『化け猫あんずちゃん』はどこで見れる?配信中サービスまとめ

2024年

『化け猫あんずちゃん』はどこで見れる?配信サービス一覧

『化け猫あんずちゃん』は2026年8月現在、Amazon Prime Video・Hulu で配信中です(各社の公式配信情報にもとづく。下表に配信開始日と出典を掲載)。

配信サービス配信状況出典
Netflix
Amazon Prime Video配信中 2026年8月1日〜公式 出典
Disney+
Hulu配信中 2026年8月1日〜公式 出典
U-NEXT

『化け猫あんずちゃん』とは?作品の見どころ

『化け猫あんずちゃん』は、2024年7月19日に劇場公開された日本・フランス合作のアニメーション映画です。原作は漫画家・いましろたかしによる同名コミック(講談社)で、監督は『マイマイ新子と千年の魔法』などで知られる久野遥子と、『苦役列車』『そこのみにて光輝く』の山下敦弘が共同で務めました。最大の特徴は、俳優たちが実際に演じた実写映像をトレースしてアニメ化する「ロトスコープ」という手法です。声だけでなく表情や仕草もそのまま作品に取り込まれており、実写とアニメの中間にあるような独特の質感を生み出しています。物語は、静岡の海辺の町のお寺で30年前に拾われた子猫が人間の言葉を話す37歳の「化け猫」に成長し、和尚の孫娘・かりんの世話を任されるところから始まります。ゆるいコマ撮り風の絵柄とは裏腹に、家族の不在やすれ違いといった重いテーマも静かに描かれており、カンヌ国際映画祭監督週間での正式上映や、ファンタジア国際映画祭での最優秀長編アニメーション映画賞受賞など、海外の映画祭でも高く評価されました。本記事では、Prime Videoでの視聴方法からあらすじ、キャスト、興行成績、そして結末の考察や制作の裏話までをまとめて紹介します。

『化け猫あんずちゃん』を全話無料で見る方法

『化け猫あんずちゃん』は、2026年8月1日よりPrime Videoで配信されています。Amazonプライム会員であれば、追加のレンタル・購入手続きをせずに視聴できる作品として提供されており、Amazonアプリやブラウザから作品ページにアクセスすればすぐに再生を始められます。

本作は2024年の劇場公開後、2025年3月にU-NEXTで独占配信がスタートした経緯があり、しばらくはU-NEXT以外での視聴が難しい状態が続いていました。今回のPrime Video配信は、その独占期間を経て視聴できるプラットフォームが広がった形になります。

よくある質問

Q. 『化け猫あんずちゃん』はPrime Videoで無料で見られますか? A. Amazonプライム会員向けの配信対象として提供されています。プライム会員であれば追加料金なしで視聴できますが、会員種別や配信条件は変更される場合があるため、視聴前にAmazonの作品ページで最新の表示を確認してください。

Q. U-NEXTでも引き続き見られますか? A. 配信状況はプラットフォームごとに変動します。U-NEXTでの提供が続いているかどうかは、各サービスの作品ページで直接確認するのが確実です。

Q. 配信開始日はいつですか? A. Prime Videoでは2026年8月1日から配信されています。

あらすじ

物語の舞台は、静岡の海辺にある小さなお寺です。豪雨の降るある夜、お寺の和尚さんが段ボール箱の中で鳴いている一匹の子猫を見つけ、「あんず」と名付けて大切に育てます。それから30年、あんずは人間の言葉を話し、原付バイクに乗って按摩のアルバイトをするなど、すっかり人間のように暮らす37歳の「化け猫」になっていました。

そんなある日、和尚と親子ゲンカをして家を出ていた息子の哲也が、11歳の娘・かりんを連れて実家に帰ってきます。ところが哲也は和尚と再び衝突し、かりんを置いたまま姿を消してしまいます。行き場をなくしたかりんの世話を任されることになったあんずは、戸惑いながらも彼女との奇妙な共同生活を始めることになります。

かりんは大人の前ではいつも「いい子」を演じていますが、その内側には一筋縄ではいかない気持ちを抱えています。両親の不在や大人たちの身勝手さに向き合わざるを得ないかりんと、猫でも人間でもない曖昧な立場のあんず。年齢も立場も違う二人が、お寺での日々を通じて少しずつ距離を縮めていく様子が、ロトスコープならではの生々しい表情とともに描かれていきます。結末の詳しい内容は、後半の「ネタバレ考察」セクションで扱います。

登場人物

あんずちゃん 本作の主人公。豪雨の夜に段ボール箱の中で拾われた子猫が化け猫となり、37歳になった姿です。原付バイクを乗り回し、按摩のアルバイトで生計を立てるなど、ほぼ人間と変わらない生活を送っています。飄々とした態度の裏に、拾われた猫ならではの複雑な心情を抱えている人物として描かれます。

かりん 和尚の孫娘で11歳の少女。親子ゲンカの末に行方をくらませた父・哲也に連れられてお寺にやってきます。大人の前では聞き分けの良い「いい子」を演じますが、本心では家族の不在や大人たちの都合に振り回されることへの不満を抱えています。

おしょーさん(和尚) お寺の住職で、子猫時代のあんずを拾って育てた人物。かりんにとっては祖父にあたります。物腰は穏やかですが、息子の哲也とはたびたび衝突しています。

哲也 和尚の息子でかりんの父親。親子ゲンカの末に実家を出ており、物語の序盤で再び和尚と揉めてかりんを置いて姿を消してしまいます。

柚季 かりんの母。物語の中でかりんが向き合うことになる母娘関係の相手として登場します。

閻魔大王 作中で異界的な存在として登場するキャラクターで、あんずやかりんの物語に不思議な色合いを添えています。

スタッフ・キャスト陣

声の出演には俳優陣が名を連ねており、実写映像から表情をトレースするロトスコープの特性上、通常のアフレコとは異なる「演技そのもの」が作品に反映されているのが特徴です。

森山未來(あんずちゃん役) 舞台・映画・ダンスと幅広く活躍する俳優。本作では37歳の化け猫あんずちゃんを演じ、実写撮影による生々しい芝居がロトスコープを通じてキャラクターの表情に落とし込まれています。

五藤希愛(かりん役) 和尚の孫娘で11歳のかりんを演じました。

青木崇高(哲也役) 和尚の息子で、かりんの父・哲也を演じています。

市川実和子(柚季役) かりんの母・柚季を演じました。

鈴木慶一(おしょーさん役) ミュージシャンとしても知られ、本作では和尚の声を担当すると同時に、音楽も手がけています。

宇野祥平(閻魔大王役) 作中に登場する閻魔大王を演じました。

監督は、独自の映像表現で知られるアニメーション作家の久野遥子と、『苦役列車』『天然コケッコー』などの実写映画で高く評価される山下敦弘が共同で担当。脚本はいまおかしんじが手がけています。制作はシンエイ動画とフランスのMiyu Productionsが共同で行い、配給はTOHO NEXTです。

興行収入・話題

『化け猫あんずちゃん』の正確な興行収入・動員数について、映画.comや興行通信社などの公的な集計データで具体的な金額が公表されている情報は確認できませんでした。SNS上では「興行収入が伸び悩んだ」という趣旨の投稿も見られ、劇場公開時点での興行成績自体はけっして派手なヒットとは言えなかったとみられます。正直なところ、この点は本記事内で断定できるだけの一次情報が見つかっておらず、不明な部分として扱います。

一方で評価面では、映画.comのレビュースコアが5点満点中3.7点(2026年8月時点、レビュー121件)となっているほか、Filmarksには1万件を超えるレビューが投稿されており、劇場公開規模のわりに息の長い口コミの広がりを見せている作品といえます。

また海外の映画祭での評価は非常に高く、2024年のカンヌ国際映画祭では監督週間の正式上映作品に選出されたほか、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門にもノミネート。ファンタジア国際映画祭では最優秀長編アニメーション映画賞と観客賞金賞をダブル受賞しています。興行収入という数字だけでは測れない評価を国内外で得た作品と言えるでしょう。

ネタバレ

ここから先はネタバレを含みます

この先は物語の結末に触れる内容です。まだ視聴していない方はご注意ください。

物語の終盤、和尚の元を去っていた哲也が再びお寺に戻り、かりんを東京へ連れて帰ろうとします。しかしかりんは、父と一緒に東京へ戻ることよりも、あんずと過ごす南伊豆での暮らしを選び、お寺に残ることを決意します。血のつながった家族のもとへ帰るという「予定調和」な結末ではなく、かりん自身が新しく築いた関係性――あんずとの友情や、お寺での居場所――を優先する結末になっている点が、本作の大きな特徴です。

ラストシーンは、かりんがあんずの姿を探し回るところで幕を閉じます。この場面の解釈は視聴者の間でも分かれており、あんずがかりんの前からあえて姿を消していたのではないか、という考察も多く語られています。猫でも人間でもない曖昧な存在であるあんずが、かりんとの関係にどう決着をつけたのかを明言しないまま終わる作りになっており、観る人によって余韻の受け止め方が変わる結末と言えるでしょう。

家族の欠落や大人の身勝手さを描きながらも、最後にかりんが「自分の意思で選んだ」という点に希望を残す構成は、単なる家族再生の物語とは一線を画す本作らしい着地点になっています。

トリビア

実写映像をそのままトレースするロトスコープ手法 本作最大の特徴は、俳優が実際に演じた実写映像を一コマずつトレースしてアニメーションにする「ロトスコープ」の手法を全編に採用している点です。声だけでなく、俳優の表情や間、身体の動きまでがそのままキャラクターの芝居として作品に反映されており、通常のアフレコ主体のアニメーションとは異なる生々しい質感を生み出しています。

日本とフランスの合作アニメーション 製作はシンエイ動画とフランスのMiyu Productionsが共同で担当した、日仏合作作品です。海外の映画祭とも親和性の高い制作体制が、後述する国際的な評価にもつながったと考えられます。

海外の映画祭を席巻 2024年のカンヌ国際映画祭では「監督週間」部門の正式上映作品に選出されたほか、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編コンペティション部門にもノミネート。北米のファンタジア国際映画祭では最優秀長編アニメーション映画賞と観客賞金賞をダブル受賞するなど、海外での評価が非常に高い作品です。

音楽担当が声の出演も兼務 ムーンライダーズのメンバーとしても知られるミュージシャンの鈴木慶一が、本作の音楽を担当すると同時に、和尚(おしょーさん)役の声も演じています。

撮影裏話

原作は漫画家いましろたかしの同名作品 本作の原作は、漫画家・いましろたかしが講談社の漫画誌で連載した同名コミック『化け猫あんずちゃん』です。原作は2006年から2007年にかけて連載され、映画公開に合わせて続編「風雲編」もコミックDAYSで連載が始まるなど、映画化を機に原作漫画にも再び注目が集まりました。

山下敦弘監督にとって2度目のいましろ作品 山下敦弘監督は、本作以前にもいましろたかし原作の『ハードコア』(2018年)を映画化しており、本作は監督にとって2作目となるいましろ作品の映像化です。実写畑の監督である山下敦弘と、アニメーション作家の久野遥子が組むことで、実写的なリアリズムとアニメーション表現が融合した独特の作風が生まれました。

「表情のリアルさ」を追求した制作体制 ロトスコープという手法上、本作の制作では俳優の演技をまず実写で撮影し、それをアニメーターがトレースしていくという工程が採用されています。声優ではなく俳優によるキャスティングが行われているのも、この制作手法と密接に関わっており、森山未來をはじめとする俳優陣の「素の演技」がそのまま作品のクオリティに直結する作りになっています。