ホビット 竜に奪われた王国が無料で全話見れる動画配信はどれ|考察、ネタバレ、タダで見る方法も解説
『ホビット 竜に奪われた王国』が見れる動画配信サービス
現在、Netflix・Amazon Prime Video・Hulu・U-NEXT で視聴できます。
| 配信サービス | 視聴可否 |
|---|---|
| Netflix | 視聴可能 |
| Amazon Prime Video | 視聴可能 |
| Disney+ | − |
| Hulu | 視聴可能 |
| U-NEXT | 視聴可能 |
『ホビット 竜に奪われた王国』とは?作品の見どころ
「私の名は彼方より来し、私の名は雲を渡る者、私の名は風に乗る者!(I am the clue-finder, the web-cutter!)」——シリーズ第2作『ホビット 竜に奪われた王国』(2013)で、はなれ山の地下深くに潜むことになるビルボ・バギンズが、シリーズ最強の竜スマウグ(声: ベネディクト・カンバーバッチ)と対峙する歴史的場面。竜の知能と恐ろしい炎、ビルボの機転と覚悟が交錯する20分超のクライマックス対話シーンは、シリーズ屈指の傑作として記憶されています。前作『思いがけない冒険』のラストで、はなれ山が遠く彼方に見えた地点から物語は再開。13人のドワーフ達と魔法使いガンダルフ、そしてホビット族のビルボ一行が、闇の森(ミルクウッド)、湖の町(エスガロス)、廃墟となった邸エレボールと、シリーズで最も多様な舞台を旅していきます。エルフの森のレゴラス(オーランド・ブルーム)とオリジナル創作の女エルフ族戦士タウリエル(エヴァンジェリン・リリー)、湖の町の弓使いバルド(ルーク・エヴァンス)など新キャラクターも続々登場。世界興行収入9億5910万ドルを記録した本作の魅力を、登録だけで全話無料視聴できる動画配信サービスの紹介とあわせて徹底解説します。
『ホビット 竜に奪われた王国』を全話無料で見る方法
映画『ホビット 竜に奪われた王国』を全話無料で視聴したい場合、最も確実なのはU-NEXTの31日間無料トライアルを活用する方法です。月額2189円のU-NEXTで本作は見放題配信されており、新規入会者は31日間の無料体験期間中であれば追加料金一切なしでホビット3部作とロード・オブ・ザ・リング3部作の計6作を一気見できます。
U-NEXT(31日間無料トライアル)
本作はU-NEXTの見放題対象として配信中。新規入会で31日間の無料体験が用意されており、その期間内であれば一切の追加料金なしで『思いがけない冒険』『竜に奪われた王国』『決戦のゆくえ』のホビット3部作と、本編シリーズ『旅の仲間』『二つの塔』『王の帰還』のロード・オブ・ザ・リング3部作までフル視聴可能。さらに31日無料体験中に劇場公開版とエクステンデッド・エディション(各40〜50分の追加映像入り完全版)も両方視聴できる場合があります。登録時に600ポイントが付与されるため、原作小説の電子書籍購入にも応用できます。週末2〜3日で中つ国マラソンを楽しむのに最適なサービスです。
Amazon Prime Video(30日間無料体験)
Amazon Prime Videoでも見放題配信中です。プライム会員月額600円・年額5900円のサービスで、新規入会者には30日間の無料体験が用意されています。Fire TV StickやChromecast連携が容易な点も魅力で、家のテレビで4Kクオリティーで視聴したい方に最適。お急ぎ便等のEC特典も同時に試せるため、配送特典と組み合わせて利用したい方にも好相性です。
Hulu(見放題配信中)
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Netflix(配信中)
Netflixでも本作は配信されており、すでにNetflix会員の方は追加料金なしで視聴可能です。ただしNetflixは2024年以降、日本では新規ユーザー向け無料体験を提供していないため、初回登録のみで無料視聴したい場合はU-NEXTかPrime Videoを推奨します。
本作はレンタル課金や追加購入なしに、上記いずれかの登録だけで合法的に最後まで視聴できます。違法アップロード動画や海賊版ストリーミングは画質・音質が著しく劣るうえセキュリティリスクも伴うため、必ず正規の配信サービスをご利用ください。
あらすじ
前作『思いがけない冒険』のラストで、空高く舞い上がった巨大鷲によりはなれ山近くの山頂まで運ばれた一行。本作はそこからすぐ、白いオーク族首領アゾグの追跡を逃れて『熊変身者(スキン・チェンジャー)』ベオルンの家へ避難するシーンから物語が再開します。ベオルンは普段は人間の姿の屈強な男ですが、夜になると巨大な熊に変身する不思議な能力を持つ存在。彼はトーリンに対する不信感を抱えながらも、宿敵オークから一行を匿ってくれます。
ガンダルフの指示でベオルンの家を一時離脱した一行は、闇の森(ミルクウッド)へと向かいます。ガンダルフ自身は『闇の力(ネクロマンサー)の謎を調べに行く』と一旦離脱し、ビルボとドワーフ達13人だけで森を進むことになります。闇の森は呼吸するだけで方向感覚を失う毒の気が漂う森で、進むほどに一行は精神を蝕まれていきます。やがて巨大な蜘蛛(シェロブの子孫達)に襲われ全員捕らえられそうになりますが、ビルボが指輪の力を使って『つらぬき丸(スティング)』で蜘蛛達を撃退する活躍を見せます。
ビルボがドワーフ達を解放しようとした矢先、エルフの森の警備兵団(レゴラス、タウリエル率いる)に一行は捕らえられ、エルフの王スランドゥイル(レゴラスの父)の地下宮殿の牢獄に投獄されてしまいます。投獄中、若いドワーフのキーリと女エルフ戦士タウリエルの間にエルフ・ドワーフを超えた珍しい恋愛関係が芽生え始めます。
ビルボは指輪の力を駆使して牢から脱出し、空の樽を使って一行を地下水路から解放するという奇抜な脱出計画を実行。しかし樽脱走の途中、彼らはアゾグ率いるオーク兵に襲われると同時に、彼らを追跡してきたレゴラスとタウリエルにも追われる激しい三つ巴の戦闘が展開されます。シリーズ屈指の樽脱走バトル・シーンは、現代映画における長尺アクションシーンの傑作として評価されています。
樽脱走の最後、一行は湖の町(エスガロス)に到着。湖の町は河の中央に立つ木造の水上都市で、湖の町の弓使いバルドという男に密入国を頼みます。バルドは町の住民でありながら、長年の伝統で受け継がれた『黒い矢』(竜を射抜くための特別な矢)を持つ家系の末裔。
湖の町でドワーフ達は不法侵入の罪で町長(湖の町を支配する卑劣な政治家)に拘束されますが、トーリンが王として立ち上がり、町の住民を扇動して『はなれ山を取り戻したら、住民達にも分け前を与える』と約束。住民達は熱狂し、トーリン一行ははなれ山へ向かう許可を得ます。
そしてはなれ山の地下深くで、シリーズ屈指の対決——ビルボが竜スマウグと初めて対峙する『ベネディクト・カンバーバッチの声で語る邪悪なドラゴン』との心理戦が繰り広げられるのです。
登場人物
本作で初登場する重要キャラクターは、シリーズ全体の世界観をさらに豊かに彩る面々です。
■ スマウグ: シリーズ最強の竜。はなれ山(エレボール)のドワーフ王国を奪い、地下深くに眠る黄金の山の上で何百年も眠っていた邪悪な存在。ベネディクト・カンバーバッチが声を演じる『知能と狡猾さに満ちた古代の竜』は、シリーズ屈指のヴィラン像となりました。彼の体長は約140メートルで、シリーズで最大のドラゴン。
■ タウリエル: 映画オリジナル創作の女エルフ族戦士。エルフ王スランドゥイルの森の警備兵団の隊長で、レゴラスと共に外世界の脅威を警戒する立場です。エヴァンジェリン・リリー(『LOST』『アントマン』のホープ・ヴァン・ダイン役)が演じ、若いドワーフ・キーリとの異種族恋愛で人気となりました。
■ レゴラス: 『指輪物語』第1作の主役級キャラクターが、本作で前日譚として登場。彼はエルフ王スランドゥイルの息子で、エルフの森の警備兵団の責任者として登場します。オーランド・ブルームが続投し、シリーズで最も人気のあるエルフ戦士の若き日が描かれます。
■ スランドゥイル王: 闇の森のエルフ王で、レゴラスの父。リー・ペース(『パッション』『キャプテン・マーベル』のロナン)が演じる氷のように冷たい君主像。彼は何千年も生きてきた古代のエルフ王で、雄大な巨体の白い鹿に乗って登場するシリーズで最も威厳ある場面を見せます。
■ バルド: 湖の町の弓使い。彼は伝統的に『竜の射手』の血筋を引く男で、長年の準備と覚悟を持って竜スマウグの来襲に備えていました。ルーク・エヴァンス(『ファスト&フュリアス』『美女と野獣』2017年のガストン)が演じる『無口だが信念のある父親』像は、シリーズの中で最も人間味のあるキャラクターです。
■ ベオルン: 闇の森の手前で出会う『熊変身者(スキン・チェンジャー)』。普段は人間の姿の屈強な男ですが、夜になると巨大な熊に変身する不思議な能力を持つ存在。ミカエル・パーシュブラントが演じる短いが印象的なキャラクターで、シリーズの『中つ国の多様な種族』のテーマを象徴する人物です。
■ 湖の町の町長: 湖の町を支配する卑劣な政治家。スティーヴン・フライ(英国の俳優・コメディアン)が演じる豪奢で堕落した政治家像は、シリーズ屈指の風刺的キャラクターです。
■ アゾグと息子ボルグ: 前作で登場した白いオーク族の首領アゾグは、本作でも宿敵として続投。彼の息子ボルグも本作で初登場し、闇の力ネクロマンサーの代理として一行を追跡する役割を担います。
■ ガンダルフ(灰色): 中盤で一旦単独行動を取り、闇の力ネクロマンサーの謎を調べに『ドル・グルドゥアの廃墟』へ向かいます。彼が直面する『闇の眼』こそが、後の『指輪物語』の宿敵サウロンであることが本作で初めて明らかになる重要な伏線です。
■ ビルボ・バギンズ: 主人公。前作の『臆病な青年』から『真の英雄ホビット』へと完全に成長を遂げる本作で、闇の森の蜘蛛戦闘、樽脱走、はなれ山でスマウグと対峙する歴史的な3つの大きな試練に挑みます。
■ トーリン: ドワーフ王国の継承者。本作では『黄金への執着』が彼の中で芽生え始め、シリーズの伏線として重要な役割を担います。
■ キーリ: トーリンの若いドワーフの甥。タウリエルとの異種族恋愛が、本作の感情的な核心の一つとなります。
スタッフ・キャスト陣
本作のキャストは前作のレギュラー陣に加え、新たにシリーズの世界観を拡張する重要キャラクターを演じる超豪華な俳優陣が集結しました。
竜スマウグの声を担当したベネディクト・カンバーバッチは英国の世界的俳優。BBCのテレビドラマ『シャーロック』(2010-)のシャーロック・ホームズ役で、本作のビルボ役マーティン・フリーマンと共演している関係で、本作の起用が実現しました。彼の『深く知的でありながら邪悪な竜』の声は、シリーズ屈指のヴィラン像を生み出しました。撮影では彼自身がスマウグの動きを身体的に演じ、その動きをCGに変換するモーションキャプチャ技術が使われました。
タウリエル役のエヴァンジェリン・リリーはカナダ出身の女優。米国のテレビドラマ『LOST』(2004-2010)のケイト・オースティン役で世界的人気を獲得し、後に『アントマン』(2015)『アントマン&ワスプ』(2018)のホープ・ヴァン・ダイン役で活躍します。彼女の演じる女エルフ戦士は映画オリジナル創作のキャラクターで、原作には登場しない人物ですが、シリーズの中で最も人気のあるエルフ戦士の一人となりました。
バルド役のルーク・エヴァンスは英国出身の俳優。『ファスト&フュリアス』シリーズ(2013-)、『美女と野獣』(2017)のガストン役、『ザ・ガード/守護者』(2014)など多彩な作品で活躍する世界的スターで、本作の『無口だが信念のある父親』像は彼の俳優としての到達点の一つとなりました。
スランドゥイル王役のリー・ペースは米国の演技派俳優。『パッション』(2014)『キャプテン・マーベル』(2019)のロナン役で世界的に有名で、本作の氷のように冷たい君主像は批評家から絶賛されました。
湖の町の町長役のスティーヴン・フライは英国の俳優・作家・コメディアン。『ジーヴスとウースター』『ハリー・ポッター』シリーズの英語ナレーション、『フォーマット』『QI』のホスト役などで英国国民的な存在で、本作の卑劣な政治家役は彼のコメディ的才能を最大限に発揮した愛される風刺キャラクターとなりました。
前作からのレギュラー陣としてビルボ・バギンズ役のマーティン・フリーマン、トーリン・オーケンシールド役のリチャード・アーミティッジ、ガンダルフ役のイアン・マッケラン、レゴラス役のオーランド・ブルーム、ガラドリエル役のケイト・ブランシェット、エルロンド役のヒューゴ・ウィービング、サルマン役のクリストファー・リー、フロド役のイライジャ・ウッド、年老いたビルボ役のイアン・ホルム、ゴラム役のアンディ・サーキスも続投。
13人のドワーフ達(バリン、ドワリン、フィリ、キーリ、グロイン、オイン、ノリ、ドリ、オリ、ボフール、ボンブール、ビフール)を演じる俳優陣も全員続投で、シリーズの連続性が完璧に保たれました。
監督・脚本ピーター・ジャクソンも続投。共同脚本に妻フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、ギレルモ・デル・トロが参加し続けています。本作の脚本ではタウリエル・キーリの異種族恋愛など、原作にない多数のオリジナルストーリーを追加して、3部作の中盤戦を充実させる仕事を成し遂げました。
VFX総指揮はWeta Digitalのジョーリー・レテリエ、ジョーン・レテリエ。本作で彼らが手がけた最大の挑戦は『竜スマウグ』の完全CG化でした。スマウグの体長140メートル、体表の鱗の質感、目の表現、炎の吐き出し方など、何千時間ものアニメーション作業が投入された傑作CGキャラクターです。本作は第86回アカデミー賞視覚効果賞・音響編集賞・音響賞の3部門にノミネートされました。
音楽はハワード・ショアが続投。本作のために『The Misty Mountains』『The Forest of Mirkwood』『Smaug's Lair』『Bard, A Man of Lake-town』など多数の新主題を作曲し、シリーズの音楽世界をさらに拡張しました。
興行収入・話題
2013年12月13日に米国、2014年2月28日に日本で公開された『ホビット 竜に奪われた王国』は、最終的な世界興行収入9億5910万ドルを記録。前作『思いがけない冒険』の10億1495万ドルからやや減収しましたが、依然として超大作レベルの数字で、2013年公開作品の世界興行ランキングで第3位(『アナと雪の女王』『鋼の錬金術師』に次ぐ)を獲得しました。
日本では2014年2月28日に公開され、初日3日間で動員30万5676人、興行収入3億9642万円という好スタートを切りました。最終的な日本興行収入は55億円超を記録、2014年の年間洋画ランキング上位に位置し、シリーズの中核観客基盤の安定動員を維持しました。
批評家からの評価は前作よりやや好評で、Rotten Tomatoesの批評家スコアは74%、Metacriticは66点。批評家は『前作よりもアクション・シーンの多さと密度が魅力』『樽脱走シーンの躍動感』『ベネディクト・カンバーバッチのスマウグの声の素晴らしさ』を高く評価しました。観客スコアもRotten Tomatoesで79%と健闘。
第86回アカデミー賞では視覚効果賞・音響編集賞・音響賞の3部門にノミネート。受賞には至りませんでしたが、Weta Digitalチームの竜スマウグのCG技術は業界から高く評価されました。とくに体長140メートルのスマウグの全身モデル、鱗の質感、炎を吐く動きは、ハリウッドの大規模CGドラゴン表現の新しい基準を確立する歴史的な仕事となりました。
第67回英国アカデミー賞(BAFTA)でも特殊効果賞ノミネートを獲得しています。
本作はホビット3部作の中盤戦として、前作からの観客動員を維持しつつ、続編『決戦のゆくえ』(2014)へと観客の期待を高める仕事を完璧に果たしました。シリーズ累計世界興行収入は本作公開時点で約20億ドルに達し、続編完結時点で29億ドル超という、現代映画フランチャイズ史上屈指の規模を確立する基盤となりました。
2024年から2025年の世界各地での再公開興行でも本作は『シリーズ屈指のアクション映画』として人気タイトルに選ばれ、累計世界興行収入は再公開分を含めて10億ドルを超えました。とくに『樽脱走シーン』『スマウグの初登場』『ビルボとスマウグの対話』はシリーズ屈指の名場面として今も多くのファンに愛されています。
ネタバレ
【以下、結末まで含むネタバレを多数含みます】
本作の最大のクライマックスは、はなれ山(エレボール)のドワーフ王国の地下で展開する『ビルボとスマウグの対峙』のシーンです。
トーリン一行ははなれ山の秘密の入口を見つけ、ドワーフのルーンと月光の指示を解読して、地下深くへと忍び込みます。先発隊として地下に降りるのは、契約上『盗賊』の役割を担うビルボ。彼は指輪の力を使って身を隠しながら、巨大な金貨の山の中央に眠る竜スマウグを探します。
金貨の山の中央で、ビルボは『アーケン石(山の心臓と呼ばれる至宝の宝石)』を発見しますが、その瞬間、金貨の下から巨大な竜の目が彼を凝視します。スマウグが目覚めたのです——ベネディクト・カンバーバッチの深く知的な声で語る竜は、ビルボに『お前の正体を当ててやろう』と挑戦します。
ビルボとスマウグの心理戦は20分以上にわたる長尺対話シーンで、スマウグが『もしかしたら樽の中で運ばれた者か、湖の町の射手か、ドワーフ達と一緒の者か』と推理を重ね、ビルボは『私は彼方より来し者、私は雲を渡る者、私は風に乗る者』と古代の謎めいた答え方で誤魔化そうとします。シリーズ屈指の知能戦が展開する場面です。
スマウグはビルボのポケットに『一つの指輪』があることを察知しますが、ビルボは指輪を使って身を隠して逃走。スマウグは激怒し、はなれ山の地下を巡る大規模な追跡戦が開始されます。13人のドワーフ達も合流し、スマウグの炎から逃げながら、地下の溶けた金属の鋳型場で彼を罠にはめる作戦を実行します。彼らは溶けた金の濁流でスマウグを覆い、巨大な金の彫像を作ろうとしますが、最終的にスマウグはこれを振り払って空高く飛び去ります。
「彼らは私の名を知るな、お前の傲慢さの代償を払うがいい——湖の町を焼き尽くしてやる!(I am fire — I am DEATH!)」とスマウグは叫び、はなれ山から湖の町(エスガロス)へと向かって飛び去ります——本作のラストの衝撃的なクリフハンガーで、続編『決戦のゆくえ』へと持ち越される最大の伏線です。
並行して、闇の森のエルフ王国ではタウリエルとキーリの恋愛関係が大きく進展しました。アゾグ率いるオーク兵がキーリに毒の矢を射ち、彼が瀕死の重傷を負った後、タウリエルが『アシラズ(古代エルフの治癒魔法)』を使って彼の命を救う場面が描かれました。エルフとドワーフの異種族恋愛という映画オリジナル創作のサブプロットは、シリーズの中でも最も繊細な感情描写となりました。
ガンダルフのストーリーラインでは、彼が『ドル・グルドゥアの廃墟』に到着し、闇の力ネクロマンサーと正面対決します。彼は『私は影でしかない、しかしお前を眠りから覚ますなんて貴様は知らないことを企てている』と告げますが、ネクロマンサーは予想以上に強大で、ガンダルフは捕らえられて鉄の檻の中に閉じ込められてしまいます。シリーズ全体の伏線である『闇の力ネクロマンサー=サウロンの復活』が本作で完全に明らかになり、続編『決戦のゆくえ』で『指輪物語』へと続く運命の物語の重要な転換点となります。
本作のラストショット——スマウグが巨大な翼を広げて湖の町に向かって飛び去る場面で、ビルボの絶望的な囁き『私たちは何を解放してしまったのか…?(What have we done?)』と共に、続編への完璧なクリフハンガーで本作は幕を閉じます。
トリビア
■ ベネディクト・カンバーバッチのスマウグ起用: 竜スマウグ役のベネディクト・カンバーバッチは、ビルボ役のマーティン・フリーマンとBBCのテレビドラマ『シャーロック』(2010-)で共演している縁で本作に起用されました。彼自身がスマウグのモーションキャプチャ撮影に参加し、ヘビのような身体動作と威圧的な姿勢を生身で演じてCGに変換するという『二人芝居』を成立させました。
■ タウリエルの誕生: 映画オリジナル創作の女エルフ戦士タウリエルは、原作にはまったく存在しないキャラクターです。ピーター・ジャクソン監督と脚本チームが『3部作にもっと多くの女性キャラクターと感情ドラマが必要』と判断して創作しました。エヴァンジェリン・リリーは『LOST』終了後の俳優キャリアの転機として本作に出演を選び、原作ファンの一部からの批判はありましたが、シリーズの中で最も人気のある女性エルフキャラクターとなりました。
■ 樽脱走シーンの撮影: 一行が空の樽で地下水路を脱出するシーンは、撮影所内に大規模な水流セットを建造して撮影されました。何ヶ月もかけて完成された傑作で、ビルボ役のマーティン・フリーマン、ドワーフ役の俳優達は実際に水中に沈むスタント演技に挑みました。レゴラスとタウリエルが樽の上を駆け抜けながら戦闘するシーンは、シリーズ屈指のアクション・シーンとして高く評価されています。
■ スマウグのデザイン: 体長140メートルのスマウグは、Weta Digitalチームが何ヶ月もかけて完成させた傑作CGドラゴンです。鱗の質感、瞳の表現、炎の吐き出し方、地下の金貨と擦れ合う音まで、すべての細部が現実感のあるディテールで作り込まれました。本作の視覚効果賞ノミネートは、彼らの仕事への業界的評価でした。
■ 闇の森(ミルクウッド)の毒気: 闇の森を進む一行が方向感覚を失い、精神を蝕まれていく場面の撮影は、撮影所内に巨大な森林セットを建造して撮影されました。役者陣は『本当に毒の中にいるような奇妙な感覚に襲われた』とインタビューで語っており、ピーター・ジャクソン監督の演出力の高さを示すエピソードとなっています。
■ レゴラスとタウリエルの戦闘: レゴラスとタウリエルが樽脱走中の戦場で展開する複雑な弓の戦闘シーンは、すべてオーランド・ブルームとエヴァンジェリン・リリー本人がスタント練習を経て実演しました。ブルームは前作までで弓の名手の演技を完成しており、リリーも本作の出演前に何ヶ月もアーチェリーの訓練を受けています。
■ ベネディクト・カンバーバッチの父親役: スマウグ役のベネディクト・カンバーバッチは、本作と並行して『闇の力ネクロマンサー』(後のサウロン)の声も担当しました。シリーズの『最終決戦の宿敵=ヴォルデモートの先輩』のような立場のキャラクターを、彼自身が二役で演じる豪華な仕事となりました。
■ 上映時間と完全版: 劇場公開版は2時間41分でしたが、後発のDVDで公開された『エクステンデッド・エディション』(完全版)は3時間6分の25分追加映像入り。湖の町でのバルドの家庭の場面、闇の森の蜘蛛との戦闘の延長場面、ベオルンの家での詳細場面などが追加されています。
■ 撮影現場での絆: 本作の撮影現場では、前作までで形成された俳優達の絆がさらに深まりました。マーティン・フリーマンは『毎日の撮影が家族の集まりのような雰囲気だった』と振り返り、ピーター・ジャクソン監督も『俳優達がシリーズに対する深い愛を持って参加してくれた』と感謝しています。
■ ボン・ジョヴィの『New Day, New World』のラブ: エンドクレジットの主題歌『I See Fire』は、英国の若手シンガーソングライターのエド・シーランが作曲・歌唱した楽曲で、ピーター・ジャクソン監督がエド・シーランの『The A Team』を聴いて起用を決定したと言われています。シリーズ屈指の感動的なエンドクレジットの曲となり、世界的ヒット曲として後に多数の音楽賞ノミネートを獲得しました。
撮影裏話
ピーター・ジャクソン監督が本作で取り組んだ最大の挑戦は『3部作の中盤戦として、前作からの観客動員を維持しつつ、続編へのクリフハンガーを成功させる』ことでした。原作小説のこの章は単純な前進譚で、シリーズ屈指のクライマックス『竜の襲来』は本作のラストではなく続編の冒頭に位置します。脚本チームは『竜スマウグの登場と対決』を本作のラストに持ってくることで、観客の期待を最大限に高める構成を選択しました。
プロダクション・デザインのダン・ヘナは、本作のために『闇の森(ミルクウッド)』『湖の町(エスガロス)』『はなれ山(エレボール)』という3つの完全に異なる世界観を構築しました。闇の森は黒く湿った巨木の森として、湖の町は河の中央に立つ木造の水上都市として、はなれ山は地下の黄金で埋め尽くされたドワーフ王国として——それぞれ完全に異なる視覚的アイデンティティが与えられた傑作セット群です。とくに湖の町のセットは、撮影所内の巨大プールに実物大の木造建築を建てるという大規模な仕事でした。
衣装担当のアン・マスキは、本作のために『闇の森のエルフ族』『湖の町の住民』『ドワーフ女戦士スリオーリ(エクステンデッド版)』など新たな衣装群を制作。タウリエルの淡い緑のエルフ・ドレス、スランドゥイル王の白い冠、湖の町の住民の貧しい服装など、シリーズの世界観の細部を完璧に視覚化する仕事を成し遂げました。
VFX総指揮Weta Digitalの仕事は、本作で最大のピークに達しました。竜スマウグの完全CG化が最大の挑戦で、ベネディクト・カンバーバッチのモーションキャプチャ演技を基にして、体長140メートルの巨大ドラゴンの全身モデル、鱗の質感、瞳の動き、炎の吐き出し方など、すべての細部を実物感のあるディテールで作り込みました。スマウグが地下の金貨の山の中央から起き上がる瞬間、目を開けてビルボを凝視する瞬間、炎を吐き出す瞬間は、シリーズで最も視覚的に圧倒的な場面となりました。
撮影監督アンドリュー・レスニーは前作までに続いて続投。彼の仕事は本作で最も色彩的に多様な作品を仕上げる仕事となりました。ベオルンの家の暖かい木造の温色、闇の森の冷たい青緑、エルフの森の銀色の光、湖の町の暖かい黄色、はなれ山の黄金の輝きまで——シリーズ屈指の色彩設計の傑作となっています。
音楽はハワード・ショアが続投。本作のために『The Quest for Erebor』『Bard, A Man of Lake-town』『The Smaug Theme』(竜のテーマ)『Beyond the Forest』(闇の森を抜けて)など多数の新主題を作曲。とくに竜スマウグのテーマは、低音の重厚なオーケストラ・パターンで『恐怖と威圧感』を完璧に表現し、シリーズ屈指のヴィラン主題となりました。
また、本作のエンディング主題歌『I See Fire』は、英国の若手シンガーソングライターのエド・シーランが作曲・歌唱した楽曲で、シリーズ屈指の感動的なエンドクレジットの曲となりました。エドは当時22歳でしたが、本作の起用以降彼の俳優キャリアと音楽キャリアが世界的に飛躍する転機となりました。
シリーズの長期撮影による俳優陣の絆も、本作で最も深まった時期でした。3部作通して同時撮影されているため、キャストとスタッフは2年以上ニュージーランドで共同生活しており、撮影最終日にはシリーズ全体のクランクアップを記念する大規模なパーティーが行われました。マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ、エヴァンジェリン・リリー、オーランド・ブルームなど主要キャスト全員が涙ながらに『シリーズが終わる悲しみ』を語ったとピーター・ジャクソン監督が振り返っています。
本作はホビット3部作の中盤戦として、前作からの観客動員を維持しつつ、続編『決戦のゆくえ』(2014)への観客の期待を最大限に高める仕事を完璧に果たしました。最大のクリフハンガーである『スマウグの湖の町への襲来』は、続編の冒頭で完璧に回収され、シリーズの最終決戦である『五軍の戦い』へと観客を導いていきます。9年ぶりに復活した中つ国シリーズが、3部作合計で29億ドル超の世界興行収入を達成する道は、本作の興行的・批評的成功なくしては実現しなかったと言えるでしょう。