ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還が無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2003年
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『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』が見れる動画配信サービス

現在、Netflix・Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。

配信サービス視聴可否
Netflix視聴可能
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U-NEXT視聴可能

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』とは?作品の見どころ

白亜の城壁が円錐状に重なるミナス・ティリスの王城に、闇の軍勢の旗が南風に揺れて近づいてくる――トールキンが描いた中つ国の最終決戦の舞台、ペレンノール野が物語の中心に立ち上がる第3部です。指輪を運ぶフロドとサム、白の魔法使いガンダルフ、王位を受け継ごうとする放浪の戦士アラゴルン、そしてホビット庄から戦の渦の中へ巻き込まれていく若きホビットたち。三部作で築かれた数多くの物語が、本作で同じ地点へと収束していきます。

2003年に公開されたニュージーランド・アメリカ合作の映画で、ジャンルは英雄ファンタジーの集大成です。原作はJ・R・R・トールキンの長編『指輪物語』第3部。監督と共同脚本はピーター・ジャクソンで、フランシス・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエンが共同で脚本を執筆しています。撮影監督はアンドリュー・レスニー、音楽はハワード・ショア。三部作通しての主要キャストに加え、本作では新たにバーナード・ヒル、ミランダ・オットー、ジョン・ノーブル、デヴィッド・ウェナムらが物語の中心に立ち上がります。

最大の見どころは、ミナス・ティリス攻防戦からペレンノール野の戦い、そして滅びの山へ向かう小さな旅へと、戦争のスケールと、ホビットふたりだけの旅とがクライマックスで一直線に重なっていく構成設計にあります。アカデミー賞11部門ノミネート全受賞というタイ記録を打ち立てた本作は、本格ファンタジーの映像表現がたどり着いたひとつの到達点として、いまも繰り返し参照されています。

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』を全話無料で見る方法

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』を全話無料で見る方法は、現時点での日本国内の主要動画配信サービスでは、Netflix、Amazon Prime Video、Hulu、U-NEXTの4つのサブスクリプションのいずれかに加入することです。いずれもサービスへの登録だけで、追加課金なしに最後まで視聴できます。

Netflix

Netflixに加入していれば、見放題対象として本作を視聴できます。Netflixは月額料金型で、加入後すぐに視聴ライブラリの全てが利用可能となります。広告つきプランの「Netflix Standard with Ads」でも本作は視聴対象に含まれます。

Amazon Prime Video

プライム会員であれば、見放題対象として視聴できます。スマートフォン、タブレット、テレビアプリ、ブラウザのいずれからでも再生可能です。広告つきプランでも本作は視聴対象に含まれます。

Hulu

日本のHuluに加入していれば、見放題ライブラリ内で本作を視聴できます。Huluは月額料金型で、加入後すぐにライブラリの全てが利用できます。Huluは時期によって無料体験キャンペーンが提供されることがあるため、最新状況は公式サイトで確認してください。

U-NEXT

U-NEXTでは、HBO Maxの一部作品ラインナップとして本作が見放題対象に含まれています。U-NEXTのアカウントを開設し月額プランに加入すれば、専用アプリやブラウザから再生できます。新規登録時に無料体験が用意されているケースもあり、その期間内に三部作をまとめて視聴することも可能です。

そのほか、Apple TVやGoogle Play Moviesといったデジタル販売プラットフォームでは、レンタルや購入の選択肢があります。これらは「無料の手段ではないが、視聴ルートとして補足」しておきます。Disney+の日本版では、現時点で本作の見放題配信は行われていません。

あらすじ

物語の始まり

物語は、前作『二つの塔』のラストから直接続きます。指輪所持者フロドと従者サムは、案内役のスメアゴル(ゴラム)に導かれてモルドールの境界エミン・ムイルから死者の沼地、そして滅びの山を目指す険しい旅路を進んでいます。一方、白の魔法使いガンダルフ、放浪の戦士アラゴルン、エルフの戦士レゴラス、ドワーフの戦士ギムリ、剛健国ローハンの王セオデン、若き戦士エオメルとエオウィンらは、東方の闇に立ち向かう連合軍として動きを早めようとしています。

主人公を待ち受けるもの

物語の重心はまず、白亜の都ミナス・ティリスへと移ります。ホビット庄からはるばる戦争の最前線へ巻き込まれた若きホビット、ピピン・トゥックは、ガンダルフに付き添ってこの都の摂政デネソールに仕えることになります。摂政デネソールは、息子ボロミアを失った深い喪失と、もう一人の息子ファラミアへの厳しい仕打ちを抱える、暗く沈んだ統治者として描かれます。一方、ローハンの城エドラスでは、もう一人のホビット、メリー・ブランディバックがセオデン王の小姓を志願し、エオウィンとともに馬に跨がって出陣の準備を進めていきます。

中つ国の南東で力を蓄える冥王サウロンは、モルドールから巨大な軍勢を進発させ、ミナス・ティリスを取り囲んでいきます。城門を破る攻城兵器、首都を覆う黒い空気、空を飛ぶナズグルとその騎乗するフェルベスト――本作の中盤に描かれる「ペレンノール野」の総力戦は、文字通り中つ国の運命を決定づける戦の場として立ち上げられます。

物語の真の重さを担うのは、もうひとつの線、フロドとサムの旅です。ゴラムが二人の信頼関係に楔を打ち込もうと暗躍するなかで、シェロブの巣穴、キリス・ウンゴルの塔、最後に滅びの山へ続く灰の高地へと、ふたりの足取りは少しずつ最後の地点へ近づいていきます。戦の轟音と、ふたりの息遣いだけの静寂とを、本作はクロスカッティングによって絶え間なく往復しながら、すべての糸を最後の一点へと収斂させていきます。

登場人物

フロド・バギンズ(演:イライジャ・ウッド)

指輪所持者のホビット。三部作を通じて少しずつ衰弱を強める彼は、本作ではゴラムの言葉に揺さぶられ、長年の親友であるサムさえも疑ってしまう瞬間を何度も経験します。指輪が彼を内側から侵食していく重さと、それでも歩みを止めようとしない意志のあいだの揺れを、イライジャ・ウッドが目元の演技だけで支えていきます。

サムワイズ・ギャムジー(演:ショーン・アスティン)

フロドの従者で庭師。本作で物語的にもっとも大きな役割を担うホビットで、フロドの心が指輪に引きずられていく中で、現実的な労力――水を運び、食料を確保し、危機の場面で剣を取る役割――を実直に担い続けます。本作の終盤、彼が口にする希望と忠誠についての台詞は、シリーズ全体を通してももっとも忘れがたい場面のひとつとなっています。

アラゴルン/ストライダー(演:ヴィゴ・モーテンセン)

人間の北方氏族の長で、エレンディルの末裔。三部作を通して「自分が王として立つことを恐れてきた男」として描かれてきた彼が、本作では亡霊の道を抜け、白い枝を掲げ、ペレンノール野の戦いから王座まで一直線に駆け上がります。寡黙な英雄というステレオタイプを越えた繊細な内面を、ヴィゴ・モーテンセンの抑えた芝居が支えています。

ガンダルフ(演:イアン・マッケラン)

白の魔法使いとなった老賢者。本作ではミナス・ティリスの防衛戦の現場指揮を担い、馬上で杖を振るって戦場全体を見渡す役割を担います。ピピンへの厳しい教えと、若きホビットを思う優しさが同居する人物像は、シリーズの倫理的な背骨として観客を支え続けます。

セオデン王(演:バーナード・ヒル)と姪エオウィン(演:ミランダ・オットー)

ローハンを率いる王セオデンと、その姪で剣を志願する若き戦士エオウィン。セオデンはミナス・ティリスへ赴援するロヒアリムの突撃を、自身の老いと家族の犠牲を引き受けながら指揮します。エオウィンは「女には戦場に居場所はない」とされる時代に剣を取り、本作のもっとも忘れがたい一騎討ちの場面で大きな役割を担います。

ピピン・トゥック(演:ビリー・ボイド)とメリー・ブランディバック(演:ドミニク・モナハン)

ホビット庄からの旅人ふたり。本作では別々の道を進み、ピピンはミナス・ティリスでガンダルフに同行、メリーはローハンでエオウィンに同行する形で戦の現場に立つことになります。本作の中盤、ピピンが歌う一節は、デネソールの場面とファラミアの突撃の場面を繋ぐ屈指の名シークエンスとして語り継がれています。

ゴラム/スメアゴル(演:アンディ・サーキス)

かつて指輪を所持していたホビット族の出のゴラム。フロドとサムの案内役を引き受けながら、内側に住む二つの人格のあいだで揺れ動きます。アンディ・サーキスのモーション・キャプチャ演技と、本作のVFX技術が組み合わさることで、当時としてはまったく新しい「演技するCGキャラクター」が完成しました。

デネソール(演:ジョン・ノーブル)とファラミア(演:デヴィッド・ウェナム)

ゴンドール摂政デネソールと、その次男ファラミア。デネソールはボロミアの戦死による絶望と、ファラミアへの偏った愛情のあいだで揺れる人物として描かれ、ジョン・ノーブルが暗い威厳と人間的な弱さの両方を支えます。ファラミアは父の偏愛のなかで自身の役目を果たそうとする人物として、デヴィッド・ウェナムが繊細に演じます。

スタッフ・キャスト陣

監督と共同脚本はピーター・ジャクソン。1990年代後半に三部作を一気通貫で撮影するという大規模なプロジェクトを始動させ、本作はその最終章として2001年・2002年に続いて公開されました。共同脚本はパートナーのフランシス・ウォルシュとフィリッパ・ボウエン。原作はJ・R・R・トールキンの『指輪物語』第3部で、長大な原作の最終章を約3時間半の本編に凝縮するため、ジャクソンと脚本陣は再構成と要素の整理に非常に綿密な作業を重ねました。

撮影監督アンドリュー・レスニーは、ニュージーランドの広大な自然をそのまま中つ国に置き換える画面づくりを三部作通じて担当しました。本作では、白亜のミナス・ティリス、ペレンノール野、灰の山地、滅びの山といった、それぞれ異なる質感の場所を、手持ちカメラからクレーンによる広角ショットまで多彩なテクニックで描き分けています。音楽はハワード・ショアで、本作のために書き下ろしたメインテーマや、エンドロールに流れる「Into the West」(アニー・レノックス歌唱)は、その後映画音楽史に刻まれる名曲となりました。

主演キャスト

フロド役のイライジャ・ウッド、サム役のショーン・アスティンは、長期にわたるニュージーランドでの撮影を通じてホビット族の信頼関係そのものを画面の上で築き上げてきました。本作では指輪に蝕まれていくフロドと、その傍らで現実を引き受け続けるサム、という対比が物語の感情のラインを支えます。

アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセンは、もともと別の俳優の代役として三部作の撮影直前に起用された経緯を持ちながら、本作で「待たされてきた王が王として立つ瞬間」を最高の形で見せます。ガンダルフ役のイアン・マッケラン、エルロンド役のヒューゴ・ウィービング、ガラドリエル役のケイト・ブランシェット、レゴラス役のオーランド・ブルーム、ギムリ役のジョン・リス=デイヴィスといった三部作の常連が、本作で物語のすべての糸を結んでいきます。

セオデン王役のバーナード・ヒル、エオウィン役のミランダ・オットー、エオメル役のカール・アーバンらは前作から続役。本作で初めて中心に立ち上がるデネソール役のジョン・ノーブル、ファラミア役のデヴィッド・ウェナム、そしてアンディ・サーキスのモーション・キャプチャ演技によるゴラムなど、性格俳優が多彩な役どころを担っています。

興行収入・話題

興行収入・話題

製作費はおおよそ9400万ドル。世界興行収入は11億ドルを超え、当時としては数本目となる「世界興行10億ドル超え」の作品となりました。三部作トータルでは30億ドル近い世界興行を記録し、ファンタジー映画の興行ポテンシャルを根本から塗り替えるシリーズとして語り継がれています。

評価・受賞歴

第76回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、脚色賞、視覚効果賞、メイクアップ賞、衣装デザイン賞、編集賞、音響賞、美術賞、作曲賞、歌曲賞「Into the West」の合計11部門にノミネートされ、その全てを受賞するという史上稀に見る記録を達成しました。これは『ベン・ハー』『タイタニック』に並ぶアカデミー史上最多受賞のタイ記録で、ファンタジー映画として史上初の作品賞受賞という意味でも歴史的な意義を持っています。批評家団体やファン投票によるオールタイムベスト選にも繰り返し選出され、IMDbのユーザー投票による上位作品ランキングでも長年にわたって最上位に位置し続けています。

ネタバレ

※ここからネタバレを含みます。

クライマックス

物語は二つの軸で同時にクライマックスを迎えます。ひとつめは、ペレンノール野の戦い。攻城兵器グロンドが城門を打ち砕き、トロル兵がミナス・ティリス内部へ突撃しようとするその瞬間に、ローハンのロヒアリム数千騎がセオデン王の指揮で戦野の地平線から駆け下ります。「死を、死を、死を!」と叫びながら矢の雨を浴びてもなお駆け抜けていく騎兵隊の突撃は、シリーズの戦闘場面のなかでも屈指の名シークエンスとして語り継がれます。

戦の中、空を飛ぶナズグルの王に押されたセオデン王は致命傷を負いますが、同行していたエオウィンとメリーが「ナズグルは男の手によっては倒せない」という古い予言を逆手に取り、エオウィンが顔を見せながら「私は男ではない」と告げて止めの一撃を入れる場面は、女性が物語の中心に立つ屈指の名シーンとなっています。アラゴルンは亡霊の道で誓いを果たさないまま死んだ王たちを率いて戦場に到着し、戦況を一気に逆転させます。

ふたつめのクライマックスは、フロドとサムの旅路です。指輪に侵食されたフロドは、サムを一度引き離してしまい、ゴラムに導かれてシェロブの巣穴に踏み込みます。瀕死のフロドを救出したサムは、最後の力を振り絞ってフロドを背負い、滅びの山の中腹を這い上がっていきます。「フロド様を運ぶことはできません。けれどあなたを運ぶことはできます」という台詞が、本作の感情的な背骨として観客の胸に焼き付きます。

結末が示すもの

滅びの山の奥、運命の亀裂の前に立ったフロドは、あと一歩というところで指輪の支配に屈し、自分の指に指輪を嵌めようとしてしまいます。そこへゴラムが飛びかかり、指輪ごとフロドの指を噛み切って奪い取ります。喜びのあまり岩の縁で踊り狂ったゴラムは、足を踏み外してフロドが指輪と共に溶岩へと落下していき、指輪は溶け去ります。サウロンの塔は崩れ、闇の軍勢は敗走します。

アラゴルンはミナス・ティリスでエレッサールとして戴冠し、エルロンドの娘アルウェンと再会して結婚を果たします。フロドたち4人のホビットは王の前にひざまずきますが、アラゴルンは「いいえ、あなたがたが頭を下げるべきではない」と言って、王と人々のすべてが彼らに頭を下げる場面は、シリーズの倫理を象徴する名シーンとして広く語られます。

物語は静かに、ホビット庄へと戻っていきます。フロドは旅で受けた傷が癒えないまま、灰色港から西方の不滅の国へと旅立つ船を選びます。ガンダルフ、エルロンド、ガラドリエル、ビルボとともに彼が手を振って船に乗り込み、サムが妻ロージーと我が家へ戻って物語は閉じます。「これで終わりだ」とサムが告げる最後の一行が、三部作全体の幕を静かに引いていきます。

トリビア

  1. アカデミー賞11部門ノミネート全部受賞というタイ記録は、『ベン・ハー』『タイタニック』に続く3作目の達成例で、それぞれ全く異なるジャンルの作品が並ぶことになりました。ファンタジー映画から作品賞が選ばれた史上初の事例でもあります。

  2. 「Into the West」を歌唱したアニー・レノックスはハワード・ショア、フラン・ウォルシュとの共同作業によりこの曲を完成させ、第76回アカデミー賞歌曲賞を受賞しました。トールキンが本編で書いた言葉と、現代の女性歌手の歌声が一直線に結ばれた稀な事例として語られます。

  3. ピーター・ジャクソンは本作の長尺の終幕を「複数のエンディング」と評されることがありますが、これは原作の最後のエピソードである「ホビット庄の掃討」を映画では大胆にカットしつつ、ホビットたちの帰郷とフロドの旅立ちを丁寧に描く判断によるものとされます。

  4. ペレンノール野の合戦シーンの一部は、CGの群衆シミュレーションシステム「MASSIVE」によって作り上げられました。Weta Digitalが三部作のために独自に開発したこのシステムは、本作以降のハリウッド大作の戦闘シーンの作り方そのものを大きく変えました。

  5. ゴラムを演じたアンディ・サーキスは本作に至るまでの長い撮影期間を通じてモーション・キャプチャと俳優のあいだの境界を切り開き、後年『キング・コング』や『猿の惑星』新シリーズなどで「演技するCGキャラクター」という新しいジャンルを確立する役者となっていきます。

  6. ニュージーランドでの三部作の同時進行撮影は、ピーター・ジャクソンとプロデュース陣の判断による前代未聞の試みでした。撮影は1999年から2000年にかけて連続して行われ、その後3年にわたるポストプロダクションを経て、本作は2003年12月の劇場公開を迎えました。

  7. ヒューゴ・ウィービングが演じるエルロンドは、ジャクソン監督が次作『ホビット』三部作にも続役で出演しており、シリーズを横断する数少ない俳優として知られています。

撮影裏話

撮影の舞台裏

本作の撮影は、三部作を通してニュージーランド各地で行われました。火山地帯の岩肌が広がるルアペフ山周辺は滅びの山として、北島の緑豊かな丘陵はホビット庄として、平原の絶景はペレンノール野や戦場として用いられ、現地の自然そのものが中つ国の質感を支える土台となっています。Weta WorkshopとWeta Digitalの両社は本作のために膨大な数の小道具と特殊効果を作り続け、ホビット庄やミナス・ティリスのミニチュアセット(「Bigatures」と呼ばれた巨大模型)は今も特殊効果史の重要な資料として知られています。

キャストの準備

イライジャ・ウッドとショーン・アスティンは、シリーズを通して長期にわたる撮影でホビット族の関係性そのものを身体に染み込ませてきました。本作では特に滅びの山に向けて削げ落ちていくフロドの姿を表現するため、ウッドは継続的なメイクと体重管理を続けました。アスティンは終盤の岩の高地のシーンで、フロドを背負ったまま長時間の撮影に耐え続けたと伝えられます。

ヴィゴ・モーテンセンは、本作のためにエルフ語と、ローハン人の戦の歌のごく一部を覚え、撮影中もできる限り素のまま剣を振るうアプローチを採りました。バーナード・ヒルとミランダ・オットーは、ローハン人の演武と乗馬を撮影前から徹底的に練習し、馬上での芝居の精度に大きな貢献をしたと言われます。アンディ・サーキスは、ゴラムのためにモーション・キャプチャ・スーツを着用したまま、フロドとサムの俳優のすぐそばで芝居を続け、その動きと声がそのままCGキャラクターに反映される作り方を続けました。

技術的な挑戦

本作の最大の技術的挑戦のひとつは、ペレンノール野の戦闘シーンの大群衆シミュレーションでした。Weta Digitalが独自に開発した群衆制御システム「MASSIVE」は、各兵士の個別のAIに従って戦場の動きを生成するもので、本作の戦闘シーンの説得力を支える土台となっています。グロンドが城門を打ち砕くシーケンス、ナズグルの巨大な飛行生物の場面、滅びの山の溶岩の表現、シェロブの巣穴の生々しい質感――いずれもVFXと実物の組み合わせによって作られており、本作の映像技術はその後のハリウッド大作のスタンダードを書き換える結果になりました。