スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバースが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2023年
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『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が見れる動画配信サービス

現在、Amazon Prime Video・Disney+ で視聴できます。

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『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』とは?作品の見どころ

ブルックリンの夜、自分のスパイダーマンとして街に立ち続けるマイルス・モラレスの前に、別次元から再び戻ってきたグウェン・ステイシー。彼女が連れて行こうとするのは、ミゲル・オハラというスパイダーマン2099が率いる、巨大なスパイダー・ヒーローたちの組織「スパイダー・ソサエティ」。そこで明かされるのは、宇宙のあらゆる次元のスパイダーマンが共通して経験するという、ある種の「運命の瞬間」と、その「運命」を逸脱しようとする者がもたらす多元宇宙の崩壊危機――。前作『スパイダーマン:スパイダーバース』に続く、フィル・ロード&クリストファー・ミラー製作のアニメーション続編は、視覚スタイルの多様性とテーマの深さの両面で、続編作品の常識を一気に塗り替える1作です。

2023年に公開されたアメリカ映画で、ジャンルは長編アニメーションの英雄譚です。製作・脚本はフィル・ロード、クリストファー・ミラー、デヴィッド・キャラハム。共同監督はホアキム・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソン。マイルス役にシャミーク・ムーア、グウェン役にヘイリー・スタインフェルド、ミゲル役にオスカー・アイザック、ピーター・B・パーカー役にジェイク・ジョンソン、スポット役にジェイソン・シュワルツマン、ホビー(スパイダーパンク)役にダニエル・カルーヤ、パヴィトル(スパイダー・インディア)役にカーラン・ソニ、ジェシカ役にイッサ・レイらが配されています。

最大の見どころは、6つ以上の完全に異なるアニメーション・スタイルを同じフィルムの上で共存させる視覚設計と、本作のために書き下ろされたメティロ・ディーン作曲の長編サウンドトラック、そして本作のクライマックスで観客に手渡される「運命に逆らうマイルス」の一方的な決断にあります。続編三部作の中編にあたる本作は、終盤に至るまでの感情の積み重ねが、最終作『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』への期待を一気に高める仕事を果たしています。

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を全話無料で見る方法

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を全話無料で見る方法は、現時点での日本国内の主要動画配信サービスでは、Amazon Prime VideoとDisney+の2つのサブスクリプションのいずれかに加入することです。いずれもサービスへの登録だけで、追加課金なしに最後まで視聴できます。

Amazon Prime Video

プライム会員であれば、見放題対象として本作を視聴できます。アカウントを作成しプライムに加入すれば、スマートフォン、タブレット、テレビアプリ、ブラウザのいずれからでも再生可能です。広告つきプランでも本作は視聴対象に含まれます。

Disney+

ディズニープラスのスタンダードプランかプレミアムプランに加入すれば、追加課金なしに本作を視聴できます。アカウントを作成しプランを選んでログインすれば、スマートフォン、タブレット、テレビアプリ、ブラウザのいずれでも再生可能です。広告は挿入されません。

そのほか、Apple TVやGoogle Play Movies、Amazon Videoといったデジタル販売プラットフォームでは、レンタルや購入の選択肢があります。これらは「無料の手段ではないが、視聴ルートとして補足」しておきます。Netflix、Hulu、U-NEXTの日本版では、現時点で本作の見放題配信は行われていません。

あらすじ

物語の始まり

物語の幕開けは、別次元の地球-65(ガールズ・ワールド)に住むグウェン・ステイシーの世界。彼女はその世界で唯一のスパイダー・ヒーローとして街に立ち続けていますが、彼女の父親は警察官で、最近娘の正体に気付き始めた状態にあり、家族の関係はぎこちないものになっています。長尺のオープニング・モノローグで彼女自身の現在地が観客に手渡された後、本作はマイルス・モラレスのいるブルックリンへと舞台を移します。

主人公を待ち受けるもの

前作から1年半後、マイルスはブルックリンで「自分のスパイダーマン」として街を守る生活を続けています。学業、家族、街の安全、自身の将来――15歳の彼の上には複数の責任が積み重なっており、両親であるジェフとリオは彼の進学準備に強い期待を寄せています。けれど街には、新しい奇妙な敵が現れていました。「スポット」と呼ばれる男――身体中の白黒の斑点が次元の入口になっており、自分自身も次元のあいだを行き来できる男です。彼は当初こそ間抜けな現金強盗として登場しますが、本作の中盤に向けて、自分の力の根源を理解し、本作のもっとも危険な存在へと急速に成長していきます。

マイルスのもとに突然、別次元のグウェンが「リターン」してきます。彼女は彼を、ミゲル・オハラというスパイダーマン2099が率いる「スパイダー・ソサエティ」――数百人のスパイダー・ヒーローが集結している多元宇宙的な組織――の本拠地、ヌエヴァ・ヨークに案内します。マイルスはそこで、ホビー・ブラウン(スパイダー・パンク)、パヴィトル・プラブハカール(スパイダー・マン・インディア)、ピーター・B・パーカーと幼い娘メイデイ、そしてジェシカ・ドリュー(スパイダー・ウーマン)など、数えきれないほどのスパイダー・ヒーローたちと出会います。

物語が進むにつれて立ち上がってくるのは、ミゲル・オハラが堅持する「キャノン・イベント」という考え方です。あらゆる次元のスパイダーマンが共通して経験する、特定の「運命の瞬間」――愛する大切な人物の死、警察官の父との決別、特定の時点での試練――を、誰かが回避しようとすると、その次元自体が崩壊する。ミゲルはマイルスのいる地球-1610において、近い将来「彼の父ジェフ警官の死」というキャノン・イベントが控えていると告げ、マイルスにそれを「受け入れる」ことを求めます。マイルスはこの「運命に従え」という命令に対して、自分自身の判断で正面から「No」を突きつけることを選んでいきます。

登場人物

マイルス・モラレス(声:シャミーク・ムーア)

本作の主人公。ブルックリンに住む15歳の少年で、前作のラスト以降、自分自身のスパイダーマンとして街を守り続けています。学校、家族、ヒーローとしての責任のあいだで揺れる青春の真ん中の時間を、本作はじっくり描いていきます。彼が本作の中盤で直面する「自分の運命を決められたくない」という決断は、本作のテーマそのものを担います。

グウェン・ステイシー(声:ヘイリー・スタインフェルド)

別次元のスパイダー・ヒーロー。本作では彼女自身の世界での父親との関係、ヒーローとしての孤独、そしてスパイダー・ソサエティに所属する立場を、本作のもうひとりの主人公として丁寧に描かれます。ヘイリー・スタインフェルドは前作からの続投で、彼女の声色とキャラクターのアニメーションは、本作の感情の中心軸のひとつを担います。

ミゲル・オハラ/スパイダーマン2099(声:オスカー・アイザック)

スパイダー・ソサエティを率いる、未来の地球-928から来たスパイダー・ヒーロー。冷静で、規律と効率を重んじる、本作の中盤以降の最大の対立軸を担う人物です。彼自身が背負う深い喪失と、そこから引き出された「キャノン・イベント」の信念が、本作のもっとも倫理的な対立を生む土台となります。オスカー・アイザックの低い声色は、本作の最大のサスペンスを支えています。

スポット/ジョナサン・オーン(声:ジェイソン・シュワルツマン)

本作の主要な悪役。前作の中盤に登場したコライダーの爆発の瞬間に、彼自身の身体が次元のあいだを行き来できる装置に変わってしまった、元アルキャマックスの研究員。物語の前半は間抜けな失敗続きの男として描かれますが、本作の中盤に向けて、自分自身の力の根源を理解した瞬間に最大の脅威へと変身していきます。

ホビー・ブラウン/スパイダー・パンク(声:ダニエル・カルーヤ)

ロンドンの別次元から来た、パンク・スタイルのスパイダー・ヒーロー。手描きのコラージュ風アニメーションで描かれる本作のもっとも視覚的に異形のキャラクターのひとりです。反権威的なスタンスでミゲルとの対立も最初から隠さず、マイルスの自由を後押しする重要な人物として登場します。

パヴィトル・プラブハカール/スパイダー・マン・インディア(声:カーラン・ソニ)

ムンバイとマンハッタンを融合した架空の都市「ムンバッタン」に住む、別次元のスパイダー・ヒーロー。明るく社交的な性格で、街の住人ガヤトリとの淡い恋愛関係を抱えながら、本作の中盤に重要な役回りを担います。

ピーター・B・パーカー(声:ジェイク・ジョンソン)と娘メイデイ

前作のピーター・B・パーカーは、本作では小さな娘メイデイ・パーカーを抱きかかえながら登場します。彼の家族としての温度感と、ベテランのスパイダーマンとしての落ち着きが、本作のもっとも温かいシーンを支えます。

ジェフ・モラレス(声:ブライアン・タイリー・ヘンリー)/リオ・モラレス(声:ルナ・ローレン・ヴェレス)

マイルスの父親(警官)と母親。本作では、息子の進路と家族の絆について話し合う家族の食卓のシーンが、本作の感情の入口として丁寧に描かれます。マイルスがふたりに自分の正体を直接打ち明けられないというジレンマが、本作の青春劇としての側面を深く支えています。

スタッフ・キャスト陣

製作・脚本はフィル・ロード、クリストファー・ミラー、デヴィッド・キャラハム。前作『スパイダーマン:スパイダーバース』の世界的な成功を受けて、続編三部作として本作と最終作『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』が同時並行で開発されることになりました。共同監督はホアキム・ドス・サントス(『アバター 伝説の少年アン』)、ケンプ・パワーズ(『ソウルフル・ワールド』)、ジャスティン・K・トンプソン(前作のプロダクション・デザイナー)の3人体制で、それぞれが異なる次元のスタイル設計と感情のラインを担当しました。

音楽はメティロ・ディーン(Daniel Pemberton)。前作のサウンドトラックの基調を引き継ぎつつ、本作のためにヒンドゥスターニ古典音楽、ロンドン・パンク、レゲトン、ヒップホップなど、多種多様な音楽様式を取り込んだ大規模なスコアを書き下ろしました。本作のサウンドトラックは、Metro Boomin によるアルバム『METRO BOOMIN PRESENTS SPIDER-MAN: ACROSS THE SPIDER-VERSE』として独立してリリースされ、米ビルボード・チャートで首位を獲得するなど、楽曲そのものが大きな成功を収めています。

アニメーション制作はソニー・ピクチャーズ・アニメーションが中心となり、世界中の複数のスタジオが協力する形で行われました。本作のアニメーション・パイプラインは、前作からさらに発展した手法で組み立てられ、各次元ごとに固有の作画スタイル(手描きの線、水彩、コラージュ、ハーフトーン・ドット、3D-CGなど)を、同じ画面上で衝突なく共存させる仕事が数年にわたって積み重ねられました。

主演キャスト

マイルス役のシャミーク・ムーア、グウェン役のヘイリー・スタインフェルド、ピーター・B・パーカー役のジェイク・ジョンソンは、いずれも前作からの続投。本作のためにそれぞれが声色のリズムを少し成長させ、前作からの数年間で「育っていった」キャラクターを表現する役作りを進めました。

本作の新キャストとなるオスカー・アイザック、ジェイソン・シュワルツマン、ダニエル・カルーヤ、カーラン・ソニ、イッサ・レイらは、本作の世界の多様性を象徴する起用として、それぞれ独特の声色で本作のキャラクターの幅を広げています。

興行収入・話題

興行収入・話題

製作費は約1億ドル。世界興行収入は6億9000万ドル超を記録し、前作を大きく上回るヒットとなりました。北米では公開初週末から熱狂的な評価をもって迎えられ、家庭用配信展開後も世代を越えて長期にわたって視聴され続けています。本作の成功は、続編三部作の最終作『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』への期待を一気に高めることとなりました。

評価・受賞歴

第96回アカデミー賞では長編アニメ映画賞にノミネートされました。第81回ゴールデングローブ賞でも長編アニメ部門のノミネートを獲得し、第51回アニー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、音楽賞など合計7部門を受賞しています。批評家団体やファン投票によるオールタイムベスト選にもしばしば登場し、IMDbのユーザー投票では公開以後の上位に長く位置し続けています。本作のアニメーションのスタイル設計は、前作以上に世界中のアニメ業界の作家に影響を与えており、続編三部作の中編にもかかわらず、シリーズの代表作のひとつとして広く語られ続けています。

ネタバレ

※ここからネタバレを含みます。

クライマックス

物語の中盤、マイルスはミゲル・オハラの率いるスパイダー・ソサエティの本拠地ヌエヴァ・ヨークで、自身の世界に近い将来訪れる「キャノン・イベント」――父ジェフが警部に昇進した直後に殉職するという運命――を告げられます。本作のもっとも痛切な瞬間のひとつが、この告知の場面です。マイルスは「他のスパイダーマンたちはみな、愛する人物を失う運命を受け入れることでスパイダーマンになった。お前もそれを受け入れろ」と言うミゲルに対し、「いいえ、僕は父さんを救う」と応答し、組織からの離脱を決断します。

ここからの追跡シーケンスは、本作のクライマックスとなる長尺のアクション・パートです。マイルスは1000人を超えるスパイダー・ヒーローたちに同時に追われながら、自身のすぐれたスニーキング能力(ヴェノム・ストライク、見えなくなる迷彩)を駆使して、ヌエヴァ・ヨークの巨大都市と多元宇宙のあいだを駆け抜けていきます。途中で彼を密かに支援するのが、反権威的な立場のスパイダー・パンク(ホビー・ブラウン)と、ピーター・B・パーカー、そしてグウェン・ステイシー。彼らはそれぞれの形でマイルスの判断を支援する、本作のもっとも温かい連帯のラインを担います。

物語のクライマックスでは、マイルスがついに自身の故郷である地球-1610へ戻る扉に飛び込みます。けれども彼が辿り着いたのは、想定していた地球ではない別の次元――地球-42――でした。そこは、スパイダーマンの存在しない世界。マイルスはその世界で、自分の母親リオに「あなたは私の息子じゃない」と告げられ、本作の最大の衝撃の場面を迎えます。地球-42には、本作の展開のもっとも重要な伏線――マイルス自身のもうひとつの存在、プラウラーとしてのマイルス――が待ち受けています。

結末が示すもの

本作のラストは、3つの線が同時並行で動きます。ひとつめは、地球-42に閉じ込められたマイルスが、もうひとりの自分(プラウラー版マイルス)に直面する場面。ふたつめは、地球-65に戻ったグウェンが、ホビー、ピーター・B・パーカー、ピーター・B・パーカー(メイデイを抱いた姿)、ペニ・パーカー、スパイダーマン・ノワールらの「自由派スパイダー・ヒーロー連合」を結集し、マイルスを救出するために動き出す場面。みっつめは、地球-1610で父ジェフが警部就任の祝賀パーティーを準備している、本作のもっとも温かい最後の家族の風景です。

しかし本作は、マイルスを救出する旅路の途中で唐突に画面を暗転させ、続編『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』に物語を引き渡す形で幕を閉じていきます。「To Be Continued(続く)」――観客にこの一行を直接突きつけるラストの構成は、続編三部作の中編らしい大胆な選択として、世界中の観客から賛否両論をもって迎えられました。マイルスが「自分の運命を自分で決める」という決断を下した瞬間に、彼が払うべき代償が画面の上で具体化していく――その続きを、観客は最終作の公開まで待ち続けることになります。

トリビア

  1. 本作のアニメーション制作には、前作以上に大規模な人員が投入されました。前作の制作期間中に約140人だったアニメ部門のスタッフ数は、本作の制作期間で200人以上に拡大したとされ、複数のアニメスタイルを同じ画面の上で共存させる仕事の規模が、ジャンル全体の規範を一気に塗り替えました。

  2. グウェン・ステイシーの世界(地球-65)の水彩風のアニメーション・スタイルは、本作のために特別に開発された手法です。彼女の感情の状態に応じて、画面の背景の色温度がリアルタイムで変化する仕掛けが組み込まれており、観客が彼女の心情を画面の色だけで読み取れる設計となっています。

  3. スパイダー・パンクのホビー・ブラウンのアニメーションは、コラージュ風の手描きと印刷物の重ね合わせで作られています。彼が動くたびにフレームレートが意図的に揺れ、本作のもっとも視覚的に異形のキャラクターのひとりとして観客の記憶に残る仕事になっています。

  4. ミゲル・オハラ役のオスカー・アイザックの起用は、本作の制作初期段階から決まっていました。彼は本作の前にも『デューン 砂の惑星』『ムーン・ナイト』などで多忙でしたが、本作の収録のために長期間スケジュールを確保し、最終的な役の声色を作り上げました。

  5. メティロ・ディーン作曲のサウンドトラックには、Daniel Pembertonの主要スコアに加えて、Metro Boominがプロデュースしたヒップホップ/R&Bのコラボレーション・アルバムが組み合わされています。アルバムには Don Toliver、Future、A$AP Rocky など多数のアーティストが参加しており、米ビルボード・チャートで首位を獲得しました。

  6. 本作には、世界各地のスパイダーマンの実写映画やアニメシリーズからの参照イメージが多数織り込まれています。トビー・マグワイア版『スパイダーマン』、トム・ホランド版MCU『スパイダーマン』、1990年代アニメ『スパイダーマン』、トルコ実写版『3 Dev Adam』など、複数の世代のスパイダー・ヒーローのオマージュが画面に短い瞬間として登場します。

  7. 続編三部作の最終作『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』は、本作と同時並行で開発が進められていましたが、当初予定された公開時期から複数回の延期を経ています。本作のラストの「To Be Continued」を観客に届けたあとに、最終作の公開を待つ期間が、世界中のスパイダーバース・ファンにとって長い議論の時間となっています。

撮影裏話

制作の舞台裏

アニメーション制作はソニー・ピクチャーズ・アニメーションが中心となり、世界中の複数のスタジオの協力を得て進められました。本作のために6つ以上の異なる次元のアニメーション・スタイルが新たに開発され、それぞれの世界に固有の質感が画面の上で同時に成立するよう、長期にわたるパイプラインの整備が行われました。

キャストの準備

シャミーク・ムーアは、前作からの数年間で「育っていく」マイルスを声色の上で表現するため、青年期のかすれや声の幅を意識的に広げる役作りを進めました。本作のラストの感情の爆発の場面――母リオの前で「自分の正体」をめぐる衝撃を受け取る一連のシーン――は、彼の声優としてのキャリアの絶頂期を象徴する仕事として、世界中の観客から評価されています。

ヘイリー・スタインフェルドは、グウェンの孤独と希望のあいだを揺れる感情のラインを、本作の冒頭の長尺モノローグで一気に観客に手渡す役作りを進めました。オスカー・アイザックは、ミゲル・オハラの低く抑えた声色のディテールを、撮影現場で監督陣と長時間にわたって調整したと伝えられます。

技術的な挑戦

本作の最大の技術的挑戦のひとつは、6つ以上の異なるアニメーション・スタイルを同じ画面の上で違和感なく共存させる仕事でした。アーキスタイルから見ると地球-1610のコミック風、地球-65の水彩風、地球-928(ヌエヴァ・ヨーク)のサイバーパンク・モダン風、ムンバッタンの色彩豊かなインディア風、スパイダー・パンクのコラージュ風、その他複数のスタイルが、同じシーンで隣り合うことが頻繁にあります。それぞれのキャラクターのフレームレート、ライティング、線の太さ、色のトーンを別々に管理しながら、画面の上で混乱なく共存させる仕事は、本作のために構築された新しいアニメーション・パイプラインの最大の達成として、業界内で広く参照されています。