ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1が無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』が見れる動画配信サービス
現在、Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。
| 配信サービス | 視聴可否 |
|---|---|
| Netflix | − |
| Amazon Prime Video | 視聴可能 |
| Disney+ | − |
| Hulu | 視聴可能 |
| U-NEXT | 視聴可能 |
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』とは?作品の見どころ
「ドビーは自由なしもべ妖精として死ねて幸せです——ハリー・ポッターと共に」——シリーズで最も愛されたキャラクターの一人が、海辺の貝殻の家の前で迎える静かな死の場面が、シリーズ第7作『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(2010)のラストを締めくくります。原作最終巻『死の秘宝』を2部作として映画化するという『ハリポタ史上最も野心的な決断』の第1作で、ホグワーツの校門は閉ざされ、3人の主人公はもはや学園にはいません。ヴォルデモート卿が魔法省を支配し、闇の帝王の世界征服計画が現実に進む中、ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は分霊箱を求めて英国全土を彷徨う逃亡の旅を続けます。デヴィッド・イェーツが連続3作目の監督を務め、原作の前半を約2時間半かけて丁寧に映画化。シリーズで初めて『学園を離れた野外大冒険ロードムービー』としての側面が前面に出され、3人の友情の試練、闇の魔法の追跡、そして『死の秘宝』(隠れ蓑、復活の石、ニワトコの杖)の伝説が物語の核心へと迫る重厚な1作です。世界興行収入9億6055万ドルを記録し、シリーズで最も興行的に成功した作品の一つとなった本作の魅力を、登録だけで全話無料視聴できる動画配信サービスの紹介とあわせて徹底解説します。
『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』を全話無料で見る方法
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U-NEXT(31日間無料トライアル)
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本作はレンタル課金や追加購入なしに、上記いずれかの登録だけで合法的に最後まで視聴できます。違法アップロード動画や海賊版ストリーミングは画質・音質が著しく劣るうえセキュリティリスクも伴うため、必ず正規の配信サービスをご利用ください。
あらすじ
前作『謎のプリンス』のラスト、ダンブルドアの死を経て、ホグワーツ魔法魔術学校7年生になるはずだったハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は学校に戻らない選択をします。亡きダンブルドアが残した遺言に従い、ヴォルデモート卿の魂を分割して隠した7つの『分霊箱(ホークラックス)』を全て探し出して破壊することが、闇の帝王を倒す唯一の方法だからです。
物語は3人の旅立ちの準備から始まります。ハーマイオニーは両親の記憶を消去呪文で消し去り、自分自身の存在を彼らから消す痛切な選択をします。安全のためにダーズリー家からハリーを脱出させる『七人のポッター作戦』では、不死鳥の騎士団のメンバー全員がポリジュース薬でハリーの姿に変身し、それぞれ別の方向に飛び立ちますが、待ち受けていた死喰い人との空中戦闘で『マッドアイ』ムーディとヘドウィグ(ハリーの愛フクロウ)が命を落とします。シリーズで愛されてきたフクロウの突然の死は、本作の冒頭から観客に深い喪失をもたらします。
ビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式の最中、闇の帝王が魔法省を完全に支配したというパトローナス通信が届きます。3人は混乱の中、ロンドンへ瞬間移動。グリモールド・プレイス12番地(シリウス・ブラックの旧宅)を新たな本部として、本物のロケット型分霊箱(R.A.B.のメッセージで前作で取り損ねた本物)が魔法省で勤務する女性ドローレス・アンブリッジの首にかかっていることを突き止めます。3人はポリジュース薬で魔法省職員に変身し、潜入してロケットの奪取に成功。しかし帰還の瞬間に死喰い人に追跡され、グリモールド・プレイスを捨てて野外でのキャンプ生活を強いられることになります。
英国の険しい大自然の中をテントで移動する3人。手に入れたロケット型分霊箱は『身につける者の心の闇を引き出す』呪いがかかっており、3人は交互にそれを首にかけて抑える役を務めます。ロンが分霊箱の影響で疑心暗鬼になり、ハリーとハーマイオニーへの嫉妬を爆発させて単独で去ってしまうという友情の最大の危機が訪れます。残された2人は森で『ゴドリックの谷』(ハリーの両親が殺された場所)を訪れ、墓参りと共にダンブルドアの母と妹の墓も発見します。そこで彼らは謎の魔法生物に襲われ、命からがらの脱出。
後半、ハーマイオニーが見つけた『吟遊詩人ビードルの物語』に綴られた『3人兄弟の物語』が、本作のタイトルである『死の秘宝(The Deathly Hallows)』の謎を解き明かします。隠れ蓑、復活の石、ニワトコの杖——3つを揃えれば『死の支配者』になれるという伝説。これがダンブルドアが残した最後の遺品の意味へと繋がっていきます。
クライマックスでは3人は人さらいに捕らえられ、マルフォイ邸でベラトリックス・レストレンジによる拷問を受けます。地下室にはルーナ、オリバンダー、ゴブリンのグリップフックが既に囚われており、ハリーが旧友ドビーの助けを借りて脱出を試みる中、シリーズで最も愛された屋敷しもべ妖精が悲劇的な最期を遂げるのです。
登場人物
本作で初登場・本格登場する重要キャラクター、そして『最後の登場』を迎える愛されたキャラクターたちが交錯する1作です。
■ ハリー・ポッター: 17歳。ホグワーツを離れて分霊箱の捜索に挑む。シリーズで最も孤独で精神的に追い詰められる時期で、ロンの離脱、両親の墓参り、ヴォルデモートの存在感の増大などに苦しみながら、リーダーとして仲間を引っ張っていく決意を固めます。
■ ロン・ウィーズリー: 分霊箱の影響でハリーへの嫉妬を爆発させ、テントから去ってしまう劇的な展開を迎えます。ハーマイオニーへの恋心、家族の心配、自分の小ささへの劣等感——本作で彼の人間性が最も深く掘り下げられます。
■ ハーマイオニー・グレンジャー: 両親の記憶を消す痛切な決断、テントでのキャンプ生活、ロンとの関係に苦しむ場面など、シリーズで最も感情的に難しい時期を迎えます。彼女の知性と決断力が3人の旅を支え、観客の共感を最も集めるキャラクターとなります。
■ ドビー: 屋敷しもべ妖精。前々作『秘密の部屋』で初登場以来、ハリーへの忠誠を貫いてきた愛すべきキャラクター。本作の終盤、シリーズで最も悲痛な死を迎えます。彼の最後の言葉『ドビーは自由なしもべ妖精として死ねて幸せです』は、シリーズ全体を通じてもっとも涙を誘う台詞の一つです。
■ ベラトリックス・レストレンジ: マルフォイ邸でハーマイオニーを直接拷問する場面でシリーズ屈指の凶悪な演技を見せます。彼女の腕に『マッドブラッド』と血で刻む拷問シーンはシリーズ屈指の戦慄場面。
■ ヘドウィグ: ハリーの愛フクロウ。シリーズ全6作の象徴的存在でしたが、本作冒頭の七人のポッター作戦の空中戦で死喰い人の呪文に貫かれて命を落とします。シリーズ最初の本格的な『愛する存在の喪失』を観客に突きつけます。
■ アラスター『マッドアイ』ムーディ: 本作冒頭で死亡。シリーズで実技指導をしてきた老闇祓いの英雄的最期です。
■ ドローレス・アンブリッジ: 前作『不死鳥の騎士団』で恐怖政治を行った悪名高い官僚。本作ではマグル生まれ登録委員会の議長としてマグル生まれの魔法使いを迫害する立場になっており、彼女の悪行が新たな次元で展開されます。
■ クリーチャー: シリウス・ブラックの旧宅に長年仕えた老屋敷しもべ妖精。前作までは陰険な小心者として描かれていましたが、本作で彼の悲しい過去が明かされ、ハーマイオニーの優しさによって心を開き、3人の重要な味方となります。
■ ビル・ウィーズリーとフラー・デラクール: 不死鳥の騎士団のメンバー。本作冒頭で結婚し、終盤では『貝殻の家』を3人の避難所として提供します。
■ ゼノフィリウス・ラブグッド: ルーナの父。陰謀論誌『ザ・クィブラー』の編集長で、彼の家でハリーたちは『死の秘宝』の伝説を初めて知ります。
■ ガリック・オリバンダー: 杖職人。マルフォイ邸の地下牢で囚われていましたが、ドビーの脱出作戦で救出されます。
■ ヴォルデモート卿: 本作では完全に物語の中心的脅威として君臨。ニワトコの杖の起源を求めて欧州各地を旅し、グレゴロビッチ、ゲラート・グリンデルバルドへと辿る彼の追跡が並行して描かれます。
スタッフ・キャスト陣
本作のキャスト陣は前作までのレギュラー陣を中心に、最終作に向けて全員が役の終わりへの覚悟をもって集結しました。
ハリー・ポッター役のダニエル・ラドクリフは20歳。本作と次作PART2を続けて撮影しており、シリーズの主役としての10年間の集大成として臨みました。彼は本作の撮影中、両親の墓参りシーンや友人を失う場面など、過去6作を超える感情の深さを要求される演技に挑み、子役から本格的なドラマ俳優への完全な脱皮を果たしました。
ロン・ウィーズリー役のルパート・グリントは22歳。本作で彼が見せるロンの『嫉妬と劣等感』『ハーマイオニーへの届かぬ恋心』『分霊箱に支配される心』など、シリーズで最も多面的な演技は『ロン役の到達点』として高く評価されました。彼自身もシリーズ完結後は『サーヴァント ターナー家の子守』(2019-2023)などサスペンス分野へ進出していきます。
ハーマイオニー・グレンジャー役のエマ・ワトソンは20歳。本作の冒頭、両親の記憶を消去する場面の表情演技は、シリーズ屈指の感情描写として批評家から絶賛されました。彼女は本作の撮影と並行してブラウン大学英文学科に在籍しており、女優としての俳優力と知性派活動家としての両立を確立した時期です。
ドビー役の声とモーションキャプチャはトビー・ジョーンズが続投。彼は『キャプテン・アメリカ』のアーニム・ゾラ役で世界的に活躍する個性派俳優ですが、本作のドビーの死亡シーンでは『声だけで観客の涙を誘う最高の仕事』を残しました。
ベラトリックス・レストレンジ役のヘレナ・ボナム=カーターは、マルフォイ邸でのハーマイオニー拷問シーンでシリーズ屈指の戦慄演技を披露。彼女自身は撮影後『あのシーンを撮った日は家に帰って泣いた』と語っており、ヴィラン演技の精神的負担の大きさを物語っています。
ヴォルデモート卿役のレイフ・ファインズは本作で最も大きな登場時間を獲得。グリンデルバルドの墓を暴く場面、ニワトコの杖を手にする場面、マルフォイ邸での会議シーンなど、シリーズで最も総合的なヴォルデモート像を見せました。
本作にはイギリス演劇界の超一流俳優が大勢『最後の登場』のために集結しました。リチャード・グリフィス(バーノン伯父役)は本作で最後の登場、フィオナ・ショウ(ペチュニア伯母役)も同様。一方、本作で初登場の重要キャラクター『ゼノフィリウス・ラブグッド役』にはリス・エヴァンス(『ノッティングヒルの恋人』『The Boat that Rocked』)が起用されました。
アルバス・ダンブルドア役のマイケル・ガンボンは本作では『追憶の場面』として短く登場。ダンブルドアの妹アリアナ、弟アバーフォースの過去のエピソードがアニメーション風映像で挿入され、シリーズで初めて『ダンブルドア家族の物語』が描かれます。
監督デヴィッド・イェーツは本作で連続3作目。撮影監督エドゥアルド・セラ(『パール・ハーバー』『パイレーツ・オブ・カリビアン』など)とのコンビで、本作と次作PART2を一貫した映像美で仕上げました。とくに英国の険しい自然風景(ノース・ヨークシャー、スコットランド、ウェールズ)を実際にロケ撮影に使ったことで、シリーズで最も『リアルなイギリスの大自然』に満ちた1作となっています。
音楽はアレクサンドル・デスプラ。フランス出身の世界的作曲家で、『ある公爵夫人の生涯』『ベンジャミン・バトン』『英国王のスピーチ』など多数の代表作を持ちます。本作と次作PART2を担当することで、シリーズの最終決戦を音楽的にも完璧に演出する役割を担いました。彼の『Obliviate』(忘却)『Lovegood』(ラブグッド家)『Dobby』(ドビー)などの主題は、シリーズの最終作への重みを音響的に表現しました。
興行収入・話題
2010年11月19日に世界同時公開された『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』は、最終的な世界興行収入9億6055万ドルを記録。2010年公開作品の世界興行ランキングで『トイ・ストーリー3』(10.6億ドル)『アリス・イン・ワンダーランド』(10.2億ドル)に次ぐ第3位を獲得しました。前作『謎のプリンス』を上回る9億ドル超の興収は、シリーズが最終2部作に突入することで観客の期待値が最高潮に達した証拠です。
日本では2010年11月19日に公開され、年間興行収入96億円を記録。2010年の年間洋画ランキング1位の座を獲得し、シリーズの中核観客基盤の堅固さが改めて実証されました。原作の最終巻が『分霊箱探しの停滞期』というキャラクター内省の多い構造であるため、映画化に際しては『観客が飽きないかという懸念』もありましたが、結果的に観客動員は前作を上回り、シリーズの最終決戦への期待を高めることに完璧に成功しました。
批評家からの評価は分かれましたが、Rotten Tomatoesの批評家スコアは78%、Metacriticは65点と高水準を維持。映画評論家は『シリーズで最も成熟した1作』『原作の重さを大胆に映画化した勇気』を評価する一方、『2部作の前半としての消化不良感』を指摘する声もありました。しかし観客の評価は別格で、Rotten Tomatoesの観客スコアは87%という高数字を記録しました。
第83回アカデミー賞では美術賞・視覚効果賞の2部門にノミネート。第64回英国アカデミー賞(BAFTA)では特殊視覚効果賞・美術監督賞・衣装賞・音楽賞・サウンド賞・プロダクションデザイン賞の6部門にノミネートされる高評価ぶりでした。とくにグリンゴッツ銀行内部、マルフォイ邸の地下牢、貝殻の家など本作で初めて見せたセットデザインは、シリーズの美術的到達点として記憶されています。
本作の興行的成功は、続編『死の秘宝 PART2』への観客動員を絶対的に確保しました。原作の前半を映画化した本作のラストの『ドビーの死』『ヴォルデモートがニワトコの杖を手にする』という強烈な余韻が、続編への期待を最高潮に高めることになります。2024年から2025年の世界各地での再公開興行でも本作は『シリーズ屈指のロードムービー』として人気タイトルとなり、累計世界興行収入は再公開分を含めて10.5億ドルを超えました。
ネタバレ
【以下、結末まで含むネタバレを多数含みます】
本作の終盤、3人は『人さらい(スナッチャー)』に捕まり、マルフォイ邸へ連行されます。ハーマイオニーが咄嗟に発した呪文でハリーの顔は腫れ上がり一時的に変形していたため、人さらいたちはハリー本人だと確信できずにいましたが、ベラトリックスが3人の所持品の中にグリフィンドールの剣(本物がグリンゴッツ銀行のレストレンジ家金庫にあるはずなのに!)を発見して激怒。彼女は3人がグリンゴッツの金庫を探っていたと結論付け、真相を聞き出すためにハーマイオニーを地下牢から引き上げて拷問にかけます。
ベラトリックスはハーマイオニーの腕に『マッドブラッド(穢れた血)』と短剣で刻み、彼女に拷問呪文クルーシオを浴びせかけ続けます。地下に閉じ込められたハリー、ロン、ルーナ、ガリック・オリバンダー、ゴブリンのグリップフックの中で、ハリーは前々作『謎のプリンス』でダンブルドアにもらった『鏡の破片』に気付き、必死に助けを呼びます。やがて屋敷しもべ妖精ドビーが姿現しで地下牢に到着、囚われた人々を貝殻の家(ビルとフラーの新居)へと一人ずつ脱出させます。
ハリーとロンが上の階に駆け上がり、ハーマイオニーを救出。ピーター・ペティグリュー(銀の腕)がハリーを掴み上げますが、彼の銀の手はかつてヴォルデモートに与えられたもので、ヴォルデモートに反逆する考えを抱いた瞬間、その手が自分自身の喉を絞めてピーターを殺してしまいます——シリーズの中で最も皮肉な裏切り者の最期です。
ドビーは最後にハリーとハーマイオニー、その他全員を抱えて姿現しで脱出を試みます。しかし瞬間移動の直前、激怒したベラトリックスが投げた銀のナイフがドビーの胸に深々と刺さってしまいます。脱出は成功しましたが、ドビーは貝殻の家の砂浜で『ハリー・ポッター』とハリーの名を呼びながら息を引き取ります。ハリーは魔法を使わずに手で墓を掘り、『自由なしもべ妖精ドビーここに眠る』と墓標に書きつけます。シリーズで最も静かで心を打つ追悼シーンの一つです。
そして物語は二つの並行する展開で終わります。ハリーは奪取したロケット型分霊箱を破壊する手段を求めて、グリンゴッツ銀行への侵入計画を練り始めます。一方、ヴォルデモートはダンブルドアの墓を冒涜的に暴き、その中に納められていた『ニワトコの杖(エルダー・ワンド)』を奪取。死の秘宝の最強の杖がついに闇の帝王の手に渡ったのです。物語のラスト、ヴォルデモートが空に向けて杖を掲げる瞬間、青白い閃光が爆発するという衝撃的な場面で本作は幕を閉じます。
本作は『分霊箱の捜索の停滞期』『友情の試練』『死の秘宝の伝説』『愛されたキャラクターの死』を丁寧に描いた『シリーズの内面的なクライマックス』として完璧に機能しました。続編PART2でついにホグワーツの戦いとヴォルデモートとの最終決戦が描かれることが、本作のラストでほぼ確実に予期させる構成です。
トリビア
■ 七人のポッター作戦のシーン: 冒頭の七人のポッター作戦では、ダニエル・ラドクリフが『ハリーの姿に変身したロン、ハーマイオニー、フレッド、ジョージ、フラー、マンドンガス、ヘドウィグ』など7人分を全て演じ分けました。ラドクリフ自身が後に『シリーズで最も難しい撮影』と振り返るほどの長期間の連続撮影で、CGとメイクの組み合わせで完成しました。
■ ロケ地の英国大自然: 本作の野外シーンは、英国スコットランドのグレンコー渓谷、ノース・ヨークシャーのマルハム・コーブ、ウェールズのブラエ・カディス・ピクスなど、実際の英国の絶景を多数ロケで使用。これらは現在も『ハリポタロケ地巡り』の聖地となっています。
■ ハーマイオニーが両親の記憶を消すシーン: 冒頭でハーマイオニーが両親に消去呪文をかけるシーンは、原作にはありますが当初の脚本ではカットされていました。エマ・ワトソン自身が『これは絶対に映画に入れるべき』と監督に強く要望して復活させた経緯があります。彼女の演技は『シリーズで最も静かに胸を打つ場面』として批評家から絶賛されました。
■ ドビーの死亡シーン: 撮影現場では、ドビーのCGモデルがまだ完成していない状態でダニエル・ラドクリフが演技する必要があり、彼は『何もない床に向かって涙を流す』という演技に挑みました。彼が後に『シリーズで最も泣いた撮影』と語る名場面で、撮影スタッフ全員も涙していたとデヴィッド・イェーツ監督が証言しています。
■ ヘドウィグの死亡: シリーズの象徴的存在だったヘドウィグの死は、原作とは異なるシーンで描かれています。原作ではかご(ケージ)の中で殺されますが、映画では空中戦の中で身を挺してハリーを庇う英雄的な死に変更されました。これは『キャラクターを尊敬する形で送る』というデヴィッド・イェーツ監督のこだわりです。
■ 3人兄弟のアニメーション: ハーマイオニーが朗読する『3人兄弟の物語』のアニメーション・シーケンスは、英国のアニメーターベン・ヒバンが制作。彼の影絵風アニメーションはシリーズで最も独創的な視覚表現として高く評価され、第83回アカデミー賞長編アニメ短編賞ノミネートさえ獲得しました。
■ 撮影中のセットの混乱: 本作と次作PART2は同時撮影されたため、撮影所内には『最終決戦のホグワーツ廃墟』『マルフォイ邸』『貝殻の家』など100以上の異なるセットが同時並行で建造されました。スチュアート・クレイグ(プロダクション・デザイナー)は『私のキャリアで最も大規模な仕事』と振り返っています。
■ 主題歌『O Children』: テントの中でハリーとハーマイオニーが踊る場面で流れる楽曲は、Nick Cave & The Bad Seedsの『O Children』。これはデヴィッド・イェーツ監督が個人的に好きだった曲で、台本にはなかったシーンを彼が即興で組み込んだもの。シリーズで最も繊細な静かな名場面となっています。
■ 公開日の記録: 米国では2010年11月19日(金)、初日だけで6100万ドル超を稼ぎ、同年最大級のオープニングを記録。日本でも同日公開で、前作を上回る初週興行を達成しました。
■ ヴォルデモートの杖: 終盤でヴォルデモートが手にするニワトコの杖は、シリーズの中でも特別な小道具として作られました。長く節の多い独特なデザインで、撮影では複数本のレプリカが用意され、ファインズ自身が『これまで握ったどの小道具よりも重く感じられた』と語っています。
撮影裏話
デヴィッド・イェーツ監督が本作で取り組んだ最大の課題は『原作最終巻の前半部を、映画として独立して機能させる』ことでした。原作7巻全体の物語の流れの中で『分霊箱探しのキャンプ生活』『友情の試練』『死の秘宝の伝説』が描かれる前半は、アクションが少なく内省が多いという映画化として困難な構造です。イェーツ監督はこの『静けさ』を逆に強みに変えることを決断し、『英国の険しい大自然での野外ロードムービー』としての側面を全面に押し出しました。
プロダクション・デザインのスチュアート・クレイグは本作で『教育機関のホグワーツから離れた、より野生的な世界観』を視覚化することに注力。マルフォイ邸の暗いゴシック様式、貝殻の家の温かい木造の佇まい、ゴドリックの谷の雪に覆われた古い教会、ロブグッド家の塔状の奇妙な建物——シリーズで最も多様な美術が展開されました。とくに貝殻の家は、英国ペンブルックシャー海岸のフレシュウォーター・ウェスト・ビーチに実物大のセットを建造し、撮影後も観光地として残されました。
撮影監督エドゥアルド・セラはポルトガル出身の名カメラマン。『ジェラシック・パーク』『パール・ハーバー』『パイレーツ・オブ・カリビアン: 生命の泉』など多数のハリウッド大作で実績を持つ撮影監督で、本作と次作PART2を一貫した暗いトーンで撮影しました。とくに本作の野外シーンは『水彩画のような自然光』を多用し、シリーズで最も詩的な視覚美を実現しています。
VFX面では、グリンゴッツ銀行のドラゴン、ニワトコの杖から放たれる青白い閃光、ヴォルデモートの分霊箱から漏れ出す煙状の魂、3人兄弟のアニメーション・シーケンスなど、本作と次作PART2の両方を見据えた多彩な仕事が行われました。VFXスーパーバイザーのティム・バークはシリーズ全体を通して指揮を執り、本作で第83回アカデミー賞視覚効果賞ノミネートを獲得しています。
音楽担当はジョン・ウィリアムズ、パトリック・ドイル、ニコラス・フーパーから引き継いでアレクサンドル・デスプラ。フランス出身の世界的作曲家で、『ある公爵夫人の生涯』『英国王のスピーチ』『シェイプ・オブ・ウォーター』『グランド・ブダペスト・ホテル』などで知られる名匠です。デスプラは『前任者たちが築いたテーマを尊重しつつ、最終2部作のための新しい主題群を加える』アプローチを取り、『Obliviate』(忘却の主題)『Lovegood』(ラブグッド家)『Dobby』(ドビー)『Sky Battle』(空中戦)などの新しいテーマを生み出しました。
本作のクライマックスである『ドビーの死亡シーン』の撮影は、撮影所近くの英国ペンブルックシャー海岸での実ロケでした。スタッフ全員が砂浜に並んで墓を掘る形で撮影に参加し、ダニエル・ラドクリフは『監督の指示なしに自然と涙が流れた』と振り返っています。撮影終了後、海岸の砂浜にはシリーズが続く期間中『ドビーここに眠る』と書かれた小さな手作りの墓標が観光客によって作られ続けたエピソードもあります。
また、本作の撮影は2009年2月から2010年6月まで約16ヶ月という長期間に及びました。これは続編PART2との『同時並行撮影』だったためで、3人の主役は2作分の脚本を頭に入れて、しばしば前後関係を行き来する撮影スケジュールに対応する必要がありました。エマ・ワトソンは『ある日はキャンプ生活、翌日はホグワーツの最終決戦という極端な切り替えに頭が混乱した』と語っています。
本作は『2部作の前半』という映画史的にも珍しい構造でしたが、これは『最終巻の長大な内容を1作に圧縮するとファンが満足しない』というワーナー・ブラザースとJ.K.ローリングの判断によるものでした。結果的にこの決断は『マトリックス・リローデッド/レボリューションズ』『指輪物語』など先行例と同様に、観客の期待を維持し続編を絶対視聴させる戦略として大成功を収めました。本作のラストの『ヴォルデモートがニワトコの杖を手にする』衝撃の場面が、続編PART2への観客動員を絶対的に確保した上で映画は終わるのです。