サイコが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

『サイコ』が見れる動画配信サービス
現在、U-NEXT で視聴できます。
| 配信サービス | 視聴可否 |
|---|---|
| Netflix | − |
| Amazon Prime Video | − |
| Disney+ | − |
| Hulu | − |
| U-NEXT | 視聴可能 |
『サイコ』とは?作品の見どころ
土砂降りの夜、人気のないハイウェイ脇に立ち並ぶ「ベイツ・モーテル」のネオン。フロントを切り盛りするのは、内気で母親思いの青年ノーマン・ベイツ。職場から大金を持ち出して逃避行中の女性マリオン・クレインは、その夜彼の客となります。狭いシャワー室、白いタイル、こもる湯気――いまや映画史上屈指の名場面となった「シャワーシーン」を含む本作は、観客の常識を真正面から裏切る編集と、バーナード・ハーマンの弦楽のみによる悲鳴のような楽曲で、サスペンス映画の文法そのものを書き換えた1作です。
1960年に公開されたアメリカ映画で、ジャンルはサスペンスとホラーの境界を切り開いた心理スリラーです。原作はロバート・ブロックの小説『Psycho』。監督・製作はアルフレッド・ヒッチコック、脚本はジョセフ・ステファノ。ノーマン・ベイツ役にアンソニー・パーキンス、マリオン・クレイン役にジャネット・リー、彼女の妹ライラ役にヴェラ・マイルズ、私立探偵アーボガスト役にマーティン・バルサムが配されています。撮影はジョン・L・ラッセル、音楽はバーナード・ハーマン。
最大の見どころは、まず観客に主人公だと思わせた人物を予期せぬタイミングで物語の中心から消し、別の主役へと焦点を移し変える大胆な物語構造と、その結節点に置かれた「シャワーシーン」の編集設計、そしてエンディングの種明かしまで含めて観客の心理を1作品で何度も裏返してみせる仕掛けにあります。20世紀後半のホラー映画・サスペンス映画のあらゆる作品が、本作の作劇と編集術を出発点として参照し続けています。
『サイコ』を全話無料で見る方法
『サイコ』を全話無料で見る方法は、現時点での日本国内の主要動画配信サービスでは、U-NEXTのサブスクリプションに加入することです。サービスへの登録だけで、追加課金なしに最後まで視聴できます。
U-NEXT
U-NEXTでは、月額プランに加入すれば見放題作品として本作を再生できます。新規登録時に無料体験が用意されているケースもあり、その期間内に視聴することも可能です。U-NEXTは大画面のテレビ用アプリやスマートフォン、ブラウザに対応しており、自宅のリビングでじっくり鑑賞するスタイルにも向きます。
有料視聴ルート(補足)
見放題ではないルートとしては、Apple TVやGoogle Play Movies、Amazon Videoなどデジタル販売プラットフォームでのレンタルおよび購入が選択肢になります。これらは「無料の手段ではないが、視聴ルートとして補足」しておきます。地上波・BS・CSの映画チャンネルでも繰り返し放送される定番作品で、テレビ番組表で本作のタイトルを見かけることもあります。
まとめると、現時点で日本国内において、登録だけで全編無料で視聴できるのはU-NEXTです。Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、Huluの主要4社の見放題プランには本作は含まれていません。状況は時期によって変わりうるため、視聴前には各サービス公式の最新情報を確認することをおすすめします。
あらすじ
物語の始まり
物語の幕開けは、アリゾナ州フェニックスの真昼。ホテルの一室で、不動産会社の秘書マリオン・クレインは恋人サムとつかの間の昼休みを過ごしています。サムには別れた妻への扶養義務とビジネスの借金があり、ふたりはなかなか結婚に踏み切れない関係。会社に戻ったマリオンは、上司から客先に届けるための4万ドルの現金を任されますが、その金を銀行に預ける代わりに、ある衝動的な決断のうえで自分のクルマに積み込み、サムの待つ西部の街へ向かって走り出します。
主人公を待ち受けるもの
二日続きの長距離ドライブの末、マリオンは大雨の夜に道に迷い、ハイウェイ脇のひっそりした「ベイツ・モーテル」に立ち寄ります。フロントに現れるのは、内気でやや人見知りの青年ノーマン・ベイツ。彼は宿泊料を割引してくれた上に、近くの母屋で「母と暮らす自分の生活」について、緊張した笑顔で穏やかに語ってくれます。母とノーマンの関係を遠くから垣間見たマリオンは、自分のしてきた選択についてゆっくり考え直し始め、翌朝には盗んだ金を会社に返して全てをやり直そうと決意します。
そしてその夜のシャワー――ここで本作は観客の常識をひっくり返します。前半部の主人公だと信じていたマリオンは、シャワー中に黒い影として現れたある人物に襲われ、命を落としてしまいます。残されたのは、慌ててすべてを「片付け」るノーマン・ベイツの姿。彼は遺体と荷物をマリオンの車に積み、モーテル裏の沼地へと車ごと沈めてしまいます。物語は、ここから完全に別の方向へと舵を切っていきます。
マリオンの帰りを待っていた妹ライラと恋人サム、そして会社に雇われた私立探偵ミルトン・アーボガストが、彼女と4万ドルの行方を追って捜査を始めます。捜査は徐々にベイツ・モーテルへと辿り着き、内気で礼儀正しい青年ノーマンと、母屋の奥でひっそり過ごす「母」の存在に対する不審が、画面の上で少しずつ膨らんでいきます。物語が進むにつれて立ち上がってくるのは、目に見える事件の真相そのものよりも、ベイツ家の母と息子の関係に何が起きていたのかという、深い心理の謎です。
登場人物
ノーマン・ベイツ(演:アンソニー・パーキンス)
本作のもうひとりの主人公とも言える、ベイツ・モーテルの若いオーナー。背が高くて穏やかで、内気で人懐こく、剥製作りを趣味にする青年として登場します。彼が母屋で「母」と交わす会話のなかで、本作の不穏な空気は少しずつ膨らんでいきます。アンソニー・パーキンスは本作のために独特の声色とまばたきの間を作り上げ、20世紀映画屈指のキャラクターを完成させました。
マリオン・クレイン(演:ジャネット・リー)
アリゾナ州フェニックスの不動産会社で秘書を務める女性。恋人サムとの結婚に向けた焦りと、職場での日常への倦怠から、4万ドルの大金を持ち逃げするという衝動的な決断を下します。前半の主人公として観客の感情移入の中心にありながら、本作の中盤で物語を別の方向に投げ渡す重要な役割を担います。ジャネット・リーは本作で第18回ゴールデングローブ賞助演女優賞、第33回アカデミー助演女優賞ノミネートを獲得しました。
ライラ・クレイン(演:ヴェラ・マイルズ)
マリオンの妹。物語の中盤以降、姉の失踪を追って恋人サムと共に動き始める人物として、本作の捜査の進行を担います。冷静で粘り強く、家族としての強い意志を持つ女性として描かれます。
サム・ルーミス(演:ジョン・ギャヴィン)
マリオンの恋人で、西部の小さな街の金物店主。マリオンとライラそれぞれと共に、本作の捜査ラインを支える役柄です。彼は寡黙で誠実なタイプとして描かれ、物語の終盤に向けてベイツ・モーテルの謎に正面から踏み込んでいきます。
ミルトン・アーボガスト(演:マーティン・バルサム)
マリオンの会社に雇われた私立探偵。冷静で観察眼の鋭い男で、彼が単独でベイツ・モーテルに乗り込み、ノーマンに数々の質問をぶつけていく場面は、本作のもっとも緊張感のある一連の場面のひとつです。マーティン・バルサムの落ち着いた声色と眼の動きが、観客の不安を画面の上に固定する役割を担っています。
「母」(演:声を含む複合キャスト)
ベイツ・モーテル裏の母屋で、ノーマンと暮らしているとされる「ベイツ夫人」。物語の前半から中盤にかけて、観客は影と声でしか彼女を知ることができません。本作のもっとも忘れがたい場面のひとつである、終盤の地下室の対峙シーンで、彼女の正体は劇的に明かされます。
スタッフ・キャスト陣
監督・製作はアルフレッド・ヒッチコック。本作以前にも『裏窓』『めまい』『北北西に進路を取れ』など世界の映画史に残る作品を残してきた巨匠が、当時としては例外的に低い予算で本作を仕上げました。ヒッチコックは大手スタジオの大規模製作部隊ではなく、自身がテレビシリーズ『ヒッチコック劇場』で組んでいた小規模なテレビ撮影クルーをほぼそのまま起用するという判断を下し、白黒で極端に短い撮影スケジュールで本作を完成させました。
脚本はジョセフ・ステファノ。原作はロバート・ブロックの小説『Psycho』で、ステファノは原作の大胆な構造――「前半の主人公」を中盤で物語から消す――を映像作品の脚本として一段と研ぎ澄ませる仕事を担いました。撮影監督ジョン・L・ラッセルは、テレビドラマで鍛えた素早い撮影段取りで、ヒッチコックの細かいカット割りに応える仕事を続けました。
音楽はバーナード・ハーマン。本作のために弦楽器のみで構成されたオーケストラスコアを作曲し、有名な「シャワーシーンの弦の悲鳴」を生み出しました。当初、ヒッチコックはシャワーシーンに音楽を入れない方針でしたが、ハーマンが密かに作曲したスコアを聴いて即座に方針を変更し、本作のもっとも記憶に残るサウンドが完成したというエピソードが知られています。
主演キャスト
ノーマン・ベイツ役のアンソニー・パーキンスは、本作以前から舞台と映画でキャリアを積んできた俳優です。本作では、外見の柔らかさと内側の不気味さを同時に支える役作りを徹底的に練り上げ、その後の俳優人生にとっては良くも悪くも本作のキャラクターと不可分な存在として記憶されることとなりました。
マリオン・クレイン役のジャネット・リーは、本作以前から多数の映画に出演していた人気女優で、本作の前半の主人公の重みを引き受けるための演技を、白黒のクロースアップに耐えるレベルで作り上げました。シャワーシーンの撮影では、長期間にわたる細かい撮影段取りに耐え抜き、本作の屈指の名演を残しました。
ヴェラ・マイルズ、ジョン・ギャヴィン、マーティン・バルサム、サイモン・オークランド(精神科医役)など、性格俳優陣が後半の捜査ラインを丁寧に支えています。
興行収入・話題
興行収入・話題
製作費は当時としては極めて低い80万ドル前後。世界興行収入は最終的に5000万ドル以上を記録し、ヒッチコックの個人キャリアの中でもっとも大きな経済的成功となりました。本作の興行モデルとして特筆されるのは、「上映時間の途中入場を許さない」というヒッチコック自身の宣伝戦略です。当時の劇場では途中入場が一般的でしたが、本作のために導入された厳格なポリシーは、観客の「最初から見ないと分からない物語」という体験そのものを商品化する手法として、その後のホラー・サスペンス映画の宣伝にも長く影響を与えました。
評価・受賞歴
第33回アカデミー賞では監督賞、助演女優賞(ジャネット・リー)、撮影賞、美術賞の合計4部門にノミネートされました。批評家団体やファン投票によるオールタイムベスト選にも繰り返し登場し続け、IMDbのユーザー投票では現在に至るまで上位に位置し続けています。本作は1960年代以降のホラー・サスペンス映画の規範を塗り替えた1作として、現在も新しい世代の映画作家にとっての出発点となり続けています。
ネタバレ
※ここからネタバレを含みます。
クライマックス
物語の真相は、私立探偵アーボガストがマリオンの足跡を辿ってベイツ・モーテルに乗り込んだ後、母屋の階段の上で「母」に襲われて命を落とす場面で、観客に重大な不安を残したまま進みます。続いて、ライラとサムが「母」を尋問するためモーテルに乗り込み、ノーマンが彼らの目を盗んで母屋へ向かう一連の場面が続きます。
ライラがひとりで母屋の地下室に降りていくクライマックスのシーンでは、椅子に座っているように見える「母」の姿が、振り返った瞬間にミイラ化した白骨体だったことが明らかになります。直後、ノーマンが女装して刃物を振り上げて駆け込んできます。サムが阻止して取り押さえることでライラは難を逃れ、本作の真相――「母」は何年も前から既に死んでいて、ノーマン自身が彼女の人格を取り込んで生きてきたという事実――が、観客にようやく直接示されます。
ノーマンの「母」は実は、彼が10代のときに自殺した実母を、ノーマン自身が掘り起こして剥製のように保存したうえで、自身の心の中で「もうひとりの自分」として生かし続けてきた幻想でした。マリオンを「母」が殺したように見えた場面、アーボガストを「母」が殺したように見えた場面――いずれも実行犯はノーマン本人だったという真相が、終盤の長い精神科医のスピーチによって観客に説明されます。
結末が示すもの
物語のラストでは、保護施設に収監されたノーマンが、もはや自分自身の人格を持たないまま、完全に「母」の人格に支配された状態で椅子に腰掛けています。心の中の「母」の独白が画面外で続き、画面ではノーマンの顔が母の声で笑顔を浮かべる――ここに白骨化した実母の頭蓋骨が一瞬重ねられるという有名なショットで、本作は静かに、けれど決定的な不安を観客に残して幕を閉じます。
中盤で予期せぬ形で物語の中心から退場したマリオン・クレイン。観客が当然のように「主人公」だと思っていた女性をなぜ消したのか、そしてなぜ消したあとに別の物語が始まるのか――本作は構造そのものでもう一度観客の常識を裏切ることで、サスペンス映画における「主人公とは何か」という問いを、現代まで響き続ける形で投げかけ続けています。
トリビア
本作は当時のハリウッドの「メジャースタジオ大作」という常識をあえて避け、ヒッチコック自身がテレビ番組『ヒッチコック劇場』で起用していた小規模なテレビ撮影クルーをほぼそのまま映画に転用して撮影されました。低予算と短期間での撮影が、本作の独特の手触りを支えています。
シャワーシーンは、わずか45秒前後の本編上に約78のカットが用いられているとされます。一切の流血を直接的に映さず、編集の速度と音楽だけで「殺害された」という印象を観客に手渡す構成は、後年の映画教育の現場で繰り返し参照される名場面です。
シャワーシーンに使われた血は、当時のフィルム上で違和感のないトーンを得るためにチョコレートシロップを採用したとされます。白黒の画面の中で、本物の血よりも自然な濃度を再現するための工夫として現場で選ばれました。
ヒッチコックは本作の宣伝で、「上映時間の途中入場を許可しない」という当時としては前例のない方針を打ち出しました。劇場の看板には監督本人がポーズを取った写真とともに「マリオン・クレインの登場後の入場は固くお断りします」と書かれ、観客の体験そのものを物語の構造に巻き込む試みとして広く知られています。
母屋のセットの設計は、米国中西部の典型的な維持された木造建築に、ヴィクトリア朝風の細部を加えた構造として作り上げられました。本作の母屋は後にユニバーサルスタジオの観光名所として保存され、現在も多くの映画ファンが訪れる場所となっています。
本作のために第33回アカデミー賞では、監督賞、助演女優賞、撮影賞、美術賞の4部門にノミネートされましたが、いずれも受賞には至りませんでした。批評の評価は時間とともに大きく上昇し続け、現在では「アカデミー賞の歴史の中で評価が後追いで定着した代表的な作品」として参照されることがしばしばあります。
後年、本作の続編『サイコII』『サイコIII』『サイコIV』、ガス・ヴァン・サント監督によるカラー版リメイク『サイコ』(1998年)、そしてA&Eのテレビシリーズ『ベイツ・モーテル』など、本作のキャラクターと舞台を再使用した派生作品が多数制作されました。本作のキャラクターと舞台が時代を超えて参照され続けていることを示す事例です。
撮影裏話
撮影の舞台裏
本作の撮影は、ユニバーサル・スタジオの敷地内で約30日にわたって行われました。ベイツ・モーテルと母屋は、当時としては比較的シンプルな構造のオープンセットとして組まれ、外景はスタジオの広場、内景は別途のスタジオ内に建てられた寸法違いのセットで撮影されました。撮影スケジュールは事前に厳密に決められ、ヒッチコック自身が用意したカット割りのコンテに沿って、効率的に進められました。
キャストの準備
アンソニー・パーキンスは、ノーマン・ベイツの内気な所作と母屋から下りてくる別の人格との切り替えのために、撮影前から声色、まばたき、肩の傾けなど細部の所作を徹底的に練り上げました。本作以後、彼自身が本作のキャラクターと不可分の存在として記憶されることになるほど、本作の役作りは当時の彼の俳優人生のすべてを賭けた仕事でした。
ジャネット・リーは、シャワーシーンの長期撮影に向けて、肌を露出させずに撮影できる衣装と段取りを撮影部と細かく確認したと伝えられます。本作のシャワーシーン撮影は7日間にわたって続けられ、彼女自身がこの撮影体験のあと、長くシャワーを浴びることに躊躇するようになったというエピソードを後年のインタビューで明かしています。
ヴェラ・マイルズ、ジョン・ギャヴィン、マーティン・バルサム、サイモン・オークランドら脇役陣は、テレビドラマでヒッチコックと組み続けてきた俳優陣で、本作の効率的な撮影段取りに早々に適応しました。
技術的な挑戦
本作の最大の技術的挑戦は、シャワーシーンの編集でした。約78のカットを45秒に密集させる作業は、撮影現場での角度違いの大量素材の取得、編集段階での速度の細かい調整、効果音と弦楽スコアの完全同期、そしてカメラ前の身体の代役(ボディ・ダブル)の使用といった、複数の工夫を一度に組み合わせる仕事として進められました。バーナード・ハーマンの弦楽スコアは、当時のホラー・サスペンス映画の音楽の基準を一気に塗り替え、本作以降の同ジャンルのスコアのあり方そのものを書き換えました。



