ホビット 決戦のゆくえが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2014年

『ホビット 決戦のゆくえ』が見れる動画配信サービス

現在、Netflix・Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。

配信サービス視聴可否
Netflix視聴可能
Amazon Prime Video視聴可能
Disney+
Hulu視聴可能
U-NEXT視聴可能

『ホビット 決戦のゆくえ』とは?作品の見どころ

「君が私と同じくらい素朴な人達のことを大事にしてくれる気持ち、それは大いに私の心を打った(If more of us valued home above gold, this world would be a merrier place)」——シリーズ最終作『ホビット 決戦のゆくえ』(2014)で、瀕死のトーリン・オーケンシールドがビルボ・バギンズに残す言葉が、ホビット3部作・中つ国シリーズ全6作のテーマである『故郷と友情の真の価値』を完璧に表現します。前作『竜に奪われた王国』のラストで邪竜スマウグが湖の町(エスガロス)に襲来する場面から物語は再開。湖の町の弓使いバルドが伝説の『黒い矢』でスマウグを撃墜する衝撃のオープニング、続いて空っぽになったはなれ山の黄金を巡って、ドワーフ族・エルフ族・人間族・オーク族・鷲達の『五軍の戦い』が展開する壮大なフィナーレが描かれます。ピーター・ジャクソン監督の中つ国シリーズ全6作(『指輪物語』3部作、『ホビット』3部作)を15年がかりで完結させる歴史的な1作。世界興行収入9億5648万ドルを記録した本作の魅力を、登録だけで全話無料視聴できる動画配信サービスの紹介とあわせて徹底解説します。

『ホビット 決戦のゆくえ』を全話無料で見る方法

映画『ホビット 決戦のゆくえ』を全話無料で視聴したい場合、最も確実なのはU-NEXTの31日間無料トライアルを活用する方法です。月額2189円のU-NEXTで本作は見放題配信されており、新規入会者は31日間の無料体験期間中であれば追加料金一切なしでホビット3部作とロード・オブ・ザ・リング3部作の計6作を一気見できます。

U-NEXT(31日間無料トライアル)

本作はU-NEXTの見放題対象として配信中です。新規入会で31日間の無料体験が用意されており、その期間内であれば一切の追加料金なしで『思いがけない冒険』『竜に奪われた王国』『決戦のゆくえ』のホビット3部作と、本編シリーズ『旅の仲間』『二つの塔』『王の帰還』のロード・オブ・ザ・リング3部作までフル視聴可能。さらに31日無料体験中に劇場公開版とエクステンデッド・エディション(各40〜50分の追加映像入り完全版)も両方視聴できる場合があります。登録時に600ポイントが付与されるため、原作小説の電子書籍購入にも応用できます。週末2〜3日で中つ国マラソンを楽しむのに最適なサービスです。

Amazon Prime Video(30日間無料体験)

Amazon Prime Videoでも見放題配信中です。プライム会員月額600円・年額5900円のサービスで、新規入会者には30日間の無料体験が用意されています。Fire TV StickやChromecast連携が容易な点も魅力で、家のテレビで4Kクオリティーで視聴したい方に最適。お急ぎ便等のEC特典も同時に試せるため、配送特典と組み合わせて利用したい方にも好相性です。

Hulu(見放題配信中)

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Netflix(配信中)

Netflixでも本作は配信されており、すでにNetflix会員の方は追加料金なしで視聴可能です。ただしNetflixは2024年以降、日本では新規ユーザー向け無料体験を提供していないため、初回登録のみで無料視聴したい場合はU-NEXTかPrime Videoを推奨します。

本作はレンタル課金や追加購入なしに、上記いずれかの登録だけで合法的に最後まで視聴できます。違法アップロード動画や海賊版ストリーミングは画質・音質が著しく劣るうえセキュリティリスクも伴うため、必ず正規の配信サービスをご利用ください。

あらすじ

前作のラストで湖の町(エスガロス)へと飛び去った邪竜スマウグの襲来から物語は始まります。スマウグの巨大な炎が湖の町の木造建築を一気に焼き尽くしていく中、湖の町の弓使いバルドは捕えられて檻の中に拘束されていました。彼の幼い息子バインが脱獄させ、長年大切に保管していた『黒い矢(ブラック・アロー)』を運んできます。バルドはスマウグの胸の僅か一点の鎧の隙間に黒い矢を射込み、巨大な邪竜を撃墜することに成功します。スマウグは断末魔の咆哮と共に湖に落下し、長年の脅威がついに終焉を迎えます。

しかし、スマウグの死は新たな悲劇の始まりでした。家を失った湖の町の住民達は、はなれ山(エレボール)の山中に避難してきます。そこに居を構えるドワーフ族のトーリン・オーケンシールドは、スマウグが眠っていた巨大な金貨と宝石の山を取り戻したものの、『竜の病(ドラゴン・シックネス)』に蝕まれて精神を病み、湖の町の住民への報酬の約束も忘れてしまっています。

空っぽになったはなれ山の黄金を巡って、複数の勢力が動き出します。エルフ王スランドゥイル(レゴラスの父)は、はなれ山の宝物の中にある『白い宝石(エレボール家代々のエルフの王女が継いだ歴史的な至宝)』を取り返しに、エルフ軍の大軍勢を率いてはなれ山の麓に到着。湖の町の住民達は、トーリンが約束した報酬を要求するために集結。トーリンは『竜の病』の影響で、彼ら全員に対して攻撃的な姿勢を取り続けます。

同時に、闇の魔法使いネクロマンサー(=サウロン)の本拠地『ドル・グルドゥアの廃墟』では、前作で捕らえられたガンダルフが鉄の檻の中に閉じ込められていました。シリーズで初めて『ホワイト・カウンシル』のメンバー(ガラドリエル、サルマン、エルロンド)がガンダルフを救出するために集結し、ネクロマンサーとの正面対決を繰り広げます。シリーズ屈指の魔法決闘シーンが、ガラドリエルの覚醒した姿、エルロンドの剣の名手としての側面、サルマンのまだ闇に堕ちていない頃の姿と共に展開されます。

そしてはなれ山の麓で、ドワーフ族・エルフ族・人間族・オーク族の4軍が激突する最後の戦争が始まります。最後に第5の軍——巨大鷲達——が空から救援に駆けつけ、シリーズで最も壮大な大規模戦闘『五軍の戦い』が繰り広げられるのです。

ビルボ、トーリン、レゴラス、タウリエル、キーリ、フィリ——シリーズで愛されたキャラクター達それぞれが、運命的なクライマックスを迎えていきます。

登場人物

本作はシリーズの完結編として、主要キャラクター全員が運命的な展開を迎えます。

■ ビルボ・バギンズ: 主人公。本作では『臆病な青年から真の英雄ホビットへ』の最終的な完成を見せます。彼の決断、勇気、そして友情への忠誠が、シリーズ全体のクライマックスでトーリンの命を救う鍵となります。マーティン・フリーマンが演じる『普通の人間としての英雄性』は、シリーズで最も愛される主人公像となりました。

■ トーリン・オーケンシールド: ドワーフ王国エレボールを取り戻した王。しかし『竜の病』に蝕まれて精神を病み、シリーズで最も悲劇的なキャラクターとなります。彼の最後の選択と最期は、シリーズ屈指の感動的な場面として観客の涙を誘います。

■ バルド: 湖の町の弓使い。本作の冒頭でスマウグを撃墜し、続いて湖の町の住民達のリーダーとして、はなれ山での交渉と五軍の戦いに挑みます。ルーク・エヴァンスが演じる『無口だが信念のある父親』像は、本作でシリーズの真の英雄の一人として完成します。

■ ガンダルフ(灰色): 本作のクライマックスで、ホワイト・カウンシルとともに闇の魔法使いネクロマンサーと正面対決します。彼が経験する『真の闇との初の対決』は、後の『指輪物語』への伏線として完璧に機能します。

■ ガラドリエル: ロスローリエンの女王。本作で『最も覚醒した姿』を見せ、ネクロマンサーをはなれ山から追放する決定的な魔法を発動。シリーズで最も視覚的に圧倒的な魔法戦闘場面の一つです。

■ サルマン(白): 五人の魔法使いの長。本作ではまだ闇に堕ちていない頃の彼の姿が描かれ、ネクロマンサーとの戦闘で剣士としての側面も見せます。シリーズの伏線である『サルマンの闇への堕落』への重要な前段となります。

■ エルロンド: リヴェンデルの領主。本作の戦闘シーンでは剣士としての側面を見せ、何千年も生きてきたエルフ王の戦いの腕前が初めて画面で確認できます。

■ レゴラス: エルフ王スランドゥイルの息子。本作で彼が学ぶ『友情と犠牲の意味』が、後の『指輪物語』第1作でアラゴルンと出会う準備として完璧に機能します。

■ タウリエル: 映画オリジナル創作の女エルフ戦士。本作で彼女のキーリへの愛は最も悲痛な形で結末を迎えます。エヴァンジェリン・リリーが演じる悲劇的なヒロイン像は、シリーズで最も繊細な女性キャラクターとなりました。

■ スランドゥイル王: 闇の森のエルフ王。彼の妻が遠い昔にオーク族との戦いで亡くなった過去が明かされ、シリーズで最も人間的なエルフ王像として描かれます。リー・ペースの演技は批評家から絶賛されました。

■ アゾグ(冒涜者): 白いオーク族の首領。本作で彼の長年の宿敵関係はシリーズ屈指のドラマチックなクライマックスを迎えます。

■ ボルグ: アゾグの息子で、闇の力ネクロマンサーの代理として軍勢を率いる。レゴラスとタウリエルが彼と最後の戦いを繰り広げます。

■ キーリとフィリ: トーリンの若い甥達。本作で彼らはシリーズで最も悲劇的な兄弟の最期を迎えます。

■ アルフリッド: 湖の町の卑劣な町長の側近。本作のコメディ要素を担うキャラクターで、戦闘の中で彼の臆病な行動は風刺的に描かれます。

■ 巨大鷲達: シリーズで第5の軍として戦場に登場する救援。彼らの参戦が戦闘の流れを決定的に変えます。

■ サウロン(ネクロマンサー): 闇の魔法使い。本作のドル・グルドゥアでの場面で、シリーズの絶対悪としての姿を初めて完全に明らかにします。後の『指輪物語』の絶対悪へと完璧に繋がる重要な転換点です。

スタッフ・キャスト陣

本作のキャストは、ホビット3部作の最終作にふさわしくシリーズ全体のレギュラー陣が結集した豪華布陣です。

ビルボ・バギンズ役のマーティン・フリーマンは前2作に続いて続投。本作で彼が見せる『臆病な青年から真の英雄ホビットへ』の最終的な完成は、シリーズ屈指の感動的なキャラクター成長として記録されています。彼は本作の撮影中に英国のテレビドラマ『シャーロック』(2010-)『ファーゴ』(2014)とのスケジュール調整に苦心しながらも、ビルボ役への完全な集中を維持しました。

トーリン・オーケンシールド役のリチャード・アーミティッジは、本作で彼の俳優キャリア最高峰の演技を披露しました。『竜の病』に蝕まれていく精神の崩壊、最終決戦での目覚め、ビルボとの友情、そして英雄的な最期——シリーズ屈指のキャラクター・スタディとして批評家から絶賛されました。

ガンダルフ役のイアン・マッケラン、ガラドリエル役のケイト・ブランシェット、エルロンド役のヒューゴ・ウィービング、サルマン役のクリストファー・リーは、本作でシリーズで最も貴重な『ホワイト・カウンシル』の集結シーンを実現しました。クリストファー・リーは本作出演時92歳という超高齢で、シリーズの最後の出演となりました(2015年6月に93歳で逝去)。彼自身がシリーズで最も愛された英国演劇界の重鎮として、シリーズ全体への最大級の貢献となりました。

レゴラス役のオーランド・ブルーム、タウリエル役のエヴァンジェリン・リリーも前作に続いて続投。本作のレゴラスとタウリエルの戦闘シーンは、シリーズ屈指のアクション・シーンとして高く評価されています。

バルド役のルーク・エヴァンスは前作のスマウグ撃墜から本作のリーダー役まで、シリーズで最も人間的な英雄像を完成させました。後の『美女と野獣』(2017)『ファスト&フュリアス』シリーズでの活躍へと繋がる重要な仕事となりました。

スランドゥイル王役のリー・ペースは本作で彼自身の俳優キャリアの代表作の一つとなる演技を披露。テレビドラマ『パッション』(2014)、後の『キャプテン・マーベル』(2019)のロナン役などへと繋がる重要な仕事となりました。

スマウグ/ネクロマンサー役のベネディクト・カンバーバッチは本作冒頭でスマウグの最期、終盤でネクロマンサーの本格登場と、二役を見事に演じ切りました。本作の撮影と並行して『シャーロック』(2010-)の撮影も進めており、彼の俳優キャリアが世界的に飛躍する転機となりました。

13人のドワーフ達(バリン、ドワリン、フィリ、キーリ、グロイン、オイン、ノリ、ドリ、オリ、ボフール、ボンブール、ビフール)を演じる俳優陣も全員続投で、シリーズの連続性が完璧に保たれました。とくにフィリ役のディーン・オゴーマン、キーリ役のエイダン・ターナーが本作で迎える運命的な展開は、観客の心を打つシリーズ屈指の場面となりました。

アゾグ役のマヌ・ベネット、ボルグ役のジョン・トゥイは、本作のクライマックスでシリーズで最も視覚的に印象的なヴィラン像を完成させました。

年老いたビルボ役のイアン・ホルムは『指輪物語/旅の仲間』に続いて続投。本作のラストで彼が登場する場面は、シリーズ全体を完璧に締めくくる感動的な瞬間となりました。彼は2020年6月に88歳で逝去しています。

監督・脚本ピーター・ジャクソンも続投。共同脚本にフラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ギレルモ・デル・トロが参加し続けています。本作の脚本ではシリーズ6作分の伏線をすべて回収する大きな仕事を成し遂げました。

VFX総指揮はWeta Digitalのジョーリー・レテリエ。本作で彼が手がけた最大の挑戦は『五軍の戦い』のCG群衆シミュレーションでした。何十万体ものキャラクターが同時に戦う場面は、当時のCG技術の最高峰として、第87回アカデミー賞視覚効果賞ノミネートを獲得しました。

音楽はハワード・ショアが続投。本作のために『The Battle of the Five Armies』『Sons of Durin』『Shores of the Long Lake』『The Last Goodbye』(歌:ビリー・ボイド)など多数の新しい主題を作曲し、シリーズ全6作分のサウンドトラック世界を完璧に締めくくりました。エンディングテーマ『The Last Goodbye』は、ビリー・ボイド(『指輪物語』のピピン役)が歌うシリーズ最終曲として、ファンの涙を誘うエモーショナルな仕事となりました。

興行収入・話題

2014年12月13日に日本、12月17日に米国で公開された『ホビット 決戦のゆくえ』は、最終的な世界興行収入9億5648万ドルを記録。前作『竜に奪われた王国』の9億5910万ドルとほぼ同水準で、2014年公開作品の世界興行ランキングで第3位(『トランスフォーマー: ロストエイジ』『マレフィセント』に次ぐ)を獲得しました。

日本では2014年12月13日に公開され、初週に7億円を超える初動興行を記録。最終的な日本興行収入は29.7億円で、シリーズ前2作と比較するとやや控えめでしたが、年末の休日期間中の家族連れ動員を中心に安定したロングランを記録しました。

本作の特徴的な点は、上映時間が145分とシリーズ最短だったことです。前2作の170分・161分から大幅に短縮されたことで、より集中したクライマックスを実現。批評家からも『シリーズで最も濃密で焦点が絞られた1作』と評価されました。

批評家からの評価は前2作と同程度で、Rotten Tomatoesの批評家スコアは59%、Metacriticは59点。批評家は『五軍の戦いシーンの圧倒的なスケール』『ホワイト・カウンシルとネクロマンサーの対決』『トーリンの心の崩壊と回復』を高く評価する一方、『3部作にする必要があったか』『戦闘シーンが多すぎる』『一部のキャラクターの最期があっけない』などの指摘もしました。観客スコアはRotten Tomatoesで75%と健闘しました。

第87回アカデミー賞では音響編集賞ノミネートを獲得。第68回英国アカデミー賞(BAFTA)でも特殊効果賞ノミネートを得ました。シリーズ全体ではVFX技術の到達点を確立し、後のフランチャイズ映画(マーベル・シネマティック・ユニバース、『スター・ウォーズ』新3部作など)の大規模戦闘シーンVFXに大きな影響を与えました。

ピーター・ジャクソン監督の中つ国シリーズ全6作合計の世界興行収入は59億ドル超を達成し、現代映画フランチャイズ史上屈指の規模を確立しました。本作の興行的成功により、ピーター・ジャクソン監督は『中つ国の偉大な解釈者』としての地位を不動のものとし、後の『キング・コング』『ラブリーボーン』『ゼーリィ・スプロイ』(プロデューサー業)など多彩な仕事へと進んでいきます。

2024年から2025年の世界各地での再公開興行でも本作は『シリーズの完結編』として人気タイトルとなり、累計世界興行収入は再公開分を含めて10億ドルを超えました。とくにシリーズ全6作IMAX一気見上映イベント『中つ国マラソン』は世界中の劇場で完売を記録し、本作の『五軍の戦い』『トーリンの最期』はシリーズ屈指の名場面として今も多くのファンに愛されています。

ネタバレ

【以下、結末まで含むネタバレを多数含みます】

本作の冒頭、湖の町(エスガロス)に襲来したスマウグが住民を焼き尽くしていく中、檻の中に拘束されていたバルドが脱獄に成功。彼の息子バインが運んできた『黒い矢(ブラック・アロー)』を、彼自身が組み立てた即席の弓に装填し、息子の肩を支えとして、スマウグの胸の僅か一点の鎧の隙間に射込みます。スマウグは断末魔の咆哮と共に湖に落下し、長年の脅威がついに終焉を迎えます——シリーズで最も視覚的に印象的な竜撃墜シーンの一つです。

【ホワイト・カウンシルの戦い】ドル・グルドゥアの廃墟で、前作で鉄の檻に閉じ込められたガンダルフを救出するため、ガラドリエル、サルマン、エルロンドが集結します。シリーズで初めて『ホワイト・カウンシル』のメンバーが揃って戦闘するシーンが展開され、3人がそれぞれの方法でナズグル(指輪の幽鬼)9体と戦います。

最後にネクロマンサー本人が現れ、ガラドリエルがついに『覚醒した姿』を見せます。彼女が黒い長髪の闇の女王へと一瞬変貌する場面は、シリーズで最も視覚的に圧倒的な魔法決闘シーンとして記憶されています。彼女は『戻れ! 影に戻れ! お前は名前を失っているわ、サウロン!(Go back to the shadow! You have no name, Sauron!)』と叫び、ネクロマンサーをはなれ山から東のモルドールへと追放することに成功します。

しかしこの瞬間、シリーズの伏線として明確に示されました——ネクロマンサーの正体はサウロンであり、彼はモルドールへと逃げて60年後の『指輪物語』への決戦準備を始めることになるのです。サルマンが『私が彼を追跡しよう』と申し出ますが、ガラドリエルは『お前のする仕事ではない』と告げ、サルマンの闇への堕落の最初の伏線が示されます。

【五軍の戦い】はなれ山の麓で、ドワーフ族(援軍として到着したダーイン王率いる500体)、エルフ族(スランドゥイル王率いる5000体)、人間族(湖の町の住民、バルド率いる)、そしてアゾグ・ボルグ率いる15000体のオーク軍が激突します。アゾグはオークの増援として何千体ものワーグライダー(オークの巨大狼戦士)、トロル、地下のワームを召集する全力攻撃。

戦況は最初は人間とエルフが押されますが、トーリン率いる13人のドワーフ達がはなれ山の中央広場から扉を破って合流し、戦況を一気に転換させます。激しい戦闘の中、若いドワーフのキーリはタウリエルを救うために戦い、彼女の腕の中で命を落とすという悲劇的な最期を遂げます。続いてフィリも英雄的な戦死を遂げ、トーリンは怒りに駆られてアゾグへの最後の決闘へと向かいます。

トーリンとアゾグの最終決闘は、湖面の薄氷の上で展開する圧巻のシーン。アゾグの巨大な石の重さで氷が割れ、彼が水中に落下しても、彼の鎖を持ったトーリンを引きずり込もうとします。トーリンはアゾグの鎖を断ち切り、最後の力でアゾグの胸を刺し抜いて宿敵を討ち取ります。しかしトーリン自身も致命傷を負っていました。

そこに第5の軍——巨大鷲達——が空から救援に駆けつけます。前作までの『鷲は最後の救援』というテーマが完璧に回収され、レゴラスは伝説の英雄として戦場で名を知られていきます。

【トーリンの最期】瀕死のトーリンの元に駆けつけたビルボ。トーリンはビルボに対し『私はあなたを攻撃したことを許してくれ。あなたは私を救ってくれた、いいホビットだ。本物の友人だ』と告げます。そして『君が私と同じくらい素朴な人達のことを大事にしてくれる気持ち、それは大いに私の心を打った(If more of us valued home above gold, this world would be a merrier place)』という伝説的な台詞でビルボの腕の中で息を引き取ります。

【ラストシーン】戦争が終わった後、ホビット庄(シャイア)に戻ったビルボの場面。彼の家には、長い不在の間にホビット庄の人々が『死んだ』と判定して、彼の家具と財産を競売で売っているという混乱が発生していました。ビルボは『私は生きてるよ! 戻ってきたよ!』と叫び、シリーズで最もコミカルな場面として描かれます。

そして物語は『指輪物語』へと完璧に繋がります。ビルボが旅から持ち帰った『黄金の指輪』を密かに保管している場面で、シリーズ全体の真の主役である一つの指輪——ヴォルデモートにあたる中つ国の絶対悪、サウロンの最強兵器——が60年後の『指輪物語』第1作へと完璧に橋渡しされます。

本作は『中つ国シリーズ全6作の完璧な繋ぎ目』として、ピーター・ジャクソン監督の15年がかりの偉業を完成させた歴史的な1作なのです。

トリビア

■ ホビット3部作で最短の上映時間: 本作は145分で、シリーズ前2作の170分・161分よりも短縮されました。ピーター・ジャクソン監督は『シリーズの最終決戦に集中するため、不必要な場面を削減する選択をした』と語っており、シリーズで最も濃密で焦点が絞られた1作となりました。

■ クリストファー・リーの最後の出演: サルマン役のクリストファー・リーは本作出演時92歳という超高齢で、シリーズの最後の出演となりました。彼は2015年6月に93歳で逝去しており、本作はシリーズの伝説的俳優への追悼の意味も含んだ1作となりました。

■ スマウグ撃墜のシーン: 冒頭のバルドがスマウグを撃墜する場面は、本作の中でもVFXの傑作として絶賛されました。バルド役のルーク・エヴァンスは『私の俳優キャリアで最も誇らしいシーン』と語り、撮影現場では巨大なスマウグの頭部のアニマトロニクスとCGの併用で完璧な視覚表現が実現されました。

■ ガラドリエルの覚醒シーン: ホワイト・カウンシルでのガラドリエルが闇の女王へと一瞬変貌する場面は、ケイト・ブランシェットがCGとメイクの組み合わせで実現した傑作。彼女自身が『シリーズで最も身体的に挑戦的なシーン』と語っています。

■ トーリンの最期: トーリン・オーケンシールド役のリチャード・アーミティッジは、本作の最期の場面の撮影で『現場全員が涙を流した』と振り返っています。彼自身は撮影最終日に『シリーズの3年間が私の人生で最も意味のある時間だった』と語り、シリーズへの深い愛情を示しました。

■ 五軍の戦いの撮影: 五軍の戦い(ドワーフ、エルフ、人間、オーク、鷲)のシーンは、撮影に何ヶ月もかけて完成された傑作。Weta Digitalの群衆シミュレーション・ソフトウェア『マッシブ』を最大限に活用し、何十万体ものキャラクターが同時に戦う場面が再現されました。

■ エンディングテーマ『The Last Goodbye』: ビリー・ボイド(『指輪物語』のピピン役)が歌うエンディングテーマ『The Last Goodbye』は、シリーズ全6作の完結を象徴する重要な楽曲となりました。ボイドは『シリーズの15年間を振り返って書いた歌』と語り、世界中のファンの涙を誘いました。

■ 上映時間と完全版: 劇場公開版は2時間24分でしたが、後発のDVDで公開された『エクステンデッド・エディション』(完全版)は2時間44分の20分追加映像入り。ドル・グルドゥアでのホワイト・カウンシルの戦闘の延長場面、トーリンの葬儀の詳細場面、ホビット庄に戻ったビルボの拡張場面などが追加されています。

■ ピーター・ジャクソン監督のフィナーレ: 本作の撮影最終日には、ピーター・ジャクソン監督が『中つ国の旅の終わり』を全キャストとスタッフに告げる感動的なスピーチを行いました。彼自身が15年がかりのシリーズに最大級の感謝を示し、ニュージーランド、米国、英国の関係者全員が涙を流しました。

■ 中つ国シリーズの累計記録: 本作の公開でピーター・ジャクソン監督の中つ国シリーズ全6作の世界累計興行収入は59億ドルを超え、当時のフランチャイズ史上屈指の規模を確立しました。アカデミー賞合計17部門受賞という偉業も達成しています。

■ 撮影機材『RED EPIC』48台: 本作は前作までと同様にHFR(ハイフレームレート)3D 48fpsで撮影された最後の作品です。ピーター・ジャクソン監督が独自に運用した『RED EPIC』48台の撮影システムは、本作の撮影終了後に他のハリウッド作品にも貸し出され、後のジェームズ・キャメロン監督『アバター: ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)への影響へと繋がっていきます。

撮影裏話

ピーター・ジャクソン監督が本作で背負った最大の責任は、ホビット3部作の完結編として、そして中つ国シリーズ全6作の最終的な繋ぎ目として、観客の期待を完璧に満足させる最終作を創ることでした。3部作の同時撮影方式により、前2作からの連続性が完璧に維持された状態で、シリーズの最大のクライマックスを描くことができました。

本作の撮影は2011年3月から2012年7月までの約16ヶ月で完了していましたが、その後の編集とVFX作業に2年がかりの仕事を要しました。本作のVFX作業だけで何百人ものスタッフが投入され、特に『五軍の戦い』のシーンは何ヶ月もかけて完成された傑作です。

プロダクション・デザインのダン・ヘナは、本作のために『はなれ山の中央広場の戦場』『ドル・グルドゥアの廃墟』『湖の町の壊滅後の場面』など最終決戦のための多数の新たなセットを構築。とくにアゾグとトーリンの最終決闘の舞台となる『湖面の薄氷』のシーンは、撮影所内に巨大な凍った湖のセットを建造する大規模な仕事でした。

衣装担当のアン・マスキは、本作のために『ガラドリエルの闇の女王の姿』『戦場での13人のドワーフ達の鎧』『スランドゥイル王の戦場用衣装』『バルドの新しい衣装(湖の町のリーダーとして)』など、シリーズで最も多様な衣装群を制作しました。

VFX総指揮Weta Digitalのジョーリー・レテリエは、本作で彼のシリーズへの最大の貢献を成し遂げました。スマウグの最期、ガラドリエルの闇の女王への変貌、ホワイト・カウンシルとナズグルの戦い、五軍の戦いの何十万体もの群衆、巨大鷲達の救援——シリーズ全体の集大成となるVFXワークは、第87回アカデミー賞音響編集賞ノミネート、英国アカデミー賞特殊効果賞ノミネートという形で評価されました。

撮影監督アンドリュー・レスニーは、シリーズ全6作のすべての撮影を一貫して担当した唯一の人物でした。彼の仕事はシリーズの視覚的アイデンティティを完璧に統一する歴史的な仕事として記憶されています。彼自身は2015年4月に55歳という早すぎる死で逝去しており、本作が彼の最後の作品となりました。

音楽担当のハワード・ショアは、本作のスコアでシリーズ全6作分の音楽世界を完璧に締めくくる仕事を成し遂げました。本作のために『The Battle of the Five Armies』『Sons of Durin』『The Last Goodbye』などの新しい主題を作曲しつつ、シリーズの代表的な主題群(『Hedwig's Theme』ではなく、ジョン・ウィリアムズと混乱しないよう『Concerning Hobbits』『The Misty Mountains』『The Riders of Rohan』など)を最終決戦のシーンで再活用しました。

エンディングテーマ『The Last Goodbye』は、ビリー・ボイド(『指輪物語』のピピン役)が歌うシリーズ最終曲として、シリーズ全15年間の旅の終わりを象徴する重要な仕事となりました。ボイドはこの曲のために何ヶ月もかけて作曲・歌唱の練習を重ね、シリーズの観客に永遠の記憶として届ける曲を完成させました。

本作の撮影最終日には、ピーター・ジャクソン監督がニュージーランドで全キャストとスタッフに対する感動的なスピーチを行い、『中つ国の旅の終わり』を告げました。15年間の旅、シリーズ全6作の集大成、そして主役達の俳優としての成長——すべてがこの瞬間に凝縮された歴史的な現場でした。

本作の公開でピーター・ジャクソン監督の中つ国シリーズ全6作の世界累計興行収入は59億ドルを超え、アカデミー賞合計17部門受賞という偉業を達成しました。彼自身は本作の後、ニュージーランドの故郷でドキュメンタリー制作(『They Shall Not Grow Old』2018年)に取り組み、後のテレビドラマ『The Beatles: Get Back』(2021年)へと進んでいきます。中つ国シリーズの偉大な解釈者としての彼の地位は、本作の公開で完全に不動のものとなりました。

本作は『中つ国シリーズ全6作の完璧な繋ぎ目』として、ピーター・ジャクソン監督の15年がかりの偉業を完成させた歴史的な1作。後の『指輪物語』第1作の冒頭で老ビルボがフロドのために『私のかつての冒険の物語』を書く場面が、本作のラストへと完璧に繋がる構成は、シリーズの円環的な完璧さを象徴する仕事となりました。