ニュー・シネマ・パラダイスが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

1988年
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『ニュー・シネマ・パラダイス』が見れる動画配信サービス

現在、U-NEXT で視聴できます。

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『ニュー・シネマ・パラダイス』とは?作品の見どころ

戦後すぐのシチリア島、ジャンカルド村。教会と広場と石畳の路地に挟まれた小さな映画館「パラダイス座」が、村人たちにとって唯一の娯楽の場でした。司祭が事前に作品を試写して接吻シーンに鈴を鳴らし、映写技師がそれをハサミで切り落としてフィルムに繋ぎ直す――そんな決まりごとに従いながらも、観客は新しい映画が来るたびに笑い、泣き、互いに肩を組み合います。映画大好きの少年トトは、映写室の小さな窓越しに、その魔法をいつまでも見ていたい。映写技師の老人アルフレードと交わすぎこちないやりとりから、長く続く親子のような関係が静かに始まっていきます。

1988年に公開されたイタリア・フランス合作映画で、ジャンルは映画館を題材にしたヒューマンドラマ・ノスタルジア作品です。監督と脚本はジュゼッペ・トルナトーレ。アルフレード役にフィリップ・ノワレ、青年期のトト(サルヴァトーレ)役にマルコ・レオナルディ、少年期のトト役にサルヴァトーレ・カシオ、成人後のサルヴァトーレ役にジャック・ペラン、エレナ役にアニェーゼ・ナーノが配されています。音楽はエンニオ・モリコーネと、その息子アンドレア・モリコーネ。

最大の見どころは、シチリアの陽光のなかで描かれる映画と村と人々の関係を、戦後・少年期・青年期・現代という4つの時間軸で重ね合わせていく構成設計と、エンニオ・モリコーネ親子による不朽の主題曲が物語の流れを支える音楽設計にあります。映画を観るという行為そのものが、ひとりの少年の人生を作っていく――その当たり前のような奇跡を、本作は1作の長尺の中で描き切ります。

『ニュー・シネマ・パラダイス』を全話無料で見る方法

『ニュー・シネマ・パラダイス』を全話無料で見る方法は、現時点での日本国内の主要動画配信サービスでは、U-NEXTのサブスクリプションに加入することです。サービスへの登録だけで、追加課金なしに最後まで視聴できます。

U-NEXT

U-NEXTでは、月額プランに加入すれば見放題作品として本作を再生できます。新規登録時に無料体験が用意されているケースもあり、その期間内に視聴することも可能です。U-NEXTは大画面のテレビ用アプリやスマートフォン、ブラウザに対応しており、自宅のリビングでじっくり鑑賞するスタイルにも向きます。

有料視聴ルート(補足)

見放題ではないルートとしては、Apple TVやGoogle Play Movies、Amazon Videoなどデジタル販売プラットフォームでのレンタルおよび購入が選択肢になります。これらは「無料の手段ではないが、視聴ルートとして補足」しておきます。地上波・BSの映画チャンネルでも繰り返し放送される定番作品で、テレビ番組表で本作のタイトルを見かけることもあります。

まとめると、現時点で日本国内において、登録だけで全編無料で視聴できるのはU-NEXTです。Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、Huluの主要4社の見放題プランには本作は含まれていません。状況は時期によって変わりうるため、視聴前には各サービス公式の最新情報を確認することをおすすめします。

あらすじ

物語の始まり

物語は現代のローマから始まります。映画監督として成功した中年男サルヴァトーレ(愛称トト)が、深夜に古い知らせを受け取ります。「アルフレードが亡くなった」――その一言を契機に、彼は故郷のシチリア島ジャンカルド村に長く帰っていなかった日々のことを思い返し始めます。回想の入口は、戦後すぐの彼の少年時代。父親は北方戦線で行方不明のまま、母親と妹と慎ましく暮らす少年トトの日々が、ゆっくりと立ち上がってきます。

主人公を待ち受けるもの

少年トトのいちばんの楽しみは、村でただひとつの映画館「シネマ・パラダイス座」に通うことでした。映写技師は無口で頑固な老人アルフレード。司祭が事前に試写を行ってベルを鳴らしたシーンを、アルフレードがハサミでフィルムから切り落として繋ぎ直すという決まりごとが、村の道徳と娯楽を辛うじて両立させていました。トトは小さな映写室の窓越しに、繰り返し映画の魔法を覗き込み、自分でも切り捨てられたフィルムの「キスシーン」のかけらを集めて宝物のように家に隠します。

アルフレードは最初、油の匂いと熱の中で動き回る少年を邪魔者として追い払おうとします。けれど学校で教えられた読み書きが彼自身には遅れていて、トトの代わりに試験の答案を書いてもらう場面を経て、ふたりの距離は少しずつ縮まっていきます。やがてトトはアルフレードの助手のように振る舞い、映写の手順、映画の上映スケジュール、観客の好み、フィルムの修理を覚え始めます。

やがて映画館で大きな火災事故が起こり、その後の村と映画館の関係そのものが大きく変化していきます。さらに時間が進み、青年期のトトは美しい少女エレナと出会い、彼女に惹かれていきます。映画館の映写技師として地元に根付くか、それとも村を出てもっと広い世界へ進むか――アルフレードが彼に語る「ここを離れろ」という言葉の意味が、本作の中盤から後半にかけてゆっくりと観客に手渡されていきます。

登場人物

サルヴァトーレ/トト(少年期:サルヴァトーレ・カシオ/青年期:マルコ・レオナルディ/成人期:ジャック・ペラン)

本作の主人公。シチリア島ジャンカルド村で育った映画好きの少年で、映写技師アルフレードに弟子入りすることで映画の魔法に直接触れる経験を重ねていきます。彼は3つの時代――少年期・青年期・成人期――を3人の俳優が引き継ぐ形で演じられ、それぞれの段階で本作の感情のラインを担っていきます。とくに少年期のサルヴァトーレ・カシオは、本作の屈指の名演として世界中の観客の記憶に刻まれることになります。

アルフレード(演:フィリップ・ノワレ)

シネマ・パラダイス座の映写技師の老人。寡黙でぶっきらぼうですが、内側には映画への深い愛と、ひとりの少年への父性的な感情を抱える人物です。トトと交わす数々の会話のなかで、彼が口にする「人生はお前の見ている映画とは違う」という言葉が、本作のテーマそのものを観客に手渡します。フィリップ・ノワレはフランス映画の名優で、本作のためにイタリア語の役作りに取り組み、村の人物として違和感のない佇まいを完成させました。

エレナ(演:アニェーゼ・ナーノ)

青年期のトトが恋に落ちる少女。彼女と彼との関係性は、本作の青年期パートのもうひとつの中心で、ジャンカルド村の小さな空気と、ひとつの愛情の繊細な進行を観客に手渡します。後年、本作のディレクターズ・カット版では、彼女との関係の続きが大きく加筆された場面が観客に提示され、本作のもうひとつの読み方を提示することにもなりました。

サルヴァトーレの母(演:アントネッラ・アッティリ/プペッラ・マッジョ)

サルヴァトーレの母親。夫を戦争で失ったまま、ふたりの子どもをひとりで育てる女性として、本作の家庭のラインを支えます。少年期と現代の二つの時代でふたりの女優によって演じ分けられ、トトの故郷を象徴する存在として描かれます。

司祭ドン・アデルフィオ(演:レオポルド・トリエステ)

映画館の上映前に試写を行い、接吻シーンや猥褻な場面に鈴を鳴らしてアルフレードにカットを命じる村の司祭。ベルがチリンと鳴るたびに、フィルムが切り落とされる――この村の道徳の象徴的な場面を、レオポルド・トリエステが軽妙に演じています。

村の人々

本作の魅力のひとつは、ジャンカルド村の住人たちが、それぞれ強い個性を持って画面に立ち上がることにあります。映画館の前列でいつも独り言を言う紳士、笑い声で隣の客を巻き込む青年、後列で居眠りを始める老人――いずれもセリフはわずかですが、本作の村全体をひとつの大家族のように見せる仕事を分担しています。

スタッフ・キャスト陣

監督と脚本はジュゼッペ・トルナトーレ。1956年にシチリア島で生まれた監督は、本作で長編劇映画の世界に登場し、自身の少年時代の故郷の記憶を最大の素材として本作を仕上げました。本作以降、トルナトーレは『海の上のピアニスト』『マレーナ』『鑑定士と顔のない依頼人』『ある天文学者の恋文』など、ノスタルジアと幻想を行き来する作風で世界的な評価を獲得していきます。

音楽はエンニオ・モリコーネと、息子アンドレア・モリコーネ。「Cinema Paradiso」のメインテーマと、青年期パートでの「Love Theme」(こちらはアンドレア・モリコーネが作曲)は、本作の代表曲として現在も世界中のオーケストラ・コンサートで演奏され続けています。父子の共同作業による楽曲は、本作の感情の流れを文字通り定義する役割を担いました。

撮影監督はブラスコ・ジュラート。シチリアの陽光、海辺の透明な空気、夜の映写室の柔らかい黄色、現代ローマの冷たい青――本作の4つの時間軸ごとに違う光と色を割り当てる撮影設計が、本作の長尺の中での回想の流れを途切れさせない仕事となっています。

主演キャスト

少年期のトト役を演じたサルヴァトーレ・カシオは、当時8歳前後のシチリアの少年でした。撮影開始時にはほとんど演技経験のない子どもでしたが、トルナトーレの自然な現場演出のもとで、本作以降に長く愛され続ける名演を残しました。彼の表情、笑い声、走り出しの躍動感は、本作の全体のトーンの中心を担っています。

アルフレード役のフィリップ・ノワレは、フランス映画の重鎮で、シャブロル、コスタ=ガヴラス、フェデリコ・フェリーニなど多数の名匠と組んできた俳優です。本作のためにイタリア語の発音と所作を調整し、シチリアの古い映写技師としての佇まいを違和感なく完成させました。

青年期のトト役のマルコ・レオナルディ、エレナ役のアニェーゼ・ナーノ、成人期のサルヴァトーレ役のジャック・ペラン、母役のアントネッラ・アッティリとプペッラ・マッジョらが、3つの時代の連続性を支えるアンサンブルを形作っています。

興行収入・話題

興行収入・話題

本作の予算は比較的控えめでしたが、世界興行収入は最終的に1200万ドル超を記録し、欧州・北米・アジアの各市場でロングランヒットとなりました。日本でも1989年の公開以後、繰り返しのリバイバル上映や家庭用ビデオでの世代を越えた支持により、長期にわたって日本の映画ファンの心に残るタイトルとして定着しました。

評価・受賞歴

第62回アカデミー賞では外国語映画賞を受賞しました。第42回カンヌ国際映画祭では審査員特別グランプリを受賞、第43回英国アカデミー賞ではフィルム部門の主演男優賞(フィリップ・ノワレ)、助演男優賞(サルヴァトーレ・カシオ)、外国語映画賞、脚色賞ほか複数部門を受賞しています。第47回ゴールデングローブ賞外国語映画賞も併せて受賞しており、欧州・米国・英国の主要な賞のほぼすべてで高い評価を獲得した稀有な1作です。批評家団体やファン投票によるオールタイムベスト選にも繰り返し登場し続けています。

ネタバレ

※ここからネタバレを含みます。

クライマックス

物語の青年期パートでは、トトとエレナのあいだに芽生えた淡い恋が、互いの家族の事情と村の人々のお節介に阻まれていきます。トトは映写室の窓辺で、何時間でもエレナを待ち続けますが、彼女との関係は最終的にうまく結ばれないまま終わってしまいます。アルフレードはこのとき、彼に有名な提案をします――「ここを離れろ。10年帰ってくるな。お前のためを思って言うんだ」。トトはこの忠告を受け入れ、徴兵を経て、ローマへと旅立っていきます。

物語のもうひとつの転換点は、戦後早い時期に起こる映画館の火災です。映写機のフィルムから引火した炎で、アルフレードは大きな怪我を負い、視力をほぼ失います。少年トトはこの危機の場面で大胆な行動を取り、アルフレードを救出します。火災後の映画館は、村の住人ドナテッロが資金を出して再建され、新しい「ヌオーヴォ・シネマ・パラダイス座」として再開しますが、村の人々の生活様式は徐々に変化していきます。

結末が示すもの

物語のラストでは、アルフレードの葬儀のために30年ぶりに故郷へ戻ったサルヴァトーレが、母親、廃墟となった元映画館、変わり果てた村の風景と再会します。映画館のオーナーが、サルヴァトーレに「アルフレードがあなたに残した荷物がある」と告げ、ローマへ持ち帰った彼が、その包みを試写室で開ける場面が、本作のもっとも忘れがたいクライマックスとなります。

包みの中身は、ひとつのフィルムリール。彼が映写室で観ることになるのは、少年時代から青年時代にかけての村の上映で「司祭の鈴」によって切り落とされ続けた、あらゆる映画の接吻シーンが繋ぎ合わされた、世界にひとつだけのフィルムでした。アルフレードがトトのために密かに保存し続けたこの「キスの集大成」を、エンニオ&アンドレア・モリコーネのメインテーマとともに見守るサルヴァトーレの目から、涙が静かに流れていきます。

アルフレードは、トトが故郷を離れて成功するために、自身の村の暮らしの中で最も愛していたものをトトのために取っておいた――そのささやかでとてつもない優しさが、本作のすべての時間軸の意味を一気に書き換えるラストとして観客に手渡されます。物語は静かに、けれど決定的な感情の余韻のなかで幕を閉じていきます。

トリビア

  1. 本作には公開時の劇場版(123分前後)と、その後刊行された「ディレクターズ・カット版(173分前後)」の2種類のバージョンがあります。ディレクターズ・カット版では、青年期のトトとエレナの関係の続編にあたる、現代パートでの再会シーンが大幅に加筆されており、本作の読み方を変える重要な要素として知られています。

  2. 「Love Theme」を作曲したのはアンドレア・モリコーネ。父エンニオ・モリコーネが「メインテーマ」を、息子アンドレアが「Love Theme」を担当した本作のスコアは、父子による稀有な共同作業として広く語られています。

  3. 少年トト役のサルヴァトーレ・カシオは、本作の撮影時に演技経験がほとんどない素人の子どもでした。トルナトーレ監督は、シチリアの少年たちのオーディションを多数行った末に彼を見出したと語っています。

  4. 撮影は主にシチリア島パラッツォ・アドリアーノで行われ、現地の広場と教会が「ジャンカルド村」のメイン舞台として用いられました。撮影地は本作のヒット以降「シネマ・パラダイスの広場」として観光地となっています。

  5. 第62回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した際、本作はフランスとイタリアの合作として登録されており、両国にとっての歴史的な受賞のひとつとして語られます。フィリップ・ノワレ、レオポルド・トリエステ、サルヴァトーレ・カシオなどがそれぞれの国の演技賞でも評価を集めました。

  6. 本作の音楽が後年世界中のオーケストラ・コンサートで定番化したきっかけのひとつは、巨匠エンニオ・モリコーネ自身の世界ツアーでの取り上げです。彼の「Cinema Paradiso」のメインテーマは、彼自身のキャリアの代名詞のひとつとして長年演奏され続けています。

  7. 本作はその後、映画館を主役にしたノスタルジア作品の代名詞となり、世界中の映画館やシネマテークが、本作の上映会を記念上映の中心に据えてきました。映画文化が映画館という場と一体だった時代を象徴する1作として、現在まで参照され続けています。

撮影裏話

撮影の舞台裏

本作の撮影は、シチリア島内陸部の小さな村パラッツォ・アドリアーノを中心に行われました。村の中央広場が「ジャンカルド村」のメイン舞台として用いられ、教会、映画館の正面、酒場、住宅街などが本作のために再構築されました。撮影終了後、村の広場は本作のヒットを契機に観光地化し、映画文化と地域の関係を象徴する場所として知られていきます。

キャストの準備

サルヴァトーレ・カシオは、撮影開始当時8歳前後の素人の子どもとしてキャスティングされました。トルナトーレは現場で彼に台本通りの台詞を覚えさせるよりも、子どもらしい好奇心と笑顔をそのまま画面に残すアプローチを採ったとされ、シチリア訛りや表情の自由さが、本作の少年期パートのリアリティを支えています。

フィリップ・ノワレは、フランス映画の名優として確固たるキャリアを持ちつつ、本作のためにイタリア語の発音や、映写技師としての所作を改めて鍛えました。シチリアの老映写技師としての低い声色、ハサミでフィルムを切るときの手の動き、火傷の跡を抱えた老人の姿勢――いずれも撮影前の長期準備で形が決まっていきました。

技術的な挑戦

本作の最大の技術的挑戦は、4つの時間軸(戦後直後・少年期・青年期・現代)をひとつのフィルムの上で違和感なく往復させる撮影設計でした。撮影監督ブラスコ・ジュラートは、それぞれの時代に固有の光と色温度を割り当て、画面の連続性をフィルムのトーン操作で支えるアプローチを採用しました。エンニオ・モリコーネのメインテーマと、アンドレア・モリコーネの「Love Theme」が、それぞれの時代の感情の流れに重ねられることで、観客は3時間に近い長尺を一気に駆け抜ける手触りで本作を体験することができます。