PERFECT BLUEが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

『PERFECT BLUE』が見れる動画配信サービス
現在、Netflix・Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。
| 配信サービス | 視聴可否 |
|---|---|
| Netflix | 視聴可能 |
| Amazon Prime Video | 視聴可能 |
| Disney+ | − |
| Hulu | 視聴可能 |
| U-NEXT | 視聴可能 |
『PERFECT BLUE』とは?作品の見どころ
アイドル・グループ「CHAM!」のメンバー、霧越未麻が、グループからの脱退と俳優への転身を発表します。プロデューサーから手渡されたサスペンスドラマの脇役――そこから始まる新しいキャリアの一歩は、これまで彼女を支えてきたファンの一部にとっては「裏切り」として映ります。インターネット黎明期の1990年代後半、ある奇妙なホームページ「未麻の部屋」――まるで未麻自身が書いたかのように彼女の日常を綴る誰かのブログ――が、彼女自身の現実と、彼女が演じる役柄の境界を、少しずつ侵食していきます。本作は、現代の有名人が直面する解離的な状況をいち早く先取りした、今敏監督の長編アニメーション・デビュー作です。
1997年制作・1998年公開の日本映画で、ジャンルはアニメーションのサイコ・スリラーです。原作は竹内義和の小説『パーフェクトブルー』。監督は今敏、脚本は村井さだゆき。アニメーション制作はマッドハウス。霧越未麻役の声を岩男潤子、留美役を松本梨香、田所役を辻親八、CHAM!のメンバーを江森浩子・篠原恵美らが担当しています。撮影は白井久男、音楽は幾見雅博。
最大の見どころは、現実と虚構の境界をシームレスに編集で行き来する今敏作品独特の演出と、未麻の精神状態が崩れていくにつれて画面そのものが信頼できなくなっていくサスペンス設計です。本作はダーレン・アロノフスキー、サトシ・コン、その他世界中の作家に大きな影響を与え、後年の『ブラック・スワン』『レクイエム・フォー・ドリーム』『インセプション』など、現実と精神の境界を扱う多数の作品の参照点となっていきました。
『PERFECT BLUE』を全話無料で見る方法
『PERFECT BLUE』を全話無料で見る方法は、現時点での日本国内の主要動画配信サービスでは、Netflix、Amazon Prime Video、Hulu、U-NEXTの4つのサブスクリプションのいずれかに加入することです。いずれもサービスへの登録だけで、追加課金なしに最後まで視聴できます。
Netflix
Netflixに加入していれば、見放題対象として本作を視聴できます。Netflixは月額料金型で、加入後すぐに視聴ライブラリの全てが利用可能となります。広告つきプランの「Netflix Standard with Ads」でも本作は視聴対象に含まれます。
Amazon Prime Video
プライム会員であれば、見放題対象として視聴できます。スマートフォン、タブレット、テレビアプリ、ブラウザのいずれからでも再生可能です。広告つきプランでも本作は視聴対象に含まれます。
Hulu
日本のHuluに加入していれば、見放題ライブラリ内で本作を視聴できます。Huluは月額料金型で、加入後すぐにライブラリの全てが利用できます。Huluは時期によって無料体験キャンペーンが提供されることがあるため、最新状況は公式サイトで確認してください。
U-NEXT
U-NEXTでは、月額プランに加入すれば見放題作品として本作を再生できます。新規登録時に無料体験が用意されているケースもあり、その期間内に視聴することも可能です。U-NEXTは大画面のテレビ用アプリやスマートフォン、ブラウザに対応しており、自宅のリビングでじっくり鑑賞するスタイルにも向きます。
そのほか、Apple TVやGoogle Play Movies、Amazon Videoといったデジタル販売プラットフォームでは、レンタルや購入の選択肢があります。これらは「無料の手段ではないが、視聴ルートとして補足」しておきます。Disney+の日本版では、現時点で本作の見放題配信は行われていません。
あらすじ
物語の始まり
物語の幕開けは、東京近郊のホールで行われる、3人組アイドル・グループ「CHAM!」のライブ。明るい黄色い衣装を着てステージで歌い踊るリードボーカル、霧越未麻は、まだ20代前半の少女です。けれども、ライブの帰りの楽屋で告げられたのは、所属事務所の決断――未麻はCHAM!を脱退し、女優として再スタートを切ることになる、という事務所のプロデューサー田所と古手のマネージャー留美の決定でした。本人としては脱退に複雑な気持ちを抱えていますが、最終的に新しい道を選ぶ決断を下します。
主人公を待ち受けるもの
女優デビュー作として未麻が出演することになるのは、サスペンスドラマ『ダブル・バインド』。当初は地味な脇役として登場するはずでしたが、製作陣からの提案で、彼女は途中で凶悪な事件のなかでレイプ被害に遭う若い女性として、重要な脇役へ役どころが拡大されます。事務所の留美は、こうした「アイドルの清純なイメージ」を踏み躙るような役を引き受けることに反対しますが、未麻は自身の意志で承諾します。撮影は予定通り進行しますが、現場で見る自分自身の姿と、自宅で目にする「もうひとりの自分」のあいだに、彼女は奇妙な距離感を覚え始めていきます。
物語の風向きが変わるのは、未麻のもとに匿名のFAXとファンレター、そしてあるホームページ「未麻の部屋」が届き始めてからです。「未麻の部屋」のページには、未麻自身の昨日の行動が、まるで本人が書いたかのように綴られています。「今日は午後2時にスーパーへ寄って、サラダの食材を買った」「マネージャーの留美と新宿駅で会った」――誰かが彼女の日常を24時間監視し、彼女自身の声を装って記録し続けているのです。
奇妙なファンレターを送りつけてくる男「内田」は、ライブ会場やテレビの現場でひと際目立っていた濃ゆい風貌の男。彼の声がインターネット越しに「未麻」と名乗って彼女を攻撃する一方、撮影現場では『ダブル・バインド』のシーンを演じている自分の姿が、自分自身のものなのか、それとも演じる役柄のものなのか、彼女の頭の中で境界が崩れ始めていきます。事務所のスタッフが次々と謎の死を遂げる事件が始まり、観客はその犯人が誰なのかを、未麻の壊れていく主観と共に追いかけていくことになります。
登場人物
霧越 未麻(声:岩男潤子)
本作の主人公。3人組アイドル・グループ「CHAM!」のリードボーカルから、サスペンスドラマの女優として再出発する若い女性。物腰柔らかで、事務所のプロデューサーと古参マネージャーに従う性格として描かれますが、本作の中盤に向けて、自身のアイデンティティそのものが「アイドル時代の自分」と「女優としての自分」のあいだで揺さぶられ続けていきます。岩男潤子の繊細な声色が、現実と虚構の境界が崩れていく未麻の心情を、本作の最後まで支える土台です。
留美(声:松本梨香)
未麻のマネージャー。元アイドルだった経歴を持つ古参のスタッフで、未麻のアイドル時代を支えてきた人物として登場します。物腰柔らかく面倒見の良い、頼れる年上の女性として描かれますが、本作の中盤、彼女自身の内側に隠された複雑な感情が、徐々に画面の上に滲み始めます。
田所 大藏(声:辻親八)
未麻が所属する芸能事務所のプロデューサー。未麻の女優転身を主導した中年男性で、職業人として現実的な決断を下しますが、現場では未麻のレイプシーンの拡大などを彼自身が押し進める形で関わっていく、本作の倫理的に複雑な人物像のひとりです。
内田(声:篠原恵美)
未麻の濃いファンの中年男性。ライブ会場やテレビの現場でひと際目立つ風貌で、彼自身が運営しているとされる「未麻の部屋」というホームページに、未麻の日常をまるで本人が書いたかのように綴り続けています。インターネット黎明期のオタク・ストーカー像を体現する人物として、本作のもっとも忘れがたいキャラクターのひとつとなっています。
『ダブル・バインド』の出演者・スタッフたち
未麻が女優デビューするサスペンスドラマの出演者・スタッフ。脚本家、監督、撮影スタッフ、共演者など、本作の中盤の現場のシーンを担う重要なアンサンブルです。彼らがレイプシーンの拡大や本作の中盤の重大な事件にどう関わるかが、本作の倫理的なサスペンスのもう一つの軸を担います。
スタッフ・キャスト陣
監督は今敏(こん さとし)。本作は彼の長編劇場アニメ監督デビュー作にあたり、本作以降『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』『妄想代理人』『夢みる機械』(未完)と続いていく、現代日本のアニメ史の中でひときわ独自のキャリアの起点となりました。原作は竹内義和の小説『パーフェクトブルー』ですが、今監督は脚本の村井さだゆきと密に作業し、原作の枠を大きく超える「現実と虚構の境界が崩れる物語」として本作を再構築しました。
アニメーション制作はマッドハウス。本作の制作には複数の凄腕の作画陣が参加しており、現実と虚構の境界が画面の上で崩れていく演出のために、編集と撮影の両方できわめて精緻な仕事が積み重ねられています。撮影は白井久男、音楽は幾見雅博、声優陣には岩男潤子、松本梨香、辻親八、江森浩子、篠原恵美ら、当時のアニメ業界の中核を担う実力派が揃いました。
本作の編集設計は、世界中の映画作家に大きな影響を与えました。とくにダーレン・アロノフスキー監督は本作を強く愛好し、自身の『レクイエム・フォー・ドリーム』『ブラック・スワン』のなかで、本作の特定のショットを敬意とともに引用しています。クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』、サトシ・コン作品の海外公開などにも、本作の影響が直接的に読み取れます。
主演キャスト
岩男潤子は、本作以前にも声優として実績を積んできた人物で、本作の未麻役の繊細な声色――アイドルとしてのステージ用の声、女優としての地に足のついた声、そして自分自身が誰なのか分からなくなっていく声――を見事に演じ分けました。本作以降、彼女は今敏作品『千年女優』にも出演し、長年にわたって監督との協働関係を続けていきます。
松本梨香、辻親八、江森浩子、篠原恵美、塩屋翼、徳丸完ら、本作の声優陣は、それぞれの役どころに合わせて本作の独特のサスペンス設計を支える仕事を担いました。
興行収入・話題
興行収入・話題
本作の劇場公開当初の日本国内興行は、当時の同種のアニメ作品としては小規模なものでした。ただし海外配給と各種映画祭での評価、家庭用ビデオ・DVDの世界各国でのリリースを通じて、本作の評判は時間とともに大きく広がり、現在では今敏作品の代表作のひとつとして、国際的なアニメ史のなかで確固たる地位を獲得しています。家庭用ビデオ・DVD・配信展開を通じて、本作は世代を越えた観客に届き続けるロングセラーとしての位置を保ち続けています。
評価・受賞歴
第1回ファンタジア国際映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞しました。アニュシー国際アニメーション映画祭、ポルトガル・ファンタスポルト映画祭などでも複数の賞を獲得し、本作の独特の作風が世界的に評価されました。批評家団体やファン投票によるオールタイムベスト選にも繰り返し登場し続け、IMDbのユーザー投票では公開以後の上位に長く位置し続けています。後年、ダーレン・アロノフスキーが『ブラック・スワン』を発表した際、本作との類似性が広く議論されたことで、本作の知名度はさらに国際的に広がっていきました。
ネタバレ
※ここからネタバレを含みます。
クライマックス
物語の中盤、『ダブル・バインド』の脚本家、写真家、田所プロデューサーらが、次々と謎の方法で殺害されていきます。被害者はいずれも、未麻の女優転身に関わってきた人物。事件のたびに、未麻の自宅に犯人らしき人物が侵入した形跡が残され、未麻自身が「自分が殺したのではないか」と疑い始めます。彼女の精神状態は、現実と『ダブル・バインド』の劇中シーン、そしてかつてのアイドル時代の記憶のあいだで断裂し、観客にとっても「いま画面に映っているのは現実なのか、ドラマなのか、彼女の妄想なのか」が分からない状態が続きます。
物語のもうひとつの転換点は、未麻のもとに直接襲撃に来たストーカー「内田」の場面です。未麻の自宅で内田に襲われた彼女は、ハンマーで応戦し、内田を反撃で倒します。けれども本作の中盤後、観客には「内田は未麻の留美によって既に殺害されていた」という事実が、徐々に明かされていきます。
結末が示すもの
物語のクライマックスで、本作の真犯人が留美であることが明らかになります。留美自身は、若き日にアイドルだった経歴を持ちながらも芸能界で挫折した人物で、未麻のアイドル時代の自分自身に「もうひとりの未麻」を投影し続けてきました。彼女は未麻が女優転身したことで「自分が大切にしていた未麻」が消えたと感じ、「アイドルの未麻として生きる自分自身」に乗り換える形で、未麻の周辺の人物を次々と排除しようとしていたのです。
本作のラストの追跡シーンでは、雨のなかをかつてのアイドル衣装で踊りながら走る留美と、それを追いかける素のままの未麻の姿が、街路の鏡越しに同時に映し出されます。留美は彼女自身の心の中で「自分こそが本物の未麻」と信じきっていますが、ガラス越しに自分の老けた顔を直視させられた瞬間、その妄想は崩れ落ちます。彼女は最終的に、自分自身を傷つけながら街路に倒れ込み、未麻によって救出されることになります。
ラストシーンは、留美が長期入院している精神科の病院。未麻が見舞いに訪れる場面です。留美は窓辺の椅子に静かに座り、まだ自分自身を未麻だと信じきっています。未麻はそれを否定することなく、看護師たちに「お疲れさまです」と丁寧に挨拶して帰っていきます。彼女は自身のミラー越しに自分自身の顔を見つめ、はっきりと「私は本物よ」と告げて画面が暗転します。本作のテーマである「複数の自分自身のあいだで本物を見つけ直す」という問いへの、もっとも静かな答えが、ラストの一行に凝縮されて観客に手渡されます。
トリビア
今敏監督の長編アニメ・デビュー作にあたります。彼は本作以前にも『AKIRA』のレイアウト助手や、『老人Z』の美術設定などで実績を積んできた人物で、本作以降『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』『パプリカ』『妄想代理人』へと続くキャリアの起点となりました。
ダーレン・アロノフスキー監督は本作を強く愛好し、自身の『レクイエム・フォー・ドリーム』のバスタブのカット、『ブラック・スワン』全体のテーマ性などで本作のオマージュを公然と行っています。彼は本作の北米配給に向けて、自身が直接権利を保有する形で関与した経緯があります。
本作のもっとも有名な演出のひとつ、「未麻の部屋」の電子的な日記が画面の上に直接表示される演出は、当時のインターネット黎明期の文化を素早く取り込んだ仕事として広く語られています。1990年代後半の社会の変化を、リアルタイムで作品に取り込んだ稀有な事例です。
本作の「現実と虚構の境界がシームレスに切り替わる編集」のスタイルは、その後の今敏作品の代名詞となります。『千年女優』『パプリカ』ではさらにこの編集設計が発展し、世界中の映画作家にとっての重要な参照点となっていきます。
クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』のラストの「コマのトーテム」のショットは、本作のラストの「鏡に映る未麻の顔」のショットからのインスピレーションが指摘されています。ノーラン本人は本作との関係を直接公言しているわけではありませんが、海外の批評家から繰り返し関連が論じられています。
本作はその後、舞台版や複数のリメイク企画も検討されてきました。2010年代に米国で実写リメイクの企画が動いたことが報じられましたが、現在まで具体的な制作には至っていません。
今敏監督は2010年に46歳の若さで逝去し、現在の世代のアニメファンが本作を「自身に決定的な影響を与えた1作」として挙げ続けることが、彼の作家性を後世に繋ぐ最大の手段となっています。
撮影裏話
制作の舞台裏
アニメーション制作はマッドハウスが中心となり、本作の制作期間中に複数の作画スタッフが参加しました。本作のために、現実と虚構の境界が崩れていく一連のシーンの設計は、絵コンテ段階から徹底的に詰められ、編集の段階で「観客がいま画面のどこにいるのか分からなくなる」リズムが綿密に組み立てられています。
キャストの準備
岩男潤子は、未麻の声色を「アイドル時代」「女優への転身期」「精神状態が崩れていく終盤」の3段階に分けて準備し、それぞれの段階で別人のような響きを保ちながら、同じ人物として整合性を取る役作りを行いました。彼女の本作での仕事は、声優としてのキャリアの代表作のひとつとして広く語られ続けています。
松本梨香、辻親八、江森浩子、篠原恵美ら脇役陣も、本作の独特のサスペンス設計を支えるアンサンブルとして、それぞれの役どころに合わせた声色の準備を進めました。
技術的な挑戦
本作の最大の技術的挑戦のひとつは、編集と撮影と音響の3つを完全に同期させることで、観客に「現実なのか虚構なのか分からない」感覚を物理的に手渡す演出設計でした。今敏監督は、ある場面で「未麻が電車に乗って自宅に帰る」というシーンを、彼女の意識の流れに沿って劇中の『ダブル・バインド』のシーン、現実、過去の記憶、ホームページの文字が、ほぼ1秒単位で切り替わる形で組み立てました。本作のこの編集設計は、後年の世界中の映画・ドラマ作品に大きな影響を与え続けています。サウンドデザインも、現実音、劇中音、未麻の心の声、留美の声、街の喧騒を別レイヤーで重ね合わせる仕事として、本作の独特の不安定さを最後まで支えています。


