ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅が無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説

2016年

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が見れる動画配信サービス

現在、Netflix・Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。

配信サービス視聴可否
Netflix視聴可能
Amazon Prime Video視聴可能
Disney+
Hulu視聴可能
U-NEXT視聴可能

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』とは?作品の見どころ

「魔法生物は怖くない、ただ理解されていないだけ」——シリーズ第1作のニュート・スキャマンダーの優しい信念とともに、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016)はハリポタ世界の70年前へとタイムスリップさせてくれる魔法ファンタジーの新章開幕作です。原作者J.K.ローリング自身が映画脚本を初執筆した記念すべき1作で、舞台は1926年のニューヨーク。ホグワーツの『指定教科書』として登場した『幻の動物とその生息地』の編纂者・魔法動物学者ニュート・スキャマンダーが、トランクに収めた数十種類の魔法生物と共にアメリカに到着し、闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドの陰謀に巻き込まれていく壮大な物語が展開されます。デヴィッド・イェーツがハリポタ本編4作に続いて監督を担当、ハリポタ本編シリーズで唯一無冠だったアカデミー賞でも衣装デザイン賞を受賞という快挙を達成しました。エディ・レッドメイン(『博士と彼女のセオリー』アカデミー賞主演男優賞)主演、キャサリン・ウォーターストン、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、エズラ・ミラー、コリン・ファレル、そしてゲラート・グリンデルバルド役にはジョニー・デップというハリウッド超豪華キャストが集結。本作の魅力を、登録だけで全話無料視聴できる動画配信サービスの紹介とあわせて徹底的に解説します。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』を全話無料で見る方法

映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』を全話無料で視聴したい場合、最も確実なのはU-NEXTの31日間無料トライアルを活用する方法です。月額2189円のU-NEXTで本作は見放題配信されており、新規入会者は31日間の無料体験期間中であれば追加料金一切なしでファンタビ3部作とハリポタ本編8作の計11作を一気見できます。

U-NEXT(31日間無料トライアル)

本作はU-NEXTの見放題対象として配信中。新規入会で31日間の無料体験が用意されており、その期間内であれば一切の追加料金なしで『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』『黒い魔法使いの誕生』『ダンブルドアの秘密』のファンタビ3部作と、ハリポタ本編8作までフル視聴可能。登録時に600ポイントが付与されるため、原作小説の電子書籍購入にも応用できます。週末2〜3日でハリポタ世界全11作を一気見する『ホグワーツマラソン』にうってつけのサービスです。

Amazon Prime Video(30日間無料体験)

Amazon Prime Videoでも見放題配信中です。プライム会員月額600円・年額5900円のサービスで、新規入会者には30日間の無料体験が用意されています。Fire TV StickやChromecast連携が容易な点も魅力で、家のテレビでサクサク視聴したい方に最適。お急ぎ便等のEC特典も同時に試せるため、配送特典と組み合わせて利用したい方にも好相性です。

Hulu(見放題配信中)

Huluでも見放題配信中で、洋画ファンタジーが手厚いラインナップです。ただしHuluは2026年現在、新規ユーザー向けの恒常的な無料体験を実施していないため、『登録だけで完全無料』の観点では前述のU-NEXTかPrime Videoが最有力となります。すでにHulu加入中の方はそのまま追加料金なしで視聴できます。

Netflix(2025年12月より配信再開)

Netflixでも本作は配信されており、すでにNetflix会員の方は追加料金なしで視聴可能です。ただしNetflixは2024年以降、日本では新規ユーザー向け無料体験を提供していないため、初回登録のみで無料視聴したい場合はU-NEXTかPrime Videoを推奨します。

本作はレンタル課金や追加購入なしに、上記いずれかの登録だけで合法的に最後まで視聴できます。違法アップロード動画や海賊版ストリーミングは画質・音質が著しく劣るうえセキュリティリスクも伴うため、必ず正規の配信サービスをご利用ください。

あらすじ

1926年、英国の魔法動物学者ニュート・スキャマンダーが、世界中を旅して集めた魔法生物のサンプルを抱えてニューヨーク港に到着するところから物語は始まります。彼の小さな茶色のレザートランクには『拡張呪文』がかけられており、内部は広大な保護区となっていて、ニフラー、デミガイス、エランパント、オカミー、サンダーバードなど数十種類の魔法生物が、それぞれの生息環境を再現した空間で暮らしています。彼の真の使命は、米国の自然界に解放したいサンダーバード(雷鳥)『フランク』を、本来の生息地であるアリゾナの大地に返すこと。

しかしニューヨーク到着早々、ニュートは銀行で発生した『ノー・マジ(マグル=非魔法族)』のジェイコブ・コワルスキーとトランクを取り違えるアクシデントに遭遇。ジェイコブはパン屋を開業しようと銀行融資を申し込みに来た平凡な男性でしたが、ニュートのトランクから飛び出したニフラーの暴走に巻き込まれ、銀行内が大混乱に。さらに、すでにニューヨークの地下では大魔女ティナ(ポーペンティナ・ゴールドスタイン)という元魔法捜査官が、ニュートを違反者として監視していました。

ティナはニュートとジェイコブを連れて米国魔法議会(MACUSA)に出頭させます。米国魔法議会の議長セラフィーナ・ピッカリーとの会見で、ニュートは『英国の魔法動物保護観点ではこれは違反ではない』と弁明しますが、米国魔法界では『国民への魔法の存在の露見が厳禁』『魔法生物の自然解放は重大違反』とされており、彼の論理は通じません。

やがてニュートたちは、ニューヨークで起きている『不可解な破壊事件』の謎に巻き込まれていきます。市内のあちこちでビルや道路が突如として吹き飛ばされ、複数の市民が死亡する事件が連続発生。ニュートは『魔法生物による破壊ではない、これは人間の中に閉じ込められた闇の魔法エネルギー=オブスキュラスの仕業』と察知します。

オブスキュラスとは——魔法の才能を持って生まれながら、それを抑え込まれた子どもの内部で発生する破壊的な負のエネルギーのこと。米国の反魔法運動『新セーラム運動』を率いる養母メアリー・ルー・ベアボーンによる宗教的虐待を受けて育ったクリーデンス・ベアボーンこそが、巨大なオブスキュラスを宿していたのでした。

そしてティナの妹クイニー・ゴールドスタイン(レジリメンス能力者)、米国魔法議会の捜査官パーシヴァル・グレイブス——様々な人物の運命が絡み合う中、終盤に明かされる衝撃の真実とは……。

登場人物

本作で初登場するキャラクターはハリポタ世界に新たな深みを加える魅力的な人物ばかりです。

■ ニュート・スキャマンダー: 主人公の魔法動物学者。シリーズ後の小説『幻の動物とその生息地』の編纂者として知られる人物の若き日の物語。引っ込み思案で人間より動物と過ごす方が落ち着く性格で、ハリーや原作の他の主人公たちとは全く異なる独特の主人公像です。彼のトランクの中には数十種類の魔法生物が住んでいます。

■ ジェイコブ・コワルスキー: 第一次世界大戦で兵役に就いた元米兵の男性で、現在はパン屋の開業を夢見る平凡なノー・マジ(マグル)。ニュートとのトランク交換から魔法世界に巻き込まれていきます。シリーズ初の『マグル主役級キャラクター』で、ハリポタ本編の世界観を大きく拡張する存在。彼とクイニーの恋愛は本作の最大の魅力の一つです。

■ ポーペンティナ『ティナ』・ゴールドスタイン: 米国魔法議会の元闇祓いで、現在は降格させられた魔法捜査官。クリーデンスを救おうとして同僚と衝突した過去があります。ニュートと出会って魔法生物保護への共感が芽生え、シリーズの中核を成す重要な女性キャラクター。

■ クイニー・ゴールドスタイン: ティナの妹で、レジリメンス(他人の心を読む)能力者。明るく優しい性格で、ジェイコブと出会って一目惚れします。彼女のフラットなアパートで4人(ニュート・ジェイコブ・ティナ・クイニー)が初めて一夜を過ごす場面は、シリーズ屈指の温かい家族的シーンです。

■ パーシヴァル・グレイブス: 米国魔法議会の最高捜査官。コリン・ファレルが演じる威厳のある男性ですが、本作の終盤で衝撃の真相が明かされます。

■ クリーデンス・ベアボーン: 反魔法運動家メアリー・ルー・ベアボーンの養子。子供時代から虐待を受けて育ち、内部に巨大なオブスキュラスを宿す悲しい少年。エズラ・ミラーが繊細な演技で『虐待の犠牲者としての怪物』を演じ切ります。

■ メアリー・ルー・ベアボーン: 反魔法運動『新セーラム運動』の指導者。子供たちを宗教的に支配する厳しい養母で、サマンサ・モートンが圧倒的な存在感で演じます。

■ セラフィーナ・ピッカリー: 米国魔法議会(MACUSA)の議長。1920年代の米国魔法世界を統治する威厳ある女性指導者。

■ ゲラート・グリンデルバルド: シリーズ全体の核となる闇の魔法使い。本作のラストでジョニー・デップが演じる衝撃的なカメオ登場を果たし、続編へと観客の期待を高めます。

■ ニフラー: ニュートのトランクに住む宝石・金貨を盗み続ける小さな黒い動物。シリーズで最も愛される魔法生物の一つで、本作のコメディ要素を大いに担います。

■ オカミー: 自分が入っているスペースに合わせて大きさが変わる蛇のような生き物。

■ ボウトラックル: 木のような姿の小さな生物『ピケット』はニュートの胸ポケットに住み、彼にとって最も大切なペットです。

スタッフ・キャスト陣

本作のキャストはハリウッドの超一流俳優陣が新たなハリポタ世界の主役を担う豪華な布陣です。

ニュート・スキャマンダー役のエディ・レッドメインは『博士と彼女のセオリー』(2014)でアカデミー賞主演男優賞を受賞した英国演劇界の若手実力派。本作出演時34歳で、ニュートの『引っ込み思案で動物には心を開く』独特のキャラクター像を完璧に演じ分けました。彼の役作りは『大きすぎる外套にもぐりこむような身体表現』『相手の目を見ない癖』『生き物に向ける時だけ笑顔』など、原作者J.K.ローリングの設定を細部まで再現したものです。

ジェイコブ・コワルスキー役のダン・フォグラーは米国の俳優・スタンドアップコメディアン。本作の出演で世界的に認知され、彼の『マグルとして魔法世界を初めて目撃する驚き』の表情は、観客自身がシリーズ世界を新鮮に見直す視点を与えてくれます。彼のジェイコブはシリーズで最も愛される人物となり、続く2作にも出演し続けます。

ポーペンティナ・ゴールドスタイン役のキャサリン・ウォーターストンは米国の女優。『ボーイフッド 6才のボクが大人になるまで』(2014)、『プロメテウス』(2017)などで知られる実力派。本作のティナの『真面目で真摯な正義感の強さ』を見事に体現しました。

クイニー・ゴールドスタイン役のアリソン・スドルは米国出身の歌手・女優。彼女自身がフォーク・ポップ・グループ『a fine frenzy』のヴォーカルとして活動しており、独特のドリーミーな雰囲気がクイニーのキャラクターと完璧にマッチ。本作で世界的な女優としての注目を集めました。

クリーデンス・ベアボーン役のエズラ・ミラーは『ウォール・フラワー』『ジャスティス・リーグ』(2017)などで知られる若手実力派。本作の繊細な被虐待少年の演技は、シリーズ屈指の感情演技として高く評価されました。

パーシヴァル・グレイブス役のコリン・ファレルはアイルランド出身の世界的俳優。『ロブスター』(2015)『マイティ・ハート』(2007)『フィッシャーマンズ・ソング』(2025)などで知られ、本作のグレイブス役は彼の俳優としてのバラエティの広さを示す印象的な仕事となりました。

メアリー・ルー・ベアボーン役のサマンサ・モートンはアカデミー賞ノミネート俳優の英国の名女優。『マイノリティ・リポート』(2002)『マイケル・コリンズ』(1996)などで知られ、本作の宗教的支配者の冷たい視線は観客に深いトラウマを残します。

セラフィーナ・ピッカリー役のカルメン・イジョゴはイギリス出身の女優。『セルマ』(2014)『MIB:インターナショナル』(2019)などで知られ、米国魔法議会議長の威厳ある女性指導者像を完璧に体現しました。

ゲラート・グリンデルバルド役のジョニー・デップは本作のラストで衝撃のカメオ登場を果たします。『パイレーツ・オブ・カリビアン』『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』など世界最大級のスター俳優の起用は、シリーズ続編への期待を最大限に高める仕掛けでした。

監督はハリポタ本編4作に続いてデヴィッド・イェーツ。彼にとってシリーズ通算5作目の監督業で、新たな主役・新たな時代・新たな国(米国)という3重の挑戦に挑みました。脚本は原作者J.K.ローリング自身が初執筆。彼女が映画脚本に挑んだのは本作と続編2作の計3作のみで、シリーズの『マスタープラン』を全て知る作家としての特権的な仕事となっています。

音楽はジェームズ・ニュートン・ハワード。『ターザン』『シックス・センス』『プラダを着た悪魔』『ダークナイト』など多数の代表作を持つ米国の名作曲家で、ジョン・ウィリアムズの『Hedwig's Theme』を冒頭で復活させつつ、本作独自の『1920年代のアメリカ感』を加えた壮大なスコアを生み出しました。

興行収入・話題

2016年11月18日に米国、11月23日に日本で公開された『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は、最終的な世界興行収入7億7700万ドルを記録。北米2億2560万ドル、北米外5億5140万ドルという内訳で、ハリポタ本編シリーズと比較するとやや控えめな数字でしたが、新主役・新世代の物語としては十分な大成功と評価されました。

日本では2016年11月23日に公開され、年間興行収入73.4億円を記録。2016年の年間洋画ランキング上位に位置し、ハリポタ世代に加えて新規ファンも獲得することに成功しました。本作の日本興行成功は、続編『黒い魔法使いの誕生』『ダンブルドアの秘密』の日本公開へと道を開く決定的な仕事となりました。

批評家からの評価は概ね好意的で、Rotten Tomatoesの批評家スコアは74%、Metacriticは66点。映画評論家は『ハリポタ本編から見事に独立した新シリーズの起点』『1920年代ニューヨークの世界観構築の素晴らしさ』『エディ・レッドメインのニュート役の名演』を称賛しました。観客スコアも高く、Rotten Tomatoesの観客スコアは80%超を維持しています。

第89回アカデミー賞では衣装デザイン賞を受賞しました——ハリポタフランチャイズで初の本受賞という歴史的快挙です。衣装担当のコリーン・アトウッドはアカデミー賞通算4回受賞の名匠で、本作の1920年代のフラッパー風コスチュームから魔法生物の保護服まで、シリーズ最高水準の衣装デザインを実現しました。第70回英国アカデミー賞(BAFTA)でも美術賞・特殊効果賞・メイク賞・衣装賞・音楽賞の5部門にノミネートされる高評価ぶりでした。

本作の興行的成功は、ハリポタ世界が『ハリーの物語の終了』だけでは終わらないことを世界に証明し、シリーズ全体の長期戦略を確立させました。ワーナー・ブラザースは当初『5部作』としての計画を発表していましたが、後に3部作へと縮小されることになります。シリーズ最終作『ダンブルドアの秘密』(2022)の興行不振により、本作の続編は事実上完結扱いとなっていますが、本作自体は『新世代ハリポタ作品の意欲的な始まり』として高い評価を維持しています。

ネタバレ

【以下、結末まで含むネタバレを多数含みます】

本作の最大のミステリーは、ニューヨークで起きている『不可解な破壊事件』の正体です。ニュートとティナは『魔法生物による破壊ではなく、人間の中に閉じ込められた闇の魔法エネルギー=オブスキュラス(オブスキュリアル)の仕業』と察知します。

物語の中盤、米国魔法議会の最高捜査官パーシヴァル・グレイブスはクリーデンス・ベアボーンに接触し、『君の魔法の才能を解放する力をくれ』と誘惑します。クリーデンスは妹役のモデスティだと信じていた幼い少女が魔法を使うのを見て、自分こそが本物の闇の魔法使いだと気づきます。クリーデンスのオブスキュラスが完全に解放され、巨大な黒煙の竜巻となって地下鉄を破壊しながらニューヨーク市内を暴走します。

グレイブスはクリーデンスを操り、シリーズ全体の闇の核心へと近づこうとします。終盤、クリーデンスのオブスキュラスは米国魔法議会の追撃で破壊されたかに見えますが、ニュートは『この少年はまだ生きている』と察知。

そして本作の最大の衝撃の真相が明かされます——パーシヴァル・グレイブスの正体は、闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドその人だったのです。彼はポリジュース薬で米国魔法議会の捜査官に変装し、内部から組織を操っていた『シリーズ最大級の長期計画』を実行していました。グリンデルバルドの正体が明らかになる瞬間、ジョニー・デップが演じる本物のグリンデルバルドの姿に変身する場面は、シリーズ続編への壮大な期待を高めるラストとなります。

また、本作のもう一つの重要な伏線は、米国魔法議会の不文律『記憶消去呪文(オブリビエート)による全ノー・マジへの記憶消去』が決行されることです。ニュートのトランクに住むサンダーバード『フランク』が雨の中で『忘却の毒』を雨水に混ぜ、ニューヨーク市民全員から魔法世界の記憶を消し去る場面は、シリーズ屈指の壮麗な視覚美に満ちています。

しかしクライマックスでは、最も重要な人間関係が再び別れてしまいます。ジェイコブ・コワルスキーは、シリーズで愛されたマグルの恋人クイニー・ゴールドスタインへの記憶を含む『魔法世界での体験全て』を消されてしまうのです。雨の中で彼が傘もささず立ち尽くす姿は、シリーズで最も静かに胸を締め付けるラストの一つ。しかし数ヶ月後、彼が開いたパン屋の店頭には『なぜか頭の中に焼き付けたい記憶のあるニフラー、オカミー、ピケットの形のドーナツ』が並ぶ場面で、本作は希望のあるラストを残します。

クイニーが密かに店に現れて『私のことを覚えてる?』とも問いかけるエンドで、観客の涙を誘うラブストーリーが続編へと持ち越されます。本作は『記憶を失っても消えない愛』『傷つく少年の運命』『闇の魔法使いの始まりの物語』という3つの大きなテーマを完璧に提示し、続編『黒い魔法使いの誕生』への期待を最大限に高めて幕を閉じます。

トリビア

■ J.K.ローリング初の脚本: 本作はJ.K.ローリングが初めて映画脚本を執筆した作品です。彼女は『私はファンタジー作家として小説を書くことには慣れているが、脚本は完全に新しい挑戦だった』と語り、デヴィッド・イェーツ監督と長期間の打ち合わせを重ねて完成させました。彼女は本作と続編2作を含む計3作の脚本を書き上げ、シリーズの『マスタープラン』を全て自分でコントロールする初の機会を得ました。

■ エディ・レッドメインの役作り: ニュート・スキャマンダー役のエディ・レッドメインは、ロンドン動物園に何度も足を運び、動物飼育員の動きを観察して役作りをしました。彼の『生き物に向き合う時だけ笑顔になる』『人間相手では目を合わせない』という独特のキャラクター像は、彼自身が動物園で見つけた飼育員の姿から着想を得たと語っています。

■ ニフラーの撮影: 黒い小さな魔法生物ニフラーは完全CGで、撮影では『ニフラーの位置にテニスボールを置く』『そのボールが宝石を盗むシーン』を演じる必要がありました。レッドメインは『見えない動物に台詞を吐く演技』を会得した経験として、本作の撮影を振り返っています。

■ 米国魔法議会(MACUSA)のセット: 米国魔法議会の本部は、撮影所内に60mを超える巨大な吹き抜けセットとして建造。アール・デコ調の建築様式は、1920年代ニューヨークのウールワース・ビルディングをモデルにしており、撮影には数百人の補助スタッフが必要だったとプロダクションデザイナーのスチュアート・クレイグが証言しています。

■ ジョニー・デップの起用: グリンデルバルド役の起用は、本作のラストでカメオ登場が衝撃となるよう極秘で進められました。撮影スタッフでさえ『ジョニー・デップが現場にいる』ことを最後まで知らされず、彼が現場に到着した瞬間にスタッフ全員が驚いたとイェーツ監督が振り返っています。

■ 動物のキャラクター・デザイン: 数十種類の魔法生物のデザインは、シリーズの『リアリスティックな魔法世界』のテーマに沿って『現実の動物にひとさじ魔法を加える』方針で作られました。ニフラーはカモノハシ+ハリモグラ、デミガイスはコアラ+サル+霊長類、エランパントはサイ+恐竜の混合などです。

■ ニューヨークのロケ撮影: 本作は実際にニューヨーク市の建築物を多数撮影に使用していますが、1920年代の街並みを再現するため、ロンドン郊外のリーヴスデン・スタジオに2ブロック分のニューヨーク・セットも建造されました。

■ アカデミー賞衣装デザイン賞受賞の意味: ハリポタフランチャイズが初めて獲得したアカデミー賞は、約16年がかりで実現した快挙でした。衣装担当のコリーン・アトウッドは『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』『シカゴ』でアカデミー賞4回受賞の超ベテランで、本作で5度目の受賞を果たしました。

■ 音楽の継承: 冒頭で響くジョン・ウィリアムズの『Hedwig's Theme』は、ハリポタファンへの『これは続編作品ですよ』という挨拶として配置されています。ジェームズ・ニュートン・ハワードはウィリアムズへの敬意を込めて、本作のスコア全体を『ウィリアムズらしい英国魔法的な雰囲気と、自分らしい1920年代アメリカ的なジャズ感の融合』として作曲しました。

■ シリーズ計画の縮小: 本作は当初『5部作』として計画されていましたが、続編『ダンブルドアの秘密』(2022)の興行不振により事実上3部作で完結することになりました。本作のジェイコブとクイニーの恋愛、ニュートとティナの未来、クリーデンスの運命、グリンデルバルドの最終的な敗北——すべては『ダンブルドアの秘密』で描かれました。

撮影裏話

デヴィッド・イェーツ監督が本作で取り組んだ最大の挑戦は『ハリポタ本編シリーズと連続した世界観を維持しつつ、新しい主役・新しい時代・新しい国の物語として独立させる』ことでした。彼はハリポタ本編を4作続けて監督してきた経験から、シリーズの『英国の伝統的な魔法学校文化』とは全く異なる『1920年代アメリカの新興大国の魔法世界』を視覚化する責任を担いました。

プロダクション・デザインのスチュアート・クレイグはシリーズ通算9作目。本作では『1926年のニューヨーク』というハリポタ世界に全く新しい時代と場所を構築する歴史的な仕事を担当しました。彼は『マンハッタンの摩天楼の中に隠された魔法社会』というコンセプトを打ち出し、米国魔法議会(MACUSA)の本部にウールワース・ビルディングのアール・デコ調建築を採用、ニュートのトランクの中に拡張呪文の効果で広がる『ノアの方舟のような保護区』を設計しました。

衣装担当はシリーズで初の起用となるコリーン・アトウッド。アカデミー賞4回受賞の超ベテランで、ティム・バートン監督作の常連として知られる人物です。彼女は1920年代のアメリカン・フラッパー風スタイルを基調としつつ、魔法世界の独特な要素を加えた衣装群を制作。ニュートの長すぎるコート、クイニーのフラッパー風ドレス、グリンデルバルドの黒い変装衣装など、シリーズを象徴する衣装を多数生み出しました。彼女の仕事は第89回アカデミー賞衣装デザイン賞受賞という形で結実しました。

VFX面では、本作の最大の挑戦は『数十種類の魔法生物』を全てリアルに表現することでした。VFXスーパーバイザーのクリスチャン・マンツは『ジュラシック・パーク』『パイレーツ・オブ・カリビアン』などで実績を持つ米国の名匠で、本作のために専属チームを組み、ニフラー、デミガイス、サンダーバード、エランパント、オカミー、ボウトラックル(ピケット)などの個別性のある動物像を作り上げました。とくにニフラーの『宝石を見つけると喜び勇んで盗もうとする』動きの愛らしさは、シリーズで最も愛される魔法生物の一つとなりました。

撮影監督フィリップ・ルースロは『悲しみよこんにちは』『マルゴット王妃』『ヒッチコック』など多数のフランス映画を手がけてきた名カメラマン。本作の1920年代ニューヨークの色彩は、彼の『英国系シネマトグラファーの伝統に、フランス的な詩的アプローチを加える』スタイルで仕上げられました。グランドセントラル駅、シーニアル・ホテル、ウィットニー・スクエアなどの実在の場所をベースにしたニューヨークのシーンは、現代の『リアルなニューヨーク』ではなく『シネマティックなニューヨーク』として表現されています。

音楽はジェームズ・ニュートン・ハワード。彼は『シックス・センス』『ターザン』『プラダを着た悪魔』『ダークナイト』など多数の代表作を持つハリウッドの巨匠で、ジョン・ウィリアムズの『Hedwig's Theme』を冒頭で印象的に復活させつつ、本作独自の『ニフラーのテーマ』『ニュートのトランクのテーマ』『1920年代ジャズ風オーケストラ』などの新しい主題を加えてシリーズの音楽的拡張を実現しました。

また、本作の脚本を初執筆したJ.K.ローリングは、撮影現場にも頻繁に立ち会い、エディ・レッドメインに対して『ニュートのキャラクター』に関する細かい指示を出していました。彼女は『ニュートはハリーとは全く違う主役。ニュートは弱気で、人間と話すのが苦手で、自分から行動するタイプじゃない。それでも世界を救う英雄になる』というニュート像をエディに何度も繰り返し説明したと、エディ自身が後にインタビューで語っています。

本作はハリポタ本編シリーズの『学園ファンタジー』から離れて『大人の魔法世界の冒険物語』へと舵を切る歴史的な1作となり、ハリポタ世界の物語的拡張を成功させました。続編『黒い魔法使いの誕生』『ダンブルドアの秘密』へと続く5部作計画は、最終的に3部作で打ち切られることになりますが、本作自体は『新世代ハリポタ作品の完璧な始まり』『1920年代魔法世界の壮麗なオープニング』として、シリーズの新たな金字塔を打ち立てた重要な1作として記憶され続けています。