Mr.インクレディブルが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2004年

『Mr.インクレディブル』が見れる動画配信サービス

現在、Disney+ で視聴できます。

配信サービス視聴可否
Netflix
Amazon Prime Video
Disney+視聴可能
Hulu
U-NEXT

『Mr.インクレディブル』とは?作品の見どころ

国際的な訴訟ラッシュで全世界のスーパーヒーローが活動を禁止された時代――『Mr.インクレディブル』は、市役所職員として平凡な保険会社で働きながらも、心の奥でかつてのヒーロー時代の活躍を諦めきれない元・最強ヒーローのボブ・パー(Mr.インクレディブル)と、その家族が、ある秘密任務を契機にして再び家族そろってヒーローとして戦い直す姿を描いた長編アニメーションです。中年期のもどかしさ、家族のあいだに横たわる小さなすれ違い、そして秘密のスーパーヒーロースーツを身にまとう瞬間の躍動感――観客の人生体験と直結するテーマが、コメディと冒険のバランスで巧妙に綴られていきます。

本作は2004年11月5日に米国で公開されたピクサー・アニメーション・スタジオ製作の長編アニメーション映画。配給はウォルト・ディズニー・ピクチャーズ。監督・脚本・原案はブラッド・バード(『アイアン・ジャイアント』『シンプソンズ』のディレクター)。バードはディズニーの古巣でアニメーターとして活動していた経歴を持ち、本作で長編単独監督デビューしました。製作はジョン・ウォーカー、製作総指揮はジョン・ラセター、音楽はマイケル・ジアッキーノ。本作はジアッキーノにとってもメジャー長編音楽の出世作となりました。

見どころは、ヒーロー映画でありながら「家族のドラマ」として徹底的に作り込まれた脚本の重みと、1960年代のスパイ映画やレトロモダンなインダストリアル・デザインを徹底的に再現したビジュアルの完成度です。第77回アカデミー賞長編アニメーション賞・音響編集賞のW受賞、世界興行収入累計約6億3000万米ドル。後の続編『インクレディブル・ファミリー』(2018年)でも本作の路線が完全に継承され、ピクサー作品史でも長期にわたって愛されるシリーズの基盤となりました。

『Mr.インクレディブル』を全話無料で見る方法

結論として、2026年4月時点で『Mr.インクレディブル』を国内で見放題視聴できる動画配信サービスは、ディズニープラス(Disney+)のみです。Disney+の見放題プランに登録すれば、本編のフル視聴が可能で、字幕版・吹替版の両方が用意されています。

Disney+(ディズニープラス)

Disney+はWalt Disney Companyが運営する公式の動画配信サービスで、ピクサー作品はすべて本サービスのもとで一元的に提供されています。月額プランは「スタンダード」(990円/月)「プレミアム」(1,320円/月)の2種類があり、必要に応じて画質や同時視聴数を選べます。年額プランも提供されており、年額9,900円(スタンダード)からとなっています。Hulu日本版とのセットプラン「Disney+ × Hulu」も提供されており、両サービスの利用を考えている人にはこちらが選択肢になります。

登録手順:

  1. 公式サイト disneyplus.com/ja-jp にアクセス
  2. 「サインアップ」からアカウントを作成
  3. プランを選択(スタンダード/プレミアム/Huluセット/年額プラン)
  4. 支払い方法を入力(クレジットカード/PayPal/キャリア決済対応)
  5. 登録完了後、本編をスマートフォン・PC・スマートテレビ・ゲーム機で視聴開始

Disney+はピクサー作品のほか、マーベル作品、スター・ウォーズ作品、20世紀スタジオ作品も同時に見放題で楽しめるため、本作と続編『インクレディブル・ファミリー』をまとめて鑑賞したい方には最適な選択肢です。

レンタル・購入(Amazon Prime Video/Apple TV/Google Playなど)

本作は見放題ではないものの、各種PPVサービスではデジタルレンタルおよびデジタル購入が可能です。Disney+に加入しない方針の場合は、Amazon Prime Videoの単話レンタル(数百円台)や購入(千円台)、Apple TV、Google Play Movies、Lemino、TELASA、FODプレミアムなどが利用できます。

Blu-ray・DVD・4K UHD購入

ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンからBlu-ray・DVD・4K UHDが発売されており、Amazonや家電量販店で安定して入手できます。本編にメイキング映像や監督・スタッフの解説、未公開シーンを収録した版が選択肢になります。

地上波放送

日本テレビ系『金曜ロードショー』ほか、地上波・BS各局で本作は不定期に放送されてきました。最新の放送スケジュールを各局の公式サイトで確認しておくと、無料で視聴できる機会を逃しません。

あらすじ

スーパーヒーロー全盛期の終焉

物語は架空の都市メトロビルを舞台に、世界中でスーパーヒーローが大活躍していた20年前の時代から始まります。最強ヒーロー「Mr.インクレディブル」(本名ボブ・パー)は超人的な怪力を武器に、街の犯罪と日々戦い、ヒロイン「イラスティガール」(本名ヘレン・トゥルース)と結婚式を挙げる。けれども結婚式の直後、ボブが救助した自殺志願者の男性から「救助されたくなかった」と訴訟を起こされたのを契機に、世界中でスーパーヒーロー活動への訴訟ラッシュが連発します。米国政府は「ヒーロー保護プログラム」を設立し、全ての元ヒーローを匿名の市民として一般生活に統合する措置を取り、スーパーヒーロー時代は事実上の終焉を迎えました。

中年期のボブ・パー

物語は15年後に飛び、ボブ・パーは保険会社の窓口担当として平凡な暮らしを送っていますが、彼は中年期の腹部のたるみと、若き日のヒーロー時代を諦めきれない切なさで日々をくすぶらせています。妻のヘレンは家事と3人の子育てに専念しており、長女ヴァイオレット(バリアと不可視の超能力)は思春期のシャイな10代、長男ダッシュ(音速で走る超能力)は元気いっぱいの小学生、末っ子のジャック・ジャックは幼児期で能力は未発見。ボブは親友で氷を操るヒーロー「フローズン」(本名ルシウス・ベスト)と週に一度、夜中に元ヒーロー復活ドライブを楽しむのが心の救いでした。

謎の依頼と「ノマンス島」

ある日、ボブのもとに「ミラージュ」という美しい女性から、極秘の任務に関する依頼の連絡が届きます。報酬はかつてのヒーロー時代を取り戻せるほどの金額で、ボブは妻に内緒で「ノマンス島」と呼ばれる謀略の舞台へと飛び立ちます。彼を待ち受けていたのは、巨大な戦闘ロボット「オムニドロイド」のテスト相手としての任務――ボブはかつての力を取り戻し、ロボットを破壊することに成功します。

しかし、その背後で動いていたのは、彼を「シンドローム」と名乗る謎の青年実業家。シンドロームは、子どもの頃のボブの熱狂的なファンで、自分も「インクレディボーイ」を名乗ってボブの相棒になろうとしたものの拒絶された過去を持つ、復讐心に満ちた人物でした。彼は世界中の元ヒーローを誘き寄せて殺害し、最強の戦闘ロボットを完成させ、最終的には自分自身が「最強のヒーロー」として登場することで、世界中の「ヒーローなど誰でも作れる」社会を実現しようと企んでいました。

家族の総力戦

ヘレンは夫の不在を不審に思い、衣装デザイナーの天才ヒーロースーツデザイナー「エドナ・モード」に相談に行きます。エドナはボブのために新しいスーツを作っただけでなく、家族全員分のヒーロースーツも秘かに作成していたことが明らかになります。ヘレンは子どもたちと共にジェット機でノマンス島へ向かい、シンドロームの陰謀を阻止する家族の総力戦が始まります。

登場人物

ボブ・パー/Mr.インクレディブル(声:クレイグ・T・ネルソン/日本語版:三浦友和)

本作の主人公の一人。元・最強のヒーローで、超人的な怪力を持ちます。中年期の腹部のたるみと、ヒーロー時代を諦めきれない焦燥感を抱える、共感できる父親像。本作のメインの感情線を担います。クレイグ・T・ネルソンの低く落ち着いた発声が、ボブに完璧な人格を与えました。

ヘレン・パー/イラスティガール(声:ホリー・ハンター/日本語版:黒木瞳)

ボブの妻で、元ヒーロー「イラスティガール」。ゴム人間のように身体を伸縮させる能力の持ち主。家事と3人の子育てに専念する家庭的な母親としての一面と、危機が迫った時に瞬時にヒーローモードに切り替わる凛とした強さの両面を持つキャラクター。ホリー・ハンターの芯のある声色が、彼女の二面性を完璧に支えました。

ヴァイオレット・パー(声:サラ・ヴァウェル/日本語版:綾瀬はるか)

ボブとヘレンの長女、思春期の10代。バリアの生成と不可視の超能力を持つが、自信のなさから能力をほとんど使えていません。本作の旅路を通じて、自分自身の能力と人格を肯定する勇気を獲得していく成長のアークを担います。

ダッシュ・パー(声:スペンサー・フォックス/日本語版:)

ボブとヘレンの長男、小学生。音速で走る超能力を持ち、元気いっぱいの行動派。学校の体育の徒競走で力を発揮できないことに不満を抱えていますが、本作のクライマックスで自分の能力を完全に解き放つ場面が用意されています。

ジャック・ジャック・パー(声:エリ・フチル/日本語版:)

ボブとヘレンの末っ子の幼児。本編序盤は能力が発見されておらず、両親も「特別な能力はない」と思い込んでいますが、終盤に驚くべき多彩な能力(炎・電撃・触手化・不可視化・赤ちゃんモンスター化)の片鱗が明かされます。

ルシウス・ベスト/フローズン(声:サミュエル・L・ジャクソン/日本語版:渡辺謙)

ボブの親友で、氷を操る元ヒーロー。冷静で機転が利く相棒で、ボブと夜中に元ヒーロー復活ドライブを楽しむ仲間です。サミュエル・L・ジャクソンの威厳ある発声法が、フローズンに完璧な人格を与えました。

バディ・パイン/シンドローム(声:ジェイソン・リー/日本語版:山寺宏一)

本作の悪役。子どもの頃ボブの熱狂的なファンで、自分も「インクレディボーイ」を名乗ってボブの相棒になろうとしたものの拒絶された過去を持つ、復讐心に満ちた青年実業家。彼の動機は単純な悪意ではなく、深い嫉妬と劣等感に根ざした複雑なキャラクターとして描かれます。

エドナ・モード(声:ブラッド・バード/日本語版:戸田恵子)

世界中のヒーローのスーツを作り続ける天才デザイナー。背は低く眼鏡をかけた強烈な個性のデザイナーで、本作の最大のコメディ要素を担います。声を演じるのは監督のブラッド・バード本人で、収録のテストとして始まったものが本編に採用されました。

ミラージュ(声:エリザベス・ペーニャ/日本語版:本田貴子)

シンドロームの秘書で、ボブをノマンス島に誘き寄せる役を担う女性。終盤で彼女自身の心境が変化する重要な役どころ。

スタッフ・キャスト陣

監督・脚本・原案はブラッド・バード。彼はディズニーの古巣でアニメーターとして活動していた経歴を持ち、その後、ワーナー・ブラザーズで『アイアン・ジャイアント』(1999年)を監督して批評的に絶賛され、ピクサーから本作の監督として招聘されました。本作は彼のピクサー長編監督デビュー作にして、長編単独監督デビュー作となります。バードは後に『レミーのおいしいレストラン』(2007年)でも長編監督・脚本を務め、2作続けてアカデミー賞長編アニメーション賞を獲得することになります。

音楽はマイケル・ジアッキーノ。当時はテレビ番組『LOST』『ALIAS』の音楽担当として知られていた程度の中堅作曲家でしたが、本作の音楽が大きく評価され、後の『カールじいさんの空飛ぶ家』(アカデミー賞作曲賞受賞)、『ロスト・ワールド』、ジュラシック・ワールド、スター・ウォーズ・スピンオフなどの大作を担当する一流作曲家へと成長していきます。本作のスコアは、1960年代のスパイ映画の音楽スタイルを踏まえた金管楽器中心のレトロモダンな旋律で、本作のビジュアルデザインと完璧に共鳴しました。

主演キャスト

ボブ・パー/Mr.インクレディブル役のクレイグ・T・ネルソンは、米国のテレビ番組『コーチ』『パーソン・オブ・インタレスト』で広く知られる俳優。本作のために重みのある声色で、中年ヒーローの哀愁とパワーの両立を見事に演じきりました。

ヘレン・パー/イラスティガール役のホリー・ハンターは、第66回アカデミー賞主演女優賞を『ピアノ・レッスン』で受賞した名女優。本作のために芯のある声色で、家庭的な母親と凛としたヒーローの両面を完璧に演じ分けました。

ヴァイオレット役のサラ・ヴァウェルは、米国のラジオ番組『This American Life』のナレーターとして広く知られていた人物。彼女の独特の少しザラついた発声法が、思春期の少女の繊細さに完璧にフィットしました。

フローズン役のサミュエル・L・ジャクソン、シンドローム役のジェイソン・リー、エドナ・モード役のブラッド・バード本人、ミラージュ役のエリザベス・ペーニャといったハリウッドの一流俳優陣が、本作の声優陣を完璧に固めました。

日本語吹替版では、ボブ・パー役を三浦友和、ヘレン役を黒木瞳、ヴァイオレット役を綾瀬はるか、フローズン役を渡辺謙、シンドローム役を山寺宏一、エドナ・モード役を戸田恵子が担当。日本声優界・俳優界のベテラン陣が脇を固めました。

興行収入・話題

興行収入・話題

『Mr.インクレディブル』は2004年11月5日に米国で公開されました。米国国内の最終興行収入は約2億6100万米ドル、世界興行収入は累計で約6億3100万米ドルに達しました。2004年の世界興行ランキングで第4位に位置づけられ、長編アニメーションでは『シャーク・テイル』を上回る年間第1位を記録しました。日本では2004年12月に公開され、配給収入は約23億円、興行収入は約52億円超を記録しました。

本作の成功は、ピクサーが「ヒーローもの」「アクション」というそれまで取り上げてこなかったジャンルにも踏み込めることを世界に示し、後の『ファインディング・ドリー』『インサイド・ヘッド』『カーズ』などへのジャンル展開の基盤となりました。

評価・受賞歴

第77回アカデミー賞では4部門にノミネートされ、長編アニメーション賞と音響編集賞のW受賞を果たしました。さらにオリジナル脚本賞、音響賞にもノミネート。長編アニメーション映画として脚本賞にノミネートされたのは『ファインディング・ニモ』に続く偉業でした。

第32回アニー賞では最多10部門で受賞、第58回英国アカデミー賞アニメーション映画賞、第63回ヒューゴー賞ベスト・ドラマティック・プレゼンテーション(長編部門)受賞、第62回ゴールデングローブ賞アニメーション映画賞ノミネートと、世界中の主要映画賞をほぼ総なめにしました。

Rotten Tomatoesは97%の高評価、Metacriticは90/100の「universal acclaim」スコアを記録。批評集約スコアでも長編アニメーション映画の最高位の評価を維持し続けています。本作は2018年公開の続編『インクレディブル・ファミリー』へと発展し、続編は世界興行収入12億ドル超を記録するメガヒットとなって、シリーズの長期的な成功を確固たるものとしました。

ネタバレ

※ここからネタバレを含みます。

クライマックス

物語の終盤、ヘレンと子どもたちのジェット機がシンドロームのミサイル攻撃で撃墜されかけ、ヘレンの咄嗟の機転で家族全員が無事に海に着水します。家族はジャングルを駆け抜けてシンドロームの拠点に潜入し、すでに捕らえられていたボブと再会します。

ミラージュは終盤で「自分は単なる手駒だった」と気づき、家族の絆を見て心境を変え、彼らに脱出の手を貸します。家族はシンドロームの拠点を脱出して、彼の最大の計画――都市メトロビルを攻撃するための「オムニドロイド」の最新型を、彼自身が偽の「最強のヒーロー」として撃破して英雄を演じる――を阻止するため、メトロビルへと戻ります。

メトロビルでは、巨大な「オムニドロイド・10000」が街を破壊しており、シンドロームが戦闘ロボットを操りながら自分自身を「最強のヒーロー」として演じようとしていました。家族とフローズンが連携し、ロボットの設計上の弱点を突いてついに破壊する大スペクタクルが繰り広げられます。

結末が示すもの

シンドロームは敗北し、自宅で末っ子のジャック・ジャックを誘拐しようとします。しかしジャック・ジャックの本当の力――炎・電撃・触手化・不可視化など多彩な能力――が初めて全開で解き放たれ、シンドロームを撃退する驚きのシークエンスが描かれます。最終的にシンドロームはマントが自家用ジェットの吸引口に巻き込まれ、悲劇的な最期を遂げます。

ボブの家族は再びヒーロー保護プログラムから解放され、家族としての絆を取り戻します。物語の結末では、家族で観戦していたダッシュの徒競走で彼が「2位」を取る機転を見せて、能力を完全に表に出さない大人としての知恵を獲得し、ヴァイオレットも自信を持ってクラスメイトと話せるようになります。

ラストシーンでは、新たな悪役「アンダーマイナー」が地下から現れて街を脅かし、家族全員が再び「インクレディブル・ファミリー」としてヒーロースーツを身に纏う、続編を予感させるカットで本作は幕を閉じます。本作の結末は、家族が個人の能力を抑え込まずに「自分自身であること」と「家族として共にあること」を両立できるかという、シリーズの根本的なテーマを完璧な形で結実させました。

トリビア

  1. 本作は監督ブラッド・バードのピクサー長編監督デビュー作にして、長編単独監督デビュー作。彼は本作以前にワーナー・ブラザーズで『アイアン・ジャイアント』(1999年)を監督していた経歴を持ち、ピクサーから本作の監督として招聘されました。

  2. エドナ・モードの声を担当しているのは、ブラッド・バード監督本人。収録のテスト用として彼が声を当てたものが、最終的に本編に採用されることになりました。

  3. 本作の音楽を担当したマイケル・ジアッキーノは、当時テレビ番組『LOST』『ALIAS』の音楽担当として知られていた程度の中堅作曲家でしたが、本作の音楽が大きく評価され、後の『カールじいさんの空飛ぶ家』でアカデミー賞作曲賞を獲得する一流作曲家へと成長しました。

  4. 本作の最大のヴィジュアル特徴である「1960年代のスパイ映画とインダストリアル・デザイン」のルックは、ブラッド・バード監督が幼少期から愛していたエロル・フリン主演のスパイ映画と、ジョン・F・ケネディ時代のアメリカン・モダニズムのデザインを徹底的に踏まえて構築されました。

  5. 第77回アカデミー賞では4部門にノミネートされ、長編アニメーション賞と音響編集賞のW受賞を果たしました。長編アニメーション映画として脚本賞にノミネートされたのは『ファインディング・ニモ』に続く偉業でした。

  6. 本作はピクサー初の「人間キャラクターをメインに据えた長編」として知られています。これまでのピクサー長編は、おもちゃ・虫・モンスター・魚など人間以外のキャラクターをメインに据えていましたが、本作で初めて人間家族の物語に挑戦しました。

  7. 続編『インクレディブル・ファミリー』(2018年)は、本作の14年後に公開され、世界興行収入12億ドル超を記録するメガヒットとなりました。本作のラストシーンに登場する「アンダーマイナー」が、続編の冒頭の事件を起こす重要なつなぎとして機能しています。

撮影裏話

撮影の舞台裏

本作の制作は2000年初頭から2004年初秋までの約4年半に及ぶ大規模プロジェクトでした。ブラッド・バード監督は、本作以前のワーナー・ブラザーズでの『アイアン・ジャイアント』が興行的に苦戦した経験を経て、ピクサーから招聘されました。バードは本作のために、自分の幼少期から温めていた「家族のスーパーヒーロー」というアイデアを再構築し、ピクサーの脚本陣と何度も議論を重ねた末に、本作の脚本を完成させました。

キャストの準備

ボブ・パー役のクレイグ・T・ネルソンは、収録のためピクサー本社のスタジオに何度も通い、ブラッド・バード監督と何時間も議論を重ねていきました。彼はキャラクターの「中年男の哀愁とパワーのバランス」に苦心したと、後年のインタビューで明かしています。

ヘレン・パー役のホリー・ハンターは、収録のために『ピアノ・レッスン』でのアカデミー賞演技を踏まえつつ、家庭的な母親と凛としたヒーローの両面を声色で演じ分ける挑戦に取り組みました。

エドナ・モード役のブラッド・バード監督本人は、収録の段階でもう一人の「本物の女性声優」を起用する候補として複数のオファーがありましたが、最終的にバード本人の声色がキャラクターの個性と完全に共鳴するため、本人が継続して演じることに決定されました。

技術的な挑戦

本作の最大の技術的挑戦は、ピクサー初の「人間キャラクターをメインに据えた長編」というジャンルへの挑戦でした。これまでのピクサー長編は、おもちゃ・虫・モンスター・魚など人間以外のキャラクターをメインに据えていましたが、本作で初めて人間家族の物語に挑戦するために、人間キャラクターの肌・髪・布地などの物理シミュレーションを、ピクサー史上で最も精緻な水準で構築する必要がありました。

また、本作はピクサー初の「アクション映画」としての側面を持ち、家族のヒーロースーツを着た連携アクションシーンの作画には、当時のピクサーの全作画資源が投入されました。これらの技術的進化は、後のピクサー作品全般に応用される基盤となりました。

公開当時の余話

公開時、本作はピクサーが「ジャンル映画」にも進出できることを世界に示す機会として大々的に宣伝されました。ブラッド・バード監督は、ピクサーの基本理念である「家族向け長編アニメーション」と、自分の作家性である「アクションとスーパーヒーロー」を見事に融合させ、それまでの長編アニメーションの枠を一段押し広げる結果を残しました。