ザ・バットマンが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説
『ザ・バットマン』が見れる動画配信サービス
現在、Netflix・Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。
| 配信サービス | 視聴可否 |
|---|---|
| Netflix | 視聴可能 |
| Amazon Prime Video | 視聴可能 |
| Disney+ | − |
| Hulu | 視聴可能 |
| U-NEXT | 視聴可能 |
『ザ・バットマン』とは?作品の見どころ
ゴッサム・シティの闇に蠢く正義の覆面ヒーローではなく、復讐に取り憑かれた青年として描かれる新生バットマン――2022年3月公開のリブート作『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は、ロバート・パティンソンが2年目のブルース・ウェインを演じ、マット・リーヴス監督がDCの伝説をフィルム・ノワール調で再構築した3時間の大作です。
本作は、これまでクリストファー・ノーラン版『ダークナイト』三部作(2005-2012)、ザック・スナイダー版『DCEU』(ベン・アフレック主演)と続いてきたバットマン映画の系譜を完全リセットしたリブート作品です。製作はワーナー・ブラザース、上映時間は176分。脚本はマット・リーヴスとピーター・クレイグが共同で執筆し、犯罪サスペンス/フィルム・ノワール/カーチェイス・スリラーが融合した独特のトーンで仕上げられています。
見どころは、ロバート・パティンソンが演じる『未熟で不器用な復讐者としてのバットマン』と、ポール・ダノが演じる猟奇殺人犯リドラーの息詰まる頭脳戦、そしてゾーイ・クラヴィッツのキャットウーマンとの危うい関係性です。グレッグ・フレイザーの陰影深い撮影、マイケル・ジアッキーノの重低音テーマが、ゴッサムを『腐敗にまみれた現代都市』として鮮烈に立ち上げています。
『ザ・バットマン』を全話無料で見る方法
映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』を全話無料で視聴したい場合、最も手堅い選択肢はU-NEXTの31日間無料トライアルを活用する方法です。月額2189円のU-NEXTで本作は見放題配信されており、新規入会で31日間の無料体験中に視聴可能です。
U-NEXT(31日間無料トライアル)
本作はU-NEXTの見放題対象として配信されています。新規入会の場合は31日間の無料トライアルが用意されており、その期間中であれば追加料金なしで本編を最後まで鑑賞できます。U-NEXTにはマット・リーヴス監督の他作品(『猿の惑星』新シリーズ)や、過去の『ダークナイト』三部作も同時に見放題で揃っているため、バットマン映画史を網羅的に楽しみたい方にも最適です。登録時に600ポイントが付与されるため、関連書籍やコミックの購入にも応用可能です。
Netflix(無料体験は2019年に終了)
本作はNetflixでも見放題配信中ですが、Netflixの日本国内での無料体験は2019年に終了しているため、新規ユーザーが完全無料で視聴する手段はありません。既存会員であれば追加料金なしで視聴可能です。
Amazon Prime Video(30日間無料体験/レンタル中心)
Amazon Prime Videoでは本作はレンタル中心で、見放題対象ではない可能性があります。プライム会員月額600円もしくは年額5900円のサービスで、新規入会の場合は30日間の無料体験が用意されていますが、本作の視聴には別途レンタル料金(500円前後)がかかる可能性があるため、無料体験で視聴したい方はU-NEXTの利用が確実です。
Hulu(無料体験なし)
Hulu Japanでも本作は見放題配信中ですが、Hulu Japanは2023年に2週間無料体験を終了しているため、新規ユーザーが完全無料で視聴する手段はありません。既存会員のみ追加料金なしで視聴できます。
補足:他の主要VOD
本作はワーナー・ブラザース作品ですが、Disney+やDMM TV、TELASA、FOD、dアニメストアでは配信されていません。これらのサービスのみを契約している方は、上記いずれかの無料体験に切り替えるのが最適です。レンタル・購入は『全話無料』の手段ではないため本記事では推奨しません。
あらすじ
物語の始まり
舞台は雨と腐敗にまみれた都市・ゴッサム・シティ。バットマンとして街の犯罪と戦い始めて2年目を迎えた青年ブルース・ウェインは、毎晩マスクを被ってゴッサムの裏路地に降り立ち、犯罪者を見つけては力で叩きのめす日々を送っていました。彼の心の中にあるのは、幼い頃に両親を路地裏で殺された記憶と、それに対する終わりのない復讐心。市民からは『復讐者(ヴェンジェンス)』と呼ばれ恐れられている彼は、自分自身が何のために戦っているのか、まだ確信を持てずにいます。
そんなある夜、ゴッサムの市長が自宅で惨殺される事件が発生します。現場に残されていたのは、被害者の顔を粘着テープでぐるぐる巻きにした猟奇的な手口と、バットマン本人に宛てた暗号文。事件を担当するゴードン警部補(ジェフリー・ライト)に呼ばれてバットマンは現場を調査し、犯人がゴッサムの権力者だけを標的とした連続殺人を企てていることを察します。
リドラーの挑戦状
犯人は『リドラー』(ポール・ダノ)と名乗る覆面の男で、現代版ジグソウのように殺害現場に複雑な暗号文を残していきます。リドラーはバットマンに対して『お前なら謎を解けるはず』と挑戦状を叩きつけ、ゴッサムの政界・財界に蔓延する腐敗の実態を一つずつ暴露しながら殺人を続けていきます。
捜査の過程でバットマンは、姿を消した活動家の友人を捜すキャットウーマン(セリーナ・カイル/ゾーイ・クラヴィッツ)と出会います。猫のようにしなやかな身のこなしと、富裕層への明確な反感を持つ彼女は、リドラーの事件に独自の関わりを持っており、バットマンと一時的に協力関係を結びます。
ゴッサムの闇
捜査が進むにつれ、リドラーが暴こうとしている『ゴッサムの腐敗』が、バットマンの父親トーマス・ウェインまで巻き込んでいた可能性が浮上します。ブルースが20年間信じてきた『清廉な父親』のイメージが揺らぎ、彼自身のアイデンティティが根底から問われる展開へと突入していきます。
ゴッサムの裏社会を牛耳るペンギン(コリン・ファレル)、犯罪王カーマイン・ファルコーネ(ジョン・タトゥーロ)、そしてリドラー自身の正体――こうした要素が複雑に絡み合いながら、物語は176分という長尺をかけて重厚なミステリーとして展開していきます。バットマンは、自分が何のために戦うべきか、復讐者ではなく『希望の象徴』として何ができるのかを、痛々しいほどリアルに探していきます。
登場人物
ブルース・ウェイン/バットマン(演・ロバート・パティンソン)
本作の主人公、復讐に取り憑かれた青年。両親を路地裏で殺された幼少期のトラウマを抱え続け、夜になるとバットマンとしてゴッサムの闇を駆け抜けます。本作のブルースは過去のバットマン映画とは大きく異なり、ヒーロー然とした風貌ではなく『不器用で人間関係を築けない、引きこもり気質の青年』として描かれます。彼が事件を通じて『復讐者』から『希望の象徴』へと変わっていく姿が本作の感情の核です。ロバート・パティンソンは『トワイライト』シリーズの後、『グッド・タイム』『ライトハウス』『TENET テネット』などで実力を磨いてきた英国俳優で、本作で過去のバットマン俳優とはまったく異なる『内省的なバットマン像』を確立しました。
セリーナ・カイル/キャットウーマン(演・ゾーイ・クラヴィッツ)
本作のヒロイン、富裕層への明確な反感を持つ謎めいた女性。ナイトクラブで働きながら、姿を消した活動家の友人アニカを捜してリドラー事件に独自に関わっていきます。彼女自身が抱える生い立ちの秘密と、バットマンとの共闘・反発を繰り返す関係性が、物語に独特の緊張感を与えます。ゾーイ・クラヴィッツは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ファンタスティック・ビースト』シリーズなどで存在感を示してきた俳優で、本作のキャットウーマン像はクラブの客あしらいと夜の戦闘の両方をこなす『現代的でリアルな女性盗賊』として高く評価されました。
リドラー/エドワード・ナシュトン(演・ポール・ダノ)
本作の最大の敵、ゴッサムの腐敗を暴こうと猟奇的な殺人を続ける覆面の知能犯。本名はエドワード・ナシュトンで、孤児院出身の会計士として育った彼が、社会の不正に対する憎悪を爆発させる過程が物語の終盤に向けて明かされていきます。ポール・ダノは『リトル・ミス・サンシャイン』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』などで実力を示してきた俳優で、本作では過去のリドラー像(ジム・キャリー版など)とはまったく異なる、不気味で内向的な殺人者像を確立しました。
ゴードン警部補(演・ジェフリー・ライト)
ゴッサム市警察の警部補で、バットマンの数少ない協力者です。腐敗にまみれた警察組織のなかで誠実さを守り続ける数少ない警官として描かれ、バットマンとの『正規の警察ではないが信頼できる相棒』としての関係性が物語の道徳的な軸を担います。ジェフリー・ライトは『007』シリーズのフェリックス・ライター役、『ハンガー・ゲーム FINAL』のビーティー役などで知られる名優です。
オズワルド・コブルポット/ペンギン(演・コリン・ファレル)
ゴッサムの裏社会で力を持つナイトクラブのオーナーで、犯罪王ファルコーネの右腕。本作では、コリン・ファレルが特殊メイクで完全別人と化したペンギン像が話題を集めました。本作の続編としてHBO MaxドラマシリーズThe Penguinが派生制作されるほどの強い印象を残しています。コリン・ファレルは『イン・ブルージュ』『ロブスター』などで知られる実力派俳優で、本作のメイク変身は彼のキャリアにおける最大の挑戦の一つとなりました。
カーマイン・ファルコーネ(演・ジョン・タトゥーロ)
ゴッサムの犯罪王、ペンギンの上司にあたる人物。表向きはゴッサムの慈善家として振る舞いながら、裏では街の闇を支配する独裁者です。彼の存在は本作のミステリーの核心に深く関わり、ブルース・ウェイン家との衝撃的な繋がりが物語のクライマックスで明かされていきます。
アルフレッド・ペニーワース(演・アンディ・サーキス)
ブルース・ウェインの執事で、孤児となった彼を育て上げた育ての親。本作のアルフレッドは過去作のような『理想的な紳士の召使い』ではなく、ブルースとの距離感に悩む現実的な父代わりとして描かれます。アンディ・サーキスは『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラム役、『猿の惑星』新シリーズのシーザー役などモーションキャプチャの第一人者として知られる俳優で、本作では生身の演技で重厚なアルフレッド像を作り上げました。
スタッフ・キャスト陣
本作の制作はワーナー・ブラザース・ピクチャーズと、マット・リーヴス監督自身のプロダクション『6th & Idaho』を中心に進められました。製作費は推定2億ドル(約290億円)で、撮影は2020年初頭からCOVID-19パンデミック下での中断を挟んで2021年3月にかけて、ロンドンのレヴェンスデン・スタジオを中心に行われました。
監督・脚本を務めるのはマット・リーヴス。『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008年)でデビューし、『LET ME IN』(2010年)、『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(2014年)、『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』(2017年)でハリウッドのトップ監督となった人物で、本作は彼にとって初のDCコミック原作映画です。リーヴスは本作のために数年間にわたってコミックの研究を行い、特に『バットマン:イヤー・ワン』『バットマン:ロング・ハロウィン』『バットマン:エゴ』など90年代以降の暗いトーンのコミックをベースにストーリーを構築しました。
脚本はマット・リーヴスとピーター・クレイグの共同執筆。クレイグは『ハンガー・ゲーム FINAL』『バッド・ボーイズ フォー・ライフ』などで知られる脚本家で、本作の犯罪サスペンス的な構造を支えました。
撮影監督はグレッグ・フレイザー。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』『DUNE/デューン 砂の惑星』でアカデミー撮影賞を受賞した一流カメラマンで、本作のゴッサムを『雨と橙色のネオンに沈む街』として独特の質感で映像化しました。彼の撮影スタイルが本作のフィルム・ノワール調を完璧に成立させています。
編集はウィリアム・ホイ、タイラー・ネルソン。美術はジェームズ・チンランドが担当し、ゴッサム・シティの大規模実物大セットを建造しました。リーヴス監督は『街全体がキャラクター』という方針のもと、現実の都市(ロンドン、リバプール、シカゴ、グラスゴー)でロケ撮影を行い、ゴッサムをこれまで以上に『リアルな現代都市』として立ち上げました。
音楽はマイケル・ジアッキーノ。『LOST』のテーマや『ロスト・ワールド』『MISSION: IMPOSSIBLE』シリーズなどで知られる作曲家で、本作のためにバットマンの新メインテーマを書き下ろしました。重低音が鳴り響く2音モチーフは、これまでのダニー・エルフマン版(バートン版)、ハンス・ジマー版(ノーラン版)とは異なる独自のサウンドアイデンティティを確立し、コミック原作ファンから『歴代最高のバットマン主題曲』と評価されています。
主演キャスト
ロバート・パティンソンは英国出身の俳優で、『トワイライト』シリーズで世界的なスターとなった後、『グッド・タイム』『ハイ・ライフ』『ライトハウス』など独立系作品で演技力を磨いてきました。本作のオーディションでは300人以上の候補から選ばれ、リーヴス監督は『内省的で不安定な若きブルース・ウェインを演じられる俳優』として彼を即決指名しました。
ゾーイ・クラヴィッツは音楽家レニー・クラヴィッツの娘で、女優としても『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ファンタスティック・ビースト』『ビッグ・リトル・ライズ』などで存在感を発揮してきました。本作のキャットウーマンは彼女の代表作の一つとして広く認知されています。
ポール・ダノは子役時代から実力を発揮してきた俳優で、『リトル・ミス・サンシャイン』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ノクターナル・アニマルズ』などでアカデミー賞ノミネート常連です。本作のリドラー像は彼のキャリアにおける最も陰惨かつ繊細な役柄として語られています。
ジェフリー・ライト、コリン・ファレル、ジョン・タトゥーロ、アンディ・サーキスといったベテランキャスト陣が脇を固め、ゴッサムの腐敗した街並みを名優たちの演技で立体化しています。
興行収入・話題
興行収入と話題
本作は2022年3月4日にアメリカで公開され、3週連続で全米週末興行ランキング1位を獲得しました。全世界興行収入は7.7億ドル(約1100億円)を記録し、製作費2億ドルを大きく回収する大ヒットとなりました。コロナ禍からの劇場回帰の象徴的作品の一つとして、ハリウッド業界からも注目を集めた一作です。
日本国内では2022年3月11日に公開され、初週末興行収入は3.4億円。最終興収は約16億円に達し、ハリウッド大作としては安定した数字を残しました。Filmarksの本作評価は3.9点(5点満点)と、シリーズファンから新規視聴者まで幅広い支持を集めました。
評価
米Rotten Tomatoesでは批評家スコア85%、観客スコア87%とほぼ全会一致の高評価を獲得しました。批評誌『The Hollywood Reporter』のレビューでは『過去最高峰のバットマン映画』『ロバート・パティンソンが新たなアイコンを誕生させた』と評価され、米アカデミー賞では撮影賞、視覚効果賞、音響賞の3部門にノミネートされました。
IPの広がり
本作の成功を受けて、HBO Maxではコリン・ファレルがペンギン役で続投する派生ドラマシリーズ『ザ・ペンギン』が2024年に制作・配信されました。さらにマット・リーヴス監督による続編『The Batman Part II』も発表されており、当初2025年公開予定が2026年10月にずれ込んだ形で開発が進んでいます。本作は単発映画として完結する作りでありながら、新たな『バットバース』の出発点としても位置づけられ、DCコミック映画の新たな潮流を作り出した記念碑的作品です。
ネタバレ
※ここからネタバレを含みます。
リドラーの正体
物語の中盤、リドラーの正体は『ゴッサム孤児院出身の会計士エドワード・ナシュトン』であることが明らかになります。彼は孤児として虐待されながら育ち、ゴッサムの『再生計画』が市の腐敗政治家たちによる横領のための偽装プロジェクトだったと知ったことで、社会への憎悪を爆発させました。彼の標的は『再生計画に関わった全員』で、市長・地方検事・警察委員長・ファルコーネと続く連続殺人は計画的な復讐の連鎖だったのです。
トーマス・ウェインの真実
本作の最大の衝撃は、ブルース・ウェインの父親トーマス・ウェインに関する暴露です。リドラーが暴いた事実によれば、トーマス・ウェインは選挙戦の最中に妻マーサの精神病院入院歴をスキャンダルとして暴露しようとした記者を、犯罪王ファルコーネに『黙らせる』ことを依頼していました。トーマスはあくまで『脅して黙らせる』つもりだったのですが、ファルコーネは記者を殺害してしまいます。さらにトーマスは、この事件をめぐってファルコーネを警察に告発しようとしたところ、自身も妻と共に路地裏で殺害される結末となったのです。
ブルースの選択
この真実を知ったブルースは、20年間信じてきた『清廉な父親像』の崩壊に直面します。けれどアルフレッドはブルースに『お前の父親は完璧ではなかったが、最後は正しいことをしようとした』と告げ、ブルースは父親の遺産を盲目的に守るのではなく、自分自身として何ができるかを問い始めます。
ゴッサムの大洪水
物語のクライマックスでは、リドラーが計画した『ゴッサム大水害』が引き起こされます。彼の指示を受けた信奉者たちが市内のダムに爆弾を仕掛け、ゴッサム市庁舎の市民集会会場まで水が押し寄せます。バットマンとキャットウーマン、ゴードン警部補が市民を救う中、ブルースは初めて『復讐者』ではなく『希望の象徴』として市民の前に立ちます。彼は怪我を負った市民の手を取り、共に水中から脱出する場面で『街にとってバットマンとは何か』という新しい答えにたどり着きます。
キャットウーマンの去り際
物語の終盤、セリーナはゴッサムを離れる決意を固めます。バットマンに『一緒に来ない?』と誘いますが、ブルースは『街には希望が必要だ』と返し、二人は別々の道を歩み始めます。この別れは続編への余韻として絶妙に配置されており、ロバート・パティンソンとゾーイ・クラヴィッツの繊細な演技が観客の胸を打ちました。
ジョーカーの登場
本作のラストにはアーカム精神病院でリドラーと話す『未来の宿敵』のシーンが用意されており、その人物は明らかにジョーカーであることが示唆されています(演はバリー・コーガン)。続編『The Batman Part II』ではこのジョーカーが本格的に登場するか否かが大きな注目点となっています。
トリビア
ロバート・パティンソンは本作のバットマン役を獲得するため、約400人の候補者と300回以上のオーディションを経て選ばれました。マット・リーヴス監督は彼を見た瞬間に『内省的で不安定な若きブルース・ウェインを演じられる稀有な俳優』と確信し、即決で起用を決定したと公式インタビューで語っています。
本作のバットスーツは、過去のバットマン映画よりも『手作り感』を意識したデザインに仕上げられています。ブルース・ウェインがバットマン2年目という設定のため、まだ完成度の低い荒削りな鎧をイメージし、頭部のカウルもスチール製の手打ち感が残る造形になっています。
コリン・ファレル演じるペンギンの特殊メイクには、毎回の撮影前に約4時間が必要でした。ファレル本人と気づかないファンが多発し、彼自身が『撮影現場でも自分の妻に気づかれなかった』と冗談交じりに語っています。
マイケル・ジアッキーノが書き下ろした本作のメインテーマには、バットマン4文字を表現するモールス符号がメロディーに組み込まれています。重低音の2音モチーフ(B-A)は、コミック原作のリドラー暗号からインスパイアされたとジアッキーノは公式インタビューで明かしています。
本作のゴッサム・シティのロケ地は、ロンドン(タワー・ブリッジなど)、リバプール(リバー・マージーサイドの工業地帯)、シカゴ(ループ地区)、グラスゴーの街並みが組み合わせられています。リーヴス監督は『単一都市ではなく複数の現代都市の混合体』としてゴッサムを構築する方針を採りました。
撮影現場ではCOVID-19パンデミックのために2020年9月に一時中断され、ロバート・パティンソン本人も陽性反応で2週間の隔離を経験しました。撮影期間は当初予定より3か月以上延びましたが、その間にリーヴス監督は脚本を再検討し、エンディング部分のディテールを練り直したと公式制作レポートで明かしています。
本作のラストに登場する『未来のジョーカー』はバリー・コーガン(『THE GOLD コールド・ウォー』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』)が演じています。劇場版では完全な顔は映りませんが、ホームエンタテインメント版(Blu-ray/配信)には削除されたジョーカーシーンが特典映像として収録されています。
撮影裏話
5年がかりの企画開発
本作の企画は2017年、ベン・アフレックがバットマン役を降板する決断を下したことから始まりました。ワーナー・ブラザースは新たな方向性を模索し、マット・リーヴスを監督として招聘。リーヴスは『過去のバットマン映画とはまったく異なる、若きブルース・ウェインの内省的な物語』を提案し、ワーナーは2017年からの本格的な企画開発をスタートさせました。脚本執筆、キャスティング、撮影準備に約4年を要し、2022年3月にようやく劇場公開に漕ぎ着けました。
コミックからのインスピレーション
リーヴス監督は本作の物語を構築するにあたって、過去のバットマンコミックを徹底的に研究しました。特に影響を受けたのは、フランク・ミラーの『バットマン:イヤー・ワン』(1987年)、ジェフ・ローブとティム・セイル の『バットマン:ロング・ハロウィン』(1996-97年)、ダレン・ヴァン・ローテンとマーク・スビ・サベルの『バットマン:エゴ』(2000年)です。これらのコミックに共通する『若く未熟なブルースが街を学んでいく』というテーマが、本作の根幹を支えています。
ロバート・パティンソンの役作り
ロバート・パティンソンは本作の役作りのため、約半年間にわたる肉体改造に取り組みました。バットスーツを着るための筋肉を作りながら、同時に『ヒーローらしくない、青ざめた青年の風情』を保つという矛盾した要求を、栄養管理と訓練のバランスで解決しました。彼はインタビューで『バットマンは強さよりも痛みを表現するキャラクターだと思った』と語っており、訓練中も『強くなりすぎないように』意識していたそうです。
COVID-19パンデミック下での撮影
撮影は2020年1月にイギリスのレヴェンスデン・スタジオでスタートしましたが、3月にCOVID-19パンデミックの影響で一時中断されました。9月に撮影再開後も、出演者・スタッフから複数の陽性者が出てさらに中断を余儀なくされました。最終的に撮影は2021年3月まで続き、当初予定より3か月以上の延長となりました。
グレッグ・フレイザーの撮影スタイル
撮影監督グレッグ・フレイザーは、本作のビジュアルアイデンティティを構築する重要な役割を担いました。彼は『街そのものが主役のフィルム・ノワール』を目指し、屋内シーンには温かい橙色のネオン、屋外シーンには冷たい青と灰色を意図的に対比させる撮影スタイルを採用しました。雨が頻繁に降るゴッサムの設定は、撮影現場で実際に雨を降らせる『ウェット・ダウン』技法で実現され、画面の質感を一段引き上げています。
マイケル・ジアッキーノのスコア
音楽担当のマイケル・ジアッキーノは、本作のために約2時間半の劇伴を書き下ろしました。彼は本作のテーマ曲を構築する際、『過去のバットマン映画のテーマと一切被らない、新しいアイデンティティ』を目指しました。完成したメインテーマは重低音の2音モチーフを軸に、リドラーの暗号要素を音楽的に取り込んだ独特の構成で、コミック原作ファンから『歴代最高のバットマン主題曲』と評価されています。
続編・派生作品
本作の成功を受けて、ワーナーは『バットバース』と呼ばれるリーヴス独自の世界観での続編・派生作品の制作を続々と発表しました。2024年にはコリン・ファレル主演のHBO Maxドラマ『ザ・ペンギン』が配信され高評価を獲得、続編『The Batman Part II』は2026年10月公開予定で開発が進行中です。さらにアーカム精神病院を舞台にしたドラマシリーズの企画も並行して進められており、本作は新たなDC映像コンテンツの起点として歴史的な役割を担う作品となっています。
