長く吃音と母親への恐れに苦しんできたビリー・ビビットが彼女と一夜を共にするという出来事が起こります。翌朝、ラチェッド看護師長は彼らのパーティーを発見し、ビリーに対して「お母さんに伝えるわ」と冷たく告げます。母親への絶望的な恐れに引き戻されたビリーは、自身の手で命を絶ってしまいます。

仲間の死を目の当たりにしたマックは、爆発的な怒りに駆られてラチェッド看護師長に直接的な暴力を振るいます。彼は警備員によって取り押さえられ、病棟の奥へと連れて行かれます。数日後、彼は病棟に戻ってきますが、その目はもはや以前のマクマーフィーのものではなく、額には手術痕が残っていました。彼は「ロボトミー手術」を受け、人格そのものを失った状態で患者として戻ってきたのです。

結末が示すもの

夜、長年聾唖を装ってきたチーフ・ブロムデンは、ベッドに横たわる無表情のマックの隣に静かに腰掛けます。マックがかつて語っていた、自分自身の力で病棟を抜け出すという計画――人ひとりがかかえられる重い水盤を窓越しに投げ捨てる――を、チーフは自身の手で代わりに実行することを決意します。彼は枕を使ってマックを苦痛なく眠らせ、その後、病棟の窓を粉々に砕いて朝日のなかへと走り出していきます。長らく身動きを取れなかった患者たちが、開かれた窓越しに広い世界へ駆け出ていくチーフの背中を見送る場面で、本作は静かに、けれど決定的な解放感のなかに幕を引いていきます。

マックの肉体は失われましたが、彼が病棟に残したものは、患者たちの内側に確かに息づき続ける――その確信を、チーフのラストの行動が体現します。本作の結末は「悲劇」として観客の胸に深い傷を残しながら、同時に「自由」の可能性をひとつの明確なイメージとして手渡してくる、本作のもっとも重い瞬間として広く語り継がれています。

トリビア

  1. 本作の原作小説『カッコーの巣の上で』は、著者ケン・キージーが当時の退役軍人病院で勤務した経験と、彼自身の精神薬の体験を素材にした作品でした。キージー自身は1975年の本作の映画版に対しては、自身の作風を反映していないと感じて生涯にわたって距離を置いていたとも伝えられます。

  2. 本作は実際の精神病院(オレゴン州立精神病院)の建物の中で撮影されました。出演者・スタッフの多くは、撮影前から実際の医療現場の取材を行い、患者役の出演者たちが現実の患者たちと一緒に時間を過ごすこともあったと伝えられます。

  3. ジャック・ニコルソンの演技は、本作の現場で患者役の俳優陣の即興演技と相互作用しながら作り上げられました。グループ・セッションのシーンでは、台本に書かれていない反応が現場で生まれ、編集段階でその大半が採用されたと言われます。

  4. ラチェッド看護師長役には複数のベテラン女優の名が挙がっていましたが、最終的にルイーズ・フレッチャーが起用されました。彼女の声色のコントロールと身体性の精度が、本作の支配的キャラクターに不可欠な要素となりました。

  5. 第48回アカデミー賞の主要5部門独占受賞は、当時のハリウッドで歴史的な出来事として大きく報じられました。ジャック・ニコルソンの主演男優賞は、彼にとって何度ものノミネートを経て初めての受賞となり、後年まで彼のキャリアの重要な区切りとして語られます。

  6. ブラッド・ドゥーリフは本作のビリー・ビビット役で、第33回ゴールデングローブ賞新人男優賞、第29回英国アカデミー賞助演男優賞を受賞しました。本作は彼の長編映画デビュー作にあたります。

  7. ダニー・デヴィートとクリストファー・ロイドは、本作以前にも舞台や小規模な映像作品でキャリアを積んでいましたが、本作の出演をきっかけに世界的な注目を集めました。後年、ふたりは別々の作品で長期にわたって活躍する性格俳優として、それぞれのキャリアを築いていきます。

撮影裏話

撮影の舞台裏

本作の撮影は、米国オレゴン州サレムにある実際の州立精神病院で行われました。病院側は撮影に全面的に協力し、未使用の病棟の一部を撮影現場として提供しました。患者役の出演者たちは、撮影期間中に実際の医療現場の関係者から直接話を聞く機会を持ち、現場の所作、声色、視線の置き方を細部まで身体に取り込む準備を行いました。グループ・セッションのシーンの撮影では、フォアマン監督は事前のリハーサルを最小限にとどめ、出演者たちの即興のリアクションを丁寧に拾うアプローチを採用しています。

キャストの準備

ジャック・ニコルソンは、撮影前から実際の精神医療現場に通い、ロボトミー手術の現場の見学を含む取材を行ったとされます。本作のラストの「目だけが空虚な状態のマクマーフィー」を演じるための役作りは、撮影終盤に向けて段階的に進行する形で組み立てられました。

ルイーズ・フレッチャーは、ラチェッド看護師長役のためにあえて静的で抑制された声色を選び、現場でも他の出演者たちとあえて距離を取って役を保つ方法を採ったと伝えられます。撮影現場での彼女の振る舞いは、本作の権威的な空気を支える土台のひとつとなっています。

ウィル・サンプソンは、本作の出演前は俳優としての経験がほとんどないネイティブ・アメリカンの森林警備員でした。フォアマン監督が本作のチーフ役を求めて広範な探索を行い、サンプソン本人を見出した経緯があります。本作の現場で初めて本格的な芝居を経験した彼は、そのまま本作の屈指の名演を残しました。

技術的な挑戦

本作の最大の技術的挑戦のひとつは、長時間にわたる病棟内のグループ・セッションを、観客の集中力を切らさずに見せ切る撮影設計でした。撮影監督のハスケル・ウェクスラーとビル・バトラーは、複数台のカメラを同時に運用して、出演者の即興のリアクションを取りこぼさず拾う体制を整え、編集では細かいカットを重ねて場面のテンポを支える仕事を続けました。本作の編集と音響デザインも、長尺の本編を観客の感情に乗せて最後まで運ぶ精度の高い仕事として、現在まで参照され続けています。