ロード・オブ・ザ・リングが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2001年

『ロード・オブ・ザ・リング』が見れる動画配信サービス

現在、Netflix・Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。

配信サービス視聴可否
Netflix視聴可能
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Disney+
Hulu視聴可能
U-NEXT視聴可能

『ロード・オブ・ザ・リング』とは?作品の見どころ

「全てを治める一つの指輪、全てを見つける一つの指輪、全てを捕らえし、暗闇の中に縛り付ける」——シリーズ第1作『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』(2001)は、ファンタジー映画の歴史を完全に書き換えたピーター・ジャクソン監督の偉大な3部作の幕開けです。J.R.R.トールキンの不朽の名作『指輪物語』(1954-1955)を原作に、ニュージーランドの大自然をロケに使った壮大な中つ国の世界、デジタルとアナログを融合させた革新的な特殊効果、そして9名の旅の仲間(フロド、サム、メリー、ピピン、アラゴルン、レゴラス、ギムリ、ボロミア、ガンダルフ)による壮大な冒険。世界興行収入8億8000万ドルを記録し、2001年公開作品の世界興行ランキングで第2位を獲得。第74回アカデミー賞では13部門ノミネート・4部門受賞という快挙を達成し、ファンタジー映画というジャンル自体を一気にメインストリームへ押し上げる歴史的傑作となりました。日本興行収入も90.7億円と、ハリポタ第1作と並んで2001年〜2002年のシネコン業界を支えた本作の魅力を、登録だけで全話無料視聴できる動画配信サービスの紹介とあわせて徹底解説します。

『ロード・オブ・ザ・リング』を全話無料で見る方法

映画『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』を全話無料で視聴したい場合、最も確実なのはU-NEXTの31日間無料トライアルを活用する方法です。月額2189円のU-NEXTで本作は見放題配信されており、新規入会者は31日間の無料体験期間中であれば追加料金一切なしで3部作と関連作『ホビット』3部作の計6作を一気見できます。

U-NEXT(31日間無料トライアル)

本作はU-NEXTの見放題対象として配信中。新規入会で31日間の無料体験が用意されており、その期間内であれば一切の追加料金なしで『旅の仲間』『二つの塔』『王の帰還』のロード・オブ・ザ・リング3部作と、前日譚『ホビット 思いがけない冒険』『ホビット 竜に奪われた王国』『ホビット 決戦のゆくえ』のホビット3部作までフル視聴可能。さらに31日無料体験中に劇場公開版とエクステンデッド・エディション(各40〜50分の追加映像入り完全版)も両方視聴できる場合があります。登録時に600ポイントが付与されるため、原作小説の電子書籍購入にも応用できます。週末2〜3日で中つ国マラソンを楽しむのに最適なサービスです。

Amazon Prime Video(30日間無料体験)

Amazon Prime Videoでも見放題配信中です。プライム会員月額600円・年額5900円のサービスで、新規入会者には30日間の無料体験が用意されています。Fire TV StickやChromecast連携が容易な点も魅力で、家のテレビで4Kクオリティーで視聴したい方に最適。お急ぎ便等のEC特典も同時に試せるため、配送特典と組み合わせて利用したい方にも好相性です。

Hulu(見放題配信中)

Huluでも見放題配信中で、洋画ファンタジーが手厚いラインナップです。ただしHuluは2026年現在、新規ユーザー向けの恒常的な無料体験を実施していないため、『登録だけで完全無料』の観点では前述のU-NEXTかPrime Videoが最有力となります。すでにHulu加入中の方はそのまま追加料金なしで視聴できます。

Netflix(配信中)

Netflixでも本作は配信されており、すでにNetflix会員の方は追加料金なしで視聴可能です。ただしNetflixは2024年以降、日本では新規ユーザー向け無料体験を提供していないため、初回登録のみで無料視聴したい場合はU-NEXTかPrime Videoを推奨します。

本作はレンタル課金や追加購入なしに、上記いずれかの登録だけで合法的に最後まで視聴できます。違法アップロード動画や海賊版ストリーミングは画質・音質が著しく劣るうえセキュリティリスクも伴うため、必ず正規の配信サービスをご利用ください。

あらすじ

中つ国の遠い昔、エルフ・ドワーフ・人間の三種族が魔王サウロンに対抗する『最後の同盟』を結び、激戦の末にサウロンを討ち取りました。しかしサウロンが鍛えた『一つの指輪(The One Ring)』は失われ、長い年月を経て、ホビット庄の平和なホビット族の青年フロド・バギンズの元に渡ります。フロドの養父ビルボ・バギンズは111歳の誕生日パーティーで突如姿を消し、指輪を含む全ての財産をフロドに譲りました。

親友の灰色のガンダルフは、その指輪こそが伝説の『一つの指輪』であり、サウロンの全ての邪悪な力を込めた禁断の遺物だと突き止めます。指輪は所有者を堕落させ、長く所持すれば誰もが闇の影響に屈してしまう恐ろしいもの。サウロンの軍団が再び中つ国を脅かす中、指輪を破壊する唯一の方法は、サウロンの本拠地モルドールにある『滅びの山(オロドルイン)』の火口へと指輪を投げ込むことでした。

フロドは親友サムワイズ・ギャムジーと共にホビット庄を旅立ちます。途中、いとこのメリアドク(メリー)、ペレグリン(ピピン)も加わり、4人組のホビットでブリー村の宿屋『躍る小馬亭』に到着。そこで彼らを救う謎の人物『馳夫(ストライダー)』こそ、後にゴンドール王国の王位継承者であることが明かされるアラゴルンでした。

5人は『裂け谷(リヴェンデル)』のエルフの里へと向かいますが、途中で『指輪の幽鬼(ナズグール=リングレイス)』の一団に襲われ、フロドは魔の刃で深手を負います。アラゴルンと、エルフのアルウェン(裂け谷の領主エルロンドの娘)の必死の救命で、フロドは辛うじて裂け谷へと到着。

裂け谷の評議会で、中つ国の各種族の代表が集結します。エルフ、ドワーフ、人間、ホビット、灰色のガンダルフ。9名の『旅の仲間(The Fellowship of the Ring)』——フロド、サム、メリー、ピピン、ガンダルフ、アラゴルン、レゴラス(エルフの王子)、ギムリ(ドワーフ)、ボロミア(ゴンドールの執政の長男)が結成されます。

旅の仲間は南へと向かい、雪のカラズラス山脈を越えようとして失敗、地下のモリアの坑道へと入る選択をします。モリアの坑道で待ち受けていたのは、サウロンの軍団のオーク達、そして古代の竜のような怪物『バルログ』。ガンダルフがバルログと対峙する場面はシリーズ屈指の名場面の一つですが、その代償は計り知れないものでした。

物語は中つ国の壮大な世界観、9名の仲間の絆、そして指輪の魔の力との戦いを通じて、3部作全体の壮大な序章として完璧に展開していくのです。

登場人物

本作で初登場するキャラクターは、英米演劇界を代表する大物俳優の名演で支えられた魅力的な人物群です。

■ フロド・バギンズ: ホビット庄の青年。叔父のビルボ・バギンズから一つの指輪を受け継ぎ、運命の旅へと巻き込まれていきます。シリーズ全体の『指輪を捨てる使命』を背負う中心人物。

■ ガンダルフ(灰色): 老魔法使い。マイア(下級神霊)の一人で、五人の魔法使い(イスタリ)のうちの一人。フロドにとって父代わりであり、シリーズ全体の精神的支柱。

■ アラゴルン(馳夫=ストライダー): 北方の野伏(レンジャー)として登場するが、その正体はゴンドール王国の王位継承者イシルドゥアの末裔。彼の運命の物語はシリーズ全体の核となります。

■ サムワイズ・ギャムジー: フロドの庭師の親友。シリーズ屈指の忠誠心と勇気を持つキャラクターで、結果的に指輪を捨てる旅の真の英雄として描かれます。

■ メリアドク(メリー)・ブランディバック&ペレグリン(ピピン)・トゥック: フロドのいとこたち。コミカルでありながら、シリーズの中で重要な戦闘場面に関わります。

■ レゴラス: 闇の森のエルフの王子。弓矢の名手で、ドワーフのギムリとは種族間の伝統的な不仲ながら、旅を通じて深い友情を育てていきます。

■ ギムリ: 鉄山のドワーフ。グロインの息子で、斧の名手。レゴラスとのライバル関係から友情への変化はシリーズ屈指の感動的展開です。

■ ボロミア: ゴンドールの執政の長男。誇り高く正義感の強い戦士ですが、指輪の魔の力に最も影響を受けやすい人物として描かれます。

■ ガラドリエル: 黄金森ロスローリエンの女王。エルフの最高位の魔法使いで、深い知恵と強い力を持つ女性指導者。彼女の声がシリーズの語りを担っています。

■ アルウェン: 裂け谷の領主エルロンドの娘で、エルフの姫。アラゴルンと永遠の愛で結ばれており、不死のエルフでありながら人間アラゴルンとの未来を選ぶ運命のヒロイン。

■ エルロンド: 裂け谷の領主。半エルフで、サウロンとの最初の戦争で活躍した古の勇者。

■ ビルボ・バギンズ: フロドの養父。前日譚『ホビット』(2012-2014)の主役。前作で一つの指輪を入手したホビットで、本作の冒頭で111歳の誕生日パーティーを開きます。

■ サルマン(白): 五人の魔法使いの長で本来は善の側だったはずの白の魔法使い。サウロンの誘惑に屈して闇に堕ちた裏切り者として描かれます。

■ サウロン: シリーズ全体の絶対悪。一つの指輪を鍛えた魔王で、肉体を失った状態で『燃える目』として描かれますが、彼の影響が中つ国全土に及んでいます。

スタッフ・キャスト陣

本作のキャストはハリウッドと英国演劇界の超一流俳優陣が結集した、ファンタジー映画史上最大級の豪華布陣です。

フロド・バギンズ役のイライジャ・ウッドは『パラダイス・ロード』(1997)『ノース ちいさな旅人』(1994)などで知られる若手俳優で、本作出演時20歳。彼の『無垢な大きな青い瞳』は監督ピーター・ジャクソンが『フロドそのもの』と一目で決めたキャスティングでした。本作以降、シリーズ全3作に出演し、後の『シン・シティ』(2005)『マニアック』(2012)などで個性派俳優として活躍を続けます。

ガンダルフ役のイアン・マッケランは英国演劇界の大御所中の大御所。『リチャード三世』(1995)『ゴッド・アンド・モンスター』(1998)でアカデミー賞主演男優賞ノミネートを受けた名優で、本作で第74回アカデミー賞助演男優賞ノミネートを獲得しました。彼が灰色のガンダルフを演じた瞬間、世界中の観客は『これがガンダルフだ』と確信。後に『X-MEN』シリーズのマグニートー役も並行して演じ、ハリウッド屈指の二大フランチャイズの主要キャラクターを同時に演じ続ける偉業を成し遂げました。

アラゴルン役のヴィゴ・モーテンセンはデンマーク系米国人俳優。『ザ・プロフィット』(1995)『デビッド・クローネンバーグの危険なメソッド』(2011)などで知られる実力派。本作のキャスティングは撮影開始直前にスチュアート・タウンゼントが解雇された後の代役起用でしたが、結果的に彼の野性味のある演技がアラゴルンの『野伏から王へ』の成長物語を完璧に体現しました。彼自身もデンマーク語、スペイン語、フランス語、英語のマルチリンガルで、本作の中つ国の言語(エルフ語、シンダール語など)も完璧に習得しました。

サムワイズ・ギャムジー役のショーン・アスティンは『グーニーズ』(1985)『ルディ/涙のウィニング・ラン』(1993)などで知られる米国の俳優。本作のサム役は『シリーズの真の英雄』として批評家から絶賛されました。彼の『指輪を背負うフロドを支え続ける友情』は、シリーズ全体のテーマである『友情』の象徴です。

レゴラス役のオーランド・ブルームは英国出身の若手俳優。本作出演時24歳で、長いブロンドのウィッグとエルフ耳のメイクで世界中の女性ファンを夢中にさせ、後の『パイレーツ・オブ・カリビアン』(2003〜)でも世界的人気を獲得します。

ギムリ役のジョン・リス=デイヴィスは『インディ・ジョーンズ』シリーズなどで知られるベテラン俳優。彼の身長は185cmですが、ドワーフのギムリとして170cm前後の見た目に縮める特殊撮影と特殊メイクで魔法のような変身を実現しました。

ボロミア役のショーン・ビーンは『007 ゴールデンアイ』(1995)で知られる英国の演技派俳優。後に『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011)のネッド・スターク役で世界的に有名になりますが、本作のボロミアは彼の俳優としての到達点の一つで、シリーズで最も悲劇的なキャラクターを演じ切りました。

ガラドリエル役のケイト・ブランシェットは『エリザベス』(1998)でアカデミー賞主演女優賞ノミネートを受けたオーストラリアの世界的女優。本作の出演前から既に世界的スターでしたが、エルフの最高位の魔法使いを演じるために自分の頭髪をブロンドに染めて出演しました。

アルウェン役のリヴ・タイラーは『カフェ・ソサイエティー』(1999)などで知られる米国の若手女優。本作の登場時間は短いものの、その存在感は印象的でした。

エルロンド役のヒューゴ・ウィービングはオーストラリアの実力派俳優。『マトリックス』(1999)のスミス役で世界的に有名になり、本作と並行してマトリックス三部作にも出演する驚異的な仕事を成し遂げました。

サルマン役のクリストファー・リーは英国の伝説的俳優で、ドラキュラ役などで世界的に知られる名優。本作出演時79歳で、自身がトールキンの原作小説を全て読み、トールキン本人と直接会った数少ない俳優でした。

監督ピーター・ジャクソンはニュージーランド出身の若手映画監督で、本作出演時40歳。それまでの代表作は『ブレインデッド』(1992)などのスプラッターホラーやインディーズ作品で、ハリウッドの大手スタジオから3部作の指揮を任されたのは大胆なギャンブルでした。彼は妻フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエンと共に脚本を執筆し、トールキン原作の壮大な世界を映画として再構築する大事業に挑みました。

音楽はハワード・ショア。カナダ出身の作曲家で、『羊たちの沈黙』(1991)『セブン』(1995)などで知られる名匠。本作のために『指輪のテーマ』『ホビット庄のテーマ』『リヴェンデルのテーマ』『モリアのテーマ』など膨大な数の主題群を作曲し、第74回アカデミー賞作曲賞を受賞しました。

興行収入・話題

2001年12月19日に米国、2002年3月2日に日本で公開された『ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間』は、初週末の北米興行で4750万ドルを稼ぎ出し、その後も持続的なロングランヒットを記録。最終的な世界興行収入は8億8000万ドル(再公開含むと8.97億ドル)を記録し、2001年公開作品の世界興行ランキングで『ハリー・ポッターと賢者の石』に次ぐ第2位を獲得しました。

日本では2002年3月2日に公開され、年間興行収入90.7億円を記録。『ハリー・ポッターと賢者の石』(203億円)に次ぐ年間洋画第2位の座を獲得し、シリーズの中核観客基盤の確立に成功しました。日本でのロングラン上映は4ヶ月以上続き、シネコンの最大の長期動員作品の一つとして記憶されています。

批評家からの評価は当時のファンタジー映画として歴史的な高さで、Rotten Tomatoesの批評家スコアは91%、Metacriticは92点という超高水準を記録。映画評論家ロジャー・イーバートは『ハリウッドが生み出した最高水準のファンタジー映画』と絶賛し、『1939年の『オズの魔法使』、1977年の『スター・ウォーズ』、2001年の『ロード・オブ・ザ・リング』。これらは映画史を変えた3作だ』とまで評価しました。

第74回アカデミー賞では作品賞・監督賞を含む13部門にノミネート、撮影賞・作曲賞・メイクアップ賞・視覚効果賞の4部門で受賞という快挙を達成。第55回英国アカデミー賞(BAFTA)では作品賞・監督賞・観客賞・特殊効果賞・メイク&ヘア賞の5部門を受賞しました。

本作の興行的・批評的成功は、シリーズ全体の方向性を確固たるものにしました。続編『二つの塔』(2002)『王の帰還』(2003)もそれぞれ大ヒットし、シリーズ累計世界興行収入は29億ドルを超える歴史的フランチャイズへと成長しました。とくに『王の帰還』は第76回アカデミー賞で作品賞を含む11部門を制覇し、ファンタジー映画というジャンル自体をアカデミー賞の最高峰に押し上げる歴史的偉業を達成します。

2024年から2025年の世界各地での再公開興行でも本作は『ファンタジー映画の金字塔』として人気タイトルに選ばれ、累計世界興行収入は再公開分を含めて10億ドルを超えました。とくに2025年の3部作IMAX一気見上映イベント『ロード・オブ・ザ・リング マラソン』は世界中の劇場で完売を記録し、現代映画史における本作の不朽の影響力を証明する結果となっています。

ネタバレ

【以下、結末まで含むネタバレを多数含みます】

クライマックスでは、9名の旅の仲間がモリアの坑道に入り込みます。古いドワーフの王国が荒廃し、サウロンの軍団のオーク達が住み着いている場所で、9人は『バリンの墓』を発見し、ドワーフの全滅の歴史を目撃します。続いて巨大な洞窟トロールとの戦闘で、フロドが胸に槍を受けますが、ビルボから受け継いだミスリル(銀色の至宝の金属)の鎖帷子が彼の命を救います。

そして9人がモリアの最深部の橋に到達した時、シリーズで最も衝撃的な場面が展開されます。古代の闇の竜のような怪物『バルログ』が地下から現れ、ガンダルフがそれと対峙する『カザド=ドゥムの橋』のシーン。ガンダルフは『お前は通れない!(YOU SHALL NOT PASS!)』と叫んで、自分の魔法の杖で橋を打ち砕き、バルログを地下深くへと引きずり落とします。しかしバルログの最後の鞭がガンダルフの足に巻きつき、ガンダルフ自身も橋から地下深くへと落下してしまうのです。彼の最後の言葉は『逃げよ、愚か者よ(Fly, you fools!)』。

ガンダルフを失った旅の仲間は、深い悲しみの中でロスローリエン(黄金の森)へと向かいます。エルフの女王ガラドリエルとの会見で、フロドは彼女に『一つの指輪をあなたに差し上げる』と申し出ます。ガラドリエルはその瞬間に『闇の女王』としての姿を一瞬見せますが、最終的に『指輪を持つことを試練を受けた、けれど私は通った。私はガラドリエルとして残ろう』と語り、誘惑を退ける名場面を見せます。

旅の仲間はアンドゥインの川を下って南へと向かいますが、終盤で大きな悲劇が発生します。ボロミア(ゴンドールの執政の長男)が指輪の誘惑に屈して、フロドから指輪を奪おうとします。彼は『私はあなたに指輪を渡してくれと頼んでるだけだ!』と叫び、フロドに襲いかかります。フロドは咄嗟に指輪をはめて姿を消し、ボロミアから逃れますが、その瞬間に大量のオーク兵に襲われる事態となります。

ボロミアは正気を取り戻し、メリーとピピンを守るために何本もの矢に貫かれながら戦い、英雄的な最期を遂げます。彼の最後の言葉は『私は失敗した、王よ』とアラゴルンへ向けたもので、シリーズ屈指の悲痛な犠牲場面となります。アラゴルンは彼の頭に手を当てて『あなたは平和の中に逝かれよ、ゴンドールの息子よ。あなたは輝かしく戦った。今こそ眠れ』と告げます。

フロドは『これは私一人の運命だ』と決意し、サムを連れて単身モルドールを目指して川を渡ろうとします。しかしサムは『あなたを置いて行かない』と必死で水に飛び込み、辛うじてフロドの船に乗り込みます。サムが言うのです——『パパさんに約束したからね、ミスター・フロドさんを置き去りにしないって』。フロドはサムに微笑んで『一緒だね、サム。私たち一緒だ』と答え、二人はモルドールへと旅立ちます。

メリーとピピンはボロミアの最後の戦いの最中にウルク=ハイの集団に拐われてしまい、アラゴルン、レゴラス、ギムリの3人は救出のために彼らを追跡することを決意。旅の仲間は3つに分かれることになります——フロドとサムはモルドールへ、メリーとピピンは捕囚として、アラゴルン・レゴラス・ギムリは追跡者として。第1部は、9人の旅の仲間が分かれた状態で幕を閉じます。

本作のラストの『これは終わりではない、これは始まりに過ぎない』という余韻は、続編『二つの塔』『王の帰還』への壮大な期待を最大限に高める完璧なエンディングとなりました。

トリビア

■ モリアのバルログのデザイン: バルログは『火と影の悪鬼』として描かれ、ピーター・ジャクソンとWeta Workshopが何ヶ月もかけて『どう見せるか』を議論しました。最終的に巨大な火の翼を持つ角獣の姿で表現され、当時のVFXとしては最高水準の出来栄えとなりました。

■ ガンダルフの『お前は通れない』: イアン・マッケランがバルログに向けて叫ぶ『YOU SHALL NOT PASS!』は、シリーズ全体で最も引用されるセリフの一つです。原作小説では『You cannot pass!』(あなたは通れない)ですが、映画では『YOU SHALL NOT PASS!』(お前は通すまじ!)に変更されました。マッケラン自身がこのセリフのリズム感を強くするために提案した変更だったと言われています。

■ ニュージーランドのロケ: 本作の中つ国は実際にニュージーランドの南島と北島の絶景を多数ロケ撮影に使いました。ホビット庄(ホビトン)の村セットは北島マタマタの牧場に建造され、現在も観光地として『ホビトン映画セットツアー』で訪問可能。撮影後にも完全な状態で保存されている数少ないハリウッド映画セットの一つです。

■ ヴィゴ・モーテンセンの代役起用: アラゴルン役は当初スチュアート・タウンゼントが起用されていましたが、撮影開始数日前に解雇されました。ピーター・ジャクソンは『若すぎる』『野性味が足りない』と判断、ヴィゴ・モーテンセンに白羽の矢が立ちました。彼は撮影開始前わずか3日で台本を読んで現場入りし、シリーズの重要キャラクターを演じ始める異例のスタートとなりました。

■ 3部作の同時撮影: ロード・オブ・ザ・リング3部作は驚くべきことに、3作全てを連続して撮影するという『同時撮影方式』で制作されました。撮影期間は1999年10月から2000年12月までの15ヶ月で、その後3年がかりで編集と特殊効果を完成させていきました。これは映画史上最も野心的な制作プロジェクトの一つです。

■ ホビットの身長表現: 4人のホビット(フロド、サム、メリー、ピピン)の身長を低く見せる撮影には、複数の手法が使われました。実物大セットと小さいスケールセットを使い分ける『2つのスケール撮影』、撮影中に役者を椅子の高さで調整する手法、CG処理など。これらの組み合わせで違和感のないホビット像を実現しました。

■ アカデミー賞4部門受賞: 本作で受賞した『撮影賞』(アンドリュー・レスニー)『作曲賞』(ハワード・ショア)『メイクアップ賞』『視覚効果賞』は、ファンタジー映画としては史上最大級のオスカー受賞数の一つでした。とくにアンドリュー・レスニーの撮影はニュージーランドの絶景を最大限に活かした傑作として、映画史的にも高く評価されています。

■ ハワード・ショアの音楽: ハワード・ショアの『一つの指輪のテーマ』『ホビット庄のテーマ』は、現代映画音楽の最高傑作として批評家から絶賛されました。彼の音楽はシリーズ全3作で90以上の主題が作られており、ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』に匹敵するスケールの『ライトモティーフ(主題)』体系を構築した偉業として記録されています。

■ 削除シーンとエクステンデッド版: 劇場公開版は2時間58分でしたが、後発のDVDで公開された『スペシャル・エクステンデッド・エディション』(完全版)は3時間28分の30分追加映像入り。さらに『ホビット庄の延長シーン』『リヴェンデルの会議の延長』『ガラドリエルの庭園』など重要なシーンが多数復活しており、原作ファンにとっては完全版こそが『真の本作』とされています。

■ ピーター・ジャクソン監督のカメオ出演: ピーター・ジャクソン監督は本作とシリーズ全3作にカメオ出演しています。本作ではブリー村の宿屋で人参をかじっているホビット族の役で映ります。彼の妻フラン・ウォルシュ、子供たちもホビット役として出演しており、家族総出のカメオ出演は3部作の伝統となりました。

撮影裏話

ピーター・ジャクソン監督が本作で取り組んだ最大の挑戦は、トールキンの不朽の名作『指輪物語』を『現代映画として完全に成立させる』ことでした。それまでに『指輪物語』の映像化は1978年のラルフ・バクシ監督によるアニメ版『指輪物語』しかなく、実写化は『不可能なプロジェクト』とハリウッドでは長年議論されていました。ジャクソン監督は妻フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエンと共に5年がかりで脚本を完成させ、ニュー・ライン・シネマの幹部から3部作の指揮を任される驚くべき決断を勝ち取りました。

3部作を同時に撮影するという『前例のない決断』は、当時のハリウッドでは大胆すぎる選択でした。ニュー・ライン・シネマは2億8100万ドル(3部作合計)という巨額の予算を投じ、もし本作が失敗すれば会社が倒産しかねない大ギャンブルでした。しかしジャクソン監督は『3作を別々に撮るより、ニュージーランドのロケ地を最大限活用するなら一気に撮るべき』『主役のキャラクターたちが3作にわたって同じ年齢で見える必要がある』『コストパフォーマンス的にも一気撮りの方が安い』というロジックで関係者を説得しました。

プロダクション・デザインのグラント・メジャーとアラン・リーは、トールキンが描いた中つ国の世界観を完璧に視覚化する偉大な仕事を成し遂げました。ホビット庄、ブリー村、裂け谷、モリア、ロスローリエン——それぞれの場所が完全に異なる文化と建築様式を持つよう細部まで作り込まれ、現実の英国の田園・スコットランドの山岳・スカンジナビアの北欧建築・古代ペルシャの壮大な石造などをモチーフに、種族ごとの個性を視覚化しました。アラン・リーはトールキンの公式イラストレーターとして長年活動してきた人物で、彼の参加が本作の世界観の本格性を保証する決め手となりました。

衣装担当はナイラ・ディクソンとリチャード・テイラー。ナイラ・ディクソンは英国の名衣装デザイナーで、本作のために6万着以上の衣装を制作。中つ国の各種族(ホビット、エルフ、ドワーフ、人間)の衣装はすべて手作業で縫われ、エルフの繊細な刺繍やドワーフの鎖帷子は数百人の縫製職人が何ヶ月もかけて完成させました。

VFX面では、ピーター・ジャクソン監督が共同設立したニュージーランドの特殊効果会社『Weta Digital』と特殊メイク会社『Weta Workshop』が中心となって作業を担当。Weta Digitalはバルログ、サウロンの目、巨大トロール、洞窟トロールなどのCG怪物を作り上げ、Weta Workshopはホビットの足、エルフの耳、ドワーフの髭、オークの傷だらけの肌などの特殊メイクを担当。とくにオーク役の俳優は朝早くから何時間もメイクを受ける過酷な撮影が続きました。

音楽担当のハワード・ショアは、本作のためにロンドン交響楽団とロンドン・フィルハーモニー合唱団を起用した壮大なオーケストラ・スコアを作曲。彼は事前にトールキンの原作を熟読し、各登場人物・場所・種族ごとに『ライトモティーフ(主題)』を作る膨大な仕事に挑みました。彼が作り上げた音楽体系は『現代映画音楽の最高峰』として、第74回アカデミー賞作曲賞受賞という形で評価されました。

撮影監督アンドリュー・レスニー(オーストラリア出身)はピーター・ジャクソン監督との初コンビで、ニュージーランドの絶景を映画史に残る形で記録した偉大な仕事を成し遂げました。彼は『中つ国の壮大な風景は、ニュージーランドの大自然そのものを撮るのが正解』というシンプルなアプローチで、CGに頼らない実景の壮大さを画面に焼きつけました。彼の仕事は第74回アカデミー賞撮影賞受賞という形で評価されました。

撮影期間中の俳優たちの絆も伝説的です。9名の旅の仲間を演じた俳優たちはニュージーランドで15ヶ月間共に過ごし、家族のような関係を築いていきました。ヴィゴ・モーテンセンは『撮影最終日が私の人生で最も悲しい日だった』と語り、9人全員が今も親友関係を維持しています。9人で同じ『一つの指輪』のタトゥーを腕に入れたという有名なエピソードもあり、シリーズの撮影は単なる映画製作を超えた『人生の体験』として彼らに刻まれました。

本作はファンタジー映画というジャンルの可能性を世界に示し、続く『ハリー・ポッター』シリーズや『ナルニア国物語』などのファンタジー映画ブームの火付け役となりました。本作なくしては現代の『大規模ファンタジー映画フランチャイズ』というビジネスモデルは成立しなかったと言っても過言ではないでしょう。ピーター・ジャクソン監督は本作の成功で世界的名匠としての地位を確立し、続編『二つの塔』『王の帰還』、そして前日譚『ホビット』3部作と、合計6作の中つ国シリーズを監督する偉大なキャリアを築き上げていきます。