映画 聲の形が無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2016年
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『映画 聲の形』が見れる動画配信サービス

現在、Amazon Prime Video で視聴できます。

配信サービス視聴可否
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Disney+
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『映画 聲の形』とは?作品の見どころ

中国地方の地方都市にある小学校。明るく好奇心旺盛な6年生の石田将也のクラスに、ある日「西宮硝子」という名前の転校生が現れます。彼女は耳が聞こえず、コミュニケーションの手段にノートを差し出して挨拶をする小さな少女でした。最初こそ戸惑いだけだった将也の好奇心は、やがて未熟な集団のなかで「いじめ」へと滑り落ちていきます。本作はその出来事から5年後、高校生になった将也が、長年自分を苦しめてきた罪と向き合うために、再び彼女に会いに行くところから始まる、ゆっくりと、けれど確かな修復の物語です。

2016年に公開された日本映画で、ジャンルは青春ドラマと社会派の人間ドラマを織り交ぜた長編アニメーションです。原作は大今良時の漫画『聲の形』(週刊少年マガジン)。監督は『けいおん!』『たまこラブストーリー』などで知られる山田尚子、脚本は吉田玲子。アニメーション制作は京都アニメーション。石田将也の声を入野自由、西宮硝子の声を早見沙織、硝子の妹結絃の声を悠木碧、永束役を小野賢章、植野役を石川由依、佐原役を金子有希が担当しています。音楽は牛尾憲輔(agraph)。

最大の見どころは、京都アニメーションらしい光と空気と「水面の表現」を細部まで作り込んだ画面づくりと、聴こえない世界に生きる硝子と、自身の罪悪感のなかで「他人の声」が遮断されてしまった将也のあいだを、丁寧に行き来する物語設計にあります。人の顔に貼られた青い「×」マークの演出が、将也の視点の閉じ方をたった一枚の絵で観客に手渡してくる、屈指の青春アニメーションです。

『映画 聲の形』を全話無料で見る方法

『映画 聲の形』を全話無料で見る方法は、現時点での日本国内の主要動画配信サービスでは、Amazon Prime Videoのサブスクリプションに加入することです。サービスへの登録だけで、追加課金なしに最後まで視聴できます。

Amazon Prime Video

プライム会員であれば、見放題対象として本作を視聴できます。アカウントを作成しプライムに加入すれば、スマートフォン、タブレット、テレビアプリ、ブラウザのいずれからでも再生可能です。プライム会員には月額または年額の料金が発生しますが、初めての加入であれば無料体験期間が用意されているケースがあるため、その期間内に視聴を済ませることもできます。広告つきプランでも本作は視聴対象に含まれます。

有料視聴ルート(補足)

見放題ではないルートとしては、Apple TVやGoogle Play Movies、Amazon Videoなどデジタル販売プラットフォームでのレンタルおよび購入が選択肢になります。これらは「無料の手段ではないが、視聴ルートとして補足」しておきます。地上波・BSの映画チャンネルでも繰り返し放送される定番作品で、テレビ番組表で本作のタイトルを見かけることもあります。

まとめると、現時点で日本国内において、登録だけで全編無料の見放題で視聴できるのはAmazon Prime Videoです。Netflix、Disney+、Hulu、U-NEXTの主要4社の見放題プランには本作は含まれていません。状況は時期によって変わりうるため、視聴前には各サービス公式の最新情報を確認することをおすすめします。

あらすじ

物語の始まり

物語の幕開けは、ある夏の朝。高校3年生の石田将也が、長く貯めていたお金を母に返し、自身の身辺を慎ましく整理する場面から始まります。彼の頭上には、これから起こる物語の最初の伏線として、橋から飛び降りようとする静かな決意が漂っています。やがて場面は5年前――将也が小学校6年生だった頃の春に飛びます。クラスに転入してきたのは、聴覚障害を抱える女の子・西宮硝子。彼女は、ノートに「西宮しょうこです。よろしくおねがいします」と記して、教室の前で小さく頭を下げます。

主人公を待ち受けるもの

硝子の存在は、6年生のクラスにさまざまな波紋を起こします。彼女の補聴器、彼女のノート、彼女の話し方――いずれも子どもたちの好奇心を刺激し、最初は親しみとして近づこうとする者もいました。けれど、合唱コンクールの練習中の小さな衝突や、放課後の悪戯の積み重ねが、やがて「いじめ」と呼ぶしかない形へと滑り落ちていきます。将也はその中心人物のひとりとなり、補聴器を何度も水に投げ捨て、彼女の机を倒し、彼女のお弁当を踏みつけるなど、複数の出来事を引き起こします。

やがて補聴器の弁償問題が学校全体に明るみに出たことで、将也ひとりが「いじめの首謀者」として担任から名指しされ、クラス内の空気は一気に反転します。それまで一緒に笑っていたはずの友達は、彼との距離を取り、植野や島田たちは「こいつ、ひどいよね」とあっさり立場を入れ替えていきます。硝子は転校し、将也は孤立した中学校生活を送ることになります。

物語の現在地である高校3年生の夏、将也は手話を独学で覚えた状態で、再び硝子に会いに行きます。聴覚障害者向けの手話教室で再会を果たした硝子は、最初こそ将也を警戒しますが、彼が長年抱えてきた罪悪感と、彼自身の友だちを作り直そうとする小さな試みが、ふたりの関係を少しずつ書き換えていきます。佐原みよこ、永束友宏、植野直花、川井みき、島田一旗、結絃――かつて同じ小学校にいた人々や、新しく出会った友人たちが、将也と硝子の周辺に少しずつ集まってきます。物語が進むにつれて立ち上がってくるのは、過去の出来事の「正解」ではなく、それぞれが自分自身と相手をどう見つめ直すかという問いです。

登場人物

石田 将也(声:入野自由/少年期:松岡茉優)

本作の主人公。小学校時代の出来事をきっかけに長い孤立を経験してきた高校3年生で、自らを「人の声を聞かない人間」だと思い込んでいる青年です。手話を独学で覚え、硝子に会いに行くという行動を出発点に、自分自身の人生に少しずつ向き合っていきます。彼の視点では、長く周りの人の顔に青い「×」マークが貼られて見えており、その視覚的な記号が物語の進行とともに少しずつ剥がれていきます。

西宮 硝子(声:早見沙織)

聴覚障害を持つ少女。穏やかで人懐っこく、手話と筆談を交えてコミュニケーションを取ります。小学校時代に経験した出来事の重さを抱えながらも、相手を恨むことを徹底して避ける性格として描かれます。彼女の内側に潜む脆さと、それでも前を向こうとする意志が、本作の感情の中心軸を担っていきます。早見沙織は本作のために、聴覚障害者の発声の特徴を取材した上で、繊細な発音の役作りを行いました。

西宮 結絃(声:悠木碧)

硝子の妹で、ボーイッシュな小学生。姉を守るために、男の子のような服装と話し方を選び、家の外では「結絃」を男の子として通している人物として描かれます。物語の中盤、姉と将也の関係を遠くから観察し続け、徐々に彼を仲間として受け入れていきます。

永束 友宏(声:小野賢章)

将也の高校時代の友人。長身でぽっちゃりしたユーモラスな男子で、将也が硝子と再会する旅路にいち早く同行する友人として登場します。映画好きで、過去にいじめに巻き込まれた経験を抱える、物語のもっとも明るいトーンを担う人物です。

植野 直花(声:石川由依)

小学校時代の将也の同級生で、現在は同じ高校に通う高校生。将也に対して長く好意を抱いてきた人物として描かれ、その感情のあり方が硝子との関係に複雑な影を落とします。彼女の率直な物言いと内側の葛藤が、本作の人物群のなかでもひときわ鮮烈な存在感を放ちます。

佐原 みよこ(声:金子有希)

小学校時代に硝子のとなりの席だった、控えめな女子。当時は硝子と一緒に手話を覚え始めようとしていましたが、自身も周囲の空気に追い詰められて転校した経験を持ちます。物語の中盤に高校生として再登場し、硝子の心の支えとなります。

川井 みき(声:潘めぐみ)/島田 一旗(声:豊永利行)

小学校時代の同級生たち。川井は表向き穏やかながら、自分の心の中の正しさを譲らない女子として描かれ、島田は当時のいじめの中心的なメンバーで、現在は将也とほとんど顔を合わせない存在として登場します。彼らがそれぞれ抱えている「過去の捉え方」の違いが、本作の中盤の対話の場面の重要な軸となります。

スタッフ・キャスト陣

監督は山田尚子。京都アニメーションで『けいおん!』『たまこラブストーリー』などを手がけ、若い世代の繊細な感情を独自のリズムで描く作家として知られています。本作は山田の長編劇場アニメーションの代表作のひとつで、彼女特有の足元のショット、髪の毛先や指先のアップ、水面のゆらぎといった視覚言語が、本作の「声」と「沈黙」を画面の上で同時に支えています。

脚本は吉田玲子。『けいおん!』『カードキャプターさくら』『若おかみは小学生!』など、世代を越えて愛される多数の作品を手がけてきた脚本家です。原作の漫画は大今良時の長期連載で、本作は7巻分の物語を約2時間の本編に再構成する作業として進められました。聴覚障害者団体の取材、手話監修、補聴器の使い方の取材など、原作に基づく現実への配慮が、脚本と作画の両面で深く取り込まれています。

アニメーション制作は京都アニメーション。本作は山田尚子監督と作画陣の共同作業のなかで、原作の手触りを最大限に尊重しつつ、京都アニメーション独自の質感を加える方針で組み立てられました。音楽は牛尾憲輔(agraph名義の電子音楽家としても知られる)。電子音とアコースティックを織り交ぜたスコアが、本作の繊細な感情の流れを支えています。

主演キャスト

石田将也役の入野自由は、長くアニメーション作品で主演級の役柄を演じてきた声優で、本作のためにあえて感情を抑えた声色を採用したと語っています。少年期の将也は松岡茉優が担当し、子ども時代の好奇心と無防備な無神経さを声で立ち上げました。

西宮硝子役の早見沙織は、本作の起用にあたり、聴覚障害者の発声の特徴について長期にわたる取材を行い、硝子の声色を再構築する役作りを行いました。彼女の演じる硝子の声は、本作の存在感を大きく支える要素となっています。

結絃役の悠木碧、永束役の小野賢章、植野役の石川由依、佐原役の金子有希、川井役の潘めぐみ、島田役の豊永利行など、若手から中堅までの実力派声優陣が、本作の多層的な感情を担っています。

興行収入・話題

興行収入・話題

日本国内の興行収入は最終的に23億円超を記録し、2016年の邦画アニメーション作品としても堅実な成功を収めました。同年公開の『君の名は。』が記録的な大ヒットを果たした影響で、本作の数字はやや影に隠れたきらいもありますが、批評家・観客双方からの高い評価が長期の上映と再上映、各国での海外上映を支え続けました。日本以外の各国でも、本作の輸入版上映やディスク発売を通じて、聴覚障害を扱った青春アニメーションとして広く語り続けられています。

評価・受賞歴

第40回日本アカデミー賞で優秀アニメーション作品賞を受賞。第71回毎日映画コンクールではアニメーション映画賞、第26回日本映画批評家大賞ではアニメ作品賞を受賞しました。海外では、第49回シッチェス・カタロニア国際映画祭などで高い評価を獲得し、米国・英国・東アジア各国の映画祭でも招待上映が組まれています。批評家団体やファン投票によるオールタイムベスト選にも繰り返し登場し続けており、聴覚障害といじめという二重の主題を扱う作品の代表例として参照されることが多くなっています。

ネタバレ

※ここからネタバレを含みます。

クライマックス

物語の中盤、将也は硝子、結絃、永束、佐原、植野、川井、島田と再会を重ねるなかで、自分自身の「人と一緒にいる」感覚を少しずつ取り戻していきます。一行は遊園地に出かけ、観覧車に乗り、夜の花火を見上げます。けれども、将也の過去のいじめの事実をめぐって、植野は硝子に「あんたは私たちと違って何も傷ついていない」と詰め寄り、川井は「悪いのは石田くんだけ」と論点を擦り替え、彼らの再生は順調なだけではいられません。

物語の重大な転換点は、夏祭りの夜、硝子が一人マンションのベランダに立ち、月を見つめながら涙を流す場面です。彼女は周囲の人々に自分の存在が「迷惑」を与えていると思い込み、ベランダから身を投げて命を絶とうとします。間一髪で帰宅した将也が彼女の身体を掴み、彼自身は彼女を引き上げる代わりにそのまま落下していきます。

この出来事の後、将也は意識を取り戻さないまま長い昏睡に入ります。彼の枕元で、硝子は罪悪感と怒りと願いの混じり合う祈りを捧げ、彼の友人たちもまた、それまで言葉にできずにいた感情を、少しずつ吐き出していきます。植野は本気で硝子と向き合い、自分の感情の歪みを認めます。川井は自分の偽善に気づき始めます。島田は、将也が落下する瞬間にとっさに彼を救おうとしていた事実を、本人に伝えます。

結末が示すもの

意識を取り戻した将也は、橋の上で硝子と再会します。彼はかつて自分が抱えていた「人を遠ざけたい」という感情を捨て、硝子と向き合う決意を口にします。「これからの人生を生きるのを手伝ってほしい」と告げる彼の言葉が、本作の感情の頂点を担います。

ラストでは、文化祭の日、将也が高校の校舎の階段を上りながら、目に映る周囲の人々の顔から青い「×」マークが少しずつ剥がれていく様子が描かれます。長年彼の視界を覆っていた「人の声を聞きたくない」という防衛のフィルターが取り去られ、彼は再び世界の音を引き受ける覚悟を決めます。手のひらに突然差し込まれた光と、隣を歩く硝子の表情、そしてそのまま画面が涙で滲んでいく――本作の最後のショットは、観客に「人と人とが互いの声を聞き直すことは、簡単ではないが、不可能でもない」というささやかなメッセージを手渡して、静かに幕を引いていきます。

トリビア

  1. 原作は大今良時による漫画で、初出は2008年の読み切り版でした。読み切り版は週刊少年マガジンの新人コミック大賞で大賞を受賞しましたが、聴覚障害者団体への配慮から長らく単行本化されず、最終的に大幅な改稿を経て連載・単行本化に至った経緯があります。

  2. 原作と本作の脚本に対しては、全日本ろうあ連盟など複数の聴覚障害者団体が監修を行いました。手話の所作、補聴器のディテール、発声のバリエーションなどが、現実に即した形で本作に取り込まれています。

  3. 監督・山田尚子の特徴的な「足元のショット」は、本作でも複数回採用されています。とくに将也と硝子のはじめての再会シーンの靴の動き、永束との出会いの足元、結絃のスニーカーの動きなど、人物の感情を顔ではなく身体の末端で語る演出は、本作の視覚言語の核です。

  4. 本作のメインテーマには、ジ・フーの「My Generation」が、将也の少年時代を象徴する楽曲として用いられています。1960年代のロックの楽曲を、現代日本の中学生の物語の冒頭に重ねるという演出は、本作の独特の質感を支えています。

  5. 京都アニメーションは本作の制作直後の2019年7月、第1スタジオで放火事件に遭うという痛ましい出来事を経験しました。本作のメインスタッフの一部もこの事件で命を落としており、本作はスタジオの歴史の中でも特別な位置に置かれる作品となっています。

  6. 早見沙織が硝子の声を担当する際の役作りでは、聴覚障害者の発声の専門家による直接の指導と、ろうの俳優による演技ワークショップへの参加が含まれていたとされます。彼女自身、本作以降のキャリアで「役作りに対する取り組み方が大きく変わった」と語っています。

  7. 本作はその後、世界中の映画祭やアニメーション・フェスティバルでの上映を通じて広く知られるようになり、英国・北米・東アジア各国でも観客層を広げました。聴覚障害を扱う映画作品の代表として、教育機関や啓発の現場でも繰り返し参照される1作となっています。

撮影裏話

制作の舞台裏

アニメーション制作は京都アニメーションが中心となり、原作漫画の舞台モデルとされる岐阜県大垣市の風景の取材を行いました。本作の街、川、橋、商店街などの一部のディテールには、現地の風景の質感がそのまま反映されており、本作の公開以降、大垣市は「聲の形」の聖地巡礼の対象として観光客が訪れる場所となっています。

キャストの準備

入野自由は、石田将也の高校生としての抑えた声色と、少年時代の元気な声色のあいだの距離感を意識した役作りを行いました。山田尚子監督は、現場での声の収録に際して、声優陣の年齢層を意識した呼吸の調整を細かく依頼し、本作の独特のテンポが完成しています。

早見沙織は、硝子の発声を作るために、聴覚障害者の発声指導を受けながら役作りを進めました。本作のために彼女が用いた「呼吸の漏れ」「子音の柔らかさ」「母音の伸ばし方」のディテールは、本作の人物像の説得力に直接結びついています。

悠木碧、小野賢章、石川由依、金子有希、潘めぐみ、豊永利行など、若手・中堅の実力派声優陣が、本作の人物群のそれぞれの感情の機微を担っています。

技術的な挑戦

本作の最大の技術的挑戦のひとつは、「人の顔に青い×マークが貼られて見える」将也の主観視点の描写です。彼の視点と客観視点を場面ごとに切り替える演出は、観客が本作の物語の進行とともに少しずつ「将也が世界をどう見ているか」を体感できる仕掛けとして機能しています。京都アニメーションの作画班は、登場人物それぞれの服装、表情、髪型のバリエーションを綿密に設計し、本作の繊細な人物描写を支える土台を作り上げました。音楽の牛尾憲輔は、電子音と生楽器を織り交ぜたスコアで、本作の「沈黙」と「環境音」のあいだを丁寧に橋渡しする仕事を担っています。