ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔が無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2002年

『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』が見れる動画配信サービス

現在、Netflix・Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。

配信サービス視聴可否
Netflix視聴可能
Amazon Prime Video視聴可能
Disney+
Hulu視聴可能
U-NEXT視聴可能

『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』とは?作品の見どころ

「私の宝物よ……我々は奴らを必要としない、独占したい、独占したい!(My precious!)」——シリーズ第2作『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』(2002)で初登場するゴラム(アンディ・サーキス)の不気味で哀しい独白は、映画史におけるモーションキャプチャ技術を一気にメインストリームへと押し上げた歴史的瞬間です。前作『旅の仲間』のラストで3つに分かれた仲間たちのその後を描く本作は、フロドとサムが滅びの山を目指してモルドールへ進む孤独な旅、メリーとピピンが連れ去られた先で出会う『歩く木』エント族との奇跡の物語、そしてアラゴルン・レゴラス・ギムリの3人がローハンの王国で繰り広げる『ヘルム峡谷の戦い』という3つのストーリーが完璧に並行して展開する壮大な中盤戦です。世界興行収入9億5100万ドルを記録、2002年公開作品の世界興行ランキング第1位を獲得し、第75回アカデミー賞では作品賞を含む6部門ノミネート・視覚効果賞・音響効果賞の2部門受賞という快挙。当時の歴代映画興行収入で第3位という超大作レベルの数字を打ち立てた、シリーズ最高水準の戦争スペクタクル作品の魅力を、登録だけで全話無料視聴できる動画配信サービスの紹介とあわせて徹底解説します。

『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』を全話無料で見る方法

映画『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』を全話無料で視聴したい場合、最も確実なのはU-NEXTの31日間無料トライアルを活用する方法です。月額2189円のU-NEXTで本作は見放題配信されており、新規入会者は31日間の無料体験期間中であれば追加料金一切なしで3部作と関連作『ホビット』3部作の計6作を一気見できます。

U-NEXT(31日間無料トライアル)

本作はU-NEXTの見放題対象として配信中。新規入会で31日間の無料体験が用意されており、その期間内であれば一切の追加料金なしで『旅の仲間』『二つの塔』『王の帰還』のロード・オブ・ザ・リング3部作と、前日譚『ホビット 思いがけない冒険』『ホビット 竜に奪われた王国』『ホビット 決戦のゆくえ』のホビット3部作までフル視聴可能。さらに31日無料体験中に劇場公開版とエクステンデッド・エディション(各40〜50分の追加映像入り完全版)も両方視聴できる場合があります。登録時に600ポイントが付与されるため、原作小説の電子書籍購入にも応用できます。週末2〜3日で中つ国マラソンを楽しむのに最適なサービスです。

Amazon Prime Video(30日間無料体験)

Amazon Prime Videoでも見放題配信中です。プライム会員月額600円・年額5900円のサービスで、新規入会者には30日間の無料体験が用意されています。Fire TV StickやChromecast連携が容易な点も魅力で、家のテレビで4Kクオリティーで視聴したい方に最適。お急ぎ便等のEC特典も同時に試せるため、配送特典と組み合わせて利用したい方にも好相性です。

Hulu(見放題配信中)

Huluでも見放題配信中で、洋画ファンタジーが手厚いラインナップです。ただしHuluは2026年現在、新規ユーザー向けの恒常的な無料体験を実施していないため、『登録だけで完全無料』の観点では前述のU-NEXTかPrime Videoが最有力となります。すでにHulu加入中の方はそのまま追加料金なしで視聴できます。

Netflix(配信中)

Netflixでも本作は配信されており、すでにNetflix会員の方は追加料金なしで視聴可能です。ただしNetflixは2024年以降、日本では新規ユーザー向け無料体験を提供していないため、初回登録のみで無料視聴したい場合はU-NEXTかPrime Videoを推奨します。

本作はレンタル課金や追加購入なしに、上記いずれかの登録だけで合法的に最後まで視聴できます。違法アップロード動画や海賊版ストリーミングは画質・音質が著しく劣るうえセキュリティリスクも伴うため、必ず正規の配信サービスをご利用ください。

あらすじ

前作『旅の仲間』のクライマックスでガンダルフがモリアの坑道でバルログと共に地下深くへと落下し、9名の旅の仲間が3つに分かれた直後から物語は始まります。

【フロドとサムの孤独な旅】フロドとサムは荒涼とした岩肌の山道『エミン・ムイル』を下り、滅びの山を目指して進みます。しかし途中で、かつて一つの指輪の所持者だったゴラム(スメアゴル)に夜中の襲撃を受けます。フロドはゴラムを生かしておくことを選び、彼を『道案内』として使うことを決断。ゴラムは長年指輪に取り憑かれた哀れな小柄なホビット風の生物で、内部には『スメアゴル』(本来の優しい人格)と『ゴラム』(指輪の魔の影響を受けた邪悪な人格)の二重人格が共存しています。3人の旅は『デッドマーシュ(死者の沼)』『黒の門(モルドール正門)』を経由し、人間王国ゴンドール領のイシリエン森林地帯へと向かいます。

【メリーとピピンとファンゴルンの森】ウルク=ハイ族(サルマンの軍団の精鋭オーク兵)に拐われたメリーとピピンは、ローハンの平原を北へ運ばれていきます。途中で彼らはローハンの騎士団の急襲に巻き込まれ、混乱の中でファンゴルンの森へと逃げ込みます。森の中で彼らが出会ったのは、巨大な歩く木のような古代の生物『エント』のリーダー、樹のひげ(トレベアード)。エント族は中つ国でも最古の種族で、何千年も眠っていた彼らがメリーとピピンの話に耳を傾けることで、サルマンの破壊行為への報復として歴史的な決断をする転換点となります。

【アラゴルン・レゴラス・ギムリのローハン到着】アラゴルン、レゴラス、ギムリの3人組はメリーとピピンを救うため、ローハン平原を3日間ノンストップで追跡します。やがて彼らはローハンの騎士団のリーダー、エオメル(後のローハン王)と遭遇。エオメルはサルマンに洗脳された叔父セオデン王の謀によりローハンから追放処分を受けていました。3人はファンゴルンの森でメリーとピピンを探しますが、その代わりに白く輝く魔法使い——死から復活した『白のガンダルフ』と再会するという奇跡の場面を迎えます。

ガンダルフは3人を連れてローハンの王都『エドラス』へ向かい、サルマンの汚れた影響下にあったセオデン王の精神を解放します。正気を取り戻したセオデン王は、サルマンの軍団『ウルク=ハイ』1万体がローハン国王都を目指して進軍中であることを知り、無防備な王都の住民全員を要塞『ヘルム峡谷』へと避難させる決断をします。シリーズ最大の戦争スペクタクル『ヘルム峡谷の戦い』が、本作のクライマックスとして展開していくのです。

登場人物

本作で初登場・本格登場する重要キャラクターは、シリーズの中盤戦を彩る魅力的な人物群です。

■ ゴラム(スメアゴル): かつて一つの指輪の所有者だった哀れな小柄なホビット風の生物。長年指輪に取り憑かれた結果、本来の人格『スメアゴル』と邪悪な人格『ゴラム』の二重人格を持っています。アンディ・サーキスが演じるモーションキャプチャの傑作キャラクターで、シリーズの真の主人公の一人と評する批評家もいるほどの存在感を発揮します。

■ セオデン王: ローハン王国(『騎馬の国』)の老王。サルマンの汚れた影響下で身体的にも精神的にも萎縮していましたが、ガンダルフによって解放され、再び勇敢な王として目覚めます。バーナード・ヒルが演じる『失われた誇りを取り戻す老王』の演技は、シリーズで最も感動的な人物像の一つです。

■ エオウィン: セオデン王の姪。本作で初登場するシールドメイデン(盾の乙女)で、戦士としての資質を持ちながら『女性は戦闘に出ない』という伝統に縛られている若い女性。彼女のアラゴルンへの片思いと、後の物語での重要な戦闘シーンが本作で初めて種を蒔かれます。

■ エオメル: セオデン王の甥でエオウィンの兄。第三マルク(ローハンの軍団)の元帥。サルマンの影響下のセオデン王から不当に追放処分を受けていましたが、シリーズの中で重要な役割を担う英雄。

■ グリマ・ワームタング: セオデン王の側近で、サルマンの密偵として王を洗脳していた裏切り者。彼の不気味な存在感はシリーズで最も嫌われる人物の一つです。

■ ファラミア: ゴンドールの執政の次男で、ボロミア(前作で死亡)の弟。本作で初登場し、フロドとサムをイシリエン森林地帯で捕らえます。彼は兄ボロミアと違って指輪の誘惑により耐性を持つ高潔な人物として描かれます。

■ 樹のひげ(トレベアード): エント族のリーダーで、何千年も生きてきた古代の生命体。彼の存在は『中つ国の最古の知恵』を象徴し、メリーとピピンを通じてエント族をサルマンへの報復に導く役割を担います。

■ サルマン(白): 五人の魔法使いの長で、闇の魔王サウロンと同盟を結んだ裏切り者。本作で本格的に物語の中心ヴィランとして登場し、彼の本拠地『アイゼンガルド』とその塔『オルサンク』、そして産み出される『ウルク=ハイ』(改良型オーク兵)の軍団がシリーズの主要な脅威となります。

■ アラゴルン: 前作に続いて主人公の一人。本作では『落下したガンダルフを失った悲しみを乗り越えて、自身がリーダーとなって戦う決断』『ヘルム峡谷でローハン軍を率いる戦闘指揮』など、彼の『野伏から王へ』の成長物語が大きく前進します。

■ レゴラスとギムリ: 前作で芽生えた友情がさらに深まる本作で、彼らは戦闘中に『敵を何体倒したか』を競う『ライバル友情』のコメディ要素を担います。シリーズ屈指の愛されるバディです。

■ ガンダルフ(白): 前作のラストでバルログと共に地下深くへ落下し、死んだと思われていた灰色のガンダルフが、より強力な『白のガンダルフ』として復活します。彼の白い長衣と発光する杖は、五人の魔法使いの長としての地位を象徴しています。

スタッフ・キャスト陣

本作のキャストは前作のレギュラー陣に加え、新たにシリーズの後半戦の核となる英国・米国・オーストラリアの実力派俳優陣が多数加わった豪華布陣です。

ゴラム役のアンディ・サーキスは英国の実力派俳優で、本作の出演で世界的に注目を集めることになりました。彼は『俳優によるモーションキャプチャ演技の最高峰』を確立した人物で、本作の演技は『キャラクター・ヒストリーを完全に再構築するアプローチ』として映画史的にも高く評価されています。彼は撮影現場でゴラムのキャラクターを生身で演じ、その動きをセンサーで読み取ってCGに変換するという当時最先端の技術を用いて演技しました。後の『キング・コング』(2005)『猿の惑星: 創世記』(2011)などでも彼は『モーションキャプチャ俳優の第一人者』として活躍を続けます。

セオデン王役のバーナード・ヒルはオーストラリア生まれ英国育ちの名優。『タイタニック』(1997)のスミス船長役で世界的に知られる人物で、本作の老王役は彼の俳優としての到達点の一つとなりました。彼は2024年5月に79歳で逝去しています。

エオウィン役のミランダ・オットーはオーストラリアの女優。『シー・ビスケット』(2003)『戦場でワルツを』(2008)などで知られる実力派で、本作のシールドメイデン役は彼女のキャリアの代表作の一つです。

エオメル役のカール・アーバンはニュージーランド出身の若手俳優。本作で世界的に注目を集め、後の『スタートレック』シリーズ(2009-)『ジャッジ・ドレッド』(2012)などで国際的活躍を続けます。

グリマ・ワームタング役のブラッド・ドゥーリフは米国の演技派俳優。『カッコーの巣の上で』(1975)でアカデミー賞助演男優賞ノミネートを受けた名優で、本作の不気味な裏切り者役は彼の俳優としての多面性を示す重要な仕事となりました。

ファラミア役のデイヴィッド・ウェナムはオーストラリアの俳優。『キム・ノボ』(2014)『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどで知られる人物で、本作の高潔な弟役は批評家から絶賛されました。

樹のひげ(トレベアード)役の声はジョン・リス=デイヴィス(ギムリ役と兼任)。彼自身が低音の声で『何千年も生きた古木』を演じる、シリーズ屈指の野心的なキャスティングでした。

フロド・バギンズ役のイライジャ・ウッド、サムワイズ・ギャムジー役のショーン・アスティン、ガンダルフ役のイアン・マッケラン、アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセン、レゴラス役のオーランド・ブルーム、ギムリ役のジョン・リス=デイヴィス、メリー役のドミニク・モナハン、ピピン役のビリー・ボイドなど、前作のレギュラー陣全員が続投。サルマン役のクリストファー・リーは本作で本格的なヴィラン像を完成させました。

監督ピーター・ジャクソンは前作に続いて続投。脚本も妻フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソンの3人組が継続。3部作の同時撮影方式により、前作からの連続性が完璧に維持されました。

VFX総指揮はWeta Digitalのジョーリー・レテリエ。彼の指揮で開発された『ゴラムのモーションキャプチャ・パイプライン』は、後のハリウッド映画におけるモーションキャプチャ技術の標準を確立する歴史的な仕事となり、第75回アカデミー賞視覚効果賞受賞という形で評価されました。

音楽はハワード・ショアが続投。本作のために『ローハンのテーマ』『エントのテーマ』『ヘルム峡谷の戦いのテーマ』など新たな主題を多数加え、シリーズの音楽世界をさらに拡張しました。

興行収入・話題

2002年12月18日に米国、2003年2月22日に日本で公開された『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』は、最終的な世界興行収入9億5100万ドル(再公開含むと9億9000万ドル)を記録。2002年公開作品の世界興行ランキングで堂々の第1位を獲得しました。前作『旅の仲間』の8.8億ドルから増収し、シリーズの観客基盤の確立を見事に証明する結果となりました。

日本では2003年2月22日に公開され、年間興行収入110億円超を記録。2003年の年間洋画ランキングで第1位の座を獲得しました。前作『旅の仲間』の90.7億円から大幅に増収し、シリーズの日本での熱烈なファン層が定着していたことを証明する結果となりました。

批評家からの評価は前作と同等の高さで、Rotten Tomatoesの批評家スコアは95%、Metacriticは87点という超高水準を記録。映画評論家ロジャー・イーバートは『ヘルム峡谷の戦闘シーンは映画史上最も偉大な戦闘シーンの一つ』と称賛し、特にアンディ・サーキスのゴラム演技を『モーションキャプチャ史上の偉業』と高く評価しました。

第75回アカデミー賞では作品賞・脚色賞・美術賞・音響賞・編集賞・視覚効果賞の6部門にノミネート、視覚効果賞・音響効果賞の2部門で受賞という快挙を達成。視覚効果賞はWeta Digitalによるゴラムのキャラクター・アニメーション、ヘルム峡谷の戦闘シーン、エントの行進など多岐にわたるVFXワークが評価されたものです。第56回英国アカデミー賞(BAFTA)では作品賞・特殊効果賞・観客賞の3部門を受賞しました。

本作の興行的・批評的成功は、シリーズの最終作『王の帰還』への観客の期待を最大限に高めることに完全に成功しました。第3作『王の帰還』(2003)は最終的に世界興行収入11億ドルを超え、第76回アカデミー賞で作品賞を含む11部門を制覇する歴史的偉業を達成。3部作合計の世界興行収入は29億ドルを超え、シリーズ全体としての偉大さを世界に示すことになります。

2024年から2025年の世界各地での再公開興行でも本作は『3部作の中で最も戦闘シーンが見応えのある1作』として人気タイトルに選ばれ、累計世界興行収入は再公開分を含めて11億ドルを超えました。とくに2025年の3部作IMAX一気見上映イベント『ロード・オブ・ザ・リング マラソン』は世界中の劇場で完売を記録し、本作のヘルム峡谷の戦闘シーンは映画館の大スクリーンと爆音音響で観るのが最高だとファンが口を揃えて証言する1作となっています。

ネタバレ

【以下、結末まで含むネタバレを多数含みます】

本作のクライマックスは『ヘルム峡谷の戦い』です。サルマンの軍団『ウルク=ハイ』1万体がローハン王国の要塞『ヘルム峡谷』に攻め寄せ、無防備な民を守るためにアラゴルン、レゴラス、ギムリ、セオデン王、王の側近たちが必死に防衛戦を戦います。要塞の外壁は爆薬で突破され、内部の防衛も劣勢に追い込まれていきます。

戦況は絶望的でした。ローハン軍は数で完全に劣り、女性と子供を内部の洞窟に避難させながら時間稼ぎの戦いを続けますが、矢が尽き、剣が折れ、戦士たちが次々と倒れていきます。アラゴルンは絶望の中で『一頭の馬が外で待ってる、敵の中央を突破して死を選ぶか』とセオデン王に進言します。セオデン王は『最後まで戦士として死ぬ』ことを選び、白馬に乗って外へ突撃する選択をします。

そしてシリーズ屈指の感動的な瞬間。夜明けと共に、東の丘の上に白い光が現れます——白のガンダルフと、ローハンの追放された元帥エオメル率いる2000人の援軍がついに到着したのです。ガンダルフは丘の上から白い光を放ち、ウルク=ハイ軍はその光に目をくらまされます。エオメル率いる騎兵2000体が一斉に丘から駆け下りる場面は、シリーズで最も視覚的に圧倒的な戦闘シーンの一つです。ヘルム峡谷の戦いは、ローハン王国の歴史的勝利として幕を下ろします。

しかし戦争は終わりません。同じ夜、メリーとピピンは樹のひげ(トレベアード)率いるエント族にサルマンの本拠地『アイゼンガルド』への報復遠征を説得することに成功します。何千年も眠っていたエント族が一斉に行進する『エントの行進』のシーンは、シリーズで最も奇跡的なクライマックスの一つ。エント族はアイゼンガルドの巨大ダムを破壊し、川の水でアイゼンガルドの工場と兵器製造設備を全て水没させます。サルマンはオルサンクの塔の頂上に追い詰められ、彼の軍団製造システムは完全に破壊されました。

そしてフロドとサムのストーリー。彼らはイシリエン森林地帯でゴンドールの執政の次男ファラミアに捕まりましたが、彼は兄ボロミアと違って『指輪の誘惑』に最後まで耐え抜きます。彼はフロドとサムを解放し、滅びの山を目指す彼らの旅を許します。本作のラストでファラミアの『私たちは弟ボロミアを失うべきではなかった』という独白は、シリーズの『指輪の誘惑に負ける家族』というテーマを示します。

サムは旅の絶望の中で名スピーチを残します——『この世には善と悪の間で戦う価値がある。たとえどんなに小さくても、たとえどんなに無意味に思えても、僕たちはそのために戦うんだ、フロドさん』。シリーズで最も愛されるサムの台詞の一つで、シリーズ全体のテーマである『絶望の中での希望』を完璧に表現する場面です。

物語の最終ショット、フロドはゴラムを連れてモルドールへとさらに深く入っていきます。フロドの中で『ゴラムを救えるか』『指輪を捨てきれるか』『仲間を信じられるか』という3つの内面的な戦いが激しく展開されており、第3部『王の帰還』への壮大な序章として完璧なエンディングを迎えるのです。

トリビア

■ ゴラムの演技革命: アンディ・サーキスのモーションキャプチャ演技は、本作で映画史を完全に変えました。彼は撮影現場でゴラムのキャラクターを生身で演じ、その動きをセンサーで読み取ってCGに変換する技術を駆使。彼の『私の宝物!(My precious!)』の独白シーンは、後の『アバター』『ホビット』シリーズなど数多くのモーションキャプチャ映画の出発点となりました。

■ アカデミー賞への期待: 本作のアンディ・サーキスのゴラム演技は、当時のアカデミー賞ルールでは『俳優の演技として認定されない』という議論を引き起こしました。彼の演技には『俳優としての本質的な貢献』があるにもかかわらず、CG化される過程で『俳優賞ノミネートの対象外』とされたのです。この議論は後の映画賞におけるモーションキャプチャ演技の取り扱いを変える重要な転換点となりました。

■ ヘルム峡谷のセット: ヘルム峡谷の要塞セットは、ニュージーランドのワイカト地方に実物大スケールで建造されました。撮影には何百人ものエキストラ・スタント・俳優が動員され、夜間の雨のシーンを完璧に表現するために大量の人工雨と照明設備が用意されました。撮影は3ヶ月以上に及ぶ過酷なものでした。

■ エントの設計: 樹のひげ(トレベアード)の声と動きは、ジョン・リス=デイヴィス(ギムリ役と兼任)が担当。彼の低音の声で『何千年も生きた古木』を表現する独特なアプローチでした。エント族の他のキャラクターは全てCGで作られましたが、各エントが異なる種類の樹木(オーク、栗、松など)に基づいてデザインされており、シリーズの『樹木の多様性』を表現する細やかな仕事となりました。

■ アラゴルンの『落下シーン』: 撮影中のアクシデントとして有名なエピソードがあります。ヴィゴ・モーテンセン演じるアラゴルンが川に流されるシーンの撮影で、彼自身がほぼ溺れかけたという事故が発生。スタッフは『これは演技じゃない、本物の溺死寸前だ』と気づいて急遽撮影を中断、彼を救出しました。彼自身は後にこの場面を笑い話として振り返っています。

■ ローハンの撮影地: ローハン王国の風景は、ニュージーランド南島のマウント・サンデー周辺で撮影されました。ローハンの王都『エドラス』は山頂に実物大の木造建築セットとして建造され、撮影後は完全に取り壊されました。現在もマウント・サンデー周辺はファンの『LotR聖地巡礼』の代表的な訪問先となっています。

■ デッドマーシュ(死者の沼)のシーン: フロド、サム、ゴラムの3人が渡るデッドマーシュ(死者の沼)のセットは、撮影所内の巨大水槽として建造されました。沼の中の幽霊たちは全てCGで作られていますが、フロドが沼に引きずり込まれるシーンは実際に水中で撮影されており、イライジャ・ウッドが何度も水中スタントに挑戦したと語っています。

■ 上映時間と完全版: 劇場公開版は2時間59分でしたが、後発のDVDで公開された『スペシャル・エクステンデッド・エディション』(完全版)は3時間55分の45分追加映像入り。原作にあったファラミアとボロミアの兄弟の回想シーン、フロドとファラミアのオスギリアスでの会話、サムのスピーチの完全版など、原作ファンにとっては必見の場面が多数復活しています。

■ ヘルム峡谷の戦いの撮影日数: 本作の最大の見どころであるヘルム峡谷の戦闘シーンは、撮影に120日以上を要したと言われています。これは映画史上最も長期間にわたる戦闘シーンの撮影の一つで、ピーター・ジャクソン監督の完璧主義的なアプローチが発揮された仕事です。

■ アンディ・サーキスのキャリア飛躍: 本作のゴラム役で世界的に認知されたアンディ・サーキスは、後の『キング・コング』(2005)、『猿の惑星: 創世記』(2011)、『シーザー』として猿の惑星リブートシリーズの主役を演じるなど、モーションキャプチャ俳優の第一人者として活躍を続けました。彼は後に監督業にも進出し、『ジャングル・ブック2』(2018)『ヴェノム: レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)などを監督しています。

撮影裏話

ピーター・ジャクソン監督が本作で取り組んだ最大の挑戦は、シリーズ第2作として『3部作の中盤戦』を独立した作品としても機能させることでした。原作小説『二つの塔』は『フロド・サム・ゴラムの物語』と『アラゴルン・レゴラス・ギムリの物語』が並行する複雑な構造で、これを2時間59分の映画に再構築する作業は脚本家チーム(フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン)にとっての試練でした。

本作の最大のVFX的挑戦は、ゴラムというキャラクターの完全な実装でした。前作『旅の仲間』のラストではゴラムは一瞬しか登場せず、本作で初めて主要キャラクターとしての姿を本格的に確立する必要がありました。Weta Digitalチームは2年がかりでゴラムのキャラクター・モデル、表情アニメーション、皮膚の質感、肌の透明感、目の表現などを完成させ、結果的に映画史におけるCG生命体表現の新しい基準を確立しました。

アンディ・サーキスの起用は、ピーター・ジャクソン監督の決断による革新的な選択でした。当時のハリウッドでは『CG怪物の声優』は別の俳優、『動きのリファレンス』は専属モデルという分業体制が一般的でしたが、ジャクソン監督は『1人の俳優にすべて担わせて、彼の演技をそのままCGにエンコードする』という大胆なアプローチを選びました。サーキスは撮影現場で全ての他俳優と一緒にゴラムを演じ、彼の表情と身体の動きが直接ゴラムのキャラクターに反映される仕組みでした。これは後にハリウッドの『パフォーマンス・キャプチャ』の標準となる革命的なメソッドでした。

プロダクション・デザインのグラント・メジャーは本作で『ローハンの世界観』を完璧に視覚化しました。前作のホビット庄・エルフのリヴェンデル・モリアの坑道とは全く異なる『騎馬民族の文化』『北欧的な木造建築』『広大な草原と山岳地帯』を基盤にしたローハン王都『エドラス』は、シリーズで最も特徴的なロケ地の一つとなりました。彼は本作の仕事で第75回アカデミー賞美術賞ノミネートを獲得しました。

衣装担当のナイラ・ディクソンも、本作で『ローハンの騎馬民族文化』を視覚化する膨大な仕事を成し遂げました。彼女は古代スキタイ・ペルシャ・北欧バイキングの伝統衣装を研究し、ローハン人の革製の鎧、馬の鞍、長い髭などをデザイン。エオウィンの『シールドメイデン(盾の乙女)』のドレスは、彼女の女性的な強さと戦士としての伝統的な美しさを両立する象徴的な衣装となりました。

VFX総指揮ジョーリー・レテリエ率いるWeta Digitalチームは、本作のために何百人ものスタッフを動員する大規模な仕事を実施。ゴラムのキャラクター作業に並んで、エント族の樹木の動き、ヘルム峡谷の戦闘シーンの群衆軍、デッドマーシュの幽霊たち、サウロンの塔バラド=ドゥアの遠景、アイゼンガルドの工場の煙、サウロンの目の発光など、シリーズ最大規模のVFXワークが行われました。彼の仕事は第75回アカデミー賞視覚効果賞受賞という形で評価されました。

音楽担当のハワード・ショアは前作に続いて続投。本作のために『ローハンのテーマ』(チェロ独奏で表現される雄大なメロディ)『エントのテーマ』(深い低音の合唱)『ヘルム峡谷の戦いのテーマ』(緊張感のあるパーカッション)『ゴラムのテーマ』(不気味なアジア的旋律)など新たな主題を多数加え、3部作全体の音楽的世界を完成へと近づけました。彼の仕事は第75回アカデミー賞作曲賞ノミネートを獲得しました。

本作の撮影中の俳優たちのチームワークは伝説的です。前作の撮影で結束した9名の旅の仲間に、新たに加わったセオデン王役のバーナード・ヒル、エオウィン役のミランダ・オットー、エオメル役のカール・アーバン、ファラミア役のデイヴィッド・ウェナム、ブラッド・ドゥーリフなどが加わり、ニュージーランドでの撮影現場は再び『家族のような場所』となりました。アンディ・サーキスは撮影中にゴラムの動きを練習し続け、現場の他俳優は彼の集中力に深い敬意を表していたとピーター・ジャクソン監督が振り返っています。

本作はシリーズ全3作の中で『最も戦争スペクタクルとして優れた1作』『最もVFX技術的に革新的な1作』『最も多くの新キャラクターを導入した1作』として記憶されており、続編『王の帰還』への完璧な橋渡しを果たしました。アンディ・サーキスのゴラム演技、ヘルム峡谷の戦闘シーン、エントの行進——これらすべての要素が現代映画史の不朽の業績として今も語り継がれているのです。