戦場のピアニストが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

『戦場のピアニスト』が見れる動画配信サービス
現在、U-NEXT で視聴できます。
| 配信サービス | 視聴可否 |
|---|---|
| Netflix | − |
| Amazon Prime Video | − |
| Disney+ | − |
| Hulu | − |
| U-NEXT | 視聴可能 |
『戦場のピアニスト』とは?作品の見どころ
1939年、ポーランドの首都ワルシャワ。ラジオ局のスタジオで、ショパンの夜想曲を弾いていた青年ピアニスト、ヴワディスワフ・シュピルマンの演奏が、突然のドイツ軍の空爆によって中断されます。窓の外から砲弾の音が聞こえても、彼は最後の和音を弾き続けようとします――その姿勢こそが、その後の6年にわたる彼の戦時下の歩みのすべてを象徴する瞬間でした。本作は、ホロコーストを生き延びたユダヤ系ポーランド人ピアニストの実話を、監督ロマン・ポランスキー自身の少年時代の記憶と重ね合わせるようにして描き切った、20世紀末の戦争ドラマの代表作です。
2002年に公開されたフランス・ドイツ・ポーランド・英国合作映画で、ジャンルは戦争を背景にしたヒューマンドラマです。原作はヴワディスワフ・シュピルマンの自伝『戦場のピアニスト』。監督はロマン・ポランスキー、脚本はロナルド・ハーウッド。シュピルマン役にエイドリアン・ブロディ、彼を匿うドイツ国防軍大尉ヴィルム・ホーゼンフェルト役にトーマス・クレッチマン、シュピルマンの父役にフランク・フィンレイ、母役にモーリン・リップマン、ドロタ役にエミリア・フォックスが配されています。
最大の見どころは、ワルシャワ・ゲットーから廃墟と化した街路、隠れ家のアパートの一室、そして奇跡のような出会いとなる空き家の場面まで、広大な戦時の風景の中をただひとりのピアニストが生き延びる旅路を、圧倒的な美術と抑制された演技で描き切る筆致にあります。エイドリアン・ブロディは本作で第75回アカデミー主演男優賞を史上最年少で受賞しました。
『戦場のピアニスト』を全話無料で見る方法
『戦場のピアニスト』を全話無料で見る方法は、現時点での日本国内の主要動画配信サービスでは、U-NEXTのサブスクリプションに加入することです。サービスへの登録だけで、追加課金なしに最後まで視聴できます。
U-NEXT
U-NEXTでは、月額プランに加入すれば見放題作品として本作を再生できます。新規登録時に無料体験が用意されているケースもあり、その期間内に視聴することも可能です。U-NEXTは大画面のテレビ用アプリやスマートフォン、ブラウザに対応しており、自宅のリビングでじっくり鑑賞するスタイルにも向きます。
有料視聴ルート(補足)
見放題ではないルートとしては、Apple TVやGoogle Play Movies、Amazon Videoなどデジタル販売プラットフォームでのレンタルおよび購入が選択肢になります。これらは「無料の手段ではないが、視聴ルートとして補足」しておきます。地上波・BSの映画チャンネルでも繰り返し放送される定番作品で、テレビ番組表で本作のタイトルを見かけることもあります。
まとめると、現時点で日本国内において、登録だけで全編無料の見放題で視聴できるのはU-NEXTです。Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、Huluの主要4社の見放題プランには本作は含まれていません。状況は時期によって変わりうるため、視聴前には各サービス公式の最新情報を確認することをおすすめします。
あらすじ
物語の始まり
物語の幕開けは、1939年9月のワルシャワ。ラジオ局のスタジオでは、若きユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ヴワディスワフ・シュピルマンが、ショパンの夜想曲嬰ハ短調を生放送のためにスタインウェイに向かって弾き始めています。けれども演奏の途中、ドイツ軍の空爆がスタジオの窓を揺るがし、放送は中断。彼は次第に砲弾の音が近づくなかでも最後の和音を弾き続けようとします――その姿勢のなかに、本作の主人公の本質が凝縮されています。
主人公を待ち受けるもの
やがてポーランドはドイツ軍とソ連軍によって分割占領され、ワルシャワに住むユダヤ人住民には次々と差別的な法令が押し付けられていきます。シュピルマン家は、父・母・兄ヘンリク・姉妹レギーナとハリーナの6人家族。1940年には市内の一画にゲットーが設けられ、ユダヤ人住民全員がそこへ強制移住させられます。狭い区画、配給の食料、職を失った家族の生活、父が街角で軍人に殴られる場面――本作はワルシャワ・ゲットーの日々の現実を、抑制された筆致で観客に積み上げていきます。
1942年、ナチス親衛隊によるゲットー解体作戦が始まり、シュピルマン家を含む大勢の住民が東部の絶滅収容所へ移送されるためにウムシュラークプラッツ(積出し駅)に集められます。そこで彼を物資隊から知っていたユダヤ人警察の旧友が、シュピルマンひとりを列車から強引に引き戻します。家族と引き離された彼は、ゲットーの中でひとり、強制労働に従事する立場で生き延びることを余儀なくされます。
物語の後半は、ゲットーから脱出したシュピルマンが、ポーランド人レジスタンスの友人たちの助けで、街中の空き家のアパートを次々と渡り歩いて隠れ続ける長い時間です。窓の隙間から見える戦争の進行、配給の途切れによる飢え、隣人の盗み聞きの恐怖、ゲットー蜂起の日々、ワルシャワ蜂起、街の壊滅――いずれもシュピルマンの一人称的な視点から、淡々と、けれど絶対的な孤独感とともに描かれていきます。物語が進むにつれて立ち上がってくるのは、戦争の英雄譚ではなく、たったひとりの人間が日々を生き延びるためにどれだけの偶然と善意に支えられたかという、もっとも個人的な戦時記録です。
登場人物
ヴワディスワフ・シュピルマン(演:エイドリアン・ブロディ)
本作の主人公。ワルシャワで活躍するユダヤ系ポーランド人のピアニストで、本作の冒頭ではラジオ局でショパンの演奏を続ける若き音楽家として登場します。物腰柔らかで、表立った闘争には向かないタイプの人物として描かれ、戦時下の運命に飲み込まれながらも、最後まで「自分のなかの音楽家」を捨てずに生き延びます。エイドリアン・ブロディは本作のために大幅な減量と長期間のピアノ訓練を経て、本作で第75回アカデミー主演男優賞を当時としては史上最年少(29歳)で受賞しました。
ヴィルム・ホーゼンフェルト大尉(演:トーマス・クレッチマン)
ドイツ国防軍の将校。本作の終盤に登場する重要人物で、廃墟となったアパートの中で偶然シュピルマンを発見します。彼は規律と倫理のあいだで揺れる軍人として描かれ、シュピルマンに対するある決断を通じて本作のクライマックスを担います。実在のヴィルム・ホーゼンフェルトは、戦時中に複数のユダヤ人を密かに救った人物として、戦後の歴史に名前を残しています。
シュピルマン家の家族(父:フランク・フィンレイ/母:モーリン・リップマン/兄ヘンリク/姉妹レギーナ・ハリーナ)
戦時下のワルシャワで暮らす家族。前半の家族の食卓のシーンでは、それぞれの個性と日常の細部が淡々と描かれ、戦争の影が日々の風景の上にゆっくりと落ちていく様が観客に手渡されます。家族との別れの場面で、父がたった一切れのキャラメルを6人で切り分ける有名な場面は、本作のもっとも忘れがたい瞬間のひとつです。
ドロタ(演:エミリア・フォックス)
シュピルマンとごく短い間にだけ親しくなる女性。戦時下のワルシャワでチェロ奏者として活動しており、本作の後半でシュピルマンの隠れ家の手配に関わる重要な役割を担います。
ユダヤ人警察やレジスタンスの友人たち
本作の中盤、シュピルマンを救うユダヤ人警察の旧友、彼を街中の隠れ家へと誘導するポーランド人レジスタンスの友人たち、彼に食料を運び続ける勇敢な一般市民――いずれも本作の人物造形の細部を支える存在として、限られた出演時間の中で強い印象を残します。
スタッフ・キャスト陣
監督はロマン・ポランスキー。1933年生まれの彼自身が、第二次世界大戦中にクラクフ・ゲットーから脱出した経験を持つホロコーストの生存者です。本作は彼にとってもっとも個人的な題材であり、自身の少年時代の記憶を重ねながら、原作の自伝を映像化する作業を進めました。脚本はロナルド・ハーウッドで、本作で第75回アカデミー脚色賞を受賞しています。原作はヴワディスワフ・シュピルマン本人が戦後すぐにポーランドで刊行した回想録『戦場のピアニスト』。
撮影監督はパヴェル・エデルマン。1940年代のワルシャワ・ゲットーの空気を再現するために、廃墟と石畳の街並み、雨と霜と灰の質感を画面に取り込む撮影設計が組まれました。本作の撮影は、現実のワルシャワの一部に加え、ベルリン近郊やドイツ国内の旧軍施設なども用いて、長期にわたって行われています。
音楽はヴォイチェフ・キラール。ショパンの楽曲(夜想曲嬰ハ短調、バラード第1番ト短調、ピアノ協奏曲第1番ホ短調)が物語の各所に置かれ、本作の音楽的支柱を担います。劇中で実際にピアノ演奏として聴こえる楽曲はピアニストのヤヌシュ・オレイニチャクが録音し、エイドリアン・ブロディの撮影現場での実演奏と組み合わされる形で完成しています。
主演キャスト
エイドリアン・ブロディは、本作の役作りのために大幅な減量(公表値で14kg前後)と、半年以上にわたる本格的なピアノの集中訓練を行いました。アパートの中の有名なシーン――ホーゼンフェルト大尉の前でショパンを弾く場面――は、ブロディ本人の手元の演奏として撮影されています。本作で彼は第75回アカデミー主演男優賞、第55回カンヌ国際映画祭パルムドール(作品として)の主演として受賞しました。
トーマス・クレッチマン演じるホーゼンフェルト大尉、フランク・フィンレイ演じる父、モーリン・リップマン演じる母、エミリア・フォックス演じるドロタなど、欧州の名優陣が、本作の戦時下の人間群像を細やかに支えています。
興行収入・話題
興行収入・話題
製作費は約3500万ドル。世界興行収入は1億2000万ドル超を記録し、ホロコーストを正面から扱う作品として安定した興行を獲得しました。日本でも長期上映と各種放映を通じて、戦争映画の代表作として観客に届き続けています。家庭用ビデオ・配信展開を含めて、本作は欧州・米国・日本の各市場で長期にわたるロングセラーの位置を保ち続けています。
評価・受賞歴
第75回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞(エイドリアン・ブロディ)、脚色賞(ロナルド・ハーウッド)、撮影賞、編集賞、衣装デザイン賞の合計7部門にノミネートされ、監督賞、主演男優賞、脚色賞の3部門を受賞しました。第55回カンヌ国際映画祭ではパルムドールを受賞しています。第28回セザール賞では作品賞、監督賞、撮影賞、主演男優賞ほか合計7部門を受賞、第56回英国アカデミー賞でも作品賞、監督賞ほか複数部門を受賞しました。批評家団体やファン投票によるオールタイムベスト選にも繰り返し登場し続け、IMDbのユーザー投票では公開以後の上位に長く位置し続けています。
ネタバレ
※ここからネタバレを含みます。
クライマックス
物語の中盤、シュピルマンはユダヤ人警察の旧友の機転でウムシュラークプラッツの列車から引き戻され、家族との別れを経験します。その後、ゲットー内の強制労働で日々を生き延びながら、ポーランド人レジスタンスの友人たちの助けで、街中の複数のアパートを転々と隠れ続ける長い旅が始まります。
物語の終盤、ワルシャワ蜂起と市街戦のなかで、シュピルマンが隠れていたアパートも被害を受け、彼は廃墟と化したワルシャワの街並みを徘徊しながら、住人のいない空き家から空き家へと移動を続けます。寒さと飢えに襲われながら、彼は街の郊外の半壊した邸宅に辿り着き、台所の戸棚で発見した一缶のピクルスの缶詰を必死にこじ開けようと格闘します。
そこに、ドイツ国防軍の制服を着た一人の将校が現れます。ヴィルム・ホーゼンフェルト大尉。彼はシュピルマンに「お前は何者か」と尋ね、シュピルマンが「ピアニストです」と答えるのを聞いて、邸宅の中央に置かれていたグランドピアノを指します。「弾いてみろ」――凍えた指でショパンのバラード第1番ト短調を、半ばかすれた音色で弾き始めるシュピルマン。彼の演奏が進むにつれて、ホーゼンフェルト大尉の表情から軍人としての硬さが少しずつ消えていきます。
ホーゼンフェルトは演奏が終わったあと、シュピルマンを通報せず、彼が隠れている屋根裏部屋の場所を確認したうえで、自分のコート、食料、そしてユダヤ系ピアニストのヴワディスワフ・シュピルマンであるという身元情報を保持したまま、しばらくの間ひそかに彼を支援することを選びます。本作のクライマックスは、戦時下のもっとも追い詰められた状況のなかで、敵側の人間がたったひとりの音楽家を「殺さない」という選択を下す瞬間に集約されます。
結末が示すもの
やがてソ連軍がワルシャワを解放し、シュピルマンは6年にわたる戦時下の隠れ生活から救出されます。本作のラストでは、彼が再びワルシャワのラジオ局のスタジオに戻り、本作の冒頭に演奏が中断されたショパンの夜想曲嬰ハ短調を、最後まで弾き切る場面が描かれます。長く続いた戦争の年月を、彼自身が音楽の上でひとつの「弧」として閉じ直す、本作のもっとも静かで力強い瞬間です。
ラストの字幕では、ヴィルム・ホーゼンフェルト大尉が戦後ソ連軍の捕虜となり、ポーランドの収容所で逝去したという史実が報告されます。シュピルマンは戦後、ポーランド国営ラジオで音楽家としてのキャリアを再開し、長く活躍したことも記録されます。本作は、戦時下に交わされたたった一夜の出来事の重みを、戦後の人々の記憶にどう残せるかという、もっとも倫理的な問いを静かに観客に手渡して、幕を閉じていきます。
トリビア
監督ロマン・ポランスキー本人が、第二次世界大戦中にクラクフ・ゲットーから脱出して命を繋いだホロコーストの生存者です。彼は本作の制作に対するスタジオからの依頼を長く断っていましたが、最終的にシュピルマンの自伝に出会ったことで、自身の体験と重ねて映像化を引き受けることを決めたとされます。
主演候補にはニコラス・ケイジ、ジェラルディン・チャップリン、ジョセフ・ファインズらの名前も挙がっていたとされます。最終的にエイドリアン・ブロディが選ばれた経緯には、ポランスキー自身がブロディの目の表情に「シュピルマンにふさわしい繊細さ」を見いだしたと語る逸話が残されています。
本作のために、エイドリアン・ブロディは半年以上にわたる本格的なピアノの集中訓練を受けました。本作のピアノ演奏のシーンの大半は、彼自身の手元として撮影されており、デジタル合成や代役の手は最小限に抑えられています。
第75回アカデミー主演男優賞を本作で受賞した時点でのエイドリアン・ブロディの29歳は、当時の同部門の史上最年少受賞記録に当たります。授賞式での彼のスピーチと、ハル・ベリーへのキスは、当時のオスカーシーンの象徴的なエピソードとして広く記憶されています。
本作のクライマックスでシュピルマンが弾く楽曲は、ショパンのバラード第1番ト短調Op.23です。撮影現場でブロディが弾いた手元と、ピアニスト・ヤヌシュ・オレイニチャクが録音した音源を組み合わせる形で本作の演奏シーンが完成しています。
ヴィルム・ホーゼンフェルトの実在の人物像は、本作の公開後に再評価が進みました。2008年にはイスラエルの「諸国民の中の正義の人」として、戦時下にユダヤ人を救った非ユダヤ人としての名誉が公式に与えられています。
本作の撮影は、現実のワルシャワの一部、ドイツのベルリンとポツダム、そしてポーランド国内の旧軍施設などを横断する形で行われました。1940年代のワルシャワ・ゲットーを再現するために、広範囲のロケと美術セットが組み合わせられています。
撮影裏話
撮影の舞台裏
本作の撮影は、ワルシャワとベルリン近郊を中心に行われました。1940年代のワルシャワ・ゲットーを再現するために、現代のワルシャワ市街の一部を改装するとともに、ドイツのバベルスベルク撮影所などのスタジオセットでゲットー内部の路地と建物群が新たに建てられました。撮影部は当時の街並みの写真資料、現存する戦時下の建築の細部、そしてシュピルマン本人の自伝に書かれた住所の記述を徹底的に取材して、本作の風景を組み上げています。
キャストの準備
エイドリアン・ブロディは、シュピルマンの戦時下の身体性に近づくため、撮影前から長期間の厳格な減量と、ピアノ演奏のための集中訓練を続けました。本作の撮影中、彼は自宅の家具や私物の大半を売却し、自分自身の生活そのものを役柄の状況に近づけたと、後年のインタビューで語っています。
トーマス・クレッチマンは、ヴィルム・ホーゼンフェルト大尉のために、当時のドイツ国防軍の将校の立ち振る舞い、ドイツ語の発音、そして実在のホーゼンフェルト本人の日記から得られる人格情報をもとに、繊細な役作りを進めました。短い出演時間ながら、本作の倫理的な核を支える役割を担うこととなります。
技術的な挑戦
本作の最大の技術的挑戦のひとつは、戦時下のワルシャワの広大な街並みの再現と、長期間にわたる撮影の整合性の維持でした。撮影監督パヴェル・エデルマンは、フィルムのトーンを通じて1939年から1945年への時間の経過を視覚化する仕事を続け、戦争の進行とともに画面の色温度・粒子・コントラストが少しずつ変化していく演出を実現しました。本作のサウンド設計も、隠れ家の窓の外で続く市街戦の音、シュピルマンの呼吸音、ピアノの楽曲などを別レイヤーで丁寧に層状にミックスする仕事として、本作の感情の流れを最後まで支えています。
