ウォーリーが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説
『ウォーリー』が見れる動画配信サービス
現在、Disney+ で視聴できます。
| 配信サービス | 視聴可否 |
|---|---|
| Netflix | − |
| Amazon Prime Video | − |
| Disney+ | 視聴可能 |
| Hulu | − |
| U-NEXT | − |
『ウォーリー』とは?作品の見どころ
西暦2805年、人類が捨て去った地球には、ゴミの山と一台の小さなロボットだけが取り残されていました――『ウォーリー』は、700年もの間ひとりで地球のゴミを片付け続けるロボット「ウォーリー」が、ある日、地球の探索のために宇宙からやって来た最新型ロボット「イヴ」と出会い、彼女とともに宇宙を駆け抜ける旅に出る、ピクサー史上最も静かで哲学的な長編アニメーションです。本編冒頭の30分以上、登場キャラクターはほぼ無言で、機械音と環境音、そして彼らの仕草だけで物語が綴られていきます。
本作は2008年6月27日に米国で公開されたピクサー・アニメーション・スタジオ製作の長編アニメーション映画。配給はウォルト・ディズニー・ピクチャーズ。監督はアンドリュー・スタントン(『ファインディング・ニモ』の長編監督に続く2作目)。脚本はアンドリュー・スタントンとジム・リアドンの共同。製作はジム・モリス、製作総指揮はジョン・ラセター、音楽はトーマス・ニューマン、主題歌『Down to Earth』はピーター・ガブリエルが作詞・作曲・歌唱。
見どころは、台詞をほぼ用いずに「ロボットが愛を学ぶ」というテーマを成立させた、サウンドデザインと作画の繊細さです。ウォーリーとイヴの音声は、伝説的サウンドデザイナーのベン・バートが担当し、彼が『スター・ウォーズ』のR2-D2のために開発した手法を応用して、本作のために独自の機械的発声体系を構築しました。第81回アカデミー賞長編アニメーション賞、第66回ゴールデングローブ賞アニメーション映画賞ほか、世界中の主要映画賞で軒並み高評価を獲得。世界興行収入は累計約5億3300万米ドルを記録しました。
『ウォーリー』を全話無料で見る方法
結論として、2026年4月時点で『ウォーリー』を国内で見放題視聴できる動画配信サービスは、ディズニープラス(Disney+)のみです。Disney+の見放題プランに登録すれば、本編のフル視聴が可能で、字幕版・吹替版の両方が用意されています。
Disney+(ディズニープラス)
Disney+はWalt Disney Companyが運営する公式の動画配信サービスで、ピクサー作品はすべて本サービスのもとで一元的に提供されています。月額プランは「スタンダード」(990円/月)「プレミアム」(1,320円/月)の2種類があり、必要に応じて画質や同時視聴数を選べます。年額プランも提供されており、年額9,900円(スタンダード)からとなっています。Hulu日本版とのセットプラン「Disney+ × Hulu」も提供されており、両サービスの利用を考えている人にはこちらが選択肢になります。
登録手順:
- 公式サイト disneyplus.com/ja-jp にアクセス
- 「サインアップ」からアカウントを作成
- プランを選択(スタンダード/プレミアム/Huluセット/年額プラン)
- 支払い方法を入力(クレジットカード/PayPal/キャリア決済/アプリ決済/プリペイドカード対応)
- 登録完了後、本編をスマートフォン・PC・スマートテレビ・ゲーム機で視聴開始
Disney+はピクサー作品のほか、マーベル作品、スター・ウォーズ作品、20世紀スタジオ作品も同時に見放題で楽しめるため、本作と同監督アンドリュー・スタントンの『ファインディング・ニモ』『ファインディング・ドリー』もまとめて鑑賞することができます。
レンタル・購入(Amazon Prime Video/Apple TV/Google Playなど)
本作は見放題ではないものの、各種PPVサービスではデジタルレンタルおよびデジタル購入が可能です。Disney+に加入しない方針の場合は、Amazon Prime Videoの単話レンタル(数百円台)や購入(千円台)、Apple TV、Google Play Movies、Lemino、TELASA、FODプレミアムなどが利用できます。J:COM STREAMやDMM TVでもレンタル配信されており、DMM TVは新規登録時の550ポイントを活用すれば、レンタル料金を実質ゼロで賄うことが可能です。
TSUTAYA DISCAS(宅配DVD/Blu-rayレンタル)
本作は旧作扱いのため、TSUTAYA DISCASでは追加料金なしのフル視聴が可能です。新規登録時に30日間の無料お試し期間が用意されている時期もあるため、登録時点の最新案内を確認しておくと効率的です。
Blu-ray・DVD・4K UHD購入
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンからBlu-ray・DVD・4K UHDが発売されており、Amazonや家電量販店で安定して入手できます。本編にメイキング映像や監督・スタッフの解説、未公開シーンを収録した版が選択肢になります。
地上波放送
日本テレビ系『金曜ロードショー』ほか、地上波・BS各局で本作は不定期に放送されてきました。最新の放送スケジュールを各局の公式サイトで確認しておくと、無料で視聴できる機会を逃しません。
あらすじ
西暦2805年、ゴミに埋もれた地球
物語の舞台は、西暦2805年の地球。人類は700年前、巨大企業「Buy n Large(バイアンドラージ)」社による商業主義の暴走によってゴミに埋もれた地球を見捨て、巨大宇宙船「アクシオム」に乗って宇宙への長期航海へと旅立っていました。地球を覆うゴミの片付け作業を任されたのは、Buy n Large社が大量生産した「Waste Allocation Load Lifter Earth-Class」(廃棄物処理ロボット地球型)――通称「ウォーリー」たちでした。しかし700年が経過した現在、地球で活動しているウォーリーは、たった一台だけ生き残っています。
ウォーリーは廃棄物を圧縮してブロックにし、それを街中の地区別に積み上げる単純作業を、毎日繰り返しています。仕事の合間、彼は捨てられた人間の道具(電球、フォーク、ZippoライターのZippo、Rubikのキューブ、ブラジャーなど)を集めて自分の小さなコンテナハウスにコレクションし、ピクサーの古いミュージカル映画『ハロー、ドーリー!』のVHSテープを毎晩観て心を温めています。彼の唯一の友達は、ゴキブリのハル。
イヴの到着と、運命の出会い
ある日、地球に巨大な宇宙船が降り立ち、白い卵型の最新ロボット「イヴ」(Extraterrestrial Vegetation Evaluator=地球外植物評価者)が降下してきます。イヴは地球に植物が再び生育しているかを調査するために送られた最新型のミッション・ロボットでした。ウォーリーはイヴの美しさに一目で恋に落ち、彼女を自分のコンテナハウスに案内し、自分が大切にしているコレクションを見せます。
ウォーリーが見せたコレクションの中には、地球で発見した一鉢の小さな緑の植物がありました。イヴはその植物を見た瞬間、自動的に「植物確認完了」のシステムを起動させ、植物を体内に収納してスタンバイモードに入ってしまいます。地球を回収にやって来たイヴの母船は、彼女を回収して宇宙へ戻ろうとし、ウォーリーは恋心と忠誠心から、母船の外壁にしがみついて宇宙を旅する決意を固めます。
アクシオムでの大冒険
ウォーリーが連れて行かれた先は、人類の現住地である巨大宇宙船「アクシオム」。船内では、人類は700年の宇宙生活で身体能力を完全に失い、巨大な肥満体となって電動車椅子型の浮遊シートに乗ったまま、画面越しのコミュニケーションだけで暮らす怠惰な生活を送っていました。船を実質的に支配しているのは、AIの「オート」(自動操縦システム)――Buy n Large社のCEOから受けた「人類は二度と地球には戻らない」という秘密の指令を頑なに守り続ける独裁的な存在でした。
ウォーリーとイヴ、そして人類の子孫である船長マッキャリー、その他の故障した「壊れた」ロボットの一団は、地球を取り戻すための反乱に乗り出していきます。物語は派手な戦闘よりも、ロボットの恋と人類の自立というテーマが交錯する、ピクサー作品の中でも最も哲学的な構成で進行していきます。
登場人物
ウォーリー(声:ベン・バート/日本語版:)
本作の主人公。Buy n Large社が生産した「廃棄物処理ロボット地球型」の最後の生存個体。700年もの孤独を経て、人間の仕草と文化を独学で学び、感情に近い反応を示すようになった、独自の「人格」を持つキャラクターです。台詞らしい台詞はほぼ「Wall-E」「Eve」など固有名詞だけで、機械音と仕草で本作の最大の感情線を担う、稀有な役どころ。サウンドデザイナーのベン・バートが、機械的発声体系を独自に開発しました。
イヴ(EVE/声:エリッサ・ナイト/日本語版:)
地球外植物評価者として地球に降下する白い卵型の最新ロボット。シャープでスマートなデザインで、レーザー砲を内蔵する強力な装備を備えています。最初はウォーリーの存在を不気味に思いますが、彼の純真さに次第に心を開き、本作の最大の恋愛線を担う相手役。エリッサ・ナイト(ピクサー社員)の声をベン・バートが電子加工した独特の発声法を持ちます。
マッキャリー船長(声:ジェフ・ガーリン/日本語版:)
アクシオム号の現船長。700年間「日々の業務をAIオートに任せる」だけの惰性的な生活を送っていましたが、地球の植物の証拠を目撃したことを機に、人類の自立への意識を芽生えさせていきます。本作のクライマックスで重要な役を担います。
オート(AUTO/声:マッキントッシュ「Mac」音声+ベン・バート/日本語版:)
アクシオム号の自動操縦AI。Buy n Large社のCEOから「人類は二度と地球には戻らない」という秘密の指令を受け、それを700年間頑なに守り続けてきた独裁的な存在。本作の悪役として、人類の自立を阻もうとします。声はApple社のMacintoshの「Talk-In-Stop」音声(VoiceOver音声)と、ベン・バートのカスタム加工によって作られています。
ハル(声:ベン・バート)
ウォーリーの唯一の友達であるゴキブリ。ヒトリでもじっと寝てくれて愛着のある存在です。
M-O(声:ロジャー・グールド/日本語版:)
アクシオム号で清掃業務を担当する小型ロボット。ウォーリーが船内に持ち込む「外部汚染物質」(地球の土埃など)を必死に追いかけて拭き取ろうとする、本作のコメディの中心軸を担うキャラクター。
ジョン(声:ジョン・ラッツェンバーガー/日本語版:)/メアリー(声:キャシー・ナジミー/日本語版:)
アクシオム号の人類の住人で、本編途中でウォーリーに出会って700年ぶりに「現実の世界」を意識するようになる夫婦。彼らの覚醒のプロセスが、本作のテーマと共鳴する大切なエピソードを担います。
Buy n Large社CEO(声:フレッド・ウィラード)
本作の唯一の実写出演キャラクター。船内のメッセージ映像として登場する、700年前の人類の最後の指導者。彼が「人類は地球に戻る計画を完全に放棄した」というメッセージを残したことが、オートの長年の秘密の指令の起源となっています。
スタッフ・キャスト陣
監督・脚本はアンドリュー・スタントン。本作は彼にとって長編単独監督2作目で、『ファインディング・ニモ』に続くピクサー作品です。本作のアイデアは、彼がピクサー創成期の1994年、ジョン・ラセター、ピート・ドクターと一緒のランチでブレインストーミングした際に生まれた「もし人類が宇宙に脱出して、地球に最後の一台のロボットだけが残されたら?」という発想実験が起点となっています。それから14年を経て、本作は完成しました。
脚本はアンドリュー・スタントンとジム・リアドンの共同。リアドンは『シンプソンズ』のディレクターとして広く知られていた人物です。本作は脚本上、本編冒頭の30分以上を「台詞のないロボットの仕草と機械音だけで成立させる」という前例のない挑戦に挑みました。
サウンドデザインはベン・バート。彼は『スター・ウォーズ』シリーズでR2-D2、C-3PO、ストームトルーパー、ライトセーバー、TIEファイター、シスのフォース・チョーク、Rancorなどの音響を作り出した、伝説的サウンドデザイナーです。本作のためにバートは、ウォーリーとイヴ、その他のロボットたちに独自の機械的発声体系を構築し、本作のサウンドデザインのみで第81回アカデミー賞音響編集賞にもノミネートされました(受賞は『The Dark Knight』)。
音楽はトーマス・ニューマン。前作『ファインディング・ニモ』に続く再起用で、本作のために繊細で電子的な楽曲群を書き下ろしました。主題歌『Down to Earth』はピーター・ガブリエル(ジェネシスのフロントマン)が作詞・作曲・歌唱したオリジナル楽曲で、エンドロールに流れる本作のテーマ曲として、本作の哲学的な余韻を観客に手渡してきます。第81回アカデミー賞オリジナル主題歌賞にノミネートされました。
主演キャスト
ウォーリー役のベン・バートは、サウンドデザイナーとして本作の音響全体を担当しただけでなく、ウォーリーとオートを含む複数のキャラクターの声色を全て自分自身で作り上げました。彼が『スター・ウォーズ』のR2-D2のために開発した「機械音と人間の感情を融合させる」手法を、本作のために最大限に発展させた結果、ウォーリーは台詞のないキャラクターとしては映画史上最も愛されるキャラクターの一人となりました。
イヴ役のエリッサ・ナイトは、ピクサーの社内アーティストとして当時勤務していた人物。ベン・バートが「ウォーリーの恋人としての声色は、自分が作るマスキュリン寄りの音では成立しない」と判断し、ナイトのフェミニンな声を電子加工することで、独特の発声法を完成させました。彼女は本作以前は声優としての活動経験がほとんどなく、本作の出演を機に映画業界で広く知られる存在になりました。
マッキャリー船長役のジェフ・ガーリンは、米国人気テレビ番組『カーブ・ユア・エンスージアズム』で広く知られていたコメディアン・俳優。彼の人懐っこい発声法が、終盤のキャラクターアークを完璧に支えました。
アクシオムの住人ジョン役のジョン・ラッツェンバーガー(ピクサー全作で常連の声優)、メアリー役のキャシー・ナジミー(『天使にラブ・ソングを』で広く知られる)、Buy n Large社CEO役のフレッド・ウィラード(実写の俳優・コメディアン)といった俳優陣が脇を固めました。
日本語吹替版では、ウォーリーとイヴはオリジナル音源(ベン・バートとエリッサ・ナイトの声)がそのまま使用され、人間キャラクターの台詞のみが日本語に吹き替えられるという、世界の他言語版にも共通する特殊な吹替工程が採用されました。
興行収入・話題
興行収入・話題
『ウォーリー』は2008年6月27日に米国で公開されました。米国国内の最終興行収入は約2億2400万米ドル、世界興行収入は累計で約5億3300万米ドルに達しました。2008年の世界興行ランキングで第10位、長編アニメーションでは『カンフー・パンダ』『マダガスカル2』に次ぐ年間第3位を記録しました。日本では2008年12月公開で、配給収入は約25億円、興行収入は約44億円超を記録しています。
本作の興行は、ピクサー作品としては『カーズ』『レミーのおいしいレストラン』に続く批評・興行両面の大成功を収めました。本作のテーマである「商業主義への警告」「環境破壊への危機感」が、当時の世界の経済危機(リーマン・ショック)と環境問題への関心の高まりと完璧に共鳴し、世界中で深い反響を呼びました。
評価・受賞歴
第81回アカデミー賞では6部門にノミネートされ、長編アニメーション賞を受賞。さらにオリジナル脚本賞、オリジナル主題歌賞、オリジナル作曲賞、音響賞、音響編集賞にもノミネートされました。長編アニメーション映画として6部門ノミネートを受けたのは、本作以前は『美女と野獣』『シュレック』に次ぐ偉業でした。
第66回ゴールデングローブ賞アニメーション映画賞、第62回英国アカデミー賞アニメーション映画賞、第36回アニー賞長編アニメーション作品賞、放送映画批評家協会賞アニメーション映画賞、ヒューゴー賞ベスト・ドラマティック・プレゼンテーション(長編部門)受賞ほか、世界中の主要映画賞でほぼ総なめにしました。
Rotten Tomatoesは94%の高評価、Metacriticは95/100の「universal acclaim」スコアを記録。批評集約スコアでもピクサー作品史上最上位レベルの評価を維持し続けています。タイム誌は本作を「2000年代の最高の映画10本」の一つに選出し、英BBCも本作を「21世紀の最高のアニメーション映画」の一つに選出しました。
ネタバレ
※ここからネタバレを含みます。
クライマックス
物語の終盤、アクシオム号の中でウォーリー、イヴ、船長マッキャリーは、地球の植物の証拠(ウォーリーが見つけた小さな鉢植え)を「ホロ・デテクター」(船長専用の地球帰還スイッチ)に置くことで、人類を地球に戻すという最終目標に向かって突き進みます。しかしAIのオートが、Buy n Large社CEOから受けた700年前の指令を頑なに守って妨害を続けます。
オートは植物を奪い取り、ウォーリーを電圧シャワーで深刻に損傷させ、船内のシステムを乗っ取って地球帰還を阻もうとします。ウォーリーは満身創痍になりながらも、最後の力を振り絞ってホロ・デテクターを開き、植物を載せられる位置を維持します。船長マッキャリーは「人類は本当に生きるためには、何か大きな夢が必要だ」と理解し、長年衰えていた身体能力を絞り出して立ち上がり、オートとの最終対決に挑みます。
オートは「赤いボタン」を押して反逆者ロボットの清掃を試みますが、最終的に船長によってオートのマニュアル制御が完全に解除され、人類のアクシオム号は地球への帰還航路へと舵を切ります。
結末が示すもの
地球に帰還する直前、ウォーリーはイヴを修理してもらうため、自分の故郷である地球の上に降り立ちます。イヴは彼の損傷した身体を可能な限り修復しますが、彼の人格的な部分(700年かけて育てた感情と記憶)は失われており、ウォーリーは元の単純な廃棄物処理ロボットの状態に戻ってしまったかのように見えます。
絶望したイヴは、別れ際にウォーリーに優しいキスをします。その瞬間、イヴから放たれた電気エネルギーがウォーリーの記憶回路に再び火を灯し、彼は自分自身を取り戻します――「Eve...」と一言、彼女の名前を呼びます。二人が手を握り合う場面で、本作のメインの感情線は完璧な決着を迎えます。
船長マッキャリーが地球の土を踏み、人類が700年ぶりに自らの足で地面に立つラストカットでは、Buy n Large社の遺物に植物が芽吹いていく希望のシークエンスが綴られます。エンドロールでは、人類が地球で農業や芸術を再び発展させていく様子が、ピクサー特有の絵柄で美しく描かれていきます。
本作の結末は、機械と人間の境界を超えた「愛」が、文明全体を再生させる根源的な力として描かれる、稀有な希望のストーリーとして観客に手渡されます。本作のテーマである「人類は自分自身の足で立ち上がるべき」というメッセージは、観客の心に長くまで響き続ける深い感慨を残します。
トリビア
本作のアイデアは、ピクサー創成期の1994年、ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン、ピート・ドクターのランチでのブレインストーミングから生まれた「もし人類が宇宙に脱出して、地球に最後の一台のロボットだけが残されたら?」という発想実験が起点。それから14年を経て本作が完成しました。
ウォーリーとイヴ、その他のロボットの音響は、伝説的サウンドデザイナーのベン・バートが担当。彼が『スター・ウォーズ』のR2-D2、C-3PO、ストームトルーパー、ライトセーバーなどの音響を作り出した経歴を持ち、本作はバートの代表作の一つとして記憶されています。
本編冒頭の約30分は、台詞のないロボットの仕草と機械音だけで成立させる前例のない挑戦に挑んだシークエンスです。ピクサー社内では、本作を「サイレント映画への現代的なオマージュ」と位置づけて制作されました。
オートの声は、Apple社のMacintoshの「Talk-In-Stop」音声(VoiceOver音声)にベン・バートのカスタム加工を施したもの。Apple社の創業者でもあるスティーブ・ジョブズはピクサーCEOを兼務しており、本作の音声処理にも間接的に関与していたと言われています。
主題歌『Down to Earth』はピーター・ガブリエル(ジェネシスのフロントマン)が作詞・作曲・歌唱したオリジナル楽曲。彼自身が環境問題への関心が高い人物で、本作のテーマと完璧に共鳴する楽曲を書き下ろしました。
第81回アカデミー賞では6部門にノミネートされ、長編アニメーション賞を受賞。長編アニメーション映画として6部門ノミネートを受けたのは、本作以前は『美女と野獣』『シュレック』に次ぐ偉業でした。
本作のテーマである「商業主義への警告」「環境破壊への危機感」が、当時の世界の経済危機(リーマン・ショック)と環境問題への関心の高まりと完璧に共鳴し、本作はピクサー作品史でも最も哲学的かつ社会的なメッセージ性を備えた作品の一つとして、長期的に再評価が続いています。
撮影裏話
撮影の舞台裏
本作の制作は2003年初頭から2008年初夏までの約5年間に及ぶ大規模プロジェクトでした。アンドリュー・スタントン監督は、前作『ファインディング・ニモ』の成功を背に、本作のためにピクサーの全社員を集めて「ロボットの恋愛物語を、台詞をほぼ用いずに成立させる」という前例のない目標を共有しました。脚本陣は本編冒頭の約30分を「サイレント映画への現代的なオマージュ」として徹底的に作り込みました。
キャストの準備
ウォーリー役のベン・バートは、サウンドデザイナーとしての通常の業務に加え、声優としても本作のために膨大な時間を投入しました。彼は本作のためにスタジオに数年間にわたって通い、ウォーリーの「心」を機械音だけでどう表現するかを、ピクサーの作画スタッフと毎週議論を重ねていきました。本作の冒頭シーンの大半は、バートが先に音響を完成させてから作画が後に追いかけるという、ピクサー史上でも極めて珍しい制作工程が採用されました。
イヴ役のエリッサ・ナイトは、ピクサーの社内アーティストとして当時勤務していた人物で、本作の出演は彼女の俳優としての起用としては予想外の機会でした。バートが彼女のフェミニンな声を電子加工してイヴ独特の発声法を作り上げました。
技術的な挑戦
本作の最大の技術的挑戦は、宇宙船「アクシオム」の巨大な内部空間と、地球のゴミに埋もれた未来都市を、それぞれ完全に異なる物理シミュレーションで描き切ることでした。ピクサーの開発チームは、本作のために「光の物理シミュレーション」を一段精緻化させ、結果として本作のVisual Effectsはピクサー史上最も視覚的に美しい長編の一つとして高く評価されました。
また、本作のサウンドデザインのために、ピクサーは伝説的サウンドデザイナーのベン・バートをスタジオに長期間招聘し、ピクサー初の本格的な「サウンド・サインドリブン制作(音声起点で映像を作る)」というアプローチを採用しました。
公開当時の余話
公開当時、本作はピクサー作品としてはこれまでにない哲学的・社会的なメッセージ性を備えた長編として、批評家の間で大きな議論を呼びました。一部の保守的な批評家は本作の「Buy n Large社による商業主義への批判」を否定的に取り上げましたが、世界中の観客と多くの批評家は本作のメッセージを高く評価し、結果として本作は「ピクサー作品史上最も哲学的な傑作」として、長期にわたって愛され続ける長寿作品となっています。