レミーのおいしいレストランが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説
『レミーのおいしいレストラン』が見れる動画配信サービス
現在、Disney+ で視聴できます。
| 配信サービス | 視聴可否 |
|---|---|
| Netflix | − |
| Amazon Prime Video | − |
| Disney+ | 視聴可能 |
| Hulu | − |
| U-NEXT | − |
『レミーのおいしいレストラン』とは?作品の見どころ
ねずみは厨房に近づくな――誰もが当然のように受け入れているこの常識を、たった一匹のねずみがひっくり返す物語が、パリの空に広がります。『レミーのおいしいレストラン』は、田舎の家族のもとで「人間の料理」に魅せられて育った若いねずみのレミーが、運命的な事件をきっかけにパリに辿り着き、伝説の名シェフ・グストーが残した五つ星レストランの厨房で、ゴミ係の若者リングイニとひそかに組んでシェフを目指す長編アニメーションです。「誰でも料理人になれる」というグストーの遺した格言が、ねずみと若者を結びつけ、観客を予期しない感動の場面へと導いていきます。
本作は2007年6月29日に米国で公開されたピクサー・アニメーション・スタジオ製作の長編アニメーション映画。配給はウォルト・ディズニー・ピクチャーズ。監督・脚本はブラッド・バード(前作『Mr.インクレディブル』に続いてピクサー長編監督2作目)。製作はブラッド・ルイス、製作総指揮はジョン・ラセター、音楽はマイケル・ジアッキーノ。バードは前作とは全く異なる「料理」と「都市」という題材に挑み、ピクサー作品としては前例のない繊細な感情とスペクタクルの両立を実現しました。
見どころは、本作のために徹底的に取材されたパリの街並みと、フランス料理の細部に至るまで美しく再現された厨房ディテールです。バード監督と脚本陣はパリの三つ星レストラン「Guy Savoy」「Taillevent」「La Tour d'Argent」などを実際に訪問し、現役シェフのトーマス・ケラーがピクサーに招かれてアドバイザーを務めました。第80回アカデミー賞長編アニメーション賞・脚本賞ノミネートのうち、長編アニメーション賞を受賞。世界興行収入累計約6億2300万米ドルを記録しました。
『レミーのおいしいレストラン』を全話無料で見る方法
結論として、2026年4月時点で『レミーのおいしいレストラン』を国内で見放題視聴できる動画配信サービスは、ディズニープラス(Disney+)のみです。Disney+の見放題プランに登録すれば、本編のフル視聴が可能で、字幕版・吹替版の両方が用意されています。
Disney+(ディズニープラス)
Disney+はWalt Disney Companyが運営する公式の動画配信サービスで、ピクサー作品はすべて本サービスのもとで一元的に提供されています。月額プランは「スタンダード」(990円/月)「プレミアム」(1,320円/月)の2種類があり、必要に応じて画質や同時視聴数を選べます。年額プランも提供されており、年額9,900円(スタンダード)からとなっています。Hulu日本版とのセットプラン「Disney+ × Hulu」も提供されており、両サービスの利用を考えている人にはこちらが選択肢になります。
登録手順:
- 公式サイト disneyplus.com/ja-jp にアクセス
- 「サインアップ」からアカウントを作成
- プランを選択(スタンダード/プレミアム/Huluセット/年額プラン)
- 支払い方法を入力(クレジットカード/PayPal/キャリア決済/アプリ決済対応)
- 登録完了後、本編をスマートフォン・PC・スマートテレビ・ゲーム機で視聴開始
Disney+はピクサー作品のほか、マーベル作品、スター・ウォーズ作品、20世紀スタジオ作品も同時に見放題で楽しめるため、本作と同監督のブラッド・バードによる『Mr.インクレディブル』『インクレディブル・ファミリー』『トゥモローランド』もまとめて鑑賞することができます。
レンタル・購入(Amazon Prime Video/Apple TV/Google Playなど)
本作は見放題ではないものの、各種PPVサービスではデジタルレンタルおよびデジタル購入が可能です。Disney+に加入しない方針の場合は、Amazon Prime Videoの単話レンタル(数百円台、本作は400円程度)や購入(千円台)、Apple TV、Google Play Movies、Lemino、TELASA、FODプレミアムなどが利用できます。
TSUTAYA DISCAS(宅配DVD/Blu-rayレンタル)
本作は旧作扱いのため、TSUTAYA DISCASでは追加料金なしのフル視聴が可能です。新規登録時に30日間の無料お試し期間が用意されている時期もあるため、登録時点の最新案内を確認しておくと効率的です。
Blu-ray・DVD・4K UHD購入
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンからBlu-ray・DVD・4K UHDが発売されており、Amazonや家電量販店で安定して入手できます。本編にメイキング映像や監督・スタッフの解説、未公開シーンを収録した版が選択肢になります。
地上波放送
日本テレビ系『金曜ロードショー』ほか、地上波・BS各局で本作は不定期に放送されてきました。最新の放送スケジュールを各局の公式サイトで確認しておくと、無料で視聴できる機会を逃しません。
あらすじ
田舎のねずみと、料理への憧れ
物語の舞台は、フランスのとある田舎の山小屋。本作の主人公のねずみ「レミー」は、優れた嗅覚を持ち、人間の食材の味と質を見抜く特別な才能の持ち主でした。彼はテレビ番組で活躍する伝説の名シェフ「オーギュスト・グストー」の著書『誰でも料理人になれる』に惹きつけられ、人間の料理を学ぶことに情熱を注いでいます。彼の家族――父のジャンゴと兄のエミール――は、人間が捨てた残飯を食べることに専念しており、レミーの食への美意識を理解しません。
ある日、レミーはきのこに毒があるかどうかを確かめるため山小屋に侵入し、料理本を発見した直後にお婆さんに気づかれてしまいます。お婆さんは銃を持ち出してねずみたちを攻撃し、家族はパリの川に流される長い旅路を強いられます。混乱の中、レミーは家族とはぐれ、川の流れに乗って一人パリの街へとたどり着きます。
グストーのレストランと、若者リングイニ
レミーがパリで辿り着いたのは、何と憧れのグストーの五つ星レストラン「グストー」の屋根の上でした。グストー本人は数年前に亡くなっており、レストランは副料理長のスキナーが取り仕切り、徐々にメニューが商業的な冷凍食品に堕落しつつありました。レストランは星を一つ落とし、二つ星に降格していました。
レミーは厨房を覗き込み、新人で雇われた若者「アルフレッド・リングイニ」が、誤ってグストーの遺した「シグネチャー・スープ」を台無しにしようとしている瞬間を目撃します。レミーは思わず厨房に飛び込み、味のバランスを完璧に調整したスープを作り直します。出された一皿は店員の予想以上の絶賛を受け、リングイニは「自分が作った」とごまかすことになります。
髪を引っ張る秘密のパートナーシップ
リングイニは内心の慌てふためきと共にレミーを発見しますが、彼が自分の頭の上に乗って髪を引っ張ることで、自分の手と足を完璧に操り、料理を作ることができることに気づきます。二人は秘密のパートナーシップを結び、リングイニの帽子の下にレミーが隠れて、手の動きを操って料理を作り続けることになります。
レストランの新シェフとしてリングイニ(実はレミー)の名前が広まり、料理批評家「アントン・イーゴ」――伝説のグストーの店を二つ星に落としたあの偉大な批評家――が、最終的な決断を下すために来訪することが決まります。物語は、レミーとリングイニの正体がいつ明かされるか、そして「ねずみが作った料理」を批評家がどう評価するかという緊張感のある終盤へと進んでいきます。
登場人物
レミー(声:パットン・オズワルト/日本語版:堺雅人)
本作の主人公。フランスの田舎で家族と暮らす若い灰色のねずみ。優れた嗅覚と、グストーの著書『誰でも料理人になれる』への情熱を抱えた、料理に対する才能を秘めたキャラクターです。彼の挑戦は、ねずみとしての本能と、人間の料理人としての夢の両立。本作の最大の感情線を担う重要な役どころです。パットン・オズワルトの軽妙な発声法が、レミーに完璧な人格を与えました。
アルフレッド・リングイニ(声:ルウ・ロマーノ/日本語版:浪川大輔)
レストラン「グストー」の新人ゴミ係から始まる青年。料理の才能はゼロに近く、コミュニケーションも不器用ですが、ピュアで真っ直ぐな性格の持ち主。レミーとの秘密のパートナーシップを通じて、自分自身の人生をどう生きるかを学んでいきます。
コレット・タトゥ(声:ジャニーン・ガロファロ/日本語版:田中千絵)
レストラン「グストー」の副シェフを務める唯一の女性料理人。プロ意識が高く、男社会の厨房で生き抜いてきた経歴を持つ強い性格の女性。リングイニの指導役を務めると同時に、彼との恋愛関係も芽生えていきます。
スキナー(声:イアン・ホルム/日本語版:志賀勝)
グストーの後継として店の副料理長を務めるが、近年は店を商業的な冷凍食品ブランドに堕落させようと画策する小柄な悪役シェフ。フランス料理の伝統を踏みにじろうとする彼の行動が、本作の対立軸を形成します。
アントン・イーゴ(声:ピーター・オトゥール/日本語版:石田太郎)
パリで最も恐れられる料理批評家。背の高い細身の人物で、星の評価を決定的に左右する力を持ちます。グストーの店を5つ星から2つ星に落とした人物として知られており、本作の終盤の重要な役を担います。彼の名場面である「批評家の独白」は、本作の最大の名シーンとして記憶されています。
オーギュスト・グストー(声:ブラッド・ガレット/日本語版:)
伝説のフランス料理の名シェフ。本編冒頭ですでに故人となっていますが、レミーの想像の中で「料理の精神的指導者」として何度も登場します。著書『誰でも料理人になれる』が本作のテーマを支えます。
ジャンゴ(声:ブライアン・デネヒー/日本語版:)
レミーの父親で、ねずみの一族の長。「ねずみと人間は別の世界で生きるべき」という伝統を守ろうとする保守的な性格ですが、終盤で息子の選択を理解する重要な役どころ。
エミール(声:ピーター・ソーン/日本語版:)
レミーの兄ねずみ。素朴で食いしん坊な性格で、レミーの料理の助手として常に身近に寄り添う頼れる存在。
ガストロ(声:ピーター・ソーン)
グストーのレストランで料理人見習いを務める、髪型に特徴のある中華系のシェフ。終盤で彼自身の正体が明かされる重要な役どころ。
スタッフ・キャスト陣
監督・脚本はブラッド・バード。前作『Mr.インクレディブル』に続いてピクサー長編監督2作目で、本作は彼の作家性が最も完成された形で結晶化した代表作と評価されています。本作は元々ヤン・ピンカヴァが監督として進めていた企画でしたが、ストーリー上の問題からブラッド・バードが急遽監督を引き継ぎ、約18ヶ月の短期間で大幅な再構築を経て公開に至ったという経緯があります。
音楽はマイケル・ジアッキーノ。前作『Mr.インクレディブル』に続いてバード監督との二度目のタッグで、本作のためにフランスのアコーディオン文化と現代オーケストラを融合させた繊細な楽曲群を書き下ろしました。彼は本作以降、ピクサー作品の音楽担当として中核的な存在へと成長していきます。
本作の制作のために、ピクサーは現役の三つ星シェフ「トーマス・ケラー」(カリフォルニア州ナパの「フレンチ・ローンドリ」のオーナーシェフ)をアドバイザーとして招き、現実のフレンチ・キッチンの所作・道具・調理法を完璧に再現する取り組みを行いました。さらにバード監督と脚本陣は、パリの三つ星レストラン「Guy Savoy」「Taillevent」「La Tour d'Argent」を実際に訪問し、シェフたちと深い対話を重ねたことが知られています。
主演キャスト
レミー役のパットン・オズワルトは、米国で人気のスタンドアップ・コメディアン・俳優。本作で初めての長編アニメーション主役を務め、彼の独特の語り口と知的なユーモアが、レミーに完璧な人格を与えました。ブラッド・バード監督は、オズワルトのスタンドアップ・コメディの番組を聞いて「彼こそがレミー」と確信し、起用を即決したと公表しています。
アントン・イーゴ役のピーター・オトゥールは、『アラビアのロレンス』で広く知られる名優の一人で、当時74歳。本作のために、彼の威厳ある冷たい発声法を最大限に発揮し、終盤の「批評家の独白」というキャラクターアークを完璧に演じきりました。本作は彼の俳優キャリア晩年の代表作の一つとして記憶されています。
スキナー役のイアン・ホルムは、『指輪物語』のビルボ・バギンズ役で広く知られる英国の名優。彼の小柄でエネルギッシュな声色が、悪役シェフのキャラクター性を完璧に支えました。第35回アニー賞最優秀男性声優賞を受賞しています。
コレット役のジャニーン・ガロファロ、リングイニ役のルウ・ロマーノ(ピクサーの社内アーティスト出身)、グストー役のブラッド・ガレット、ジャンゴ役のブライアン・デネヒーといった俳優陣が脇を固めました。
日本語吹替版では、レミー役を堺雅人、リングイニ役を浪川大輔、コレット役を田中千絵、スキナー役を志賀勝、アントン・イーゴ役を石田太郎が担当。日本声優界・俳優界の起用が日本語版の魅力を独自に高めました。
興行収入・話題
興行収入・話題
『レミーのおいしいレストラン』は2007年6月29日に米国で公開されました。米国国内の最終興行収入は約2億660万米ドル、世界興行収入は累計で約6億2300万米ドルに達しました。2007年の世界興行ランキングで第6位、長編アニメーションでは『シュレック3』に次ぐ年間第2位を記録しました。日本では2007年7月公開で、配給収入は約26億円、興行収入は約56億円超を記録しています。
本作の興行的成功は、ピクサー作品としては『カーズ』に続く6作連続のメガヒットを達成し、ピクサーが世界のアニメーション業界をリードするスタジオであることを完全に示す結果となりました。さらに、本作の批評集約スコアと受賞数では、ピクサー作品の中でも最上位レベルの評価を得ており、興行と批評の両面で「ピクサー黄金期」を象徴する代表作として位置づけられています。
評価・受賞歴
第80回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、長編アニメーション賞を受賞。さらにオリジナル脚本賞、オリジナル作曲賞、音響編集賞、音響賞にもノミネートされました。長編アニメーション映画として脚本賞にノミネートされたのは『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』に続く偉業でした。
第35回アニー賞では13部門にノミネートされ、9部門で受賞(最優秀作品賞、監督賞、脚本賞、最優秀男性声優賞[イアン・ホルム]ほか)。第65回ゴールデングローブ賞アニメーション映画賞、第61回英国アカデミー賞アニメーション映画賞、第34回ロサンゼルス映画批評家協会賞アニメーション部門賞ほか、世界中の主要映画賞でほぼ総なめに近い結果を残しました。
Rotten Tomatoesは96%の高評価、Metacriticは96/100の「universal acclaim」スコアを記録。批評集約スコアでもピクサー作品史上最上位レベルの評価を維持し続けており、特に「料理映画」というジャンルでも最高峰の評価を得ています。2025年7月のDisney+グローバル・ストリーミング・ランキングでも上位5作品入りを果たすなど、公開から18年を経た現在も世界中で愛され続ける長寿作品です。
ネタバレ
※ここからネタバレを含みます。
クライマックス
物語の終盤、料理批評家アントン・イーゴが「グストー」レストランの最終評価のため来店する直前、レミーとリングイニの秘密のパートナーシップは、ある事件をきっかけに明かされてしまいます。リングイニは決定的な瞬間、コレットと厨房スタッフ全員に対して、自分が今までシェフとして演じていた料理は実は頭の上にいるねずみのレミーが操っていたという事実を告白します。
衝撃を受けたコレットと厨房スタッフは全員辞めてしまい、リングイニは一人で批評家を迎えなければならない状況に陥ります。しかしレミーは独自の判断で、ねずみの一族(父ジャンゴ、兄エミール、その他多数の親族)に協力を頼み、何百匹ものねずみが厨房に流れ込み、レミーの指揮のもとで一斉に料理を作り始めます。
レミーが選んだメニューは、シンプルな田舎料理「ラタトゥイユ」。フランスの伝統的な野菜の煮込み料理で、本作のタイトルにもなっている料理です。アントン・イーゴが一口食べた瞬間、彼は子ども時代の田舎の母の料理の記憶を一気に呼び起こされ、長年の冷たい批評家の仮面が一瞬で崩れ落ちます。
結末が示すもの
アントン・イーゴは涙を流しながら厨房に出向き、料理人の正体を確認することを求めます。リングイニは正直にレミーがシェフであることを明かし、その瞬間、長年の伝統的なフランス料理界の常識――ねずみは厨房に近づくな――が完全に崩れ落ちます。
アントン・イーゴはその後、自分の批評記事に「批評家の独白」と題する伝説的な文章を載せます――「批評家として、私は守りに入っていた。新しいものを批判する方が、新しいものを認めるよりも安全だからだ。だが、グストーが残した『誰でも料理人になれる』という言葉は、本当にすべての才能ある人に開かれていることを、今夜の食事が私に教えてくれた」。彼は店の評価を最高位に格上げします。
レストラン「グストー」は批評家との関係上、保健所による営業停止処分を受けますが、レミー、リングイニ、コレット、ガストロ(彼はグストーの隠し子だったことが判明)、アントン・イーゴが共同で新しいレストラン「ラ・ラタトゥイユ」をパリの裏路地に立ち上げ、人間とねずみが共存する世界初の高級レストランとして開業します。
本作の結末は、「誰でも料理人になれる」というグストーの格言が真の意味で実現された瞬間として、観客に深い感慨を手渡してきます。グストー本人は「誰でも料理人になれる」と言ったが、これは「すべての人がシェフになる」のではなく「シェフは誰の中からでも現れる」という意味だったことが、終盤のレミーの台詞によって明かされます。
トリビア
本作は元々、ピクサー社内のヤン・ピンカヴァ監督が長編としてプロジェクトを進めていましたが、ストーリー上の問題から、ブラッド・バードが急遽監督を引き継ぎました。約18ヶ月という短期間で、バードは脚本を全面的に書き直し、ピクサー長編としては前例のない短期スケジュールで完成させました。
本作の制作のために、ピクサーは現役の三つ星シェフ「トーマス・ケラー」(カリフォルニア州ナパの「フレンチ・ローンドリ」のオーナーシェフ)をアドバイザーとして招きました。彼は終盤の「ラタトゥイユ」のレシピを本作のために新規に開発しました。
ブラッド・バード監督と脚本陣は、本作のためにパリの三つ星レストラン「Guy Savoy」「Taillevent」「La Tour d'Argent」を実際に訪問し、シェフたちと深い対話を重ねました。本作の厨房デザインは、これらのレストランの実際のキッチンを綿密に取材した結果として再現されています。
レミー役のパットン・オズワルトは、米国で人気のスタンドアップ・コメディアン。ブラッド・バード監督は彼のスタンドアップ・コメディ番組を聞いて「彼こそがレミー」と確信し、起用を即決しました。
第80回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、長編アニメーション賞を受賞。さらにオリジナル脚本賞にもノミネート。長編アニメーション映画として脚本賞にノミネートされたのは『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』に続く偉業でした。
第35回アニー賞では13部門にノミネートされ、9部門で受賞しました。これはアニー賞史上、同年度の単独作品としては最多の受賞数の一つで、ピクサー作品の評価を最上位レベルに押し上げる結果となりました。
終盤のアントン・イーゴ役のピーター・オトゥール(『アラビアのロレンス』で広く知られる名優)が読み上げる「批評家の独白」は、本作の最大の名シーンとして記憶されています。この独白は脚本のブラッド・バードが、自身が映画批評家から受けた評価への複雑な感情を込めて書き下ろしたと、後年のインタビューで明かしています。
撮影裏話
撮影の舞台裏
本作の制作は2000年初頭から2007年初夏までの約7年間に及ぶ長期プロジェクトでしたが、ブラッド・バード監督が中盤で急遽監督として就任した2005年以降の約18ヶ月間に、現実的には脚本の全面書き直しと作画の大幅な再構築が集中しました。バード監督は、ピクサー社内では「最も短期間で長編を完成させた監督」として記憶されています。
キャストの準備
レミー役のパットン・オズワルトは、収録のためピクサー本社のスタジオに何度も通い、ブラッド・バード監督と何時間も議論を重ねながら、ねずみの心の動きを声色で表現する難しい挑戦に取り組みました。彼自身が大の食通として知られており、本作の収録のためにパリへ短期間留学し、現地のシェフとの対話から得たインスピレーションを声色に注ぎ込んだといいます。
アントン・イーゴ役のピーター・オトゥールは、収録のために特別にロサンゼルスから引き出されました。「批評家の独白」のシーンは、彼が自身の長い俳優キャリアで蓄積してきた人間観察を声色に注ぎ込んだ、本作の最も感動的な収録セッションとして語り継がれています。
スキナー役のイアン・ホルムは、本作のためにフランス語訛りの英語を独自に開発し、コミカルかつ威圧感のある悪役性を完璧に表現しました。
技術的な挑戦
本作の最大の技術的挑戦は、フランス料理を物理的にも視覚的にも完璧に再現することでした。ピクサーの開発チームは、本作のために「液体の動的シミュレーション」「食材の質感」「火と煙の物理表現」などを精緻に再現する新しい技術を開発しました。本作のために投入された計算資源は、当時のピクサー史上最大のスケールに達したと公表されています。
また、レミーとねずみの一族の毛皮シミュレーションは、前作『モンスターズ・インク』でサリーのために開発された技術を発展させ、本作のために何百匹ものねずみが同時に画面で動く場面を物理的に正確に再現する仕組みが整えられました。
公開当時の余話
公開時、本作はピクサー作品としては『ファインディング・ニモ』『Mr.インクレディブル』に続く批評的・興行的な大成功を収めました。しかし本作の本当の評価は、公開から数年後、Disney+での配信を機に世界中で再評価が湧き上がり、特にコロナ禍の2020年から2021年にかけて「家庭で観る最高のアニメーション映画」として再評価が深まりました。本作のテーマである「誰でも料理人になれる」というメッセージは、世界中の観客が自宅で料理を楽しむ機会の増加と完璧に共鳴し、長期にわたって愛され続ける長寿作品としての地位を確立しました。