風の谷のナウシカが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説
『風の谷のナウシカ』が見れる動画配信サービス
現在、主要な動画配信サービスでは配信されていません。
| 配信サービス | 視聴可否 |
|---|---|
| Netflix | − |
| Amazon Prime Video | − |
| Disney+ | − |
| Hulu | − |
| U-NEXT | − |
『風の谷のナウシカ』とは?作品の見どころ
「私の血で大地を清めるなら、私はこの命を捧げる」——シリーズ屈指の自己犠牲の名場面と共に、1984年公開の『風の谷のナウシカ』は宮崎駿監督の手によって、現代日本アニメ映画史を完全に書き換えた歴史的傑作として記憶されています。トップクラフト制作(後のスタジオジブリ前身)による宮崎駿監督の長編アニメ映画第2作で、宮崎自身の同名漫画(1982-1994)を原作にした壮大なSFファンタジー。火の七日間と呼ばれる戦争で文明が崩壊してから1000年後、有毒な菌類の森『腐海(ふかい)』が世界を覆い、人類が絶滅の危機に瀕する近未来を舞台に、風の谷の族長の娘ナウシカが、人類と自然の共存を模索して戦う物語です。製作費1億円弱、当時のアニメ映画として極めて低予算で作られた本作は、興行収入14.8億円(配給収入7.4億円)という驚異的な大ヒットを記録。本作の成功が直接的にスタジオジブリ設立(1985年)に繋がった、ジブリ作品の精神的な原点として位置づけられる作品です。本作の魅力を、現実的な視聴方法とともに徹底解説します。
『風の谷のナウシカ』を全話無料で見る方法
映画『風の谷のナウシカ』を視聴するには、現状日本国内ではサブスク配信に対応していないため、以下の合法的な方法を活用してください。
TSUTAYA DISCAS(30日間無料トライアル)
スタジオジブリ作品は2026年4月現在、Netflix、Amazon Prime Video、Hulu、U-NEXT、Disney+などの主要な日本のサブスクには配信されていません。これは日本テレビがジブリ作品のテレビ放映権を独占的に保有しているためです。
日本国内で『風の谷のナウシカ』を視聴する最も確実な方法は、TSUTAYA DISCAS のDVD/Blu-ray宅配レンタル・サービスです。月額2052円のサービスで、新規入会者には30日間の無料トライアルが用意されています。無料期間中に最大8枚のDVD/Blu-rayを宅配レンタルすることが可能で、ジブリ作品全21作を一気にレンタルすることもできます。返却は郵便ポストに入れるだけで完了する便利なサービスです。
Netflix海外版(VPN経由)
Netflixは日本・米国・カナダを除く約190カ国でジブリ作品21作を配信しています(2020年2月配信開始、2020年6月にカナダでも配信開始)。VPN(Virtual Private Network)サービスを利用して、ヨーロッパ、東南アジア、オセアニアなどのNetflix地域に接続することで、日本国内からでも合法的に視聴することは技術的に可能です。ただし、NetflixのVPN利用については各国の利用規約に従う必要があります。
HBO Max(米国・カナダ)
米国とカナダではHBO Maxがジブリ作品の配信権を保有しており、これらの地域に居住する方はHBO Maxの月額9.99ドルからのプランで視聴可能です。
Blu-ray・DVDの購入
スタジオジブリ作品はワーナー・ブラザース・ホームエンターテインメント・ジャパンより4Kリマスター版・Blu-ray・DVDが発売されています。本作の4K Ultra HD Blu-rayは2024年に発売されており、シリーズで最も鮮明な画質で視聴できます。
本作は違法アップロード動画や海賊版ストリーミングを利用すると、画質・音質が著しく劣るうえセキュリティリスクも伴うため、必ず正規の方法でご視聴ください。
あらすじ
今から千年以上前、人類が築き上げた高度な産業文明は、『火の七日間』と呼ばれる激しい戦争で完全に崩壊してしまいました。その後の長い年月の中で、有毒な菌類の森『腐海(ふかい)』が世界の大半を覆い尽くし、腐海から発生する瘴気(しょうき)は人類の呼吸器を蝕み、五分間で死に至らしめる恐ろしい毒素として現代の人類を苦しめ続けています。
物語の舞台は、トルメキア王国とペジテ市の戦争に巻き込まれる小さな辺境の谷『風の谷』。海から吹く風の力で腐海の瘴気を防ぎ、住民が500人ほどの平和な農業国家として暮らしています。風の谷の族長ジルの娘ナウシカ(島本須美)は、メーヴェ(風を捕らえる小型グライダー)を駆って空を駆け、腐海の生態系を密かに研究し続ける16歳の少女戦士。彼女は人々が恐れる巨大な王蟲(オーム、体長70〜80m超の巨大昆虫)とも心を通わせる不思議な力を持っています。
ある夜、風の谷に不時着した飛行船から、トルメキア軍の捕虜となっていたペジテ市の王女ラステルが息絶える直前にナウシカに『積み荷を燃やしてください、お願い……』と告げます。彼女が積んでいたのは、千年前に滅亡したはずの究極兵器『巨神兵』の幼体だったのです。
翌朝、トルメキア王国の皇女クシャナ(榊原良子)率いる軍が風の谷に襲来し、巨神兵の確保のため谷を制圧してしまいます。ジル王は殺害され、ナウシカは父の仇に向かって激しい怒りに駆られた瞬間、剣の達人である師ユパ・ミラルダ(納谷悟朗)に止められます。
クシャナの軍はナウシカと谷の若者たちを人質として、巨神兵と共にトルメキアへ連行する計画を立てます。しかし飛行中、ペジテ市のアスベル(松田洋治)率いるガンシップ部隊の攻撃を受け、トルメキア軍の輸送機は腐海の中に墜落します。
ナウシカは腐海の奥深くに不時着しながらも、その内部で衝撃の真実を発見します——『腐海の植物は実は瘴気を吸収して綺麗な水と土に変えており、人類が汚染した世界を浄化する役割を果たしていた』のです。彼女が秘密の地下水路で発見する『真に清浄な水と空気』は、シリーズで最も美しい瞬間として描かれます。
物語のクライマックスは、ペジテ市民が王蟲の群れを操って風の谷を踏み潰す計画を実行する絶望的な状況の中、ナウシカが王蟲と人類の橋となるために自らを犠牲にする壮絶な自己犠牲の場面が描かれていきます。
登場人物
本作で登場する重要キャラクターは、シリーズ屈指の魅力的な人物群です。
■ ナウシカ: 主人公の風の谷の族長の娘で16歳。島本須美が演じる『シリーズで最も愛される少女戦士像』。彼女は人々が恐れる巨大な王蟲とも心を通わせる不思議な力を持ち、メーヴェ(風を捕らえる小型グライダー)を駆って空を駆ける独立的な少女。彼女の人生哲学『私はあなた達の敵ではない、私は風の声を聞く者だ』はシリーズの哲学的核心を完璧に体現しています。
■ クシャナ: トルメキア王国の皇女で、彼女自身が幼少期に腐海の蟲に襲われて両腕と両脚を失っており、義肢で生活する戦士女王。榊原良子が演じる『シリーズで最も悲劇的なヴィラン像』。彼女の動機は単なる征服ではなく、腐海の脅威から人類を守るための切実な行動です。
■ ユパ・ミラルダ: ナウシカの師であり、世界一の剣の達人。納谷悟朗(『ルパン三世』の銭形警部役で世界的に有名)が演じる『シリーズで最も賢明な指導者像』。
■ アスベル: ペジテ市の王子で、王女ラステルの双子の弟。松田洋治が演じる『シリーズで最も誇り高き戦士像』。彼とナウシカの関係はシリーズで最も繊細なロマンス・サブプロットとして描かれます。
■ ジル: ナウシカの父で、風の谷の族長。クシャナ軍に殺害される運命のキャラクター。
■ ミト: 風の谷の老兵で、ジル王に仕える忠実な家臣。永井一郎(『サザエさん』の波平役で世界的に有名)が演じる『シリーズで最も愛される老兵像』。
■ クロトワ: クシャナの副官で、トルメキア軍の参謀。家弓家正が演じる『シリーズで最もユーモア溢れる軍人像』。
■ 大ババさま: 風の谷の老婆で、古代の予言を守る精神的指導者。京田尚子が演じる『シリーズで最も賢明な老婆像』。彼女が古代の予言『青き衣をまといて金色の野に降り立つべし』を語る場面は、シリーズで最も感動的な瞬間の一つです。
■ 王蟲(オーム): 体長70〜80m超の巨大昆虫。腐海の最頂点の生物で、シリーズで最も視覚的に印象的な創造物として記憶されています。
■ テト: ナウシカが腐海から救出した小さなキツネリスのペット。シリーズ屈指の愛らしい動物キャラクターです。
■ 巨神兵: 千年前の『火の七日間』戦争で滅亡したはずの究極兵器。生命体として再生される過程で、シリーズで最も衝撃的な視覚表現として描かれます。
スタッフ・キャスト陣
本作の声優キャストは1980年代の日本声優界を代表する超一流陣が結集した豪華布陣です。
ナウシカ役の島本須美は日本の世界的声優・女優。本作出演時28歳で、彼女の声優キャリアの絶頂期を象徴する仕事となりました。彼女は本作の出演前に『機動戦士ガンダム』(1979)のフラウ・ボウ役で活躍していましたが、本作の出演で日本声優界の伝説的地位を確立しました。後の宮崎駿監督作品『崖の上のポニョ』(2008)のリサ役、『風立ちぬ』(2013)の堀越美保子役などへも活躍を続けています。
ユパ・ミラルダ役の納谷悟朗は日本の伝説的声優。『ルパン三世』シリーズの銭形警部役で世界的に有名な人物で、本作の『シリーズで最も賢明な指導者像』を完璧に体現しました。彼は2013年3月5日に83歳で逝去しています。
アスベル役の松田洋治は日本の若手俳優。本作出演時16歳で、後のジブリ作品『もののけ姫』(1997)のアシタカ役で世界的に有名となります。
ミト役の永井一郎は日本の伝説的声優。『サザエさん』(1969-2014)の磯野波平役で世界的に有名な人物で、本作の『シリーズで最も愛される老兵像』を完璧に体現しました。彼は2014年1月27日に82歳で逝去しています。
クシャナ役の榊原良子は日本の世界的声優。『機動戦士Zガンダム』(1985-1986)のハマーン・カーン役で世界的に有名な人物で、本作の『シリーズで最も悲劇的なヴィラン像』を完璧に体現しました。
クロトワ役の家弓家正は日本の伝説的声優。『機動戦士Vガンダム』(1993-1994)のクロノクル・アシャー役、『キン肉マン』(1983-1986)のラーメンマン役で世界的に有名な人物で、本作の『シリーズで最もユーモア溢れる軍人像』を完璧に体現しました。彼は2014年5月3日に80歳で逝去しています。
大ババ役の京田尚子は日本の世界的声優。『ハイジ』(1974)のおばさん役で世界的に有名な人物で、本作の『シリーズで最も賢明な老婆像』を完璧に体現しました。
監督・脚本・原作・絵コンテの宮崎駿は日本の世界的アニメーション監督。本作出演前の『風の谷のナウシカ』漫画(1982-1994)で世界的に有名となり、本作の出演で『現代日本アニメーション映画の最高峰』としての地位を確立しました。彼は後の『天空の城ラピュタ』(1986)、『となりのトトロ』(1988)、『魔女の宅急便』(1989)、『紅の豚』(1992)、『もののけ姫』(1997)、『千と千尋の神隠し』(2001、第75回アカデミー賞長編アニメーション映画賞受賞)、『ハウルの動く城』(2004)、『崖の上のポニョ』(2008)、『風立ちぬ』(2013)、『君たちはどう生きるか』(2023、第96回アカデミー賞長編アニメーション映画賞受賞)などへ活躍を続けています。
音楽担当の久石譲は日本の世界的作曲家。本作の出演前の活動はあまり知られていませんでしたが、本作の音楽を担当することで世界的作曲家としての地位を確立しました。彼は本作のために『風の伝説』『風の谷のナウシカ・オープニング』『王蟲との対話』『遠い日々』など多数の傑作を作曲しました。とくに本作のオープニング・テーマは久石譲の音楽キャリアの中でも最も愛される傑作の一つとして、シリーズの代名詞的アンセムとなりました。彼は後の宮崎駿作品全11本の音楽担当を続け、世界的なアニメーション音楽の巨匠としての地位を確立しています。
製作総指揮は徳間書店(高畑勲、宮崎駿との『アニメージュ』の連載が本作の原点)で、製作はトップクラフト。本作の興行的・批評的成功が直接的にスタジオジブリ設立(1985年)に繋がった歴史的な作品です。
興行収入・話題
1984年3月11日に日本で公開された『風の谷のナウシカ』は、最終的な日本興行収入14.8億円(配給収入7.4億円)を記録。1984年の年間日本映画ランキングで上位に位置し、当時の邦画アニメ映画として最大級の動員を実現しました。
本作の興行的成功は、当時の日本のアニメ映画業界に大きな影響を与えました。製作費1億円弱という当時のアニメ映画として極めて低予算で作られた本作が、興行収入14.8億円という驚異的な数字を達成したことで、宮崎駿と高畑勲は『スタジオジブリ』の設立資金を確保することができました。スタジオジブリは1985年6月15日に正式に設立され、その第1作目が『天空の城ラピュタ』(1986)となりました。
本作の影響は現代日本アニメ映画の方向性を完全に変えました。本作以降、『環境保護とSFファンタジーの融合』というジャンル自体の市場価値が再評価され、後の『もののけ姫』(1997)、『千と千尋の神隠し』(2001)などのジブリ作品への影響を与え続けました。
海外での評価については、本作はアメリカでは1985年に『Warriors of the Wind(風の戦士たち)』というタイトルで大幅にカットされた版で公開され、宮崎駿自身がこれに激怒したため、後のジブリ作品の海外配給は厳格な品質管理の下で行われるようになりました。1989年から1996年にかけてジブリ作品はディズニーが米国・カナダの配給権を取得し、本作も2005年にディズニー版『Nausicaä of the Valley of the Wind』として米国で再公開されました。
2020年2月、Netflixが日本・米国・カナダを除く約190カ国でジブリ作品21作の配信を開始しました。これは現代の日本国内のジブリ作品の視聴方法に大きな影響を与えており、現代の日本国内の視聴者は VPN を利用した海外Netflix版か TSUTAYA DISCAS のレンタル、または Blu-ray・DVD の購入が主要な視聴手段となっています。
2024年から2025年の世界各地での再公開興行でも本作は『現代日本アニメ映画の歴史的傑作』として人気タイトルに選ばれ、日本国内でも金曜ロードショーで何度も放送されています。本作の影響は現在も世界中の観客に愛され続けています。
ネタバレ
【以下、結末まで含むネタバレを多数含みます】
本作のクライマックスはシリーズで最も感動的な自己犠牲の場面として、シリーズ屈指の哲学的核心を完璧に体現する圧巻の構成です。
【ペジテ市民の王蟲操縦計画】物語の中盤、ペジテ市民が衝撃の計画を実行することが判明します——彼らは『王蟲の幼体を腐海から離して傷つけることで、激怒した王蟲の群れがその子を救うために移動する』という習性を悪用し、王蟲の大群を風の谷へと誘導してトルメキア軍と巨神兵を踏み潰す計画を立てていたのです。
ペジテ市民の作戦が実行された結果、何百体もの王蟲が真っ赤な目を光らせて風の谷を目指して暴走します。シリーズで最も視覚的に圧倒的な災害シーンとして、何千体もの王蟲が一斉に行進する場面は描かれます。
【クシャナの巨神兵起動】絶望的な状況の中、クシャナは生まれたばかりの未熟な巨神兵を強制的に起動させて王蟲の群れを焼き払うことを決断します。巨神兵は『火の七日間』戦争の究極兵器として、口から放つ炎で何千体もの王蟲を一瞬で燃やし尽くす絶大な力を持っています。しかし生まれたばかりの巨神兵は未熟で、自身の体が崩壊しながら放った2発の炎で前進する王蟲の前列を焼き尽くしますが、それでも全ての王蟲を止めることはできず、巨神兵自身も体が完全に崩壊して死亡してしまいます。
【ナウシカの自己犠牲】絶望的な状況の中、ナウシカはペジテ市民が拐っていた王蟲の幼体を救出し、彼女は自身の身を犠牲にして王蟲の群れを止める決断をします。彼女が王蟲の幼体を返すために怒り狂う王蟲の大群の前に立ちはだかり、王蟲の群れに踏みつぶされる絶望的な瞬間が描かれます。
しかし王蟲の触手がナウシカの体を黄金色に包み、シリーズで最も感動的な奇跡が起こります——彼女の自己犠牲によって王蟲達の怒りが鎮まり、彼らがナウシカを救うために黄金色の触手で彼女を持ち上げる場面が描かれます。彼女は古代の予言『青き衣をまといて金色の野に降り立つべし』の通り、青いドレスで王蟲の黄金色の触手の上に立ち上がる神々しい姿として復活する歴史的なシーンが描かれます。
大ババ様の独白『古き言い伝えはまことであった、その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし、失われし大地との絆を結び、ついに人々を清浄の地に導かん』は、シリーズで最も感動的な瞬間として記憶されています。
【真実の発見】物語のラスト、ナウシカが腐海の地下深くで発見した真実が改めて提示されます——腐海の植物は人類が汚染した大地を浄化する役割を担っており、彼ら腐海の生態系こそが千年後の人類の救いの希望だったのです。シリーズの哲学的核心『人類は自然と共存することで初めて生き延びることができる』というテーマが完璧に提示される、シリーズ屈指のラストシーンとなりました。
本作はスタジオジブリの精神的な原点として、現代日本アニメ映画史において欠くことのできない歴史的傑作となりました。
トリビア
■ スタジオジブリ設立の起点: 本作の興行的成功が直接的にスタジオジブリ設立(1985年6月15日)に繋がりました。本作は厳密にはジブリ作品ではなくトップクラフト制作ですが、宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫の3人がジブリを設立する原点として位置づけられる重要な作品です。
■ 漫画原作との差異: 本作は宮崎駿自身が『アニメージュ』(徳間書店)で連載していた同名漫画(1982-1994)の最初の2巻分を映画化したものです。漫画は1994年に完結し、全7巻の壮大なSF叙事詩として完成しています。映画版とは大きく異なるストーリー展開と結末を持っており、漫画版はシリーズ屈指の文学的傑作として記憶されています。
■ 久石譲の音楽デビュー: 本作の音楽担当の久石譲は本作の出演前は無名の作曲家でした。彼は宮崎駿監督との初コンビで本作のために『風の伝説』『風の谷のナウシカ・オープニング』『王蟲との対話』『遠い日々』など多数の傑作を作曲しました。彼は本作の出演で世界的作曲家としての地位を確立し、後の宮崎駿作品全11本の音楽担当を続ける重要なパートナーとなりました。
■ Warriors of the Wind事件: 本作はアメリカでは1985年に『Warriors of the Wind(風の戦士たち)』というタイトルで大幅にカットされた版で公開されました。22分間のシーンが削除され、巨神兵などの描写が改変された結果、宮崎駿自身がこれに激怒した有名なエピソードがあります。彼はこの事件以降、後のジブリ作品の海外配給は厳格な品質管理の下で行われるよう要求しました。
■ ディズニーとの配給契約: 1989年から1996年にかけて、宮崎駿のジブリ作品はディズニーが米国・カナダの配給権を取得しました。本作も2005年にディズニー版『Nausicaä of the Valley of the Wind』として米国で再公開されました。
■ Netflix海外配信: 2020年2月、Netflixは日本・米国・カナダを除く約190カ国でジブリ作品21作の配信を開始しました。これは現代の日本国内のジブリ作品の視聴方法に大きな影響を与えており、現代の日本国内の視聴者は VPN を利用した海外Netflix版を利用するファンも多くいます。
■ メーヴェの設計: ナウシカが乗る『メーヴェ』(風を捕らえる小型グライダー)は、宮崎駿の独特な航空機への愛情を反映した独創的なデザイン。本作のアニメーションでは、メーヴェが風を捕らえながら自由に空を飛ぶ場面が、シリーズで最も愛されるシーンの一つとして記憶されています。
■ 王蟲のデザイン: 体長70〜80m超の巨大昆虫『王蟲』のデザインは、宮崎駿の独特な動物への愛情と恐怖の融合を反映した独創的な創造物です。彼らの真っ赤な目が光る場面、青い目が光る場面の対比は、シリーズで最も視覚的に印象的な創造物として記憶されています。
■ 大ババ様の予言: 古代の予言『青き衣をまといて金色の野に降り立つべし、失われし大地との絆を結び、ついに人々を清浄の地に導かん』は、シリーズで最も愛される名台詞として今も多くのファンに記憶されています。
■ 上映時間と完全版: 劇場公開版は1時間56分。本作は宮崎駿監督が一切のカットを許さなかった完全版として、現在も世界中で初公開時の状態で視聴可能です。
■ 4K Ultra HD Blu-ray発売: 2024年にスタジオジブリ作品の4K Ultra HD Blu-ray版が発売されました。本作の4K版はシリーズで最も鮮明な画質で視聴できます。
撮影裏話
宮崎駿監督が本作で取り組んだ最大の挑戦は、当時のアニメ映画業界では珍しい『環境保護とSFファンタジーの融合』というオリジナルのジャンルを確立することでした。彼自身は本作の構想を1970年代初頭から温め始め、約10年間の長期にわたる準備を経て、最終的に1982年に『アニメージュ』(徳間書店)で同名漫画の連載を開始しました。漫画の連載中に映画化の企画が浮上し、1984年の劇場公開に至ったという経緯があります。
本作の制作はトップクラフトで行われ、宮崎駿監督がアニメーション・ディレクター、原作、脚本、絵コンテのすべてを担当する完璧な作家性を発揮した仕事を成し遂げました。製作期間は約9ヶ月という当時のアニメ映画として極めて短い期間で、製作費も1億円弱という低予算でした。しかし本作の興行的・批評的成功で、宮崎駿、高畑勲、鈴木敏夫の3人は『スタジオジブリ』の設立資金を確保することができ、1985年6月15日にスタジオジブリが正式に設立されました。
美術監督の中村光毅(『機動戦士ガンダム』(1979)、『未来少年コナン』(1978)などで活躍)は、本作のために『腐海(ふかい)の有毒な菌類の森』『風の谷の平和な農業国家』『トルメキア王国の重厚な軍事施設』『ペジテ市の崩壊した古代都市』など、シリーズで最も多様で象徴的なロケーションを構築しました。
アニメーション・ディレクションは宮崎駿監督自身と高畑勲。彼ら2人は本作のために何ヶ月もの絵コンテ作業を重ね、シリーズで最も視覚的に印象的なアニメーション・シーンを多数生み出しました。とくに『王蟲の暴走』『メーヴェの飛行』『ナウシカの黄金色の復活』のシーンは、シリーズで最も感動的なアニメーション・シーンとして記憶されています。
音楽担当の久石譲は本作で初めて宮崎駿監督との作業を経験しました。彼は本作のために『風の伝説』『風の谷のナウシカ・オープニング』『王蟲との対話』『遠い日々』など多数の傑作を作曲し、シリーズで最も愛される音楽の一つとして記憶されています。彼は本作の出演で世界的作曲家としての地位を確立し、後の宮崎駿作品全11本の音楽担当を続ける重要なパートナーとなりました。
本作の声優キャスティングは1980年代の日本声優界を代表する超一流陣が結集した豪華布陣でした。島本須美のナウシカ役、納谷悟朗のユパ役、永井一郎のミト役、榊原良子のクシャナ役、家弓家正のクロトワ役、京田尚子の大ババ役など、シリーズで最も愛される声優陣が集結したことが、本作の興行的・批評的成功の重要な要因となりました。
また、本作の重要な特徴は『シリーズで初めて、現代日本アニメ映画として、環境保護とSFファンタジーの融合という独創的なジャンルを確立した1作』を成し遂げたことです。本作の哲学的核心『人類は自然と共存することで初めて生き延びることができる』というテーマは、現代社会への重要なメッセージとして高く評価され、後の『もののけ姫』(1997)、『千と千尋の神隠し』(2001)などのジブリ作品への影響を与え続けました。
海外での反響については、本作はアメリカでは1985年に『Warriors of the Wind(風の戦士たち)』というタイトルで大幅にカットされた版で公開されました。22分間のシーンが削除され、巨神兵などの描写が改変された結果、宮崎駿自身がこれに激怒した有名なエピソードがあります。彼はこの事件以降、後のジブリ作品の海外配給は厳格な品質管理の下で行われるよう要求しました。1989年から1996年にかけて、宮崎駿のジブリ作品はディズニーが米国・カナダの配給権を取得し、本作も2005年にディズニー版『Nausicaä of the Valley of the Wind』として米国で再公開されました。
本作は宮崎駿監督の代表作の一つとして、現代日本アニメーション映画史において欠くことのできない歴史的傑作となりました。とくに『ナウシカの自己犠牲』『大ババ様の予言』『王蟲との心の交流』『メーヴェの飛行シーン』はシリーズ屈指の名場面として今も多くのファンに愛されています。
スタジオジブリは本作以降、『天空の城ラピュタ』(1986)、『となりのトトロ』(1988)、『魔女の宅急便』(1989)、『紅の豚』(1992)、『もののけ姫』(1997)、『千と千尋の神隠し』(2001、第75回アカデミー賞長編アニメーション映画賞受賞)、『ハウルの動く城』(2004)、『崖の上のポニョ』(2008)、『風立ちぬ』(2013)、『君たちはどう生きるか』(2023、第96回アカデミー賞長編アニメーション映画賞受賞)などへ活躍を続けており、本作はジブリ作品の精神的な原点として、現代映画史において永遠に語り継がれる傑作なのです。