借りぐらしのアリエッティが無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2010年

『借りぐらしのアリエッティ』が見れる動画配信サービス

現在、主要な動画配信サービスでは配信されていません。

配信サービス視聴可否
Netflix
Amazon Prime Video
Disney+
Hulu
U-NEXT

『借りぐらしのアリエッティ』とは?作品の見どころ

床下に住む身長十センチほどの「小人」たちが、人間の家から角砂糖や画鋲を「借り」て暮らしている――『借りぐらしのアリエッティ』は、そんな秘密の隣人たちと、心臓の手術を控えて療養に来た少年・翔が、ひと夏のあいだ静かに交わる物語です。芝生の隙間から見上げる空、玄関先のミニチュアの森、台所の梁を駆けるアリエッティの姿。すべての景色が小人の目線で描き直されることで、観客は普段見過ごしている家のなかの細部に、もう一度子どもの頃の好奇心を呼び戻されます。

本作は2010年7月17日に公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画。米林宏昌監督の長編デビュー作で、当時37歳だった米林はジブリ史上最年少の監督として注目を集めました。原作はイギリスの作家メアリー・ノートンが1952年に発表した児童文学『床下の小人たち』(原題: The Borrowers)。脚本は宮崎駿と丹羽圭子、製作はスタジオジブリ、配給は東宝、プロデューサーは鈴木敏夫、音楽はフランス人歌手のセシル・コルベル。

見どころは、舞台がほぼ「ある一軒の屋敷とその庭」に絞られた、息遣いの近い物語の純度です。アリエッティと翔の間に芽生える短い友情、それが二人の人生にどんな小さな光をもたらすのか――決して大事件は起きないのに、観客の心に長く残る一作として記憶されます。

『借りぐらしのアリエッティ』を全話無料で見る方法

結論として、2026年4月時点で『借りぐらしのアリエッティ』を国内主要動画配信サービス(Netflix・Amazon Prime Video・Disney+・Hulu・U-NEXT)の見放題で視聴することはできません。スタジオジブリは長らく日本国内における自社作品のサブスク配信を行わない方針を貫いており、本作も同じ枠組みに含まれます。登録するだけで全話無料視聴できる国内のサブスクは現状存在しないというのが前提です。

TSUTAYA DISCAS(宅配DVD/Blu-rayレンタル)

国内で本作を比較的安価に視聴できる代表的なルートがTSUTAYA DISCASです。会員登録後にDVDやBlu-rayが郵送で届く宅配レンタルサービスで、ジブリ作品の在庫が豊富で安定しています。本作は旧作扱いのため、ディスク1枚あたりのレンタル料金は数百円台。新規登録時に無料お試し期間や割引クーポンが提供されている時期もあるため、登録時点の最新案内を確認しておくと効率的です。

海外版Netflix(VPN経由)

スタジオジブリは日本・アメリカ・カナダを除くNetflixの190以上の国・地域で自社作品を配信しています。海外居住者や、合法的に契約しているVPNサービスを利用しているユーザーであれば、海外版Netflixで本作を視聴できます。Netflixの利用規約上、日本居住者がVPNを使って海外コンテンツを視聴することは推奨されていない点には注意してください。

HBO Max(米国・カナダ)

北米ではWarner Bros.DiscoveryのHBO MaxがGKIDSと提携してジブリ作品を配信しています。米国・カナダに居住している方や、現地に契約者の家族・知人がいる場合は、こちらが選択肢となります。

Blu-ray・DVD購入

最も確実な視聴方法はディスクの購入です。ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンからBlu-ray・DVDが発売されており、Amazonや家電量販店で安定して入手できます。映像特典として絵コンテや予告編集、米林宏昌監督による解説などが収録されているリリースもあり、長編デビューに至る経緯を追いたい人にも価値があります。

金曜ロードショー

日本テレビ系『金曜ロードショー』では本作が定期的に放送されており、ジブリ作品としては比較的編成機会の多い一作です。最新の編成情報を公式サイトで定期的にチェックしておくと、無料で視聴できる機会を逃しません。

あらすじ

床下の家族と「借り」の儀式

物語の舞台は、東京郊外の閑静な住宅街にひっそりとたたずむ、長く家政婦のハルさんが管理してきた古い洋館。庭には深い緑が広がり、屋敷の床下には、人間に見つからないように暮らす身長十センチほどの「小人」の家族が住んでいます。父・ポッド、母・ホミリー、そして十四歳の娘・アリエッティ。彼らは生活に必要な品を人間の家から少しずつ「借り」て暮らしており、その夜、アリエッティは父に連れられ、はじめての「借り」へと出かけることになります。

台所の壁を伝い、棚に立てかけたピンを足場に、二人は角砂糖と一枚のティッシュを目当てに人間の生活空間へと潜入します。ところが、ティッシュを取ろうとした瞬間、アリエッティは屋敷の二階で休んでいた少年・翔と目が合ってしまいます。「借り」の鉄則は「人間に見られたら住みかを変える」こと。家族の運命を握る重大な出来事として、アリエッティは父からその夜の出来事を厳しく咎められます。

翔との出会いと、家政婦ハルの執着

少年・翔は心臓の手術を控え、静かに体力を整えるために屋敷に滞在していました。彼はかつて母から、この家には小人が住んでいる、いつかきみにも会えるかもしれない、という話を聞いていたのです。庭で偶然再会したアリエッティに、翔はそっと話しかけます。アリエッティは父の言いつけに反して翔と短い言葉を交わすうちに、人間と心を通わせることもできるのではないかと感じ始めます。

一方、屋敷を長年仕切ってきた家政婦のハルは、屋敷の片隅にあった人形用の家具が時折動いていることに気づき、小人の存在を確信していきます。ハルは「捕まえれば珍しい見世物として有名になれる」と考え、業者を呼んで床下を掘り起こす計画を進めます。アリエッティ一家は安息の地を奪われ、別の住みかへ引っ越す決断を迫られます。

引っ越しの夜

物語の終盤、アリエッティ一家はハルから母を救出し、屋敷を出る準備を進めます。翔は彼らを庭の小川まで送り、アリエッティに自分の心臓の手術を信じるための覚悟を語ります。ふたりが交わすささやかな約束は、声高に叫ばれることなく、夜風と虫の音のなかにそっと織り込まれていきます。

登場人物

アリエッティ(声:志田未来)

本作の主人公。屋敷の床下で家族と暮らす十四歳の小人の少女。明るく好奇心旺盛で、父について行く初めての「借り」に胸を躍らせる多感な年頃です。人間の翔と出会ったことで、家族の暮らしを守ることと、新しい誰かと心を通わせることの間で揺れる思春期の感情が描かれます。志田未来の透き通った発声が、少女の躍動と内省の両方を見事に支えました。

翔(声:神木隆之介)

生まれつき心臓に病を抱え、夏の手術を控えて屋敷で静養している少年。母方の実家にあたるこの家で、亡き母から聞いた小人の話を心に温めてきました。アリエッティとの出会いを通じて、自分自身の弱さと向き合う勇気を少しずつ取り戻していきます。神木隆之介の落ち着いた発声が、思慮深く、それでいて寂しさを抱えた少年の輪郭を鮮明に立ち上げます。

ポッド(声:三浦友和)

アリエッティの父で、小人家族の大黒柱。長年の経験を持つ熟練の「借り手」で、寡黙ながら家族を守ることに揺るぎない意志を持っています。荷物の運搬から家族の引っ越しの陣頭指揮までを、無駄なく的確にこなす姿は、観客に職人的な信頼感を抱かせます。

ホミリー(声:大竹しのぶ)

アリエッティの母で、家事を取り仕切る心配症の女性。住みかを失う恐怖に怯えやすい性格ですが、家族への愛情は深く、家のなかを花や工夫で温かく彩る感性を備えています。

ハル(声:樹木希林)

屋敷を長く管理してきた家政婦。物語の悪役的な役どころを担いますが、単なる嫌な人間ではなく、長年の屋敷暮らしの中で「自分にしか気づけない秘密」を確信し、それを人前で証明したいという執着に取り憑かれた、現実味のあるキャラクターとして描かれます。樹木希林の独特の声色が、彼女の偏執と人間味の両方を際立たせます。

翔の大叔母・貞子(声:竹下景子)

屋敷の所有者で、翔を療養のために招き入れた優しい老婦人。屋敷の歴史と家族の絆をやわらかな言葉で語り、翔とアリエッティの物語をそっと包み込む大人の存在として機能します。

スピラー(声:藤原竜也)

物語の終盤に登場する、流浪の小人の少年。野生児然とした風貌と機敏な動きを持ち、アリエッティ一家が新しい住みかへ向かう旅を案内する役を担います。短い登場ながら、小人世界の広がりを観客に予感させる重要なキャラクターです。

スタッフ・キャスト陣

監督は米林宏昌。スタジオジブリ初の長編監督作にして、本作の制作開始時点では37歳と、ジブリ史上最年少の監督として注目を集めました。米林は『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』で原画・作画監督補として宮崎駿のもとで腕を磨いた人物で、自身の感性と緻密な作画力をひとつにまとめ上げる新世代の旗手として期待を担っての登板でした。

企画・脚本は宮崎駿と丹羽圭子。原作はイギリスの児童文学作家メアリー・ノートンが1952年に発表した『床下の小人たち』(原題: The Borrowers)で、宮崎駿は若い頃にこの作品を読んで強い愛着を抱き、いつか映画化したいと長く構想を温めていたといわれます。プロデューサーは鈴木敏夫。

音楽はフランス人ハープ奏者・歌手のセシル・コルベル。ケルト音楽の影響を受けたアコースティックな楽曲群が、小人たちの暮らす屋敷の静かな空気にぴったりと寄り添い、本作を上質なヨーロッパ映画のような気品で満たしています。主題歌『Arrietty's Song』は本編の挿入歌としても使われ、コルベルがフランス語・日本語・英語の複数言語で歌唱しているのが特徴です。

作画監督は賀川愛・山下明彦。美術監督は武重洋二・吉田昇。屋敷と庭の緻密な構図、苔と砂利と木漏れ日が織りなす細部の描写に、長期間の取材と背景設計が注ぎ込まれています。

主演キャスト

アリエッティ役の志田未来は、子役時代からドラマ・映画で活動してきた俳優で、本作の収録時点で17歳。落ち着きと若さを併せ持つ発声が、十四歳の小人の少女に等身大の説得力を与えました。

翔役の神木隆之介は『ハウルの動く城』のマルクル役以来のジブリ参加で、当時16歳。心臓を病む少年の繊細さと寂しさを、抑え気味のトーンで丁寧に表現しました。

ポッド役の三浦友和、ホミリー役の大竹しのぶ、ハル役の樹木希林、貞子役の竹下景子といったベテラン俳優陣が脇を固め、本作は声の老熟と若さのコントラストが見事に融合した作品となっています。スピラー役の藤原竜也は舞台と映画で長く活動する実力派で、短い登場ながら強烈な印象を残します。

興行収入・話題

興行収入・話題

『借りぐらしのアリエッティ』は2010年7月17日に東宝配給で全国公開され、最終的な国内興行収入は約92.5億円、観客動員はおよそ765万人を記録しました。同年の邦画興行ランキングで第1位を獲得し、夏休み映画として家族層を中心に圧倒的な動員を集めた作品です。世界興行収入は累計で約1億4500万米ドルにのぼり、北米ではディズニー配給で『The Secret World of Arrietty』のタイトルで広く公開されています。

米林宏昌監督の長編デビュー作にして商業的成功を収めたことは、ジブリの世代交代という観点でも大きな意味を持ちました。鈴木敏夫プロデューサーは公開後のインタビューで「米林の代の監督が育つことが、ジブリの今後にとって何より重要だった」と振り返っています。

評価・受賞歴

第34回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞、第65回毎日映画コンクールアニメーション映画賞、第13回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞ほか、国内主要アニメ系賞でほぼ総なめにしました。海外でも英国アカデミー賞長編アニメーション部門ノミネート、Annie賞ノミネートなど、幅広い評価を獲得しました。

批評集約サイトのスコアではジブリ作品のなかでも上位に位置し、特に米国の批評家からは「Studio Ghibliの新世代を予感させる繊細な小品」と高く評価されました。米林監督はその後『思い出のマーニー』、独立してスタジオポノックでの『メアリと魔女の花』『屋根裏のラジャー』へと続く長編キャリアを築き、本作はその出発点として今も再評価が続いています。

ネタバレ

※ここからネタバレを含みます。

クライマックス

物語の終盤、家政婦ハルはアリエッティ一家の住みかを暴き、母ホミリーを瓶に閉じ込めて捕獲することに成功します。ハルは小人の存在を世間に証明することに執心しており、業者を呼んで本格的な駆除を依頼するつもりでした。アリエッティは床下の家を抜け出し、翔の部屋に向かって助けを求めます。翔は身体に負担をかけながらも、こっそり台所のクローゼットに侵入し、瓶からホミリーを救出します。

屋敷が大騒ぎになる前に、アリエッティ一家は急いで脱出することを決意し、翔の手で安全な場所まで運ばれます。庭の小川のほとり、流浪の小人スピラーが一家を新しい住みかへ案内するために待っていました。

結末が示すもの

別れ際、翔はアリエッティに自分の苦しい心臓の手術への不安を打ち明け、彼女からもらった「ピンクの髪留め」が、自分にとって生きる勇気そのものだと告げます。アリエッティもまた、人間と小人という超えがたい壁の中で、互いに会えない時間も互いを思い続けると静かに約束します。涙ながらの別れではなく、二人とも次の人生をしっかりと歩み出すための、清らかな決別として描かれます。

ラストシーンで、翔は静かに屋敷を出て、手術のための病院へと向かいます。彼の左手に握られているのは、アリエッティの髪留め。アリエッティは新しい住みかに向かう小川の流れの上で、青空を見上げます。本作の結末は、大きな勝利でも完全な解決でもなく、それぞれが自分の人生を生き続けることが、いちばん大切な答えだという穏やかな決着を観客に手渡してきます。

トリビア

  1. 本作は米林宏昌監督の長編デビュー作で、当時37歳の米林はスタジオジブリ史上最年少の監督として大きな注目を集めました。

  2. 原作はイギリスの児童文学作家メアリー・ノートンの『床下の小人たち』(原題: The Borrowers、1952年)。宮崎駿は若い頃にこの作品を読んで強い愛着を抱き、長く構想を温めていました。

  3. 音楽は本作の劇伴をフランスのハープ奏者・歌手セシル・コルベルが担当。ケルト音楽の影響を受けた繊細な楽曲群が、ジブリ作品としては珍しいヨーロッパ的な気品を生み出しました。

  4. アリエッティ一家の家具・小物は、人間が捨てたミニチュアや日用品から作られている設定。葉っぱを縫い合わせたカーテンや、押しピンの剣など、観客の想像力を刺激するデザインが随所に登場します。

  5. 米国版英語吹替は2作品制作されました。米国版(ディズニー配給)ではブリジット・メンドラーがアリエッティ役、デヴィッド・ヘンリーが翔役を担当。英国版ではサーシャ・ドーソンとトム・ホランドが起用されました。

  6. 本作の制作中、鈴木敏夫プロデューサーは米林監督に「自分の作りたい絵を貫いてほしい」と何度も助言したとされ、宮崎駿が脚本を担当しながらも演出は若手に任せる体制が徹底されました。

  7. 主題歌『Arrietty's Song』は、セシル・コルベル本人がフランス語・日本語・英語の3バージョンで歌唱したことで、海外公開でも違和感のない世界共通の歌として親しまれました。

撮影裏話

撮影の舞台裏

本作の制作は2009年初頭から2010年初夏までの約1年半に集中して行われました。米林宏昌監督にとっては初めての長編で、宮崎駿と鈴木敏夫プロデューサーが要所で意見を交わしながら、現場の演出はあくまで米林の判断に委ねる体制が敷かれました。米林は宮崎の絵コンテを参考にしつつも、自分のスケッチをふんだんに取り込み、より静謐で内省的なルックを構築していきました。

キャストの準備

アリエッティ役の志田未来は収録初期、台詞のテンポを掴むのに時間がかかったと振り返っています。米林監督は彼女に「アリエッティは小人だけれど、そのままの志田さんで構わない」と方針を伝え、自然体の発声を引き出していきました。翔役の神木隆之介は『ハウルの動く城』以来のジブリ参加で、抑え気味のトーンを徹底するため、収録のたびに監督と細かく擦り合わせを行いました。樹木希林、三浦友和、大竹しのぶといったベテラン陣はそれぞれの俳優としての持ち味を生かし、台本のリズムを自然な日常会話の延長として運んでいます。

技術的な挑戦

本作の最大の技術的挑戦は、小人の視点で世界を再構築することでした。屋敷の内部・庭・台所・床下といったすべての空間を「身長十センチの目線」で再設計し、人間の家具や日用品の質感を、巨大な構造物として描き直しています。美術スタッフは草の葉脈、苔の表面、木材の節目に至るまで何百枚ものラフスケッチを起こし、観客が没入できるスケール感を構築しました。

公開当時の余話

公開時、米林宏昌監督は当時の最年少監督として注目され、新人監督による商業大作という珍しい立ち位置で大きく報じられました。鈴木敏夫プロデューサーは「米林に大舞台を任せることがジブリの今後にとって何より重要」と語り、本作を起点に、麻呂(米林の愛称)を中心とした新世代スタッフの育成へと舵を切ったといわれています。